終わりの感覚
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<概要> 穏やかな引退生活を送る男のもとに、見知らぬ弁護士から手紙が届く。日記と500ポンドをあなたに遺した女性がいると。記憶をたどるうち、その人が学生時代の恋人ベロニカの母親だったことを思い出す。託されたのは、高校時代の親友でケンブリッジ在学中に自殺したエイドリアンの日記。別れたあとベロニカは、彼の恋人となっていた。だが、なぜ、その日記が母親のところに?ウイットあふれる優美な文章、衝撃的エンディング。記憶と時間をめぐるサスペンスフルな中篇小説。2011年ブッカー賞受賞作。(表紙カバー見返し文より引用しました) <感想> 忘れていた学生時代の記憶が、一通の手紙から蘇っていく。妻と離婚しながらも、ときどき食事を共にし、孫の成長を喜ぶ老人が、学生時代に自ら命を絶った友人の秘密に巻き込まれていく。最後は、まさかの結末だが…。 老人が、忘れていた若き日の記憶をたどるという点では、ジョン・バンヴィル「海に帰る日」に似てはいるが、「終わりの感覚」では、自ら積極的に追憶するのではなく、弁護士も絡む手紙が、否応なしに過去の記憶をたどることを強要する。 丁寧ではあるが、主人公の回想、思考の文章表現はリアルだった。また、生々しかった。 綺麗ではあるが、妙に高貴なわけではなく、大衆的な表現も混じる。結構、読み始めるとのめりこみ、184ページの中篇小説だが、一気に読んでしまった。また、読み終えてから、再度、要所を読み返し、「そういう事だったのか!」と納得した。読んだ後に、作者の巧妙な仕掛けに気づいた。すべてが氷解するような気分になる小説だった。真面目な小説が、実はサスペンスで、しかもどんでん返しする、すごい小説でした。(65歳男性) | ||||
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2011年ブッカー賞受賞作。購入した当時はあまり記憶に残らない読書となった本書。 SNS 疲れから、紙の本を読む様になって本棚から選んで3日間で読了。 本を読むことの上質な楽しさ、思考に与える導きを思い出させてもらいました。 技巧を凝らした作品でもあり、遊び心に満ちた作家の世界を堪能する事が出来ました。 いっときの感情を非対面で他者にぶつける事が これほど愕然とする未来へ繋がるなんて誰も思いもしないだろう。 読了直後、映画「ベロニカとの記憶」も観ました。 映画では主人公の偏屈さが薄れていて若さゆえの過ち程度で 私自身は本の方が心を揺さぶられるものがあったと感じました。 | ||||
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公務員として、平凡な人生を送ってきた主人公が老齢の入り口に差し掛かり、自分の知らなかったかつての恋人の人生が明るみになる。 過去の友情や恋愛といった些事よりも、はるかに巨大な性の魔力が、現在の状況を作り出したことを主人公は理解する。 主人公の驚きや価値判断に一切触れずに物語は終わる。この文学では余計なことを滔々と主人公に語らせるのは間違っている。母娘の葛藤や父親の自棄の念などにも言及されない。このあたりの余白感は正しく英国的な文学といえよう。「大人ならわかるよね。これは善悪の問題ではないし、好悪の問題でもない。こういうことが起こったにすぎない。あとは自分で考えてね。」 優れた芸術家であるバーンズは芸術のうしろに隠れて、舞台袖のカーテンの隙間から観客の様子を眺めている。 | ||||
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ゆっくり読んでみたい本でしたので、これから楽しみに読みます。 | ||||
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精緻な構成で進行していく。 プロットも品良く、部分的に特に輝く表現もあり、それでいて非常に読みやすかった。 ただ、サスペンスフルな誘導と登場する人々の心理描写がなんだか表面的なものに感じられて、それほど引き込まれない。 楽しみつつ一気に読めた割に、読後の印象が乏しかった。 ブッカー賞でなければ星を4つにしたと思う。 | ||||
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