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高い窓
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【この小説が収録されている参考書籍】
高い窓の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.45pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全42件 1~20 1/3ページ
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チャンドラーの長編を村上春樹訳で、長いお別れ、さよなら愛しい人、大いなる眠り、そして4作目として本作、という順番で読みました。すでに、リトルシスター、湖中の女、プレイバックも購入済みで今から読みます。 今のところ、私は本作が一番好きだと思います。 理由は、プロットに破綻が無いこと、暴力シーンが少ないこと、そしてなんといっても、人物描写が上手く、その人のことを知っているような気になるくらいに理解できる点です。 富豪の依頼人、その出来の悪い子ども、裏社会のボス的な人物とその大柄な用心棒、そしておなじみの警察とのやり取り。また、ブラッシャーダブルーンという偽造硬貨を巡る話でもあり、スリリングで続きが気になります。ああ、これがハードボイルドよなあ、と感じます。 他の作品もはやく読みたくなりました。 | ||||
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ヒースクリフという名の大型コッカー・スパニエルが不気味。高い窓からの転落事故がある家族のその後にどんな影響を与えたか。三軒の殺人事件の捜査からそれが解明される。見事なダンス、レイモン・チャンドラー! 歯科技工士がレア金貨の偽造を行うくだり、もっとちゃんと調べて翻訳して欲しかった。原文不確かに見えるが、作者がここで手抜きをしているとは考えられない。あるいは現実の事件があったか? | ||||
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もう何で読んだのか、テレビで見たのか思い出せないけれど こういう話をいくつか見た覚えがある これが原典かと感心した 現代の感覚だと職場のハラスメントで病むまで追い込んだ連中を許すまじってなるんだろうけれど 職場で殴る蹴るが普通にあった時代のこと、むしろ弱者に対して男前なところをみせたあたり 人気の所以で現代まで語り継がれているのだろう ホームズが植民地で財をなした悪人が因果応報のパターンが多かったけれど マーロウも依頼者の身内のナニってのが多いのかも | ||||
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自分に火の粉が降りかかってくるのがわかっているのに首を突っ込んでしまう。ほっときゃいいのに世話を焼いてしまう、私立探偵フィリップ・マーロウ。今回は時系列に沿って話が進むので分かりやすい。それにしても、依頼の当日に殺人が2件起きて、翌日には3人めの殺人と事件解決、という超人的な仕事っぷり。 | ||||
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本書は、レイモンド・チャンドラーの三作目の長編である。『さらば愛しき女よ』に続く流れで、これも何十年か振りに再読したが、非常に楽しく読めた。 同じく、私立探偵フィリップ・マーロウを主人公とし、彼は或る依頼事に関わるうちに、例によって立て続けに殺人事件に出くわしていく。 と、書くと、伝統芸の様な決まりきったパターン物の印象を与えるかもしれないが、本書については読み始めて暫くすると、他の作品とはやや異なる雰囲気を感じた。 一作目『大いなる眠り』、二作目『さらば愛しき女よ』に比べて、暴力性は随分と鳴りを潜め、マーロウが殴られる事も無い。それよりも、シャープな会話劇が多く繰り広げられ、そしてその為に、洒落た比喩表現と各登場人物の心理が汲み取れる様な描写が細かく書かれており、ドライさが抑えられているところが新鮮だ。 また、この作品に於いては、冷静な態度を保ちつつも、マーロウが若干いつもに比べて感情的、感傷的になっている様だし、物語の締めについても甚だ個人的な範囲というか、社会的な正義などとはまったく関係なく終わらせており、真実などどうでも良いこととしているのはなかなかユニークだ。 ユニークと言えば、伏線らしいものを幾つか散りばめながら、結局なんでもなかったり、余計な登場人物がいたりもするが、これもチャンドラーの試験的な試みなのか、それとも自らの作風に飽きて変化を加えてみたかったのか、そこのところは分からない。 元々、登場人物の動作などについて細かく筆を費やすチャンドラーのことだから、より映画的な作品にすることを意識した結果なのかもしれない。 なお、今回取り上げた1988年版は、チャンドラーとの名コンビを見せてくれていた清水俊二氏が、改めて過去の作品にまで遡って翻訳を行なった最後の一作である。死の間際まで取り掛かり、あと一息のところで未完となってしまい、戸田奈津子氏が引き続いで完成した。 | ||||
