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誓願
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誓願の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.85pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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前作『侍女の物語』では完全なる悪役だったリディア小母がそうならざるを得なかった酷い拷問の日々が描かれる。あれに屈しない人間がどれほどいるだろうか?彼女は彼女なりに、酷い状況下で出来うる限り女性を守ろうとしたし、命をかけてギレアデへの復讐を果たした。彼女のしたことは決して許されないけども、そんな事言ってられないのが法もあってないような独裁国家。 独裁国家、軍事政権のダメさもよく描かれている。疑心暗鬼、汚職、密告、不当逮捕、リンチ、偽証、が横行し、やがて政権は脆くなり虐げられた民衆からのクーデターがおこったり外国から総スカンくらうのは必須。 | ||||
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読みやすくて簡単です。聖書の表現もきちんと注釈が入っているし、 出てくる登場人物が全員都合よくつながっていて、わかりやすい世界観だと思いました。 ただ、前作の続きとして書く必要あったのかなあ…。あまりにもわかり易すぎて 余韻を残して終わった前作があったことが惜しいように思いました。 前作の良かったところが一つ一つは宗教的に美しくも正しい思想を積み重ねていくと全体として 正しくなくなってしまうという不可解さや難しさを被害者の主観だけから描いていたことだと 思うのですが、これは、ただの子どもと老人の冒険活劇になっちゃっていますよね…。 勧善懲悪的なのも惜しいなと思いました。別に宗教国家だから汚職があるわけでもないわけで いつの間にかわかりやすい汚職の問題にすり替わっちゃってるのが惜しいなと思います。 | ||||
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ドラマから入りましたが、前作、侍女の物語より、構成も読みやすく希望が見えて面白かった。 前作は、結構きちんと読むのに労力を要したが、こちらの方がすっと頭に入った。 この手のフィクションで面白い本がなかなかないなーと思える昨今、久々に長編ながら引き込まれた一冊。 | ||||
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「誓願」とは、ざっくりいうと「修道院に入りたい」という人の申し込み、みたいなものかと思います。 原題は「テスタメント」なので「新約聖書・旧約聖書」のタイトルからとったのかもしれません。 「約」は「神様との約束」だったかと。 本作では「小母」を目指す若い女性がでてくるので、そちらに寄せたのかもしれません。 そして怖くて大嫌いだけどリディア小母がめっちゃいい味だしてます。 前作「侍女の物語」は1990年代の初めに読みました。 それから30年以上たって、ドラマ化され夢中で一気見。 鬱展開で胸糞なところもありましたが、本作はドラマを見ていた間に続編が出たと知って、気になっていました。 電子版でもいいやと思って購入。やっぱり一気読みしてしまいました。 前作のシンボルカラーが赤としたら、「誓願」は緑と青。 読み進めると衣装の「色」の意味を思い出して「なるほど~」とうなりました。 ーーーちょっとだけネタバレーーー Huluのドラマは前作「侍女の物語」と、「誓願」の間を補完してくれるような部分があったと思います。 ドラマのエピソードはかなりオリジナルストーリーかもしれませんが、本文のわずかなところからふくらませているところもあったと思います。 ディストピアものだから絶望も深いけど、救いと希望があります。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 自分のことを書きますが、プロテスタント系の学校で聖書を学ぶ機会がありました。 ほんのさわりを勉強しただけですが、自分でただ読むより今となっては「知識・教養」として触れることができてよかった。 先生は牧師様のお仕事もされているのですが、こういう機会がなければ生涯、宗教者のお話しを聞くこともなかったと思います。 