浮世の画家



    ※タグの編集はログイン後行えます

    【この小説が収録されている参考書籍】
    オスダメ平均点

    0.00pt (10max) / 0件

    4.00pt (10max) / 1件

    Amazon平均点

    3.98pt ( 5max) / 56件

    みんなの オススメpt
      自由に投票してください!!
    0pt
    サイト内ランク []D
    ミステリ成分 []
      この作品はミステリ?
      自由に投票してください!!

    0.00pt

    0.00pt

    0.00pt

    0.00pt

    ←非ミステリ

    ミステリ→

    ↑現実的

    ↓幻想的

    初公開日(参考)1988年02月
    分類

    長編小説

    閲覧回数2,157回
    お気に入りにされた回数0
    読書済みに登録された回数1

    ■このページのURL

    ■報告関係
    ※気になる点がありましたらお知らせください。

    浮世の画家 (ハヤカワepi文庫)

    2006年11月01日 浮世の画家 (ハヤカワepi文庫)

    戦時中、日本精神を鼓舞する作風で名をなした画家の小野。多くの弟子に囲まれ、大いに尊敬を集める地位にあったが、終戦を迎えたとたん周囲の目は冷たくなった。弟子や義理の息子からはそしりを受け、末娘の縁談は進まない。小野は引退し、屋敷に篭りがちに。自分の画業のせいなのか…。老画家は過去を回想しながら、みずからが貫いてきた信念と新しい価値観のはざまに揺れる―ウィットブレッド賞に輝く著者の出世作。(「BOOK」データベースより)




    書評・レビュー点数毎のグラフです平均点0.00pt

    浮世の画家の総合評価:7.96/10点レビュー 56件。Dランク


    ■スポンサードリンク


    サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

    新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

    現在レビューがありません


    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
    未読の方はご注意ください

    No.56:
    (4pt)

    原文と邦訳の「あれっ?」

    「訳者あとがき」にはいくつか訳者と原作者とが合意の上で修正または改訳した部分が挙げられていますが、次のふたつはどういうわけか原文と異なります。
    1)原文「Bach」に対し邦訳「ブラームス」
    2)原文「since the surrender」に対し邦訳「無条件降伏以来」
    これらは中公文庫版もハヤカワepi文庫版も共通しています。訳者がいずれも飛田茂雄氏ですから当然ですが、ハヤカワ版の校正校閲者である金子靖氏による「付記」にもこれらの修正には触れられていません。
     こうした細かい点はさておき、原作のちょっと晦渋で突き放した感がありながら深い内面描写が見事に邦訳されています。ハルキストの皆様のお怒りを買うかもしれませんが、ノーベル賞のレベルとはこういうものかとあらためて原作のすばらしさに気付いた次第です。
    浮世の画家Amazon書評・レビュー:浮世の画家より
    4120016471
    No.55:
    (5pt)

    迅速で的確な対応ありがとうございます

    迅速で的確な対応ありがとうございます
    浮世の画家Amazon書評・レビュー:浮世の画家より
    4120016471
    No.54:
    (3pt)

    小津安二郎的描写は退屈であった。

    戦争に加担した絵描きとその家族の有様を丹念に描写しているが、未だに戦争犯罪さえ明確にならない敗戦国日本を「浮世の国」と揶揄しているとしたら、興味深いところであるが・・・。物語そのものは心理描写が主で、劇的な動きはなく、小津安二郎の映画を観たのと同じ様に退屈してしまったのです。
    浮世の画家Amazon書評・レビュー:浮世の画家より
    4120016471
    No.53:
    (4pt)

    画家の頑固さ

    3作読んだけど、まだイシグロさんの作風というものがつかめずにいる。やはりそれほど懐の深い作家ということなのだろうか?私はイシグロさんの小説に出てくる登場人物の「頑固さ」が好きだ。軽く流せば済むことでも、性格が許さないのかどうしてもこだわってしまう。この主人公の画家にもそんなところがある。あまりこだわることもなくなあなあで何でも流してしまう現代人からすると、懐かしい「頑固さ」だ。
    浮世の画家Amazon書評・レビュー:浮世の画家より
    4120016471
    No.52:
    (4pt)

    時代にかかわることが生きること

    作家や映画監督が、違う分野の芸術家を主人公とした作品を創作した時、大抵自己投影した小説だったり映画だったりする場合が非常に多い気がする。しかし、カズオイシグロのケースでは、『遠い山並みの光』という長編デビューからわずか2作目において、小説家という権威に溺れて周囲がみえなくなるであろう将来の己れの姿を、透徹とした眼差しですでに見抜いているのである。ブッカー賞作家やノーベル賞作家としておだてられることの嫌悪感を、当時弱冠34歳の若手作家がすでに予感していたということであろう。

    昨年渡辺謙を主役にNHKでドラマ化される際に、カズオイシグロがインタビューに応えてこんなことを述べている。
    「ある情勢の中で定められた価値観に忠実に生きることに対する疑問、そして自分が一体何に貢献しているのかわからなくて苦悩するというテーマ。ただ1930年代1940年代のある国である世代に起こった出来事として見るのではなく、特に今の時勢だからこそなおさら、このテーマが現代の生活と深く関連するものとして見てもらいたいです。そしてこれが人間誰しもが持ち合わせる一部であるということ、とても複雑な社会に生き、良かれと思う方法で一生懸命貢献していることをわかってほしいです。」

    戦後パラダイム変換の中で、ある過去の記憶を封印した老画家の疚しさを共有し鬱々とするのではなく、むしろ主人公の小野を励ます松田がドラマのラストで語ったような感想を、視聴者に求めたのではないか。
    「自分達のしたことを不当に批難する必要はない。少なくとも俺達は信念にしたがって行動し、全力をつくしてことにあたった」
    後出しジャンケンで、この老画家が戦中に行った、戦意を鼓舞し若者に進んで戦地におもむかせるような活動は、現代の価値観にあてはめれば当然ほめられたことじゃない、いやむしろ卑劣きわまりない人間として恥ずべき所行であると批判するのは簡単だ。

    (現代の若者のように)何の信念も目的もなく、社会や時代との関わりを極力さけるような生き方は、小野のように後から時代に糾弾されることはないかもしれないが、逆に称賛されることもないだろう。小野の師匠であるモリさんのように夕暮れ迫る女郎宿に一時漂う“美”の瞬間を味わうこともなければ、次女節子の破談に自己責任を感じ火消しに奔走する老画家に、小津の映画に繰返し登場する笠智衆の姿を重ねることもないだろう。まして、苦悩する老画家とカズオイシグロを比較することなど思いつきもしないだろう。

    生きることとはまさにその時代に関わること。後で何と揶揄されようと今の時代に積極的に関わる勇気を持つことの大切さを、ドラマを見たり小説を読んだ若い層に、カズオイシグロが前述のインタビューの中で伝えようとしたのではないだろうか。それは本作を執筆当時、遠い異国の地において作家としての地位もまだまだ不安定だった頃、これから筆1本で生きていくことを決めた、一人の若い日本人作家としての覚悟でもあったはずなのである。
    浮世の画家Amazon書評・レビュー:浮世の画家より
    4120016471



    その他、Amazon書評・レビューが 56件あります。
    Amazon書評・レビューを見る     


    スポンサードリンク