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高い窓
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【この小説が収録されている参考書籍】
高い窓の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.45pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全42件 21~40 2/3ページ
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村上さんの小説は同にもなじめませんが、チャンドラーの翻訳は実に面白いです。今までのほかの人の翻訳ものはかなり端折っていたからかもしれません。翻訳者に夜のでしょうね。 | ||||
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チャンドラー作品の中で村上春樹氏の翻訳が最もフィットしているように思いました。作品中のときどきのユーモラスな文章と、事件の核心に対する心象が見事な対比を生み出しています。 | ||||
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アメリカの作家レイモンド・チャンドラー(1888 - 1959)が1942年に発表した、〈私立探偵フィリップ・マーロウ〉シリーズ第3作 “The high window” の邦訳。本書は村上春樹氏により2014年出版された新訳の文庫化です。 あとがきで村上氏が指摘するとおり、本作はプロットに難があるチャンドラー作品のなかでは比較的破綻の少ない作品です。それでもやはり、プロットや言い回しをひねりすぎてチャンドラー自身の手にあまっているのが伝わる箇所もあります。シリーズのなかではバイオレンス描写がおとなしめで、物語の起伏もさほど大きくありません。 けれどワイズクラックを放つ私立探偵、失踪した美女、秘密を抱えた富豪、裏社会の大立者など、ハードボイルドお約束のモチーフが散りばめられており、探偵小説が好きであれば読んでいてワクワクせざるをえません。社会の矛盾を告発するチャンドラーの舌鋒の鋭さも健在です。 とくに好きなのは、マーロウが高級ゲイテッドコミュニティを訪れるシーン。圧倒的な格差が存在する資本主義社会に対して、マーロウが警備員と交わし合う皮肉。高慢ちきな金持ちに侮辱されたバーテンダーに向ける、マーロウの優しさ。辛辣とあたたかさを同居させ、たえずユーモアを忘れないマーロウのキャラクターがよく表れています。作中で言及されるとおり、まさしくその姿は、高潔な精神を宿し不条理な世界に立ち向かう「時代遅れの騎士ギャラハッド」です。 シリーズ全7作品のうち、村上氏の手による翻訳はこれで5冊目。氏の訳文も作品を重ねるごとに、チャンドラーの文体になじんできているように感じられます。残り2冊を翻訳する意欲もあるようで、全巻完訳される日をこころ待ちにしています。 (以下、訳文について) 本作には村上訳の前に、田中小実昌訳(早川書房、1959年)、清水俊二訳(早川書房、1989年)があります。マーロウの一人称を「おれ」と訳した田中訳を読んだことがありませんが、本作が最後の仕事になった清水氏の訳にはお世話になりました(残された部分を引き受けたのは弟子の戸田奈津子氏)。 清水訳は今読んでも通用する日本語で訳されており、村上訳とどちらがいいかは読者の好みによると思います。ただ評者の印象としては村上訳のほうが清水訳よりも、マーロウの皮肉っぽさが強調されており、チャンドラーの長めの原文が自在に区切られていると感じました。たとえば、 “There was a heavy scent of summer on the morning and everything that grew was perfectly still in the breathless air they get over there on what they call a nice cool day”(原文) 「夏の朝の匂いが強く鼻をつき、目にうつるものすべてが、このへんの人々の口ぐせになっている “さわやかに晴れわたった日” の静止した空気の中で完全に動きを止めていた」(清水訳、p.5) 「夏のもったりとした匂いがする朝だった。植物と名の付くものはすべて、淀んだ空気の中でぴくりとも動かなかった。そういうのがこの辺りでは「爽やかで気持ちの良い日」と呼ばれている」(村上訳、p.5) 全体的に見れば、村上訳はあえて直訳調の日本語に置き換える傾向があるため、清水訳のほうがスピーディさでは上でしょう。また、村上訳では彼の翻訳でおなじみの、「クール」など英単語をそのままカタカナに移し替えた村上節がうかがうことができます。