必修なので単位を取るためだけに出席している学生が、退屈になってちょっと騒がしくなったとき、先生がイライラされた様子になったとき、とつぜん 「神はいるんです!」と叫ばれたことがありました。 ほとんどの学生は信仰とは無関係なので「いますと言われても・・・」と戸惑いますが、私はそれがすごく印象に残っていました。 宗教に対してたとえ深い理解は得られなくても、若い時の経験がこの作品を読むにあたって、おぼろげにでも背景を想像する助けになりました。 ギレアデは「支配」「統治」のために「神」「宗教」「信仰」をうまーく利用しているので、そこはすごいなと思いました。 また、女性の人権について、前作と同じく深く考えさせられました。 人権無視な表現がいっぱいあって「うわ!もう無理」というところもありますが、女性たちが決してひるまず、弱者で終わることなく人生に挑んで闘う姿勢には勇気をもらえます。 この作品だけでも充分面白いですが、ぜひ、「侍女の物語」もあわせて読むことをオススメします! ドラマを先にみるとイメージがつかめて読みやすいかも!! | ||||
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なんとまぁ! 34年も経って、ある物語の続きを書こうとか、なんてこった。 私自身、年齢を重ねるごとに、読書の傾向が変わっています。 少年少女文学集の探偵シリーズやドラえもんのような空想世界から始まり、多感な(笑)10代20代前半は幻想文学やら純文学を拗らせ、疾風怒濤の20後半、30代はSF、ファンタジー、歴史に現実逃避し、今40代の入り口に立って、現実の世の中には悲しいことも辛いことも山ほどあるので、ハッピーエンドの話が読みたいと思います。 文筆業ならなおのこと。 これまでのアトウッド女史の34年の人生が、作品に強い影響を与えていると思わずにはいられません。 『侍女の物語』は、不条理で、抑圧と諦めの中に一筋の希望というか、怒りと熱情が入り混じった物語でしたが、続編の『誓願』は、崩壊の足音の先に見える自己犠牲と、信念と、人は何のために生き死すべきかという希望の物語だと思いました。 前作は閉じた物語で、後作は開かれた物語だ。という感想を書かれていたレビュアーさんがおられますが全くその通りと納得しました。 意地悪を言えば、前作のほうが、よりセンセーショナルで実験的で力強く、後作はご都合主義でハッピーエンドで説教臭いかもしれませんが… でも私は『誓願』が読めてよかったです。 希望の見えない時代だからこそ、希望をもって歩みたいから。 | ||||
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「侍女の物語」の中で、1番権威を持ち、恐ろしい存在であったリディア小母が、ますます力を持って存在している。 オブフレッドの衝撃的な逃走から、15年後の設定から始まる。 リディア小母が、建国当初のひどい経験の中から、今の位置に身を置くことができるようしてきた生き方は、悲しく辛い。 アグネスと、デイジーの体験もそれぞれ大変ではあるが、この『誓願』は、リディア小母が、主人公といっていいだろう。 作者のアトウッドさんは、「人類史上前例のない出来事は作中に登場させない」という基本方針で著作に取り組んでいるという。そうとすれば、なおさら、ギデアナ共和国のような国が、存在する可能性があるということ。 恐怖政治の政権は、確かに、世界にはあるようだ。なんとか回避できるか、どう、生き延びるか。 本書を読みつつ、自問した。 | ||||
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マーガレット・アトウッドの代表作、「侍女の物語」の34年ぶりの続編。世界で最もハズレのない文学賞であるブッカー賞受賞作。どちらから考えても読んでおきたい作品と言えよう。 内容も期待に違わぬ快作。前作・侍女の物語は、現実世界がまだこんな歪んだ世の中になる前に、その可能性を示唆した作品だった。アーサークラーク賞受賞ということからも、当初SFとして読まれていた側面が窺われる。 対して、本作は、悪い冗談のような合衆国大統領が出現するように、前作の世界観が現実味を帯びる中での発表となった。 さすがの手練れアトウッドは、今度は閉塞感の増す世界に向けて、全体主義や人権侵害に敢然と立ち向かう勇気の物語を紡いだ。 本作単独で読んでも充分面白いが、是非是非「侍女の物語」から読み解いて欲しい。二冊合わせれば、かなりのページ数だが、その価値があることは、自信持って保証できる。 | ||||
