浮世の画家

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浮世の画家の評価:

3.98/5点 レビュー 56件。 D ランク

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Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全167件 1〜20 1/9ページ
No.167
(4pt)

原文と邦訳の「あれっ?」

「訳者あとがき」にはいくつか訳者と原作者とが合意の上で修正または改訳した部分が挙げられていますが、次のふたつはどういうわけか原文と異なります。
1)原文「Bach」に対し邦訳「ブラームス」
2)原文「since the surrender」に対し邦訳「無条件降伏以来」
これらは中公文庫版もハヤカワepi文庫版も共通しています。訳者がいずれも飛田茂雄氏ですから当然ですが、ハヤカワ版の校正校閲者である金子靖氏による「付記」にもこれらの修正には触れられていません。
 こうした細かい点はさておき、原作のちょっと晦渋で突き放した感がありながら深い内面描写が見事に邦訳されています。ハルキストの皆様のお怒りを買うかもしれませんが、ノーベル賞のレベルとはこういうものかとあらためて原作のすばらしさに気付いた次第です。
浮世の画家 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 浮世の画家 (ハヤカワepi文庫)より
4151200398
No.166
(4pt)

原文と邦訳の「あれっ?」

「訳者あとがき」にはいくつか訳者と原作者とが合意の上で修正または改訳した部分が挙げられていますが、次のふたつはどういうわけか原文と異なります。
1)原文「Bach」に対し邦訳「ブラームス」
2)原文「since the surrender」に対し邦訳「無条件降伏以来」
これらは中公文庫版もハヤカワepi文庫版も共通しています。訳者がいずれも飛田茂雄氏ですから当然ですが、ハヤカワ版の校正校閲者である金子靖氏による「付記」にもこれらの修正には触れられていません。
 こうした細かい点はさておき、原作のちょっと晦渋で突き放した感がありながら深い内面描写が見事に邦訳されています。ハルキストの皆様のお怒りを買うかもしれませんが、ノーベル賞のレベルとはこういうものかとあらためて原作のすばらしさに気付いた次第です。
浮世の画家 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 浮世の画家 (中公文庫)より
412201896X
No.165
(4pt)

原文と邦訳の「あれっ?」

「訳者あとがき」にはいくつか訳者と原作者とが合意の上で修正または改訳した部分が挙げられていますが、次のふたつはどういうわけか原文と異なります。
1)原文「Bach」に対し邦訳「ブラームス」
2)原文「since the surrender」に対し邦訳「無条件降伏以来」
これらは中公文庫版もハヤカワepi文庫版も共通しています。訳者がいずれも飛田茂雄氏ですから当然ですが、ハヤカワ版の校正校閲者である金子靖氏による「付記」にもこれらの修正には触れられていません。
 こうした細かい点はさておき、原作のちょっと晦渋で突き放した感がありながら深い内面描写が見事に邦訳されています。ハルキストの皆様のお怒りを買うかもしれませんが、ノーベル賞のレベルとはこういうものかとあらためて原作のすばらしさに気付いた次第です。
浮世の画家 Amazon書評・レビュー: 浮世の画家より
4120016471
No.164
(5pt)

迅速で的確な対応ありがとうございます

迅速で的確な対応ありがとうございます
浮世の画家 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 浮世の画家 (ハヤカワepi文庫)より
4151200398
No.163
(5pt)

迅速で的確な対応ありがとうございます

迅速で的確な対応ありがとうございます
浮世の画家 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 浮世の画家 (中公文庫)より
412201896X
No.162
(5pt)

迅速で的確な対応ありがとうございます

迅速で的確な対応ありがとうございます
浮世の画家 Amazon書評・レビュー: 浮世の画家より
4120016471
No.161
(3pt)

小津安二郎的描写は退屈であった。

戦争に加担した絵描きとその家族の有様を丹念に描写しているが、未だに戦争犯罪さえ明確にならない敗戦国日本を「浮世の国」と揶揄しているとしたら、興味深いところであるが・・・。物語そのものは心理描写が主で、劇的な動きはなく、小津安二郎の映画を観たのと同じ様に退屈してしまったのです。
浮世の画家 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 浮世の画家 (ハヤカワepi文庫)より
4151200398
No.160
(3pt)

