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【レイモンド・チャンドラー】
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高い窓の評価:
6.50/10点 レビュー 2件。 B ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです
平均点6.50pt
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
これほど脱線することがあるだろうか
なんと難解なことか。チャンドラーも3作目、分かりづらい内容であることは十分承知していたが、前2作を越えるわかりにくさだったように思う。希少価値の高い金貨がなくなり義理の娘が盗んだと疑う夫人が、マーロウに金貨を取り戻すよう依頼するところから物語は始まる。ところがその後大きく脱線しながらいろんな登場人物が入り乱れ、突然殺人事件に巻き込まれる。いったい今何を読まされているのかわからなくなった。最初の数十ページあたりで、金貨を取り戻すという本筋はとうに忘れてしまっていた。それに加えて「高い窓」たるものはいつまでたっても出てこない。読んでいる物語が、そして決着がどうなるのか全くわからないままラストに至り、なるほど難しいクイズの答えを見るように物語は終了した。今作が特にわかりにくいのは、何人かの錯乱状態の人間が物語をかき乱しているからだと思う。でも3作目でわかってしまった気がする。チャンドラーの作品は何となくで、その雰囲気を楽しめば十分過ぎることに。
文章が心に響く!
『大いなる眠り』、『さらば愛しき女よ』と続いたフィリップ・マーロウ3作目の本書は一転して地味で素っ気無い題名。題名というのは読書意欲を喚起させるファクターとして私は非常に大事だと思っているのだが、文豪チャンドラーの作品とは思えないほど、飾り気のない題名はちょっと残念。マーロウは盗まれた時価1万ドルと云われる初期アメリカの古銭を探してほしいという依頼を受ける。それはマードック夫人の亡き夫の遺品であり、夫人は息子の嫁で歌手のリンダが盗んだと疑っていた。事務所に戻ると夫人の息子レズリーがいた。レズリーは妻のリンダのかつての勤め先のナイトクラブのオーナーに借金があり、金に困っていたと話す。マーロウはリンダを探しにそのクラブに行くが、オーナーはおらず、リンダの友達だったその妻と逢う。さらにマーロウは自分を尾行している探偵フィリップスに気づく。彼はコイン商に雇われていた。彼の話では件のコイン商が所有しているとの事で、マーロウはコイン商に逢い、1万ドルで買い戻す取引をする。マーロウが金を取りに行く途中でフィリップスのアパートに立ち寄るとそこには彼の死体が転がっていたと、この話は抜き出してみても非常に人が入れ替わり立ち替わりして、訳が解らなくなる。一体この小説のメインプロットは何だったかと、読者は困惑することだろう。要約すれば盗まれたコインを探すうちに、容疑者であるリンダを捜索を端緒に調査を始めると、件のコインに関係する人々が次々に殺され、依頼人に纏わる秘密が浮き彫りになるという内容だ。しかしチャンドラーは雰囲気で読む作品だ。例えばこんな文章にハッとさせられる。「家が視界から消えるにつれて、私は奇妙な感じにとらわれた。自分が詩を書き、とてもよく書けたのにそれをなくして、二度とそれを思い出せないような感じだった」 こんな経験は誰でもあるのではないだろうか?こういう言葉にしたいがどういう風に言い表したらいいのだろうかともどかしい思いをチャンドラーは実に的確に表現する。 詩的なのに、直情的。正に文の名手だ。 本作では依頼人の秘書のマールと運転手のキャラクターが鮮烈な印象を残す。 特にマールの存在については現在にも繋がる問題として、読後しばらく考えさせられてしまった。金満家の未亡人の世間知らずな側面が招いた悲劇を描いたこの作品はロスマクにも影響を与えているのではないだろうか。
なんと難解なことか。チャンドラーも3作目、分かりづらい内容であることは十分承知していたが、前2作を越えるわかりにくさだったように思う。
希少価値の高い金貨がなくなり義理の娘が盗んだと疑う夫人が、マーロウに金貨を取り戻すよう依頼するところから物語は始まる。ところがその後大きく脱線しながらいろんな登場人物が入り乱れ、突然殺人事件に巻き込まれる。いったい今何を読まされているのかわからなくなった。最初の数十ページあたりで、金貨を取り戻すという本筋はとうに忘れてしまっていた。それに加えて「高い窓」たるものはいつまでたっても出てこない。
読んでいる物語が、そして決着がどうなるのか全くわからないままラストに至り、なるほど難しいクイズの答えを見るように物語は終了した。今作が特にわかりにくいのは、何人かの錯乱状態の人間が物語をかき乱しているからだと思う。でも3作目でわかってしまった気がする。チャンドラーの作品は何となくで、その雰囲気を楽しめば十分過ぎることに。