夜
- 北欧ミステリ (199)
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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フランスの人気警察小説「マルタン・セルヴァズ警部」シリーズの第4作。セルヴァズの宿敵・ハルトマンが帰ってきて、命を賭けた戦いを繰り広げるサスペンス・ミステリーである。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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主人公セルヴァズには父親を心配する娘がいる・・セルヴァズは犯人に撃たれたり手術を受けたりとフィジカルに負荷を受けまくる・・猟犬並みにタフで直情型・・マイクル・コナリーのハリー・ボッシュとジョー・ネスボのハリー・ホーレのいいとこ取りみたいだが魅力あるヒーローの誕生だ・・ジェットコースターのようにスリリングで思いもかけない展開・・シャンパン・ラグビーならぬシャンパン・ミステリー・・文句無しの面白さでした。 | ||||
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マルタン・セルヴァス警部シリーズ第四弾。今回は初めて上下分冊ではなく初の一冊もの。700ページに近い大作であるにも関わらず、だ。読者としては、分冊よりもコスパは有難い。 前作『魔女の組曲』では、セルヴァスが休職療養中で、連続殺人鬼ジュリアン・ハルトマンから離れた独立系の犯罪と、そのとんでもない経緯と真相に向かうストーリーテリングのジェットコースター感に、まったくもって脱帽させられた。シリーズとしてよりも、単独作品として十分に成り立つため、新たな読者を獲得したのではないかと喜んでいる。 翻訳出版としては『氷結』(2016年)『死者の雨』(2017年)。その後、忘れ去られたかのように邦訳が途絶えていたシリーズが、前作を機に息を吹き返した感があり、今後のシリーズ続編に繋がる本作も、またもやリーダビリティ満点のスリラーとして満喫させてもらった。何と言ってもシリーズ本筋のセルヴァスvsハルトマンという全面対決構造が素晴らしい。さらには二人の間に奇妙な親密感さえ生まれ始めた点が、本書の新たな転回点であろう。ある少年の存在によって、セルヴァズはかつてない試練を味わうことになる。 ストーリー構成も抜群である。本作は、オスロ警察の女性刑事シュステンの乗る夜行列車でスタートする。教会での惨殺死体。現場に残されたシュステンの名のメモ。被害者の勤務する北海の海洋プラットホームでの危険極まりない時間。夜と嵐。そこから姿を消した容疑者の正体は? 例により、のっけから強烈インパクトの舞台装置。いよいよセルヴァズのこれまた派手なシーンの急転直下シーンに舞台は移る。序章だけではなく、セルヴァズは満身創痍を越えるくらいの命の危険に本書では何度も合わされる。セルヴァズ。シュステン。ハルトマン。舞台は、一作目『氷結』の土地に戻ってくる。スペイン国境のピレネー山麓、雪と山。銃撃。 そう、セルヴァズは銃の扱いが疑いもなく下手である。運動音痴。運転が苦手だ。銃は車のダッシュボードに放り込んで素手で出かけるというタイプである。その銃を使った殺人事件への容疑と、新手の敵=内部監察官ロラン・ランボーの登場。内と外にいる敵ばかり。 休みなしのストーリーの上に連続し堆く重ねられてゆく危機感と疑惑。ハルトマンとの距離が近くなるにつれ、対決模様が期待される重厚なスリラー感満載の一冊であり、ラストのどんでん返しも効いている。 全仏で今や最強のベストセラー1位、Netflixでもドラマ化されているシリーズ作品であるという。ノワールの本家フランスで、ピエール・ルメートルと双璧を成すベスト・ミステリー作家として、ぐんぐん勢いのついてゆくシリーズと言ってよいだろう。次作もまた同レベルかそれ以上に加速感のあるストーリーを期待したい。それも猛烈に。 | ||||
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「魔女の組曲」に続く「夜 警部セルヴァズの事件ファイル」(ベルナール・ミニエ ハーパーBOOKS)を読み終えました。 ノルウェーから幕を開けますが、ベルゲンの教会で女性の惨殺死体が発見され、オスロ警察の女性刑事・シュステンが捜査に乗り出し、シリアル・キラー、ジュリアン・ハルトマンの痕跡を発見します。北海に浮かぶ極寒の石油プラットフォームの冷ややかで、メタリックな描写はとても魅力的でした。 その後、シュステンは単身ノルウェーからフランス、トゥールーズ署に乗り込み、セルヴァズ警部と共にその捜査を開始することになります。結末は、果たして? ストーリーの詳細は触れずにおくとして、中盤はかなり長いですね。あたかもテレビ・シリーズのスクリプトから作られたように長い。それは、必要な長さだったのかどうか?私には少し退屈でした。それは、例えばジャン=クリストフ・グランジェの「死者の国」の物語の長さとは異なる表現の冗長さだと感じられます。とは言え、終盤の畳み掛けるようなカットバックはいつものようにスリリングで、いくつかの伏線はしっかりと回収されています。その点、堅実なプロフェッショナル・ワークだと思います。 決して美しいとは言えない「夜」を描き続けるベルナール・ミニエ。そして、マルタン・セルヴァズの決して挑戦することを諦めない"レジリエンス"が試される、次回作を期待しています。 | ||||
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フランスミステリーのセルヴァズ警部シリーズ第4作。このシリーズ、私は初めて読ませていただいた。 率直に感想を言うと、人が残酷に殺され、女性が残酷に犯される話の繰り返しに疲れてくる本であり、セルヴァズ警部の動きが直情的すぎることに疲れてくる本であり、セルヴァズが銃に撃たれて心臓の手術を受け、数ヶ月後に息子のために肝臓移植手術を受けるという激しすぎる展開に疲れてくる本である。 しかし、読む人によっては、これらがすべて魅力かもしれない。 私としても、680頁の厚い文庫本が最後まで読めたのだから、全くつまらなかったわけではない。面白い所もいろいろあった。 まあ、つまらない部分をけなすのは疲れるので、面白い部分を誉めよう。 本書で一番魅力的なのは、オスロ警察の国家犯罪捜査局からフランスに派遣されてきて、セルヴァズの実質的な相棒になってしまう40代の美貌の女性刑事シュステン・二ゴールで、おもちゃをわざわざフランスまで持ってきてホテルで自慰したり、バーで学生をゲットしてトイレでセックスさせたり、セルヴァズを誘惑してホテルのベッドで熱愛の夜を過ごして本物のパートナーになったりの大活躍。しかし・・ サドマゾ塾を主宰する大学教授で、殺人鬼から預かったセルヴァズの息子を育てているラバルト夫妻も個性的。しかし・・ 本書では進展はないが、セルヴァズ警部が、部下エスペランデューの美しすぎる妻シャルレーヌを見るたびに覚える荒々しい、暴力的な欲望(114頁)はこの先どうなるのだろうか。・・ | ||||
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