小津安二郎的描写は退屈であった。

戦争に加担した絵描きとその家族の有様を丹念に描写しているが、未だに戦争犯罪さえ明確にならない敗戦国日本を「浮世の国」と揶揄しているとしたら、興味深いところであるが・・・。物語そのものは心理描写が主で、劇的な動きはなく、小津安二郎の映画を観たのと同じ様に退屈してしまったのです。
浮世の画家 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 浮世の画家 (中公文庫)より
412201896X
No.159
(3pt)

小津安二郎的描写は退屈であった。

戦争に加担した絵描きとその家族の有様を丹念に描写しているが、未だに戦争犯罪さえ明確にならない敗戦国日本を「浮世の国」と揶揄しているとしたら、興味深いところであるが・・・。物語そのものは心理描写が主で、劇的な動きはなく、小津安二郎の映画を観たのと同じ様に退屈してしまったのです。
浮世の画家 Amazon書評・レビュー: 浮世の画家より
4120016471
No.158
(4pt)

画家の頑固さ

3作読んだけど、まだイシグロさんの作風というものがつかめずにいる。やはりそれほど懐の深い作家ということなのだろうか?私はイシグロさんの小説に出てくる登場人物の「頑固さ」が好きだ。軽く流せば済むことでも、性格が許さないのかどうしてもこだわってしまう。この主人公の画家にもそんなところがある。あまりこだわることもなくなあなあで何でも流してしまう現代人からすると、懐かしい「頑固さ」だ。
浮世の画家 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 浮世の画家 (ハヤカワepi文庫)より
4151200398
No.157
(4pt)

画家の頑固さ

3作読んだけど、まだイシグロさんの作風というものがつかめずにいる。やはりそれほど懐の深い作家ということなのだろうか?私はイシグロさんの小説に出てくる登場人物の「頑固さ」が好きだ。軽く流せば済むことでも、性格が許さないのかどうしてもこだわってしまう。この主人公の画家にもそんなところがある。あまりこだわることもなくなあなあで何でも流してしまう現代人からすると、懐かしい「頑固さ」だ。
浮世の画家 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 浮世の画家 (中公文庫)より
412201896X
No.156
(4pt)

画家の頑固さ

3作読んだけど、まだイシグロさんの作風というものがつかめずにいる。やはりそれほど懐の深い作家ということなのだろうか?私はイシグロさんの小説に出てくる登場人物の「頑固さ」が好きだ。軽く流せば済むことでも、性格が許さないのかどうしてもこだわってしまう。この主人公の画家にもそんなところがある。あまりこだわることもなくなあなあで何でも流してしまう現代人からすると、懐かしい「頑固さ」だ。
浮世の画家 Amazon書評・レビュー: 浮世の画家より
4120016471
No.155
(4pt)

時代にかかわることが生きること

作家や映画監督が、違う分野の芸術家を主人公とした作品を創作した時、大抵自己投影した小説だったり映画だったりする場合が非常に多い気がする。しかし、カズオイシグロのケースでは、『遠い山並みの光』という長編デビューからわずか2作目において、小説家という権威に溺れて周囲がみえなくなるであろう将来の己れの姿を、透徹とした眼差しですでに見抜いているのである。ブッカー賞作家やノーベル賞作家としておだてられることの嫌悪感を、当時弱冠34歳の若手作家がすでに予感していたということであろう。

昨年渡辺謙を主役にNHKでドラマ化される際に、カズオイシグロがインタビューに応えてこんなことを述べている。
「ある情勢の中で定められた価値観に忠実に生きることに対する疑問、そして自分が一体何に貢献しているのかわからなくて苦悩するというテーマ。ただ1930年代1940年代のある国である世代に起こった出来事として見るのではなく、特に今の時勢だからこそなおさら、このテーマが現代の生活と深く関連するものとして見てもらいたいです。そしてこれが人間誰しもが持ち合わせる一部であるということ、とても複雑な社会に生き、良かれと思う方法で一生懸命貢献していることをわかってほしいです。」

