キラー・イン・ザ・レイン: チャンドラー短編全集1
- チャンドラー短篇全集 (8)
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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村上春樹訳の『ロング・グッドバイ』の好評を受けて、早川書房がチャンドラーの全短編集を改訳し、発表順に編纂した独自の短編集第1弾。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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村上春樹による『ロング・グッドバイ』の新訳が刊行された影響で、改めてレイモンド・チャンドラーの作品が再評価されたのを機に、新訳で編まれた短中篇全集全4巻が発刊された。 しかも、一作毎に翻訳者を変えるという凝りようだ。 村上氏には、1930年代から1950年代にかけて活躍したチャンドラーの未読作を今更ながら読める機会を与えてくれたことに感謝せねばなるまい。 その全集の第1巻。収録されているのは、順番は異なるものの初期に発表された六作で、この内二作が未読であるのだ。これは嬉しい。 いの一番に登場するのは、チャンドラーのデビュー作である「ゆすり屋は撃たない」で、これは稲葉明雄が翻訳したもの(「脅迫者は射たない」)を読んだことがあるのだが、本書では小鷹信光が訳しており、彼の著した「探偵物語」シリーズには非道く心を奪われた身としては、そこのところは個人的な楽しみの一つでもあった。 未読だった「スマートアレック・キル」と「スペインの血」は、やはり初期作品らしくハメット的で、また、荒っぽい。だが、勿論文体には粗さや稚拙なところは無い。 「スペインの血」の主人公は刑事で、これはチャンドラー作品としてはかなり珍しいことだ。加えて彼がスペイン系の人物でもあることも非常に奇異なことである。 それから、このデビュー当時の作品達は割りかし三人称形式が多いことにも気付かされる。 一体どうすれば面白い作品になるであろうかと考えながら、色々な試みを施していたのかもしれないと推察する。その後作り上げるチャンドラー独特の魅力的なスタイルを確立する為に。 収録作品 「ゆすり屋は撃たない」 訳:小鷹信光 「スマートアレック・キル」 訳:三川基好 「フィンガー・マン」 訳:田口俊樹 「キラー・イン・ザ・レイン」 訳:村上博基 「ネヴァダ・ガス」 訳:真崎義博 「スペインの血」 訳:佐藤耕士 | ||||
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表題作は「大いなる眠り」の原型と言う事だが、いつものチャンドラー節が全開で、大いに堪能した。元は違ってた探偵の名前がフィリップ・マーロウだったからだけではあるまい。他作品は名前だけでなく、マーロウとはかなり印象の違う探偵だったと思う。一言で言えば、より荒事で活躍する強面の探偵か。 やはり個人的には表題作が抜群に良かった。マーロウの依頼人が、不器用な愛を注いだ若い女性に翻弄されて破滅する乱暴者、と言うのも泣かせるんだよね。 | ||||
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訳が古いせいか、読み進むテンポが難しい。原文と併せて読むと楽しめるかも。 | ||||
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1日1編づつ数日おきに読みました。全部で6つの短編が入っています。長めの短編という感じです。全部で537ページあります。村上春樹さんは、大いなる眠りのあとがきを書く前に、キラーインザレインを読んでいなかったのか。「スペインの血」は感動的でした。 | ||||
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チャンドラーのデビュー作「ゆすり屋は撃たない」を含む短編集。マーロウだけでなく、その前身たるキャラも入っている。 無論、我らがフィリップ・マーロウもいる。彼らに共通するのは、どう考えても警察に通報すべきところで犯罪を隠してしまう大胆さと無鉄砲さに思える。度胸があるということなのか、それがハードボイルドなのか。私には絶対無理だ、と読むたびに思う。私なら警察に通報して、それ以上難しくしたくない。ほんとにもう、ハラハラさせてくれるよ。 表題作は「大いなる眠り」の原型だが、マーロウではないらしい。そうだとばっかり思っていたのに。 ケータイ小説ばかり読んでいる人たちには絶対理解できないような、くどいぐらいの説明。登場人物の誰が誰だか分からなくなる描写。だってチンピラがみんな同じに見えるんだ! しかしまー、ハードボイルドを知らない人は、一度は読んでみるといい。 世の中にはこういう男もいたのだ。 | ||||
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