大いなる眠り
- ハードボイルド (138)
- フィリップ・マーロウ (12)
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点5.67pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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チャンドラーを初読。チャンドラーが本格推理を批判しているように、本格派には現実感がなく登場人物が生き生きとしていないと言うならば、まさにフィリップ・マーロウは魅力的な人物で生き生きとしているだろう。ハードボイルドというと「固ゆで」ですから口を閉ざした寡黙な人間を私はイメージしていたのですが、とっても剽軽でおしゃべりな印象を受けました。余計なことばっかり言ってるなと。それでも恐怖に立ち向かう強い心の持ち主が格好良かった! | ||||
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レイモンド・チャンドラーは私には合いませんでした。ちっとも面白くないです。なによりも本人の風貌が嫌いです。 | ||||
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チャンドラーを読んだのは社会人になってからだった。学生の頃、私は敢えて読むのを避けていた。ある程度社会に揉まれてからでないとその面白さが解らないと思ったからだ。 | ||||
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村上春樹翻訳ということもあり、高校生の時以来、数十年ぶりに読んだ。主人公マーロウが金に潔癖であったり、美女の誘惑にも全くのらないなど、あまりにもかっこよすぎるように思うが、ストーリー自体は想像以上に複雑な構成で大いに楽しめた。イメージではバーボンだったが、意外にもスコッチを飲むのね。村上春樹の翻訳については、特に強烈な個性は感じないが、そのほうが良いかも。次は、「さらば愛しき女よ」を読みたい。 | ||||
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東京創元社が1956年(昭和31)に上梓した世界推理小説全集26巻(双葉十三郎訳)を67年後の2023(令和6)年に読んだ。 出版から二世代が過ぎ、パラフィンも読む端から砕けて剥落していく時の重圧を実感しながら読了したが(もっと凄いのはこの60年でたぶん一度か二度しか読まれなかったと思われる綺麗さ)その後ハードボイルドミステリの歴史に雷名轟かせたこの本、わずか190ページなんですね…。 初めて読んだチャンドラーだが、処女作にして重たく眠く熱い芸風は完璧で、もっとも驚愕したのが次々とむぞうさに人が死んでいく。ところでこの中で死者となるのは男ばかり。 その死があっけなく、また死因が殺人大全集のようにそれぞれまったく異なるのにも驚くことしきり。 こういう事を書くと異様かもしれない。 とおびえつつ書くのだが、その死が即物的であっさりと虫でも潰すように簡単なことと、生死の際があまりに容易、散歩でもするように生死の境を越えるところは、他のいかなるミステリにもない無機質さで、しかも、それぞれの死が妙に官能的なことに声を失った。 著者そんなつもりはないのかもしれないが、たとえば毒でこの世を去るとある人物などは男性性なのか潔くなのか従容としてかそれとも気づかないままなのか、妙に男伊達を感じさせ、銃で世を去る人物は銃声だけが説明であっさりと横たわるのだがそれがまた被害者本人の意志を越えて男の死という感じで舞台から消えていく。 正直、本筋は最後まで説明不足だし、末尾でS・S・ヴァン・ダインのように、しかもそれより簡略、かつなんの証拠もなく2ページたらずで全体像が浮かび上がるのは皆様ご存知あまりにも有名な主人公のセリフだけ、というのはいささかフェアでなくない?とぶつぶつ思うのだが、それを圧倒するなにか、末尾になって出現してあっと叫んだタイトル・ロール 大いなる眠り が惑星のような重量感で描写され、あっけにとられるうちに物語は立ち去ってしまう。 文学的完成度とは不平等なもので、P・D・ジェイムズもその文章の密度で殺人事件の内容以上の迫力を持つのと同じだった。 人生に研磨された年になって書いたことが、やはり大きいのだろうか。 これに先立って、1980年代のスティーヴン・グリーンリーフやダン・キャヴァナー、カーター・ブラウンやレス・ロバーツを読んでいたが、どれほど巧みにそれぞれの時代・地域ごとに活写されていても、最終的にはハードボイルドとはレイモンド・チャンドラーの天才によって顕現した個人の例外的傑作であり、それが個人を越えて余りにも巨大な影響を及ぼしたために後世の小説家たちをも洗脳させ、もしかしたらそれら作家の本来の資質を捻じ曲げてでもフィリップ・マーロウの弟子たちがそれらの著書たちの脳に産み落とされ、かくしてジャンルが形成されたような気がしてならない。 ハードボイルドの読み方としては邪道、異端かもしれない。だが、この作家の本質は死の官能、タナトスと、ミステリの内容としては実は貧弱な展開、そしてそれを覆い隠し、きびきびした描写で全編を支配する重力のような、人を掴んで離さない筆力の三点セットに思われた。 以上、原著が描かれて84年後の感想でした。 | ||||
