オラクル・ナイト
※タグの編集はログイン後行えます
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点0.00pt |
オラクル・ナイトの総合評価:
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
現在レビューがありません
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
Paul Auster(1947~)の著作を読むのは、本当に何年ぶりだろうか。以前読んだことがあるのは「Sunset Park」なのだが、それほど楽しむことができなかったことだけよく憶えている。そのためか、幾冊かあったAusterの本も、大分後回しになってしまった。だがそれは、幸福であったかもしれない。というのも、Austerが非常に楽しめる作家であることが分かったからである。 この作品は、2003年に発表されたそうだから、Austerが56歳になる年のことである。作品は、Frame Story(入れ子式)という方式を採用している。このFrame Storyで有名な小説は多くあるのだろうが、最近読んだ小説ではAnthony Horowitzの「Magpie Murders」(カササギ殺人事件)がこの技術を採用していたっけ。話は楽しめるのだが、登場人物が多くなる傾向があり、読者はやや混乱させられてしまう。けれども作家にとっては自分は楽しめるし、腕の見せ所というところなのかもしれない。 病み上がりのSidney OrrはNew York在住の作家だが、病み上がりで本格的な著作活動を再開していない。そんな彼がふと訪ねたのが、「Paper Palace」というChangという中国人が経営する文房具店だった。Sidneyはここで、ポルトガル製の青いノートを5ドルで購入して著作を再開する。そしてその青いノートは、Sidneyに著作の喜びを再び与えてくれるのだが、一方でSidneyと妻のGraceに多くの事件を巻き起こす。そして、Graceの旧友である著名な作家であるJohnも巻き込んでいく。 Austerはいろいろなエピソードを持ち込んでくるのだが、1981年にカンザス・シティで起こったHyatt Regency Hotelの話は、なかなか衝撃的であった。ダンス・コンサートが開かれていた同ホテルで、2階と4階にあった空中通路が崩落して114人もの命が失われたのである。またAusterがユダヤ人であることもあり、ホロコーストのエピソードも語られている。死んだ乳児を抱えた母親が、その子のためにミルクを求めるという姿はなかなか凄絶な描写である。 200ページくらいの作品なので、それほど労力をつぎ込まなくとも読める分量である。また語彙もさほど、難しいものはない。Austerも、もっと早く読んでおけばよかった、と悔いる次第である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
マトリューシカみたいに、作家の作者が、小説を書いている。その作品がどきどきするような面白さ。 少し悲しく少しハッピーなエンディング。とにかく面白かった‼️ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
久しぶりのポール・オースター。 よくもここまで残酷なことを思いつくものです。 残酷なので、目を背けてしまう気持ちと、読み進めたい気持ちが共存します。 物語のなかにいくつかの物語があり、こんがらがってしまいそうです。 注意深く読んでみてください。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ニューヨーク三部作、偶然の音楽など、いつものオースターの作品の特徴があり、安心して読めます。また、『実際の』登場人物も限られてるので何重にも折り重なる話も初めての方でも理解しやすいと思います。喪失と、再生その辺りに興味のある方は是非…。マルタの鷹も改めて読み直してしまいました | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
劇中劇とか小説内小説とかは時々出会うけれど、小説内小説内小説というのは本作が初めて(、たぶん)。 加えて、小説内シナリオ(のあらすじ)も出てくるし、もちろん登場人物たちのエピソードもある。 でも、それらの入り混じりによって読む側を幻惑させるとか新たなる言語世界を構築するとかいった手合いの小説ではない。 誰もが自分の中にいろんな物語を持ち、その物語から触発された物語を語ることもあるだろう、そんな感じ。 『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』を思い出したりもする。 ま、とにかく、いろんな話が出てくる。でも、ではそれぞれの話がまとまるなりオチがつくなりするのかというと、そうでもない。 世の中そんな風には出来ていませんよね。 人は人と接していろいろなことを感じるけれど一部分しか見ていないわけだし、それにより時に激昂したりふさぎ込んだりしたりもするけれど、全てがわかってのことではない。 しかし、一方でそこに愛やら平和やら希望も感じる。 不思議なもんだな、人って。 繋がったり切れたりしながら、何かを感じ取って次に進む。 とても読みやすい物語なのだけれど、いろいろと考えさせられてしまった。 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 18件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|