犠牲者の犠牲者



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初公開日(参考)2021年11月
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長編小説

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犠牲者の犠牲者 (ハーパーBOOKS)

2021年11月17日 犠牲者の犠牲者 (ハーパーBOOKS)

ストックホルム郊外で磔にされた男の全裸体が見つかった。 残虐な拷問を受けた被害者は名うての凶悪犯罪者で、局部を切り取られたうえ、“生かされて"いた――。 過去のレイプ被害者の家族による報復か、犯罪組織の抗争か? 捜査を指揮する警部カールと匿名情報を得た記者アレクサンドラ、それぞれが事件に迫るなか、異なる手口で拷問された惨殺体が発見され……。 戦慄の北欧ミステリー!(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

犠牲者の犠牲者の総合評価:6.75/10点レビュー 4件。Cランク


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全1件 1~1 1/1ページ
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(7pt)

広げすぎた大風呂敷を畳み損ねたかな?

スウェーデンでベストセラーになったという、54歳の遅咲き作家のデビュー作。すさまじい拷問を受けた男の発見をきっかけに判明した、猟奇的な連続殺人事件をテーマにしてサイコ・サスペンスである。
ストックホルム郊外で全裸で磔にされた上に局部を切り取られるという拷問を受けた男が発見され、その場は生き延びたものの病院で死亡した。国家犯罪捜査部のカール警部たちが捜査を始めたのだが、次々に同じような拷問を受けた死体が見つかり、連続殺人の様相を呈してきた。被害者は過去に凶悪犯罪を犯した男たちという共通点があり、犯罪組織絡みか、過去の被害者家族の報復かと疑われた。事件を知った新聞記者・アレクサンドラは独自の情報源を基に事件の背景を抉り出そうとセンセーショナルな報道を続ける。そして明らかになった事件の真相は悲惨で衝撃的なものだった…。
基本構成は犯人捜しの警察ミステリーなのだが、読みどころは事件の様相と犯行動機の方にあり、その意味ではサイコ・サスペンスである。最初にすさまじい拷問シーンで引き付け、中盤は犯人の独白で考えこませ、最後に思いもよらぬどんでん返しで驚かせるという巧みな技が光る。さらに、主要な登場人物が抱える個人的な人間ドラマも多彩で面白い。ただいかんせんオチが苦しい。大風呂敷を広げすぎて畳み切れなかったようなもどかしさを感じざるを得なかった。
北欧ミステリーのファン、「その女 アレックス」などのサイコ・サスペンスのファンにオススメする。

iisan
927253Y1
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.3:
(2pt)

すぐに犯人が分かります

1/3まで読めば、結論は予想できます。
ドンデン返しはありません。
翻訳は上手いなぁ、と感心したので、星二つ。
犠牲者の犠牲者 (ハーパーBOOKS)Amazon書評・レビュー:犠牲者の犠牲者 (ハーパーBOOKS)より
4596016631
No.2:
(5pt)

人間関係のあれこれを仕込んでおいて、それを丁寧に解きほぐしてゆく、という手法で描かれた犯罪絵図

最初は翻訳が固くて読みにくいスタートとなったが、徐々にこなれてきたのと物語が面白すぎて、ページを繰る手が止まらなくなった。

 全体が三部構成となっている。第一部では、ろくでもない犯罪者たちが、世にも残酷な方法で殺されてゆく連続殺人事件という派手なスタート。追跡し始める捜査陣のヒーローと癖のありそうな男女の刑事、報道陣のヒロインとその経歴などの独特な個性を、通り一遍ではなく語ってゆく丁寧な章で、実に良い感じ。第二部は、事件を犯罪者側の一人称で語ったものなので、いきなり犯人がわかってしまうから、間違えても巻半ばを開いて飛ばし読みしてはいけない! そして第一部と第二部を合わせて、さらにひと捩じりした驚愕の結末に雪崩れ込むサプライズ終章。

