(短編集)

赤い風: チャンドラー短編全集1



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初公開日(参考)1963年05月
分類

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赤い風 (創元推理文庫 131-3 チャンドラー短編全集 1)

1963年05月17日 赤い風 (創元推理文庫 131-3 チャンドラー短編全集 1)

ハードボイルドの巨匠チャンドラーの中短編傑作を全4巻に編集した待望のアンソロジー。新感覚の語法、サスペンス、リアリズム、そして不朽の主人公フィリップ・マーロウを含めて、すぐれた推理小説の生きた実例がここにある。 ●収録作品 「脅迫者は射たない」 「赤い風」 「金魚」 「山には犯罪なし」 「簡単な殺人法」序文(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

赤い風: チャンドラー短編全集1の総合評価:8.33/10点レビュー 3件。Cランク


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(7pt)

脇役が光る短編もあり

東京創元社は作家の短編を集めた短編集を出版しているが、これが独自に編纂されたものがほとんどだ。数十年後、早川書房が村上春樹氏による『長いお別れ』の新訳版『ロング・グッドバイ』を出版した際、時系列に全ての短編を網羅した短編集を出版した。それらについての感想は後日述べることにする。

収録作は「脅迫者は撃たない」、「赤い風」、「金魚」、「山には犯罪なし」の4編が収められている。後日読んだ感想でしかもはや語れないが、ベストは「金魚」、次点で「赤い風」となる。

正直、1作目の「脅迫者は撃たない」は十分に理解できていないほどの複雑さ、というよりもチャンドラー自身も流れに任せて書いているようで、プロット的には破綻しているように思われた。しかしそれ以外は、最後はきちんと収まり、読後なかなか練られたストーリーだと感心する。その流れるようなストーリー展開から非常に粗筋を纏めるのが難しい作者なのだと気付く。しかしそれでいて読みながら物語と設定が説明なしにするすると入ってくるのだから、やはりチャンドラー、巧い、巧すぎる。

「赤い風」の特色はマーロウ自身が自ら事件に乗り出す趣向を取っている。発端はバーでいきなり殺人事件に巻き込まれるが、それ以降は自ら渦中の女を助け、その女に手を貸すといった具合だ。マーロウの視点で語る本作も、プロットは複雑な様相で物語が流れる。物語の終盤、マーロウの口から語られる事件の顛末は実にシンプルな物であることが解り、チャンドラーのストーリーテリングの妙味がはっきりとわかる。
女のために金にもならない危険を冒すところに他の探偵とは一線を画す設定がある。
また終盤に俄然存在感を増すイタリア系刑事のイバーラが非常にカッコイイ。この作品の影の主役と云えるだろう。全然動じないその物腰と肝の据わった態度はマーロウをまだ駆け出しの探偵のようにあしらう。そうこの作品のマーロウはまだ若きフィリップなのだ。このイバーラ、確か他の作品では見なかったように記憶しているが、たった一編の短編で終えるには実に惜しいキャラクターである。

「金魚」はこれぞハードボイルドだといわんばかりの作品。大人しい題名に舐めてかかると、かなりショックを与えられるハードな好編だ。この作品については『レイディ・イン・ザ・レイク』の感想で存分に述べるのでこれだけにとどめたい。

「山には犯罪なし」はもう典型的なチャンドラー・ハードボイルド・ストーリー。今まで読んできた短編と展開は同じく、探偵は右往左往と迷走しつつ、事件の本質に辿り着く。

一つ含蓄溢れた台詞があったので、ここに抜き出しておく。
「主人はあまりにも秘密を持ちすぎます。女性のまわりで秘密を持ちすぎるのは間違いです。」
これらの作品はマーロウの原型となった探偵たち。「赤い風」、「金魚」に出てくるマーロウは後年チャンドラーによって名前を書き換えられた探偵で元々マーロウではない。しかしあまりその造形は長編のマーロウと変わらないように感じた。
しかし短編でこれだけこねくり回したプロットを使うとは思わなかった。ただ中には果たして最初からこんな複雑な構想だったのかと疑問を感じるものがあるが。


▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
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No.2:
(4pt)

『山には犯罪なし』は、チャンドラーらしい秀作です。

『レイモンド・チャンドラー短編集1/赤い風』を入手して読むことにした。
 四っの中編の感想を簡略に下に記してみよう。

 『脅迫者は射たない』は、1933年に、『ブラック・マスク』誌に掲載されたチャンドラーの中編処女作。
 主人公の探偵マロリーがロンダ・ファーという女優の図りごとに翻弄されるというストーリー。
 チャンドラーの意気込みは読みとれるが、二人も死人が出ることやストーリの流にも違和感もあり作品として出來が良いとは思えない。

 『赤い風』は、1938年に、『ダイム・ディテクティヴ・マンスリー』誌に掲載された。
 開店したばかりのバーで一人の男がマーロウの目の前で撃ち殺されて始まるストーリー。
 バーで飲んでいた男は、昔裏切った男が偶然にバーに入ってきたので敵討ちしたので話がややこしい。
 不倫女の記念の真珠の首飾りがストーリーに絡み、プロット構成もまぁまぁかな。

 『金魚』は、1936年に、『ブラック・マスク』誌に掲載された。
 この物語も真珠がからんでいる。郵便車強盗で連邦刑務所に終身刑でいれられていた男が盗品を差し出す条件で減刑され15年で出所する。ただし、この男は、たった二つで二十万ドルもする真珠だけは隠していた。
 同房の薬中男が刑務所から出てキャシイの隣で住み、その真珠の話を聞いたキャシイがマーロウに話した。
 マーロウは、キャシイと山分けを条件に真珠を探すことにする。
 真珠を探し出したら賞金が2万5千ドル出ることを保険会社に確認してマーロウは動き出す。
 出所した男は、ワシントン州のオリンピアに住んでいることを突き止めてマーロウは飛行機に乗った。
 やっとチャンドラーらしいテンポのストーリーを読ませてくれた。

 『山には犯罪なし』は、1941年に、『ディテクティヴ・マンスリー』誌に掲載された。
 ピューマ・ポィントという避暑地からマーロウに、500ドルの小切手入りの手書が届く。
 LAから60マイルのピューマ・ポィントへ行き、ホテルから散歩に出て依頼者の死体を見つける。
 この偶然なできごとは少々できすぎだが、無視して読み進むことにしょう。
 事件解決へ向けて地元の老保安官バノンと助手の運転手アンディのキャラクターが出色である。
 田舎のボケ老保安官と見せてその実切れ者のバノンと機転の利く助手アンディ。
 ナチスも絡んだ偽札事件を主題にしたストーリーであり、時代背景を捉えたチャンドラーの傑作短編だと評価したい。
 <追記>
 作品刊行年と掲載誌は、本書巻末の訳者あとがきから引用しました。
赤い風 (創元推理文庫 131-3 チャンドラー短編全集 1)Amazon書評・レビュー:赤い風 (創元推理文庫 131-3 チャンドラー短編全集 1)より
4488131034
No.1:
(5pt)

誠実・親切・迅速・丁寧なお店です!

レイモンド・チャンドラー短編全集①「赤い風」を当初、写真右の旧版を受けとったため、「新版」と交換して頂くよう求めたところ、直ぐに写真左の「新版」をお送りくださいました。真摯な姿勢に大変満足致しております。今後とも、「もったいない本舗」さんを利用していこうと思っています。
ありがとうございました。
赤い風 (創元推理文庫 131-3 チャンドラー短編全集 1)Amazon書評・レビュー:赤い風 (創元推理文庫 131-3 チャンドラー短編全集 1)より
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