フロベールの鸚鵡
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この小説を書いたイギリス人の作家ジュリアン・バーンズは、フローベール・ファン、いやフローベール・マニアなのでしょうね。とにかくフローベールについてその作品もあの膨大な書簡もすごく読みこんでいることがわかります。 フローベールにかんする研究論文まで目を通しているのか、ボヴァリー夫人の目の色が小説のなかで矛盾した描写があることを指摘したイギリスの高名なフランス文学研究者イーニッド・スターキーにたいする評も愉快でした。 この作品は、小説として傑作であるとかそうでないとかという基準でもって語られる作品ではないともいえます。 小説というジャンルは衰退しつつあるとかという言説がまことしやかにうんぬんされることもありますが、これは小説というのはこんなふうにも書けるんだと小説の可能性を考えさせてくれる作品です。 とにかくユーモアや皮肉に富み、巧みな構成でもって書かれた、読んで退屈しない小説です。 | ||||
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小説と言えば、小説とも言える本ですが、フロベールという作家を通じて、物書きという存在の意味のようなものを知るとともに、小説のあり方について多くを学ぶことが出来る本。日本人には残念ながらこうした本を書ける作家はいないでしょうが、物語の本当の楽しみが味わえる本。知的好奇心を刺激する、娯楽的であり、同時に教養的な本で、こうした本が多くの人に読まれるようになったらいいですね。 | ||||
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フロベールについては80年代に蓮実重彦の本でそういう作家がいるということ以上は知らない私ですが,この本は面白かった。各章がそれぞれ違った趣向・文体で書かれているのが楽しい。最後のほうになると語り手自身の話も出てきてじわじわ効いてくる。 | ||||
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この作品を単なる小説というジャンルに押し込めるのはあまりにも乱暴すぎる。「ボヴァリー夫人」の著者ギュスターブ・フロベールへの強い思い入れを、おそらくは彼のフリークであるバーンズが、自らの分身である医者(ボヴァリー夫人も医者の女房)に語らせている。「ボヴァリー・・・」同様の自由間接話法を用いた、エッセイとも評論ともよべる摩訶不思議な雰囲気が魅力だ。 出版当時そのスキャンダラスな内容が物議をかもし裁判沙汰にもなった「ボヴァリー夫人」をはじめ、フロベールの著作を読んだことがない人(自分を含め)にとっては、かなり最後まで読み通すのがつらい内容となっている。逆にフロベールに関する予習を済ませていてそれなりに興味がわいた人にとっては、そうでない人の何10倍も楽しめるだろう。 このフロベールという人、かなり世間に背を向けた偽悪的な人だったようだが、物事の核心をついた彼の発言には、幾度かハッとさせられることがあった。また、<白いシーツに群がる蚤>のような存在である評論家を嫌った数々のフロベールの発言に反して、本書が一種の作家評論になっているところが、英国人作家らしい独自のアイロニーを漂わせている。 「自分の人生に何らかの意味があるのだろうか?」フロベールが自らに問い続けたこの命題は、実は英国作家の小説の中に見出すことが多い。<自分の人生が最も尊い>という幻想が<フロベールの鸚鵡>のように唯一無二の真理ではないことを、我々現代人はそろそろ気づいてもいい頃だ。 | ||||
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