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ハードボイルドを堪能した。しかしやっぱり古さはいなめない・・・。 | ||||
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レイモンド・チャンドラーのフィリップ・マーロウシリーズを読む時は、行儀悪いとお叱りを受けそうですが、いつも炭酸割を飲むことにしています。この『高い窓』を読み終えた後は、実に心地よい酩酊感に浸る事ができました。 裕福で抑圧的な家庭に端を発した盗難事件に絡む殺人事件が、マーロウの大胆にして慎重な推理と行動力で解きほぐされていく様が、村上春樹氏の妙訳で味読できる心地よさは格別です。 マーロウの粋な言葉と配慮に脱帽。 | ||||
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「詩 を ひとつ 書き上げ、 とても 出来 の 良い 詩 だっ た の だ が、 それ を なくし て しまい、 思い出そ う として も まるで 思い出せ ない とき の よう な 気持ち」最終章より引用 | ||||
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マーロウは村上春樹翻訳で初めて読みました 他の翻訳は読んでいません 長編7冊読んでこれが一番の好みになりました ただ、村上春樹はそうでもないご様子ですし、チャンドラーもそう思っているらしい さよなら、愛しい人よりずっと面白いと思うんだけどなあ | ||||
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生活感のある処理がしてあり、満足!内容もダイナミックで、高3程度の人なら辞書なしでも読める? | ||||
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先日読み終えたレイモンド・チャンドラーの遺作『プレイバック』を読み終え、このさい大昔に読んだチャンドラーの全作を読んでみようと思い『高い窓』(1942年)を入手して読むことにした。 この『高い窓』の奥付を見ると昭和63年9月15日発行と記してあり、「『訳者あとがき』に代えて」で戸田奈津子氏が清水俊二氏が闘病中に翻訳しながら、あと少しを残して亡くなり、そのあとを戸田奈津子氏が受け継ぎ完訳して刊行されたことを知った。 清水俊二氏は、2000本にも及ぶ映画の字幕の仕事といい、映画人の評伝やミステリを主とする翻訳など多く、すばらしい仕事をされてきたが、この『高い窓』が最後の仕事となってしまった。 フィレンツェの大聖堂にあるミケジジェロにある未完の「ピェタ」の像を思い出した戸田奈津子氏は、八十歳でミケランジェロが世を去り、未完の部分を弟子が完成させたのだが、同じ石を刻みながら、その像は「ここからここ」と、誰でも線を引けるほど歴然たる違いを見せていた。 弟子はさぞ自分の腕の未熟さを恥じ、歯ぎしりしたであろう。 私もまさにその気持ちである、と述べていたが、清水俊二氏も戸田奈津子氏も同じ映画字幕で活躍してきたからなのか、本書のどこから戸田奈津子氏が引き継いだのかページを戻して読み返してみたが見つけることはできなかった。 マーロウがマードック夫人秘書のマール・デイビスを、ウィチタの実家まで送るくだりの描写を、戸田訳と清水訳と比較して読みたいとは思ってしまったですが・・・。 原書英語の隠喩や意訳の誤りを指摘する読者もあるかも知れないが、評者など高邁な文学作品を読むつもりでチャンドラーを読む気などさらさらないから、清水俊二氏の描くマーロウが最高だと思いながら、チャンドラー三作目の『高い窓』を楽しみながら読み終えたのです。 | ||||
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戦前の1942年に発売された、チャンドラーの全7長編中3番目の作品。 資産ある未亡人、そこで働く陰りある臆病な女、出来の悪い息子、そのダンサー上がりの逃げた嫁、女や人を食い物にする男、等々、キャラクターがそれぞれの生きざまを見せる中で、 人の恐怖、不安、親子愛、男女の愛や結婚観、強欲、殺人欲求、性暴力による精神破壊と救済が描かれた傑作探偵ミステリだと思います。 個人的にはマーロウの優しさ、救済が心に沁みました。 蛇足ですが、偽造金貨と救済という設定は宮崎駿さんの『カリオストロの城』に幾分影響をもたらした気がします。チャンドラーの『さらば愛しき女よ』そのままに宮崎駿さんの『さらば愛しきルパンよ』という作品は宮崎さんのチャンドラーへのオマージュかも知れません。 優れた芸術が優れた芸術家を刺激し、新たな素晴らしい芸術が生まれる。翻訳頂いた村上春樹さんに感謝です。 | ||||
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文庫本にしては字が大きくて読みやすいし、表紙もすっきりしていてよい。なぜ村上春樹が翻訳したのか分かった気がした。レイモンドチャンドラーが描く情景描写が、村上春樹にとってすごく好みで、作品を書く参考になったのだろう。 | ||||