 まずは人間関係のあれこれを仕込んでおいて、それを丁寧に解きほぐしてゆく、という手法で描かれた犯罪絵図。徹底しているのは、悪玉たちはいずれも情け容赦ない100%完璧な悪党であるということ。それが、タイトルにも絡む要素であり、本書を成り立たせている基本図式であるように思う。誰が読んでもこいつは生きててはいけないという悪玉が多いが、中には巻き込まれて泣きを見る半端者悪玉もいたりして、その者たちにとっては辛すぎる仕打ちかな、と思われる面もあり。司法側に捕まっておけばこれほどの刑に処されずに済んだろうにとの疑問は残る。

 勧善懲悪に見えて、どこかその隙間を縫う中庸のキャラも多いように思えるところは、この作品の空気抜きだろうか。それとも単純な人間だけを描きたくないという作者の趣向だろうか? 面白さや過激さを目指し過ぎたゆえに、リアリズムから遠のく感のある物語だから、そこに少しだけ現実らしさを求めて人間の個性という調味料を加えた感じもある。それもこれも北欧ミステリーのサービス精神と割り切れば、本書は全体でよくできたエンターテインメントであり、精巧な玩具であると言える。

 本書の主軸となる第二部、即ち殺人者による独白は、ここにページをかなり費やしているために第一部の疾走感にブレーキをかけ過ぎという中弛み感を覚えないでもない。でもそれが最終章のどんでん返しに生きてくるとも言えるので、全体像を読後に俯瞰するとそこも納得。読んでいるうちは第二部は少し辛いです。

 新人作家だが、元は新聞記者であったそうである。作家の勤めていた新聞社がそのまま、作中に実名で出てくるというのも一興であり遊び心であり作者にとってのノスタルジーなのか。

 最後に、本書を血なまぐさいだけの面白ミステリーに終わらせなかったのは、キャラクターたちが抱える背景として重要となる家族ドラマの一面なのだろう。この新人作家はシリーズ二作目、三作目と書き継いでいるらしく、そちらの家族ドラマとしての今後も捨て置けない気がする。ミステリーのアイディアのみならず、この辺りの微妙な人間描写にも相応に重心を置いている作風には大変好感が持てる。続編の翻訳が切に待たれる。
犠牲者の犠牲者 (ハーパーBOOKS)Amazon書評・レビュー:犠牲者の犠牲者 (ハーパーBOOKS)より
4596016631
No.1:
(3pt)

どんでん返しの内容が個人的好みでなかった

内容は三部に分かれている。
第一部は、次々に起こる凄惨な殺人事件に対して、警察が真相を探っていく場面であり、一般的な警察小説の構成だ。終盤で犯人が明かされる(意外な人物)。
第二部は、その犯人の立場から一人称で語られていく。タイトル通りであり、共感と同情を覚える。残虐な殺人を犯しているが、犯人を応援してしまう読者は少なくないだろう(私を含め)。
だが、ここで中だるみを感じた。その犯人の背景が長くて多い。これほど必要か?と。おそらくこの作者は女性なのだろう。女性でなければこの分野に関してここまで語れないと思う。事件と関係があるようで、ない内容だ。
そして第三部でどんでん返しが――!のフレ込みだが、結果としてうやむやなところが個人的好みでなかった。モアモアした、何だか綿のようなものをつかむようだ。
主人公の警部の立場をみても、公的にはどうかと思うし、私的には中途半端だ(あとがきによると続刊があるらしい)。

第一部で違和感を感じたのは、ウザいマスコミ記者が、事件を担当している多忙な警部に何度も直接電話して聞き出そうとするところ。普通は警察の広報とかが対応するのでは?と思うところだが、スウェーデンでは違うのか?(あとがきによるとスウェーデンは警官の数が少ない上、作者は記者だったというから、きっとそういうシステムなのだろう)

本国スウェーデンではヒットしたとのことなので、作品の可否は読者によって意見が分かれるところなのだろう。
殺害方法などは鋭く残虐で、女性作家だとしたら、なかなかの描写だと感じた。特にレイプ場面については、女性だからこそ描けるのかもしれない。
犠牲者の犠牲者 (ハーパーBOOKS)Amazon書評・レビュー:犠牲者の犠牲者 (ハーパーBOOKS)より
4596016631



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