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線は、僕を描く



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【この小説が収録されている参考書籍】
線は、僕を描く
線は、僕を描く (講談社文庫)

線は、僕を描くの評価: 8.50/10点 レビュー 2件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.50pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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(9pt)

線は、僕を描くの感想

これは傑作。

2019年度のメフィスト賞受賞作。
メフィスト賞作品ですがミステリーやファンタジー系統ではなく、文学寄りの作品での受賞。つまり優れた作品だったので賞を与えられて出版された作品であるとも感じます。

本書は水墨画を扱う青春小説。
事故で家族を失った大学生の主人公。孤独や無気力、ただ生きているだけの日々の彼が水墨画の世界に引き込まれていくという流れ。

まず本書の素晴らしい所は、文字だけの小説で白黒の水墨画をテーマにした内容なのに、読書中は鮮やかな感覚を得る読書である事。ものの見え方・表現の仕方が卓越しており素晴らしい読書体験でした。読後に著者自身が水墨画家である事を知って納得です。
水墨画の知識についても、主人公と読者の目線が合っているのがよいです。初めて触れる世界、水墨画とはどういうものか、道具は?描き方は?描き手の気持ちなど物語を通して体験できました。

また全体を通して悪意がなく登場人物達も魅力的で優しい世界。読んでいて心地よい。青春小説としての成長も得られて満足。さらに読後はネットで水墨画の作品や"描き方"を見たくなりYoutubeなどを巡回しました。作品を見る目も養われるといった次第で本当に素晴らしい読書でした。オススメです。

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