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文体は一人称で、主人公は私立探偵の男。タフで金や暴力にさらされても、決して己の信条を曲げない。そういう、いわゆる本格派のハードボイルドの原点ですね。 最初にロンググッドバイから読んだ私としては、本作の探偵フィリップ・マーロウもまだ三十代前半と若く、女性の扱いが荒っぽく感じられるなど、チャンドラーやマーロウの変化も楽しめました。 文章も後期の作品に比べると描写が長く、ぶんぶん腕を振り回しながら書いている印象です。 しかしながら、そんな諸々の若さを考慮しても、本作は名作と呼ばなければならないと思います。 もしまだチャンドラーを読んだことがないという方には、本書から順番通りに読んでいくことをお勧めします。 | ||||
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1922年にデビューし、アーネスト・ヘミングウェイを祖とするハードボイルド手法を、推理小説に持ち込んで成功させたのはサミュエル・ダシール・ハメットであったが、続いて1933年にハメットと同じく、推理小説パルプ・マガジン『ブラック・マスク』誌でデビューを果たしたレイモンド・チャンドラーは、それまでゴミ扱いをされていた推理小説を文学に引き上げた、ハードボイルド推理小説界の圧倒的存在である。 1939年発表の本作「The Big Sleep」は、そのチャンドラーの処女長編であると同時に、彼の作品に於いての、と言うより、ハードボイルド小説の世界に於ける最も重要な主人公である私立探偵フィリップ・マーロウの初登場作品でもある。 マーロウは出現と同時に一躍有名になった。そして、生涯で7作品しかないチャンドラーの長編小説の主人公は全てマーロウであったのである。 そのスタイルは常に一人称形式。ストーリーはマーロウの視点で描かれ、また、余計な心情の吐露を取っ払った客観的な文体は、ストーリーを分かり難くさせている節もあるが、チャンドラーの長編作品群はハードボイルド小説史上の古典として高く評価されている。 大富豪スターンウッド将軍家に招かれたマーロウ。依頼の内容は将軍の次女カーメンが受けている強請りの解決についてであった。脅迫状の差出人の家の前に張り込んだマーロウは、稲妻の様な閃光と金属的で痴呆じみた叫び声を耳にする。続いて聞こえたのは三発の銃声だった。部屋に飛び込んでみると、そこには男の死体と裸身のカーメンの姿があった。 精神が薄弱な上に、色情の気のあるカーメンはトラブルの種を撒き散らかす。 次々に現れる不審な人物達、複雑化していく事件、更には先んじて起きていた将軍の長女ヴィヴィアンの夫の失踪も関わってくるのであった。 本作は、二度映画化されている。 1946年のアメリカ映画「三つ数えろ」ではハンフリー・ボガートが、1978年にはイギリス・アメリカ映画「大いなる眠り」でロバート・ミッチャムが主演をしているが、二人共役よりも年齢がいっている様に思う。特にロバート・ミッチャムは貫禄が有り過ぎだろう。チャンドラー自身は、一番イメージに近いのはケーリー・グラントであると明言している。 個人の感想をついでに述べれば、本書の冒頭に於ける将軍とマーロウの遣り取りがなかなか個性的で面白い。年老い、人生に飽いた将軍は老い先が短いらしく、普通の人間ならば耐えられられない様な高温の蘭栽培の温室の中で一日を過ごしており、マーロウもその温室に招じ入れられる。 将軍はブランデーを薦め、自分の好みはシャンパンで割ったものだと言うが、ただマーロウが飲むのを見るのみで舌で唇を湿らす。そして、匂いは好きだと言い、タバコを吸うマーロウをじっと見つめる。それから依頼を打ち明け、二人は会話を交わす。そんなシーンだ。 本書は、双葉十三郎の翻訳版である。原書自体が古いのであるから、日本語版の発刊は1956年で本書の出版も1959年。戦争を挟んでいる為にタイムラグは有るがそれでも随分昔だ。当然古くさい表現も有りはするが、時代がそうさせているのだからしょうがない。却って当時を想うに丁度良いと言うものだ。 最近では村上春樹もチャンドラー作品を新たに翻訳しており、試しに少し立ち読みしてみたことはあるが、わざわざ改めるまでの意味が見いだせなかったのが正直なところだ。 | ||||
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口答えした女の頬を張り飛ばす時代 日本は戦争中、こういうエンタメを作る余裕があったのだろうか 初めてのチャンドラー オーディブルで 何度も図書館で手にとっては、ひどく焼けた紙と確実に目を悪くする汚い印字に放り出していた オーディブルで読む力を使わずとも聞いてればいい いい時代になった これが村上春樹をはじめ二十世紀の作家を夢中にさせたチャンドラー 勉強になる 現代日本でとなると龍が如くの桐生さんみたいになるのかな | ||||
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