赤い風: チャンドラー短編全集1
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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東京創元社は作家の短編を集めた短編集を出版しているが、これが独自に編纂されたものがほとんどだ。数十年後、早川書房が村上春樹氏による『長いお別れ』の新訳版『ロング・グッドバイ』を出版した際、時系列に全ての短編を網羅した短編集を出版した。それらについての感想は後日述べることにする。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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『レイモンド・チャンドラー短編集1/赤い風』を入手して読むことにした。 四っの中編の感想を簡略に下に記してみよう。 『脅迫者は射たない』は、1933年に、『ブラック・マスク』誌に掲載されたチャンドラーの中編処女作。 主人公の探偵マロリーがロンダ・ファーという女優の図りごとに翻弄されるというストーリー。 チャンドラーの意気込みは読みとれるが、二人も死人が出ることやストーリの流にも違和感もあり作品として出來が良いとは思えない。 『赤い風』は、1938年に、『ダイム・ディテクティヴ・マンスリー』誌に掲載された。 開店したばかりのバーで一人の男がマーロウの目の前で撃ち殺されて始まるストーリー。 バーで飲んでいた男は、昔裏切った男が偶然にバーに入ってきたので敵討ちしたので話がややこしい。 不倫女の記念の真珠の首飾りがストーリーに絡み、プロット構成もまぁまぁかな。 『金魚』は、1936年に、『ブラック・マスク』誌に掲載された。 この物語も真珠がからんでいる。郵便車強盗で連邦刑務所に終身刑でいれられていた男が盗品を差し出す条件で減刑され15年で出所する。ただし、この男は、たった二つで二十万ドルもする真珠だけは隠していた。 同房の薬中男が刑務所から出てキャシイの隣で住み、その真珠の話を聞いたキャシイがマーロウに話した。 マーロウは、キャシイと山分けを条件に真珠を探すことにする。 真珠を探し出したら賞金が2万5千ドル出ることを保険会社に確認してマーロウは動き出す。 出所した男は、ワシントン州のオリンピアに住んでいることを突き止めてマーロウは飛行機に乗った。 やっとチャンドラーらしいテンポのストーリーを読ませてくれた。 『山には犯罪なし』は、1941年に、『ディテクティヴ・マンスリー』誌に掲載された。 ピューマ・ポィントという避暑地からマーロウに、500ドルの小切手入りの手書が届く。 LAから60マイルのピューマ・ポィントへ行き、ホテルから散歩に出て依頼者の死体を見つける。 この偶然なできごとは少々できすぎだが、無視して読み進むことにしょう。 事件解決へ向けて地元の老保安官バノンと助手の運転手アンディのキャラクターが出色である。 田舎のボケ老保安官と見せてその実切れ者のバノンと機転の利く助手アンディ。 ナチスも絡んだ偽札事件を主題にしたストーリーであり、時代背景を捉えたチャンドラーの傑作短編だと評価したい。 <追記> 作品刊行年と掲載誌は、本書巻末の訳者あとがきから引用しました。 | ||||
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レイモンド・チャンドラー短編全集①「赤い風」を当初、写真右の旧版を受けとったため、「新版」と交換して頂くよう求めたところ、直ぐに写真左の「新版」をお送りくださいました。真摯な姿勢に大変満足致しております。今後とも、「もったいない本舗」さんを利用していこうと思っています。 ありがとうございました。 | ||||
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