線は、僕を描く
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綺麗な作品ですね。 | ||||
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これは傑作。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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青山霜介(そうすけ)はひ弱な文型の大学生。たまたまバイトで水墨画の展示を手伝い、水墨画の大家、篠田湖山(しのだこざん)と知り合いになり、成り行きでその弟子にされる。しかも、1年後に湖山の孫娘、千瑛(ちあき)と水墨画で対決することになる。向こうはプロの画家、霜介は全くの素人である。 霜介は、17歳の時に両親を交通事故で亡くした。それがトラウマになり、何もできなくなった霜介だが、私立の附属高校から大学に進学し、何とか大学生になった。ひとり暮らしをして講義に出席し、友達らしきものもできた。だが、心の中の問題は解決していなかった。 すべて納得したわけではないが、湖山先生の言葉には何となく説得力があり、水墨画を習ってみることにした。めったに内弟子を取らない湖山先生の弟子になったのだ。 湖山先生によれば、水墨画は墨だけを使って森羅万象を描き出そうとする。その本人が「自然」でない状態では、「自然」を描き出すことは無理だというのだ。そして、霜介が心を閉ざしており、その強張りや硬さが所作に現れていることも見抜く。 一方、湖山先生の描画は、さすがに達人らしく、力が抜けているのにずっと見ていたいような雰囲気を出している。 霜介は初心者向けの蘭だけを描いている。しかし、水墨画では「蘭に始まり蘭に終わる」という言葉があり、基本的な要素は全て含まれているようだ。 その後、霜介は藤堂翠山(とうどうすいさん)というもう一人の大家と会う機会があり、目の前で水墨画を描いてもらう。しかも、落款を押した正式な画としてプレゼントされた。 千瑛との勝負も楽しみである。 水墨画には描いた人物の個性が現れるようで、どんな気質の、どんな性格の人間が描いたのかまで分かるという。全く知らなかった水墨画の世界を知り、少し視野が広がった。「ラブカは静かに弓を持つ」と同系統の小説だと感じた。 | ||||
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幼い頃、両親を事故で同時に喪った霜介。親戚に育てられたが、心の中は空虚だった。真っ白な壁に囲まれた部屋の中てうずくまっているように。 大学生になり外の世界に踏み出し始めた時に水墨画の巨匠に見出される。「綺麗にお箸を持つね。」彼の心の素直さが出てたのだろう。純粋で真っ白で素直。彼の描く線はどこか寂しさがあるのか心の琴線に触れる。 テクニックは学べる。でも心の底にあるものをどう描くか。文字だけで書かれているのに墨絵が描かれる様子が見える。天才画家が生まれる現場に居合わせたような幸運を体験出来ました。 2020年本屋大賞 第3位 | ||||
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水墨画について少し知れてよかったな、程度の感想しか出なかった… 登場人物がピュアっピュアで美しい人ばかり。 主人公はもう少し魅力がないと… あまりのご都合展開がリアリティをなくしてしまってます。 先生と涙するシーンはよかったけど、もう少し掘り下げてほしかったし、才能見出したわけじゃなく同情…?と冷めてしまいました。 それと、話し言葉はとても丁寧なのに、目上の人に"ご苦労様です"の声かけとか、"煮詰まる"を誤用されていたりと文章も残念でした。 | ||||
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映画を観た事で原作を読む機会を得た。 著者が実際に水墨画を描いている事が本書の説得力に繋がっている。僕自身は水墨画を描いた事は 無い素人であるので、上手に著者の語りに乗っていくしかない。著者の語り自体は、若干若書きだとは 感じたが、水墨画を語る部分においては実に心地よい。 僕は本書を読んで水墨画を描きたいとは思わなかった。但し、本書で水墨画を学んでいく主人公の様 に何かを「学んでいく」こと自体には憧れに近い感情を持った。では学ぶべき対象は何にすれば良いのか。 それに対する答えはおそらく無限にある。但し、選べるものは最終的にはひとつだけなのだろう。著者に とって、それが水墨画なのか文学なのかは現段階では僕には分からない。 一方で僕にとっては何が対象になるのか。漠然とした対象物は見えているが、まだ決めきれるわけ ではない。但し、早く決めていく事も必要だろう。残された時間もあまり無いだろうし。 | ||||
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私は映画から入りました。タイトルからすでにオーラが漂い、惹きつけられるように 見始めて、美しさと驚きの中で終わりました。 原作のこの作品。 水墨画のイベントにアルバイトとして訪れていた青山君。水墨画も何も全然知らずに いた彼が、西濱さんと話し、湖山先生に見出され、千瑛さんと出会う。 彼の過去が、少しづつ水墨画の世界の意味とか美しさとか、余白とか、濃淡とか、 そんな言葉の表から裏まで全てを超えたところで融合する、融和する、溶け合って、 見つけ出すのか、見出されたのか。 蘭の花、竹、菊と、学園祭を乗り越え、湖山先生の病も、この時のためなのか。 100点の3乗。 芸術が芸術を語り、芸術を超える時が来るとは思っていませんでした。 蜜蜂と遠雷では恩田さんが言葉で音楽を語るというテーマに挑みました。それは それで見事だったと思います。 この作品、水墨画の色彩とか、濃淡とか、深さとか、全てを全て言葉で語り、 恐らくはほとんどの読者にその音が、色が、光、輝き、驚きが伝わった。 そう思います。 そのくらい、言葉のセンス、使い方、選び方、並べ方が芸術的でした。 引用したいところ、紹介したい文章、覚えたい言葉の使い方をマークしていったら、 後半はほとんど全部の文章をマークしてしまいました。 映画も素晴らしかったのですが、映画では水墨画が目に映ります。視覚で圧倒される 素晴らしさも感動したのですが、この作品、レベルが違いました。この作品を描き 伝えるには、ハードルが高過ぎました。 でもなあ、最初がこの大傑作で、この天才君は、これ以上の作品を描こうと、そして 著そうとするのでしょうか。無理でしょ。そのくらい言葉のセンスと美しさと響きに 魅せられました。むしろ私はこの方の水墨画を見てみたい。 私、100点の3乗って、この間のWBCの侍と、ゴースト、大誘拐、アイアンジャイアント くらいしかつけたことないんですけど、それらに並びます。 ありがとうございました。 | ||||
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