■スポンサードリンク


犠牲者の犠牲者



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
犠牲者の犠牲者 (ハーパーBOOKS)

犠牲者の犠牲者の評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

■スポンサードリンク


サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

広げすぎた大風呂敷を畳み損ねたかな?

スウェーデンでベストセラーになったという、54歳の遅咲き作家のデビュー作。すさまじい拷問を受けた男の発見をきっかけに判明した、猟奇的な連続殺人事件をテーマにしてサイコ・サスペンスである。
ストックホルム郊外で全裸で磔にされた上に局部を切り取られるという拷問を受けた男が発見され、その場は生き延びたものの病院で死亡した。国家犯罪捜査部のカール警部たちが捜査を始めたのだが、次々に同じような拷問を受けた死体が見つかり、連続殺人の様相を呈してきた。被害者は過去に凶悪犯罪を犯した男たちという共通点があり、犯罪組織絡みか、過去の被害者家族の報復かと疑われた。事件を知った新聞記者・アレクサンドラは独自の情報源を基に事件の背景を抉り出そうとセンセーショナルな報道を続ける。そして明らかになった事件の真相は悲惨で衝撃的なものだった…。
基本構成は犯人捜しの警察ミステリーなのだが、読みどころは事件の様相と犯行動機の方にあり、その意味ではサイコ・サスペンスである。最初にすさまじい拷問シーンで引き付け、中盤は犯人の独白で考えこませ、最後に思いもよらぬどんでん返しで驚かせるという巧みな技が光る。さらに、主要な登場人物が抱える個人的な人間ドラマも多彩で面白い。ただいかんせんオチが苦しい。大風呂敷を広げすぎて畳み切れなかったようなもどかしさを感じざるを得なかった。
北欧ミステリーのファン、「その女 アレックス」などのサイコ・サスペンスのファンにオススメする。

iisan
927253Y1

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!