幸運は死者に味方する
- サーカス (55)
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創元推理文庫は2月に1946年のロンドンの結婚相談所を舞台に、二人の女性相談員を探偵役とする傑作『ロンドン謎解き相談所』を出してくれたが、3月は1945年11月のニューヨークを舞台に、二人に女性探偵(社長と雇い人)が活躍する『幸運は死者に味方する』である。どちらもシリーズ第1作。たいへん結構なことである。 では、ネタバレのない範囲で検討する。 探偵役・・難病を患うが、沈着冷静で頭脳明晰なリリアン・ペンテコスト(ミズ・P)と、元サーカスの何でも屋で、ミズ・Pに雇われて探偵の研修をつんだウィロウジーン・パーカー(ウィル)。二人は親子ほど歳が違う。大変ユニーク。 事件・・製鉄会社の社長が自殺し、1年後にその妻が交霊会のあとで、水晶玉で頭を殴られて殺される。犯人は夫の霊なのか。大変ユニーク。 時代の雰囲気・・アメリカ人読者から見ると、時代の雰囲気は書けているのかもしれないが、日本人読者から見ると、空襲の痕のない1945年のニューヨークは、空襲の破壊から復興中の1946年のロンドンよりも不利である。復興のエネルギーも、戦争の終わった解放感(たぶん56頁の3行と、77頁の1行のみ)も、本書では乏しい。 アクション・・ウィルが活躍。なかなか豊富で面白い。 悪役・・スピリチュアルアドバイザー(交霊術師)のアリエル・ベレストレード。雰囲気あり、良好。 ストーリー展開・・この評価が難しい。第二の事件が意外だが・・ウィルのサブ(ラブ?)ストーリーが目立ちすぎて・・全体としては面白い。 論理性・・あると思う。 動機・・うーん。別の動機にしてほしかった。動機がオーケーとしても、動機に説得力を持たせるための雰囲気作りがちょっと足りない。 犯人・・意外な犯人だが、意外な犯人としてはこの人しかいないと、予想する読者も多いだろう。仕方ない。 次作・・次作も読みたい。 | ||||
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主人公のウイルがあっさり人を殺し(正当な理由があるとはいえ)タフガールぶりウィ発揮する。よく練ったストーリーで、楽しんだ。最大の謎は、なぜ作者は事件の舞台を1945年にしたのかということ。2000年でも2010年でもよかったのではないかと。思い当ったのは1940年代はLGBTに風当たりに強い時代だった、そんな時代だから成立する話。どう思います? | ||||
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ヤング・アダルト向けのライト・ノベルのような表紙絵とはイメージの異なるパズラーでした。 「幸運は死者に味方する "Fortune Favors The Dead"」(スティーヴン・スポッツウッド 創元推理文庫)を読み終えました。 1942年。ニューヨーク。プロローグの工事現場。レディ探偵、リリアン・ペンテコスト。ワトソン役と言うより、後継者と呼ぶべき探偵、ウィロウジーン(ウィル)・パーカー初登場。そして、1945年。ペンテコスト探偵事務所に、1件の仕事の依頼が舞い込みます。前年にピストル自殺を遂げた<コリンズ製鉄>の元社長アリステアの妻・アビゲイルが、ハロウィン・パーティの最中に開かれた交霊会の後、何者かに殺害されます。凶器は、水晶玉。書斎は中から鍵がかけられており、「密室」。犯人はいったい誰?動機は? アガサ・クリスティと「ブラックマスク」へのオマージュが感じられるパズラーですから、ストーリーは割愛しましょう(笑)。 二人の探偵がとてもユニークだと思います。師匠と弟子。母と娘。静と動。それらが万華鏡を見るようにうねりながら、物語が進行していきます。スピリチュアル・アドバイザー。永遠に安泰ではいられない金持ち、権力者。ハーポ・マルクス。キャロル・ロンバート。そして、「グレイテスト・ショーマン」を見るかの如きサーカス出身のウィル。中盤までは、時代背景とファッションに見惚れ、物語をかき回すウィルの行動調査の<熱>を感じながらも、パズラーとしてはどうかなと疑問を持ちながらの読書でしたが、終盤のラッシュはとてもエキサイティングだったと言っていい。(色々書きたい気持ちはあるのですが、書いてはいけないこともあって、隔靴掻痒のヘタレ・レビューになってしまった(笑)。) 評価を押し上げている理由を二つ。一つ目は、ストーリーが見事にネスティングしていること。二つ目は、「ひとつの痛みを別の痛みと交換することを学ぶ前に、手を差しのべたい」(Kindle の位置No.5396-5397)というデリケートなテーマが、この物語全体を覆い尽くしているように思えることにあります。 本国では、シリーズ二作目も既に刊行予定だそうですので、訳出されてほしいと切に願います。 | ||||
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ニューヨークきっての女性探偵と元サーカス団員のその助手。母と娘ほど歳の離れたコンビが挑むのは、閉ざされた書斎で発生した奇妙な殺人。大注目のデビュー作!」 --- という米国のテレビ局が喜んで買いそうな設定につられて読んだのですが、ストーリーは軽すぎず重すぎず、けっこうジェットコースターで十分に楽しめました。 表紙はライトノベル風で中身とはだいぶ違うなと感じましたが、じっくりみるとこれもありかなと思ってしまうのは、最近読むようになったライトノベルに感化された結果か(笑) | ||||
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