たとえば、 “If you hire me, you’ll get all the delicacy i have. If i don’t have enough delicacy, maybe you’d better not hire me. For instance, I take it you don’t want your daughter-in-law framed. I’m not delicate enough for that”(原文) 「あなたが雇ってくださるのなら、仕事に支障のないかぎり、できるだけこまかく神経を働かせるつもりです。私がそれだけのこまかい神経を持っていないなら、私をお雇いにならぬ方がいいでしょう。たとえば、あなたはおそらく息子さんの嫁に罠をかけることに反対なさる。私はそこまで気を使うわけにいきません」(清水訳、p.22) 「もし私を雇うのであれば、あなたは私の持てるかぎりのデリカシーを手にいれることになります。もしそれだけでは十分でないというのであれば、私を雇うのはよした方がいいでしょう。たとえば、あなたは息子さんの奥さんを罪に陥れたいなんて思ってもいないと私は考えます。その裏を読めと言われても、こちらとしてはそこまでデリケートにはなれません」(村上訳、p.26) ほかにパッと目につくところでは、清水訳では原文のフィートやインチ、マイルの単位はそのままですが、村上訳ではメートルやキロの単位に変更されています。清水訳で削除されている箇所が、村上訳では訳出されているばあいもありました。たとえば、 “He has a bodyguard who is quite a character. His name’s Eddie Rrue, he’s about six feet five inches tall and thin as an honest alibi. he has a frozen eye, the result of a war wound”(原文) 「ボディガードはひと癖ある男で、エディ・プルーって名だ。六フィート五インチほどの長身でやせていて、戦傷で片目がつぶれてる」(清水訳、p.47) 「彼には一人ボディーガードがついているが、こいつが見ものだ。エディー・プルーという名前で、身長は二メートル近くあり、正直なアリバイみたいにやせ細っている。戦傷のために片方の目は動かない」(村上訳、p.56) たしかに “thin as an honest alibi” という表現はひねりすぎて意味をとりづらく、清水訳で削られたのもわかる気がします。一方で、村上訳では削られることなく、そのまま訳されていました。 | ||||
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2014年に発行の、初版本にも拘らず大変綺麗な状態の本でした。 帯付きで、表紙に汚、傷も無く、内部も、折れ、書き込みも無く、 新品のような状態でした。 そして、包装がキチンと透明シートでされ、大変丁寧でした、こちらの書店さんの書物に対する、愛情が 感じられました。 又、こちらの書店さんから購入しようと思います。 | ||||
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清水俊二訳でフィリップ・マーロウシリーズをすべて読んでいますが、 村上春樹訳も出版されるたびに読んでいます。 『高い窓』はどんなストーリーだったかも覚えていないぐらい印象に なかったのですが、今回村上訳を読んでおもしろさを再発見できました。 『ロング・グッドバイ』や『さよなら、愛しい人』で受けた強烈な哀愁は ないものの、現実的で細かい人物描写、余韻を残す短いセリフ、そして フィリップ・マーロウのダンディさは健在です。 むしろ他の作品に比べて、謎解きまでのストーリーが分かりやすく、 まとまった作品のように感じました。 村上春樹のあとがきも、チャンドラー好きにはたまらないと思います。 村上訳はこれで5作目。あとは『湖中の女』と『プレイ・バック』だと 思いますが、訳出されるのを楽しみにしています。 | ||||
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村上春樹自身も「あとがき」で書いているように、で、あれはどうなったの?っていう部分もある。でもいい。マーロウがカッコいいから、まあいい。っていうことにしておこう。 実際、個人的に、ここでの男気のあるマーロウはなかなかに、男が惚れる男!っていう感じでなかなかいいのだ。ブリーズ刑事も最後には、惚れてしまう・・・・・ 最後の方、マーロウがマールにこんなことを言うシーンがある・・・・・「君は漁船団と共に苛酷な夜を送った雪娘みたいに見える」。これって、どういうことなんだろうと考えてしまうけど、このような表現は、村上春樹の小説の中には、ときたま出てくので、「ああ、これって!」って感じ入る読者も多いのではないか。 PS:「英語で読む村上春樹」を聴いていて、「あ!」と感じる部分がある・・・・・2015年7月号を見るべし、講義を聴くべし・・・・ | ||||