戦後パラダイム変換の中で、ある過去の記憶を封印した老画家の疚しさを共有し鬱々とするのではなく、むしろ主人公の小野を励ます松田がドラマのラストで語ったような感想を、視聴者に求めたのではないか。
「自分達のしたことを不当に批難する必要はない。少なくとも俺達は信念にしたがって行動し、全力をつくしてことにあたった」
後出しジャンケンで、この老画家が戦中に行った、戦意を鼓舞し若者に進んで戦地におもむかせるような活動は、現代の価値観にあてはめれば当然ほめられたことじゃない、いやむしろ卑劣きわまりない人間として恥ずべき所行であると批判するのは簡単だ。

(現代の若者のように)何の信念も目的もなく、社会や時代との関わりを極力さけるような生き方は、小野のように後から時代に糾弾されることはないかもしれないが、逆に称賛されることもないだろう。小野の師匠であるモリさんのように夕暮れ迫る女郎宿に一時漂う“美”の瞬間を味わうこともなければ、次女節子の破談に自己責任を感じ火消しに奔走する老画家に、小津の映画に繰返し登場する笠智衆の姿を重ねることもないだろう。まして、苦悩する老画家とカズオイシグロを比較することなど思いつきもしないだろう。

生きることとはまさにその時代に関わること。後で何と揶揄されようと今の時代に積極的に関わる勇気を持つことの大切さを、ドラマを見たり小説を読んだ若い層に、カズオイシグロが前述のインタビューの中で伝えようとしたのではないだろうか。それは本作を執筆当時、遠い異国の地において作家としての地位もまだまだ不安定だった頃、これから筆1本で生きていくことを決めた、一人の若い日本人作家としての覚悟でもあったはずなのである。
浮世の画家 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 浮世の画家 (ハヤカワepi文庫)より
4151200398
No.154
(4pt)

時代にかかわることが生きること

作家や映画監督が、違う分野の芸術家を主人公とした作品を創作した時、大抵自己投影した小説だったり映画だったりする場合が非常に多い気がする。しかし、カズオイシグロのケースでは、『遠い山並みの光』という長編デビューからわずか2作目において、小説家という権威に溺れて周囲がみえなくなるであろう将来の己れの姿を、透徹とした眼差しですでに見抜いているのである。ブッカー賞作家やノーベル賞作家としておだてられることの嫌悪感を、当時弱冠34歳の若手作家がすでに予感していたということであろう。

昨年渡辺謙を主役にNHKでドラマ化される際に、カズオイシグロがインタビューに応えてこんなことを述べている。
「ある情勢の中で定められた価値観に忠実に生きることに対する疑問、そして自分が一体何に貢献しているのかわからなくて苦悩するというテーマ。ただ1930年代1940年代のある国である世代に起こった出来事として見るのではなく、特に今の時勢だからこそなおさら、このテーマが現代の生活と深く関連するものとして見てもらいたいです。そしてこれが人間誰しもが持ち合わせる一部であるということ、とても複雑な社会に生き、良かれと思う方法で一生懸命貢献していることをわかってほしいです。」

戦後パラダイム変換の中で、ある過去の記憶を封印した老画家の疚しさを共有し鬱々とするのではなく、むしろ主人公の小野を励ます松田がドラマのラストで語ったような感想を、視聴者に求めたのではないか。
「自分達のしたことを不当に批難する必要はない。少なくとも俺達は信念にしたがって行動し、全力をつくしてことにあたった」
後出しジャンケンで、この老画家が戦中に行った、戦意を鼓舞し若者に進んで戦地におもむかせるような活動は、現代の価値観にあてはめれば当然ほめられたことじゃない、いやむしろ卑劣きわまりない人間として恥ずべき所行であると批判するのは簡単だ。