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村上春樹訳のチャンドラー作品は、「ロング・グッド・バイ」→「大いなる眠り」→「さよなら、愛しい人」と読んできています。 「高い窓」はストーリーの面白さ、マーロウの格好良さなどは他作品より劣っていると思います。 ただ、それでも面白いことには変わらず1日で読んでしまいました。 チャンドラーファンなら本作も、チャンドラー作品が初見の方は「大いなる眠り」とか「ロング・グッド・バイ」をオススメします。 | ||||
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古い金貨をめぐる事件が発生し、私立探偵のマーロウが引き受ける。物語が進むに連れ殺人事件も発生する。運がいいのか悪いのか、マーロウは他の人に先駆けて死体を発見する。最後は見事に事件解決と相成るわけだが、その解決するシーンが格好いい。犯人を目の前にして、静かに真相を語るのだが、そこが人情味溢れる語りなのだ。また、犯人ではない、過去に利用された女の扱いもハードボイルドらしく男の優しさが滲み出てくる。なお、本書はそれほど長い作品ではないが、読むのに時間がかかった。チャンドラーの他の作品(訳者は村上春樹さんではない)を読んだ時にも時間がかかったので、もともと読み進めるのに時間がかかる作家なのだろう。 | ||||
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1942年に書かれ、チャンドラーが創造した探偵フィリップ・マーロウが活躍するハードボイルド小説としては第3作目。田中小実昌の軽快な訳が合っているのではないかと思い、この版を選びました。この作品を「名作100選」に選んだH・R・F・キーティングがいうとおり、この作品の魅力はプロットではなく、南カリフォルニアの湿気や匂いまで喚起させる背景描写と人物の造型にあると思います。 マーロウはロサンジェルスのパサデナに住む富豪の未亡人に、亡き夫のコレクションだった古い金貨が紛失したのでそれを探して欲しいという依頼を受ける。家を出て行った息子の嫁が盗んだのだ、と未亡人はいう。ダウンタウンを中心に調査を進めていく間に、事件の鍵を握ると思われる3人の人物が次々と死んでいく…。 フィリップ・マーロウものは初めて読みましたが、冗談や軽口で手強い相手とやりとりし、なかなか本心を見せようとしないマーロウは、ありふれたタフガイではないようです。 | ||||
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村上春樹訳でやわらかい雰囲気。マーロウは今夏は、あまり暴力にあいません。嘘ばかりの古い家でトラウマをかかえ神経症となった秘書マールのしあわせを願うマーロウってタフでいい奴。 「マールはエプロンをかけてパイの皮をのばしていた。粉のついた両手をエプロンで拭きながら戸口にやってきて、私の口にキスし、泣き出し、家の中に駆け戻っていった」 マーロウ主演って、いつも旅しているような旅情がありますね。 もう少し引用。189頁、黒髪の美女リンダのセリフ「こういう派手な高級クラブに通う道楽者たちを次々にはねのけることで、腕の筋肉がくたびれてしまったような娘たちがね」 なにかこう眼にうかびますね。 | ||||
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コミさん版よりは、こちらの訳のほうが好きです。 何しろ創元推理文庫版『大いなる眠り』で初めてレイモンド・チャンドラーの作品に出会いましたから。 | ||||
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村上春樹新訳を読了。もっともこの作品は初読なので新訳うんぬんは関係ない。どうも作者のチャンドラーにとっては良い出来ではないようだが、一読者としては大満足。長過ぎるきらいがある、世評高い「長いお別れ」より上の出来なのではないか。ミステリとしてのまとまりがあり、目まぐるしく場面を変えながらスリリングなストーリー展開で全く読者を飽きさせることがない。 だがやはりファンとして嬉しいのは、ハードボイルドでNo.1の好漢である私立探偵フィリップ・マーロウの活躍と、筋を曲げない硬骨ぶり。あるいは権力におもねらず弱者に暖かい視線を向けるチャンドラー節だ。仮に本格物だとすればミステリーとして破綻が多いと指摘されるチャンドラー作品だが、そんなのは目じゃない。 ミステリーとしてでなくとも十分読ませるのがチャンドラーなのだ。特別に秀でた人間ではないけれど、これほど格好良い男はいないフィリップ・マーロウの生き様には男として憧れざるを得ないが・・・たぶんチャンドラー自身がマーロウのようなメンタリティーの人間だったんだろうな。 | ||||
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古い本だが、読み物としては最高。直木賞作家の翻訳だけに、スラスラ読める。 | ||||
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