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正直なところ、「高い窓」と「湖中の女」はほかの作品と比べて、あまり印象がなかった(清水俊二訳)。 でもこれはイイ!とても面白かった。 これで5作目の村上春樹訳ですが、なんていうか・・ここにきてようやく、村上春樹がチャンドラーの目を通してマーロウに語らせたといえるほど、語彙、文体、リズム・・緊密な統一感を保ちながら、淀みなく物語が表現されてます。 作家の逢坂剛が、(翻訳家として)語りにくい作家であるというようなことを言っていたように、自分も1作目の「ロンググッドバイ」から感じていた作家の過剰な意識みたいなものが、本作では力が抜け、チャンドラーとともに筆を動かすような自在さが気持ちいいです(翻訳という作業には、もちろん文章との格闘という側面もあるけれど)。 確かにドライブ感とかシャープさとかは、ほかの作品と比べても不足しているのだろうけど、「高い窓」がマーロウの物語として、心地いい余韻と完成度をもった作品であったという発見も(いまさらですが)うれしかった。 できることならこれが翻訳1作目であったら、既に世に出た4作も、もっとチャンドラーの気分を伝えてくれただろうに、とチョット残念な気持ちにもなってしまった。それほど自分の中での評価は高いです。村上春樹さん、ありがとう! | ||||
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村上訳はいいですね。これを始めて読んだのは高校生の時です。全部訳すとのこと。楽しみです。 | ||||
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久しぶりの新訳なので期待して読んだのですが、無意味な描写が多すぎ 読みずらくて辛かったです。 映画なら退屈しないのかもしれませんが? | ||||
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原題 The High Window 1942年発表のチャンドラーの第三長編。 日本では他の作品に比べ言及される機会が少ないが、しばしばプロットの整合性の不足が難点とされるチャンドラー作品にあって、比較的まとまった物語展開を見せ、海外では代表作の一つとみなされることも多い長編。 マーロウ探偵譚として『大いなる眠り』と並んで最もオーソドックスな私立探偵小説の魅力を湛えた作品であり、ハードボイルド・ヒーローとしてのフィリップ・マーロウが存分に堪能できる。 『ロング・グッドバイ』の如く溢れるばかりの切ない感傷や陰影深く複雑な人間描写の妙を含んだ作品ではないが、結末においてマーロウが示す優しさは格別に胸に迫るものがある。 小鷹信光氏がベンジャミン・ブラックによるチャンドラー・パスティーシュ『黒い瞳のブロンド』を意識的に村上文体を模して訳したように、村上訳がスタンダードな存在になりつつある今、残り二作となった長編の完訳をぜひ果たしてもらいたいものだ。そして訳者によるあとがきは、いつもながら興味深く、村上氏のチャンドラーへの愛情が如実に伝わり心地よい。 なお、あとがきで言及されている通り、本作には清水俊二訳(戸田奈津子氏が一部を補足)の他に、ハヤカワ・ポケットミステリ版の田中小実昌訳が存在するが、村上版とはまるで違うアウトローというべきか、チンピラ風で威勢の良いマーロウ像であり非常に面白い。併読をお薦めする。 | ||||
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彼の作品は繊細な情景描写が臨場感を生み出していて訳者の旨さは勿論在るのだろうが 自分もともに俯瞰しているようで場に引きこまれていて気がつけば部屋は暗く、キンドル の画面の輝きに驚かされている自分を発見したりしている。高い窓 読後満腹清涼。 | ||||
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おれが初めて『高い窓』を読んだのはポケミス版の田中小実昌バージョンだった。セリフがピチピチしていてとても笑えた。マードック夫人のしたたかオバタリアンぶりに舌を巻いた。 二度目に読んだのは清水俊二&戸田奈津子バージョンだった。こちらでは笑えなかった。濾過され過ぎてミネラルのない理科室の実験水みたいだった。マーロウも空振り気味でマードック夫人がただの女の人になっていた。おれはガッカリした。 三度目は…村上春樹版で読みたい | ||||
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おれが初めて『高い窓』を読んだのはポケミス版の田中小実昌バージョンだった。セリフがピチピチしていてとても笑えた。マードック夫人のしたたかオバタリアンぶりに舌を巻いた。 二度目に読んだのは清水俊二&戸田奈津子バージョンだった。こちらでは笑えなかった。濾過され過ぎてミネラルのない理科室の実験水みたいだった。マーロウも空振り気味でマードック夫人がただの女の人になっていた。おれはガッカリした。 三度目は…村上春樹版で読みたい | ||||
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刑事のように公権力を背負って、俄か「正義」を 押し付けるのではなく 自分の信じるところで、 事件に巻き込まれて行く私立探偵。 確かに、タフで優しさがないと 擦れてしまいますね。 そんなマーローが随所に散りばめられています。 刑事やごろつきとの一ひねりの利いたやりとり、 LAの情景も、素敵な比喩で描かれています。 例えば「『不思議な国のキャロル』に出てくる 猫の笑いを残して「彼」は出て行った」なんて ユーモアのある比喩。 チャンドラーのセンチメンタルな 代表作に比較しても、全然面白さは 変わりません。 田中コミマサ訳で読みました。 | ||||
