氷結
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氷結の総合評価:
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全1件 1~1 1/1ページ
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基準としては及第点で、内容も突飛な趣向もあり、ミステリーとしては面白いです。 | ||||
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真冬のピレネー山脈、標高2千メートルの水力発電所で、皮を剥がれ吊るされた馬の首なし死体が見つかった。殺されたのは発電所所有者で若き国際的な企業家、大富豪ロンバール家の愛馬だった。 警部セルヴァスは、女性憲兵隊大尉ジーグラーを相棒に捜査を始めるが、現場から、既に逮捕されて近くの施設に幽閉されている猟奇殺人鬼ハルトマンのDNAが見つかるに至り、ただの馬殺しではなくなる。そして次の犠牲者は・・・。 犯罪の鍵は過去にありそうだ、という点に気づいた主人公のセルヴァスが必死に捜査するのだが、なかなか真実にはたどり着かない。 この主人公セルヴァスがちょっと頼りない。悲劇的な家族経験ありの文学青年で、自分にも他人にも甘め。部下の奥さんに惑わされたり、突っ込みどころはかなりある。 まあ、そもそも、捜査責任者なのに、捜査内容を部外者にペラペラしゃべるのは、良くないね。本人もイヤというほど悟っただろうけど。 ストーリー展開はなかなかのもので、なんとく華やかな感じすらするが、回収されなかった伏線も多いし、上手な作家だったら、もっとすっきり話が収束できたのではないか、とは思いました。 (展開がすっきりしていないので、メモをとりながら読みました。) | ||||
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フランスの売れっ子作家と聴き、興味深く読み始めたが、幕開けが奇妙かつ派手な事件、その舞台となるのが冬のピレネーの山村、とアクロバティックで一気に引き込まれる大スケール&アクション・ミステリーであった。これがデビュー作ならフレンチ・ミステリーのスターダムに一気に輝いたというのも容易に頷ける。 連続する猟奇殺人にしても、山麓の村にある重罪犯を集めた研究所の存在にしても、相当に不気味である。腕利き警部マルタン・セルヴァスの活躍の中に挿入されるのが、その不気味な研究所にやってくる女性心理学者ディアーヌ・ベルクの章である。事件と並行して存在感を増す連続猟奇殺人犯と研究所の存在が、気になって仕方ない。 注目される連続殺人犯は、ジュリアン・ハルトマン。死体を残さないが、40人以上の女性の不審死の容疑者とみなされる。またシリアルキラーでありながら元検事、という特異な知的犯罪者の容貌を持つところなど、心を操る知的犯罪者としての側面から、どうしてもハンニバル・レクターを連想させる。この作者、よくぞ勇気ある勝負に出たものだ。 しかし彼を考慮に入れずとも、ロープウェイの山頂駅で最初に発見される皮をはがされた首なし馬の 死体という劇場型バイオレンスに始まる連続猟奇事件のミステリとして十分にサービス性が満点なのだ。二体目の殺人も、渓谷に発見されるが、劇場型であるところ、まるで横溝正史か? と懐かしささえ覚える。 派手な事件に、複雑に絡む人間関係。裏側に潜む真実はかなり深い部分に、そして時間軸を掘り下げてゆくことで真相は近づく。多くのミスリードの向こうに見えてくる真実。つまり語り口、プロットともに優秀な作品だからこそ、優れたエンターテインメントとしての完成度を誇る。ミステリーにとどまらぬ大自然を使った昔懐かしい冒険小説的魅力も兼ね備えているところがもしかしたら、最大の魅力なのかもしれない。 それにしても巻末解説においてこの作家の作品を、しかもセルヴァス警部のシリーズを、ぼくは既に 読んでいた。そして楽しんだということに気づいてしまった。シリーズ三作目の『魔女の組曲』! そう、これは一気読みの面白さであったが、セルヴァス警部としての個性は目立たなかった。運動神経オンチで、銃の扱いも乗り物も苦手。恰好悪いが事件の真っただ中に突入してしまうこの中年刑事は、本作では、とても存在感濃厚である。『魔女の組曲』は、ストーリーと被害者のほうが目立ち過ぎて、警部は救世主ではあるのに、狂言回し的な地味な役柄なのであった。 それにしてもストーリーテリング最高の作家に出会えました。とりあえず、フレンチ版ジェフリー・ディーヴァーと呼んでおこう。 | ||||