(現代の若者のように)何の信念も目的もなく、社会や時代との関わりを極力さけるような生き方は、小野のように後から時代に糾弾されることはないかもしれないが、逆に称賛されることもないだろう。小野の師匠であるモリさんのように夕暮れ迫る女郎宿に一時漂う“美”の瞬間を味わうこともなければ、次女節子の破談に自己責任を感じ火消しに奔走する老画家に、小津の映画に繰返し登場する笠智衆の姿を重ねることもないだろう。まして、苦悩する老画家とカズオイシグロを比較することなど思いつきもしないだろう。

生きることとはまさにその時代に関わること。後で何と揶揄されようと今の時代に積極的に関わる勇気を持つことの大切さを、ドラマを見たり小説を読んだ若い層に、カズオイシグロが前述のインタビューの中で伝えようとしたのではないだろうか。それは本作を執筆当時、遠い異国の地において作家としての地位もまだまだ不安定だった頃、これから筆1本で生きていくことを決めた、一人の若い日本人作家としての覚悟でもあったはずなのである。
浮世の画家 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 浮世の画家 (中公文庫)より
412201896X
No.153
(4pt)

時代にかかわることが生きること

作家や映画監督が、違う分野の芸術家を主人公とした作品を創作した時、大抵自己投影した小説だったり映画だったりする場合が非常に多い気がする。しかし、カズオイシグロのケースでは、『遠い山並みの光』という長編デビューからわずか2作目において、小説家という権威に溺れて周囲がみえなくなるであろう将来の己れの姿を、透徹とした眼差しですでに見抜いているのである。ブッカー賞作家やノーベル賞作家としておだてられることの嫌悪感を、当時弱冠34歳の若手作家がすでに予感していたということであろう。

昨年渡辺謙を主役にNHKでドラマ化される際に、カズオイシグロがインタビューに応えてこんなことを述べている。
「ある情勢の中で定められた価値観に忠実に生きることに対する疑問、そして自分が一体何に貢献しているのかわからなくて苦悩するというテーマ。ただ1930年代1940年代のある国である世代に起こった出来事として見るのではなく、特に今の時勢だからこそなおさら、このテーマが現代の生活と深く関連するものとして見てもらいたいです。そしてこれが人間誰しもが持ち合わせる一部であるということ、とても複雑な社会に生き、良かれと思う方法で一生懸命貢献していることをわかってほしいです。」

戦後パラダイム変換の中で、ある過去の記憶を封印した老画家の疚しさを共有し鬱々とするのではなく、むしろ主人公の小野を励ます松田がドラマのラストで語ったような感想を、視聴者に求めたのではないか。
「自分達のしたことを不当に批難する必要はない。少なくとも俺達は信念にしたがって行動し、全力をつくしてことにあたった」
後出しジャンケンで、この老画家が戦中に行った、戦意を鼓舞し若者に進んで戦地におもむかせるような活動は、現代の価値観にあてはめれば当然ほめられたことじゃない、いやむしろ卑劣きわまりない人間として恥ずべき所行であると批判するのは簡単だ。

(現代の若者のように)何の信念も目的もなく、社会や時代との関わりを極力さけるような生き方は、小野のように後から時代に糾弾されることはないかもしれないが、逆に称賛されることもないだろう。小野の師匠であるモリさんのように夕暮れ迫る女郎宿に一時漂う“美”の瞬間を味わうこともなければ、次女節子の破談に自己責任を感じ火消しに奔走する老画家に、小津の映画に繰返し登場する笠智衆の姿を重ねることもないだろう。まして、苦悩する老画家とカズオイシグロを比較することなど思いつきもしないだろう。

生きることとはまさにその時代に関わること。後で何と揶揄されようと今の時代に積極的に関わる勇気を持つことの大切さを、ドラマを見たり小説を読んだ若い層に、カズオイシグロが前述のインタビューの中で伝えようとしたのではないだろうか。それは本作を執筆当時、遠い異国の地において作家としての地位もまだまだ不安定だった頃、これから筆1本で生きていくことを決めた、一人の若い日本人作家としての覚悟でもあったはずなのである。
浮世の画家 Amazon書評・レビュー: 浮世の画家より
4120016471
No.152
(3pt)

