沼の王の娘
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主人公がナチュラルに母親を見下しているのがいや、母親を小馬鹿にし続ける主人公に耐えられなかった、そういう感想も目にしていたので覚悟して読みました。 が、料理が下手だとこぼす記憶の中の父に対して、『少女を誘拐したのだから当たり前。料理のできる年長女をさらってこなかった自業自得だ』と言ってのけたり、性教育もまともに受けていない年齢でさらわれ、十数年犯され続け、気に入らないことがあれば暴力を振るわれ、医者もいないただの汚い小屋で自力で加害者の子どもを産まされ、電気のない場所で家事一切を強要される――そういう母親の境遇を分かっていてもなお、『でも私は沼の生活は幸せだった。母だって冷静に客観的に自分を見つめることができれば、沼の生活にも幸せな瞬間があったと分かることができたはず』と言い切った時には「あ、わたしも無理かも……」となりました。 母親を可哀そうと言いながら、その次の行で自分がどれほど父親に愛され、様々な知恵や知識を授けてもらったか、数ページにわたってとうとうと何度も語る彼女の姿に、「そういうとこだぞ」と言いたくなりました。 彼女自身にも境遇の問題があると分かっていても、主人公が受け付けない人がいるのは納得だと思います。 沼のじめっとした描写、季節の移り変わり、植物や生物の情景など、臨場感があり光景が目に浮かぶようでした。 ただ述べたとおり、ほぼ回想。自然や電気のない生活の描写に興味がなければ、読むところなさ過ぎて半額でも厳しいです。終盤、脱獄した父と再会し、ようやく現実ターン来たと思ったらまた長い回想に入った時は笑いました。 | ||||
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どうなっていくのか ワクワク 一気読みかと思ったら後半 想像の世界? ちょっと戸惑ってしまいました。でも、久しぶりに興奮 面白かった。タイトル秀逸 | ||||
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描かれているのは、のどかすぎて、緊張感のない街で起きた衝撃的な事件。 ワイルドな、”極悪人”が、とても魅力的なところは、流石、サイコパス! 大自然を相手に、ワイルドに生きる親子にとっては、昨今のアウトドアブームは、おままごとでしょう。 ロハスで、エコな監禁生活は、とてつもない危険との隣り合わせですが、 獰猛な野生動物と対峙しながら、逞しく生きている主人公が素敵で、 極限状態のサバイバルゲームがスリリングです。 乗越えられそうにない、強すぎる障壁を倒しにいく姿にワクワクします。 | ||||
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タイトルに惹かれ、あらすじに惹かれました。 家族というものの概念、 それはなんというものか。 無慈悲で切なく、何処か 悲哀かつ哀愁漂うのある物語は まるで映画を観ているようで、 「家族とはなんというものか」というもの を考えるきっかけになりました。 | ||||
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総合すれば面白かったと思う。 特に、出だしの期待感は秀逸。 未成年の少女を誘拐監禁し、強姦の果てに子を産ませる。これは、実際に起こっていることであるし、映画「ルーム」その原作「部屋」などにはモデルとなったであろう実際の事件がある。調べてみれば、多いことなのかも知れない。事件性と内容の凄惨さからして被害者保護の観点から秘匿されることも多いだろうが、日本でも同様のことは起きているだろう。(考えてみたが、かつて足立区で起きた女子高生コンクリート詰め事件などは、あまりにも残虐な同様の事件と言っていいように思える。他、女性が日常生活で危険にさらされることはあまりにも多い) しかし、凄惨な事件を元にしているはずのこの話がどこかノスタルジックな空気を漂わすのは、語り手である主人公のヘレナ、拉致監禁を行った犯人であるインディアンと北欧系白人のダブルの父親の娘、アンデルセンの「沼の王の娘」における「沼の王」にたとえられた父親の血を受け継ぐ娘がその生い立ち、かつて自分が犯罪の末に生まれた子供だとは知らず、文明から離れ、自然の中で両親と三人で育った頃のことを細やかに語っていくからだろう。 幼い彼女は、「サイコパス」の父親が自分をインディアンの血を受け継ぐ子供として育て、自分の知識を分け与えることに喜びを覚え、父に尊敬と愛情を抱いていた。 目にする文明は50年ほど前の古い自然科学雑誌。だから、世の中には他の人間がいることはわかっていたが、一般的な社会の文明や常識、良識とされる物は教えられずに育った。彼女が教えられたのは、狩りの仕方、湿地の歩み方、狩りの獲物の皮のはぎ方や内臓の処理。 彼女が今、夫と二人の娘と共に、外の世界で暮らすのは、母と共に保護をされ、父親が逮捕されたからだ。 それは自分が父親を差し出したのだと彼女は語る。 全く知らなかった外の世界に苦労しながらも、彼女はなんとか生き、伴侶ができ、子供ができた。 一見、平穏な暮らしを送る中、唐突に影が差したのは父親の脱獄のニュースが流れたこと。ヘレナは名前を変えて生きており、その生い立ちを自分の夫には明かしていなかった。 脱獄した父親はどこへ向かうのか。それがわかるのは自分しかいない、そして父親の狙いは自分であるのだろうと彼女は悟る。 夫と子供から離れ、彼女は父親のいる箇所を探して移動しながら、自分の生い立ちを語る。 父親、そして娘の対決がメインのように押し出されているが、実際はヘレナの生い立ちが話のメインとなっている。 彼女がどんな暮らしを送っていたのか、その細やかなエピソード、彼女の推察や葛藤、描かれ方はなんとも面白い。この部分は大変に引き込まれる。 ただ、読んでいて、もう残りページはこれしかないのに、父親との対決はいつ??と読みながら思ってしまった。 肝心の父親とどんな対決をするのか。 その、生身の現在の二人がぶつかり合う部分が、ヘレナの過去の濃厚さに比べて、薄い、少ないとどうしても感じてしまう。 面白いのに、いきなりあっけない。そう感じてしまうのだ。実際は生身の対決の時間など短い物だろうと考えればわかるのだが、それまでの重厚さを考えるとどうしてもバランスが悪くなっているように感じてしまった。 実際、その部分を長くするためには大変に後味の悪いエピソードが連なりそうであるので、これくらいが読みやすいのだろう…というか、映画化は正解かも知れない。この終わり方ならば、映像になっても結果に耐えられる。 だが、小説としてみれば、どうしてもそこの部分にバランスの悪さを感じてしまった。他の方のレビューも拝読したが、どうも評価が悪い、難があると書かれているのは概ねその点で、私もその点が残念だと思っている。 しかし、ヘレナの生い立ちを描いた部分は大変に面白い。 一読の価値があると素直に言える。 面白かった。 | ||||
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