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フランスの売れっ子作家と聴き、興味深く読み始めたが、幕開けが奇妙かつ派手な事件、その舞台となるのが冬のピレネーの山村、とアクロバティックで一気に引き込まれる大スケール&アクション・ミステリーであった。これがデビュー作ならフレンチ・ミステリーのスターダムに一気に輝いたというのも容易に頷ける。 連続する猟奇殺人にしても、山麓の村にある重罪犯を集めた研究所の存在にしても、相当に不気味である。腕利き警部マルタン・セルヴァスの活躍の中に挿入されるのが、その不気味な研究所にやってくる女性心理学者ディアーヌ・ベルクの章である。事件と並行して存在感を増す連続猟奇殺人犯と研究所の存在が、気になって仕方ない。 注目される連続殺人犯は、ジュリアン・ハルトマン。死体を残さないが、40人以上の女性の不審死の容疑者とみなされる。またシリアルキラーでありながら元検事、という特異な知的犯罪者の容貌を持つところなど、心を操る知的犯罪者としての側面から、どうしてもハンニバル・レクターを連想させる。この作者、よくぞ勇気ある勝負に出たものだ。 しかし彼を考慮に入れずとも、ロープウェイの山頂駅で最初に発見される皮をはがされた首なし馬の 死体という劇場型バイオレンスに始まる連続猟奇事件のミステリとして十分にサービス性が満点なのだ。二体目の殺人も、渓谷に発見されるが、劇場型であるところ、まるで横溝正史か? と懐かしささえ覚える。 派手な事件に、複雑に絡む人間関係。裏側に潜む真実はかなり深い部分に、そして時間軸を掘り下げてゆくことで真相は近づく。多くのミスリードの向こうに見えてくる真実。つまり語り口、プロットともに優秀な作品だからこそ、優れたエンターテインメントとしての完成度を誇る。ミステリーにとどまらぬ大自然を使った昔懐かしい冒険小説的魅力も兼ね備えているところがもしかしたら、最大の魅力なのかもしれない。 それにしても巻末解説においてこの作家の作品を、しかもセルヴァス警部のシリーズを、ぼくは既に 読んでいた。そして楽しんだということに気づいてしまった。シリーズ三作目の『魔女の組曲』! そう、これは一気読みの面白さであったが、セルヴァス警部としての個性は目立たなかった。運動神経オンチで、銃の扱いも乗り物も苦手。恰好悪いが事件の真っただ中に突入してしまうこの中年刑事は、本作では、とても存在感濃厚である。『魔女の組曲』は、ストーリーと被害者のほうが目立ち過ぎて、警部は救世主ではあるのに、狂言回し的な地味な役柄なのであった。 それにしてもストーリーテリング最高の作家に出会えました。とりあえず、フレンチ版ジェフリー・ディーヴァーと呼んでおこう。 | ||||
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冒頭の馬の事件から第2の事件までが長すぎる上に捜査もまったり。進展がなさ過ぎで珍しく読了まで数ヶ月を要しました。この調子では下巻を読むのも躊躇われる。スピーディで先の読めない展開の作品が好きな方(私もですが)にはイライラするかも知れません。 | ||||
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舞台はピレネー山中の寒村で山の上の発電所、次々起こる猟奇的殺人事件、予想外のドラマ展開といったサスペンスの要素は堪能できるが、登場人物にそれぞれ訳ありの過去があったり、凶悪な殺人事件の捜査なのにプロフェッショナルであるべき捜査官が危険な単独行動や秘密行動を取る場面が多すぎてリアリティに欠ける。 無理にドラマ展開をつくっている感さえある。 | ||||
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