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刑事のように公権力を背負って、俄か「正義」を押し付けるのではなく 自分の信じるところで、事件に巻き込まれて行く私立探偵。確かに、タフで優しさがないと擦れてしまいますね。そんなマーローが随所に散りばめられています。刑事やごろつきとの一ひねりの利いたやりとり、LAの情景も、素敵な比喩で描かれています。例えば「『不思議な国のキャロル』に出てくる猫の笑いを残して「彼」は出て行った」なんてユーモアのある比喩。チャンドラーのセンチメンタルな代表作に比較しても、全然面白さは変わりません。田中コミマサ訳で読みました。 | ||||
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この話では、フィリップ・マーロウは、銃をぶっ放さない。事件としてもそれほど意外性のあるものでもない。 ただ、この作品には、他の作品以上にユニークな登場人物とマーロウ節がふんだんに盛り込まれている。 特に私が好きなくだりは、ブリーズ警部補とのカシディ事件を話すところは、マーロウの魅力が、とても良くかもし出されている。 私が思うに、マーロウという人間は、彼の街では、警官は腐敗しやすいらしいのだが、そんな組織の中で、かたくなに正義を貫く 警官には、強い信頼感を持ち、独特のやさしさで接しているように思う。その部分が、カシディ事件の部分に現れている。 マーロウ節のみを堪能したい方には、おすすめです。 | ||||
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この話では、フィリップ・マーロウは、銃をぶっ放さない。事件としてもそれほど意外性のあるものでもない。 ただ、この作品には、他の作品以上にユニークな登場人物とマーロウ節がふんだんに盛り込まれている。 特に私が好きなくだりは、ブリーズ警部補とのカシディ事件を話すところは、マーロウの魅力が、とても良くかもし出されている。 私が思うに、マーロウという人間は、彼の街では、警官は腐敗しやすいらしいのだが、そんな組織の中で、かたくなに正義を貫く 警官には、強い信頼感を持ち、独特のやさしさで接しているように思う。その部分が、カシディ事件の部分に現れている。 マーロウ節のみを堪能したい方には、おすすめです。 | ||||
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この作品は「長いお別れ」や「プレイバック」を 見た後に読んでしまうと、何の華も無い たいしたことのない作品に写ることでしょう。 実際にこの作品はロマンスはおろか マーロウは一度も手荒い暴力に さらされることはありません。 そういうものを期待する方は読まないほうがいいでしょう。 地味に終わるとあなたの目には映るでしょうから。 しかしながら事件そのものには手を抜いてはいません。 深入りしていけばしていくほど出てくる真実。 そして、だんだんと露呈してくる依頼主に抱いていた一種の違和感… それは最後にある種の強烈な事実が 浮かび上がることにより最大になります。 まさかの展開に驚いてしまうことでしょう。 この作品は決して、犯人が見つかったからといって 逮捕に格闘したりすることはありません。 なぜか? マーロウはあくまでも私立探偵なのですから。 | ||||
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この作品は「長いお別れ」や「プレイバック」を 見た後に読んでしまうと、何の華も無い たいしたことのない作品に写ることでしょう。 実際にこの作品はロマンスはおろか マーロウは一度も手荒い暴力に さらされることはありません。 そういうものを期待する方は読まないほうがいいでしょう。 地味に終わるとあなたの目には映るでしょうから。 しかしながら事件そのものには手を抜いてはいません。 深入りしていけばしていくほど出てくる真実。 そして、だんだんと露呈してくる依頼主に抱いていた一種の違和感… それは最後にある種の強烈な事実が 浮かび上がることにより最大になります。 まさかの展開に驚いてしまうことでしょう。 この作品は決して、犯人が見つかったからといって 逮捕に格闘したりすることはありません。 なぜか? マーロウはあくまでも私立探偵なのですから。 | ||||
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1942年の作。マーロウの日常の雰囲気を楽しむための小品といった趣あり。清水俊二さんの訳ですが、田中小実昌さんのも読み比べてみたいものです。 | ||||
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