リアリティに欠ける

「日の名残り」を読んで感動し、次に「遠い山なみの光」を読み、カズオ・イシグロ・ワールドに魅了されての「浮世の画家」であったが、この作品は前に読んだ2作のような感動はなかった。時代に翻弄され、古い価値観や信念から、新しい時代にすんなりと適応できない葛藤は良いのだが、日本が舞台だけにリアリティに欠け、しらけてしまったことが大きい。
浮世の画家 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 浮世の画家 (ハヤカワepi文庫)より
4151200398
No.151
(3pt)

リアリティに欠ける

「日の名残り」を読んで感動し、次に「遠い山なみの光」を読み、カズオ・イシグロ・ワールドに魅了されての「浮世の画家」であったが、この作品は前に読んだ2作のような感動はなかった。時代に翻弄され、古い価値観や信念から、新しい時代にすんなりと適応できない葛藤は良いのだが、日本が舞台だけにリアリティに欠け、しらけてしまったことが大きい。
浮世の画家 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 浮世の画家 (中公文庫)より
412201896X
No.150
(3pt)

リアリティに欠ける

「日の名残り」を読んで感動し、次に「遠い山なみの光」を読み、カズオ・イシグロ・ワールドに魅了されての「浮世の画家」であったが、この作品は前に読んだ2作のような感動はなかった。時代に翻弄され、古い価値観や信念から、新しい時代にすんなりと適応できない葛藤は良いのだが、日本が舞台だけにリアリティに欠け、しらけてしまったことが大きい。
浮世の画家 Amazon書評・レビュー: 浮世の画家より
4120016471
No.149
(5pt)

おもしろかった

この人の小説をいくつか読んで、おもしろい小説を書く人という印象を持っていましたが、この本もそのとおりのおもしろい小説です。
読み終わっても結局何が本当なのかわからないお話で、謎解きとか種明かしはないのですが、それで別にイライラしたりしないのは、それだけうまく書かれたお話だということでしょう。

考えてみれば実際の人生でも、他人の考えなど本当のところはわからないし、他人が口にしたことでも、その意図まではわからないし、そもそも他人の言ったことを細かく憶えているわけでもありません。
それどころか、自分が考えたことさえ、後になって都合よく修正していると自分で思うこともあるし、それさえ思わずに無意識に都合よく憶えているだけかもしれません。

広い意味での戦争責任を扱った小説でもあるのですが、それがあまり印象に残らないのは、主人公がいろいろ思っているだけであまり深刻なものではなさそうなことと、それも含めて曖昧な人生そのものがテーマであるからだと思います。

翻訳がすごくいいので、まるで日本語で書かれた小説みたいと思いましたが、訳者(飛田茂雄)の後書きや、金子靖による文庫版のための解説を読むと、日本語で書かれたと思うのも無理がないと納得しました。
浮世の画家 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 浮世の画家 (ハヤカワepi文庫)より
4151200398
No.148
(5pt)

おもしろかった

この人の小説をいくつか読んで、おもしろい小説を書く人という印象を持っていましたが、この本もそのとおりのおもしろい小説です。
読み終わっても結局何が本当なのかわからないお話で、謎解きとか種明かしはないのですが、それで別にイライラしたりしないのは、それだけうまく書かれたお話だということでしょう。

考えてみれば実際の人生でも、他人の考えなど本当のところはわからないし、他人が口にしたことでも、その意図まではわからないし、そもそも他人の言ったことを細かく憶えているわけでもありません。
それどころか、自分が考えたことさえ、後になって都合よく修正していると自分で思うこともあるし、それさえ思わずに無意識に都合よく憶えているだけかもしれません。

広い意味での戦争責任を扱った小説でもあるのですが、それがあまり印象に残らないのは、主人公がいろいろ思っているだけであまり深刻なものではなさそうなことと、それも含めて曖昧な人生そのものがテーマであるからだと思います。

翻訳がすごくいいので、まるで日本語で書かれた小説みたいと思いましたが、訳者(飛田茂雄)の後書きや、金子靖による文庫版のための解説を読むと、日本語で書かれたと思うのも無理がないと納得しました。
浮世の画家 (中公文庫) Amazon書評・レビュー: 浮世の画家 (中公文庫)より
412201896X