高い窓



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初公開日(参考)1959年01月
分類

長編小説

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高い窓

2014年12月05日 高い窓

私立探偵フィリップ・マーロウは、裕福な老女エリザベス・マードックから、出奔した義理の娘リンダを探してほしいと依頼された。老女は、亡き夫が遺した貴重な金貨をリンダが持ち逃げしたと固く信じていたが、エリザベスの息子レスリー、秘書のマールの振る舞いにもどこか裏がありそうな気配だ。マーロウは、リンダの女友だちや金貨の所在を尋ねてきた古銭商に当たるところから調査を始める。が、彼の行く手には脅迫と嘘、そして死体が待ち受けていた―『高い窓』の新訳版。 (「BOOK」データベースより)




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高い窓の総合評価:8.80/10点レビュー 44件。Bランク


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全2件 1~2 1/1ページ
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

これほど脱線することがあるだろうか

なんと難解なことか。チャンドラーも3作目、分かりづらい内容であることは十分承知していたが、前2作を越えるわかりにくさだったように思う。
希少価値の高い金貨がなくなり義理の娘が盗んだと疑う夫人が、マーロウに金貨を取り戻すよう依頼するところから物語は始まる。ところがその後大きく脱線しながらいろんな登場人物が入り乱れ、突然殺人事件に巻き込まれる。いったい今何を読まされているのかわからなくなった。最初の数十ページあたりで、金貨を取り戻すという本筋はとうに忘れてしまっていた。それに加えて「高い窓」たるものはいつまでたっても出てこない。
読んでいる物語が、そして決着がどうなるのか全くわからないままラストに至り、なるほど難しいクイズの答えを見るように物語は終了した。今作が特にわかりにくいのは、何人かの錯乱状態の人間が物語をかき乱しているからだと思う。でも3作目でわかってしまった気がする。チャンドラーの作品は何となくで、その雰囲気を楽しめば十分過ぎることに。

陰気な私は地球を回さない
L1K3MG03
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

文章が心に響く!

『大いなる眠り』、『さらば愛しき女よ』と続いたフィリップ・マーロウ3作目の本書は一転して地味で素っ気無い題名。題名というのは読書意欲を喚起させるファクターとして私は非常に大事だと思っているのだが、文豪チャンドラーの作品とは思えないほど、飾り気のない題名はちょっと残念。

マーロウは盗まれた時価1万ドルと云われる初期アメリカの古銭を探してほしいという依頼を受ける。それはマードック夫人の亡き夫の遺品であり、夫人は息子の嫁で歌手のリンダが盗んだと疑っていた。
事務所に戻ると夫人の息子レズリーがいた。レズリーは妻のリンダのかつての勤め先のナイトクラブのオーナーに借金があり、金に困っていたと話す。マーロウはリンダを探しにそのクラブに行くが、オーナーはおらず、リンダの友達だったその妻と逢う。
さらにマーロウは自分を尾行している探偵フィリップスに気づく。彼はコイン商に雇われていた。彼の話では件のコイン商が所有しているとの事で、マーロウはコイン商に逢い、1万ドルで買い戻す取引をする。
マーロウが金を取りに行く途中でフィリップスのアパートに立ち寄るとそこには彼の死体が転がっていた

と、この話は抜き出してみても非常に人が入れ替わり立ち替わりして、訳が解らなくなる。一体この小説のメインプロットは何だったかと、読者は困惑することだろう。要約すれば盗まれたコインを探すうちに、容疑者であるリンダを捜索を端緒に調査を始めると、件のコインに関係する人々が次々に殺され、依頼人に纏わる秘密が浮き彫りになるという内容だ。
しかしチャンドラーは雰囲気で読む作品だ。例えばこんな文章にハッとさせられる。

「家が視界から消えるにつれて、私は奇妙な感じにとらわれた。自分が詩を書き、とてもよく書けたのにそれをなくして、二度とそれを思い出せないような感じだった」

こんな経験は誰でもあるのではないだろうか?こういう言葉にしたいがどういう風に言い表したらいいのだろうかともどかしい思いをチャンドラーは実に的確に表現する。
詩的なのに、直情的。正に文の名手だ。

本作では依頼人の秘書のマールと運転手のキャラクターが鮮烈な印象を残す。 特にマールの存在については現在にも繋がる問題として、読後しばらく考えさせられてしまった。金満家の未亡人の世間知らずな側面が招いた悲劇を描いたこの作品はロスマクにも影響を与えているのではないだろうか。

Tetchy
WHOKS60S
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.42:
(5pt)