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まず「侍女の物語」から読みました。主観だけでつづられ、事情や社会の全体像が見えなくてイライラした方も多いのでは? 私もそうでした。 見えなくされている社会なんだと気づいてからは、しんどくなくなりました。 この「請願」では、べつの人物たちからの主観的な語りが三つ。 ギレアデについてわからなかった事情やらなんやらが少しずつ見えてきました。やっぱり埋まらないけど。 結末は、、、読者自身の想像力をかきたてる。ハッピーエンディングを期待する人、そうでない人、いろいろなんでしょう。 解説もわかりやすかったけれど、女性の連帯が妙なプロパガンダになる危険まで書いてくれたら、中立的に読めたのにな。そこ残念。 | ||||
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侍女の物語のその後。暗闇を手探りで歩くような侍女の物語のその後は、視点を次々と変えながらテンポ良く語られる開放の物語でした。侍女の発行から35年の歳月が経ち余分な肩の力が抜けたアトウッドの老いた故のかろみも感じさせます。とはいえこのタイミングでの出版はアトウッドから女性たちへのエールであり、送別の章でリディア小母が「私の想像するあなたは若い女性だ」と語りかける文章に思わず居住いを正した読者もいることでしょう。いま読んでよかったと思わせる一冊です。 | ||||
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16年前に書かれた前作、侍女の物語を連続して読めたのも読書の精の導きとでも言うべきか? 二作を続けて読み比較するとより一層この世界がよく見えてくる 赤と白の侍女の物語、 緑と紺の誓願 閉じる物語と 開いてゆく物語 世紀末幻想絵画のような世界のトーンと VRムービーのような誓願の臨場感 アメリカに突然クーデターにより建国された独裁国家ギレアデ共和国、イスラム国のようなこの国では 全女性の権利と自由は剥奪され、一握りの権力層の為の子を産む装置のような扱いに貶められている。 前作でギレアデから逃亡した侍女オブカイル 彼女が彷徨うように暮らしていた町の光景ヴィジョン それは奇妙に静かで不気味で薄ら寒く、そして何故か魅力的な美しささえ読み感じていた。 まるでポールデルヴォーの描く夜の町と女達の絵を誰もいない美術館で観ているようなやましさを 感じていたのだ。 今回の物語には彼女は出てこない。だが、彼女に関わっていたのであろう3人の女たちの手記と インタビューが入れ替わり交互に彼女が見限り逃亡した国のその後を叙述している。 その3人の中でも重要で忘れ難い女性、リディア小母。女性を縛りつけ拘束する社会システムを 創設したのもまた女性 という巧緻で狡猾な国家構造。 彼女が権力欲に満ちた醜悪な存在であれば当たり前の物語だ。 だがここでは彼女もまた国家に圧制され剥奪された者であり、辛うじて同胞を殺す側に回ることに より生き延び、国家への復讐を秘める者であり、そんな自分自身を自嘲できる瀬戸際のユーモアを 持つ者なのだ。 その存在こそがこの、続く物語、開く物語の肝であり、作者がこのアフターコロナの戦時下の現実 世界に提示した、生き延びる人間の像なのであろう。 地獄の中で抜け道を、辛苦の最中に笑いを、 試練の陰に救いを、闇の道中に光を、 見い出し、手に取り、手渡すことのできる者。 そんな存在に自分はなりたい | ||||
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侍女の物語はちょっと読みにくいところもあったけど、こちらは語り手のうち二人が10代の少女であるからか、文章にすぐ入り込めた。 ギレアデで暮らす少女たちの生活ぶりや、前作の関係者のその後も興味深かった。 ドラマになるならこちらも是非見てみたい。 | ||||
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「侍女の物語」のオフブレッドの単独の語りから、この作品では、リティア小母、デイジー、アグネスの3人の語りとなる。それが、この物語にスリリングな要素を加えて、時間を忘れさせてくれる。 Hulu制作のテレビドラマも一緒に見るとより楽しめるかも。。。 | ||||
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女性の抑圧された状態につらくなりながらも、ドキドキはらはらして読み終えた。リディア小母がよい。 | ||||
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