王国
- 逃亡劇 (28)
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| 要人をたらしこんで“恥ずかしい写真”を撮る仕事を請け負う女。養護施設出身の彼女は、友人の子のために金を稼ぐ必要に迫られていた。組織の指令を受け、次なるターゲットに接近するが、そこには大きな罠が仕掛けられていた・・・、というサスペンスフルな人間ドラマ。 「掏摸」と同じく、得たいが知れない謎の大物、敵かな?味方かな?の“木崎”が登場し、主人公を翻弄していく(彼女に警告を発したのは、「掏摸」の主人公だよね)。じりじりするようなシーンは殆どなくて、手のひらで主人公を転がしていく木崎の不気味さが際立っている作品である。組織と木崎、双方から命を脅かされた主人公は、ニセの情報を掴ませて逃亡を図ろうとするが・・・、とつづく。 タイトルの“王国”は、用意周到に木崎に絡めとられた人々が住まう世界の意味か。組織や木崎(とそのグループ)が何か、は多くは語られないが、木崎の狂暴さを秘めたクールで哲学的ともいえる思考には魅了される。 | ||||
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| 『掏摸』の兄妹篇に位置づけられる本作。そう筆者が銘する通り、主人公はユリカという女性。 面白さは、その夜の世界の描写にあろうか。 相手の弱みを握る・人工的に作ることを専門にするユリカは言わば美人局。女を武器にして、クライアントからの要望に応じる。そのやり取りの生々しさとは対照的に、筆致はあくまで静謐で淡泊。この冷静な描写は筆者の魅力の一つではないかなあと感じます。 ・・・ また木崎というミステリアスな人物構成がよい。 裏の世界で全能感を誇示するこの人物は、身を明かしたりタネを明かすのかと思いきや、寸止めで説明を仕切らない。それは作中の相手に対してのみならず読者をもヤキモキさせる。 ・・・ さて、今後楽しみなのは、この木崎が一体どういう人物なのか、ということでしょう。 今後の続編に期待するものであります。 | ||||
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| 現在の全世界の社会に通底している問題の指摘。プーチンは施設育ちだ。ぼくもその昔、「土葬の歴史」という詩を書いた。半島から引き揚げてきた祖父を、三人兄弟は土葬にするしかなかったので。 | ||||
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| 「掏摸」からの「王国」読み。 もう中村文則さんは本物ですね。 もう間違いない。今、現役の作家さんの中でも貴重で稀な方だと個人的に決定!! ページをめくる手が止まらない。 無駄な文がない。作中の会話が最低限に抑えられているけど、それがすごく効果的で作品が締まっている。洗練されていて粋です。 無駄な装飾品を省いたシンプルさがどんどん読み手を作中に誘ってくれる。幸福感です。 中村さんの作品は非日常に一気に連れて行ってくれる不思議な文章のリズム。 ポイントのおさえ方。人の描写の不気味さ&もっと知りたい!と思わせるやり方。 全体のコントロールの強弱、緩急、素晴らしいです。 木崎と主人公のあの緊迫感のある描写力も、我を忘れてしまうぐらいこちらも緊迫して読んでいました。 すご〜い。こんな作家さん。もっと早く読めばよかった!でも出会てよかった。 非日常をくれる本は幸せです。 まだまだ読んでない本があるので楽しみです。 本を読んでこんなに夢中になったのはかなり久しぶりです。小説万歳!! | ||||
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| 中村文則さんの『掏摸』の後編ともいえる『王国』読み終えた。 評者は、この二部作を、権力者たちのために働く庶民の知らない闇の組織があり、その組織のなかに殺人なども行う反社会性下部組織があるという物語として読んできました。 『掏摸』では、ストイックな青年の特殊技能「スリのテクニュク」がメインテーマとしてストーリーテリングされていて、その青年が闇の組織と対峙する緊迫感が面白く読ませてくれました。 が、続篇ともいえる本書『王国』では、スパイ小説でいうところの「ハニートラップ」を仕事とする養護施設出身の二十代の美人女性が主人公である。 「スリ」という特殊な才能と比べると、やはり「容姿」を駆使して行動する「ハニートラップ」のほうが見劣りする物語になってしまいます。 木崎という反社会組織のリーダーが度々宗教やギリシャ哲学などを語らせることにもなんだか違和感を覚えてしまいました。 たとえこの木崎という男が大学出のインテだったとしても、教養もないこの養護施設出身の女性に、こんな難しい話を長々と語りかけることが不自然に思えてしまったのです。 “われわれの空想の物語は現実のなかから生み出される”というハンス・アンデルセンの言葉もあるから、評者は、このような闇の世界の存在を否定はしません(事実それに似たような組織があると思います)。 が、デティールにもリアリティを感じさせない物語には「あざとさ」を感じてしまうのです。 たとえそれが文学性豊かな文章で描写(この物語では月にたいして)で彩られとしていてもです。 まぁ、作り物の小説なのだから、読んだひとそれぞれ楽しめればいいのですが・・・。 残念ながら評者にとって本作『王国』は、『掏摸』と比べて見劣りする作品でした。 <追記> 評者が先に読んだフレデリック・フォーサイスの『アウトサイダー』の「はじめに」でフォーサイスが述べていた言葉を地でいくような中村文則さんだから、『自由思考』のようなページ数の多いものでなくてもよいから辛口のエッセイ集の二冊目を出してほしいとお願いします。 フォーサイスは、下の「」内のように述べていました。 「七十六歳になったわたしは、いまでも自分は部分的にはジャーナリストだと思っている。ジャーナリストであるために必要不可欠の二つの資質を持っているからだ。それはあくなき好奇心と、徹底的な懐疑的態度だ。何かの理由など別に知りたくもないというジャーナリストや、人の話をなんでも鵜呑みにするジャーナリストがいるとしたら、それは無能なジャーナリストだ。 ジャーナリストは絶対支配階級(エスタブリッシュメント)の一員になるべきではない。誘惑がどれほど強くてもだ。われわれの仕事は権力を監視することであり、そこに加わることではない。人々がますます権力と金と名誉の神に取り憑かれたように仕えるようになっている世界において、ジャーナリストや作家はそこから距離をとらなければならない。手すりにとまっている鳥のように、世界で起きていることを見つめ、心にとめ、精査し、解説する。けっして当事者の仲間になってはいけない。アウトサイダーでいなければならないのだ。(『アウトサイダー』P11~12)」 | ||||
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