今のところ、一番好きかも

チャンドラーの長編を村上春樹訳で、長いお別れ、さよなら愛しい人、大いなる眠り、そして4作目として本作、という順番で読みました。すでに、リトルシスター、湖中の女、プレイバックも購入済みで今から読みます。
今のところ、私は本作が一番好きだと思います。
理由は、プロットに破綻が無いこと、暴力シーンが少ないこと、そしてなんといっても、人物描写が上手く、その人のことを知っているような気になるくらいに理解できる点です。
富豪の依頼人、その出来の悪い子ども、裏社会のボス的な人物とその大柄な用心棒、そしておなじみの警察とのやり取り。また、ブラッシャーダブルーンという偽造硬貨を巡る話でもあり、スリリングで続きが気になります。ああ、これがハードボイルドよなあ、と感じます。
他の作品もはやく読みたくなりました。
高い窓 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:高い窓 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150704651
No.41:
(5pt)

きれきれのダンス

ヒースクリフという名の大型コッカー・スパニエルが不気味。高い窓からの転落事故がある家族のその後にどんな影響を与えたか。三軒の殺人事件の捜査からそれが解明される。見事なダンス、レイモン・チャンドラー! 歯科技工士がレア金貨の偽造を行うくだり、もっとちゃんと調べて翻訳して欲しかった。原文不確かに見えるが、作者がここで手抜きをしているとは考えられない。あるいは現実の事件があったか?
高い窓 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:高い窓 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150704651
No.40:
(2pt)

ここからいろいろまねた作品を見たことがある これが原典か

もう何で読んだのか、テレビで見たのか思い出せないけれど
こういう話をいくつか見た覚えがある
これが原典かと感心した
現代の感覚だと職場のハラスメントで病むまで追い込んだ連中を許すまじってなるんだろうけれど
職場で殴る蹴るが普通にあった時代のこと、むしろ弱者に対して男前なところをみせたあたり
人気の所以で現代まで語り継がれているのだろう
ホームズが植民地で財をなした悪人が因果応報のパターンが多かったけれど
マーロウも依頼者の身内のナニってのが多いのかも
高い窓 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:高い窓 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150704651
No.39:
(5pt)

たった2日でよくもこれだけ

自分に火の粉が降りかかってくるのがわかっているのに首を突っ込んでしまう。ほっときゃいいのに世話を焼いてしまう、私立探偵フィリップ・マーロウ。今回は時系列に沿って話が進むので分かりやすい。それにしても、依頼の当日に殺人が2件起きて、翌日には3人めの殺人と事件解決、という超人的な仕事っぷり。
高い窓 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:高い窓 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150704651
No.38:
(5pt)

チャンドラー長編三作目は意外にウェット?

本書は、レイモンド・チャンドラーの三作目の長編である。『さらば愛しき女よ』に続く流れで、これも何十年か振りに再読したが、非常に楽しく読めた。

同じく、私立探偵フィリップ・マーロウを主人公とし、彼は或る依頼事に関わるうちに、例によって立て続けに殺人事件に出くわしていく。
と、書くと、伝統芸の様な決まりきったパターン物の印象を与えるかもしれないが、本書については読み始めて暫くすると、他の作品とはやや異なる雰囲気を感じた。
一作目『大いなる眠り』、二作目『さらば愛しき女よ』に比べて、暴力性は随分と鳴りを潜め、マーロウが殴られる事も無い。それよりも、シャープな会話劇が多く繰り広げられ、そしてその為に、洒落た比喩表現と各登場人物の心理が汲み取れる様な描写が細かく書かれており、ドライさが抑えられているところが新鮮だ。
また、この作品に於いては、冷静な態度を保ちつつも、マーロウが若干いつもに比べて感情的、感傷的になっている様だし、物語の締めについても甚だ個人的な範囲というか、社会的な正義などとはまったく関係なく終わらせており、真実などどうでも良いこととしているのはなかなかユニークだ。

ユニークと言えば、伏線らしいものを幾つか散りばめながら、結局なんでもなかったり、余計な登場人物がいたりもするが、これもチャンドラーの試験的な試みなのか、それとも自らの作風に飽きて変化を加えてみたかったのか、そこのところは分からない。
元々、登場人物の動作などについて細かく筆を費やすチャンドラーのことだから、より映画的な作品にすることを意識した結果なのかもしれない。

なお、今回取り上げた1988年版は、チャンドラーとの名コンビを見せてくれていた清水俊二氏が、改めて過去の作品にまで遡って翻訳を行なった最後の一作である。死の間際まで取り掛かり、あと一息のところで未完となってしまい、戸田奈津子氏が引き続いで完成した。
高い窓 (ハヤカワ・ミステリ 513)Amazon書評・レビュー:高い窓 (ハヤカワ・ミステリ 513)より
4150005133



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