その先の道に消える
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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雑誌掲載された作品の文庫版。緊縛師が死体で発見された事件を題材にしたミステリーの体裁をとった観念小説である。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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縄、神道、薬物。人は何かしらを信じなければ、身を任せなければ、生きていけない。それは宗教であったり、家族であったり、愛する人だったり、ペットという人もいるだろう。それらと、冒頭の3つは何が違うのか?人は自らの幸せを追及するあまりに、他人を省みず、平気で傷つけたりもする。何にしても欲求のままに行動することが、脳内で幸福に結びつくことを、dnaに刻まれているからだ。平野に広がる多くの田を見れば、いかに人が白米を食べることの欲求に囚われているかがわかる。それと縄でしばられること、神社を敬うこと、覚醒剤を打つことの差は何なのか? この作品に、これまでと同じようにまたも価値観を揺さぶられる。自分が信じていたことの根底をぐらぐらと揺さぶられる。 では、正しいことは、そして自分にとっての幸せとは何なのかを改めてかんがえさせられる。 たかだかテレビにおっぱいが映るくらいで文句をいうコンプラ世代には、理解できないだろう。今日も満足げに正しさのナイフをぶんぶんふりかざして、平気で人の心を遠くから刺している。 それと冒頭の3つとは、どれほど離れているのだろう? | ||||
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始めの第一視点の人物からは、抑え難い欲望や欺瞞を感じる。すっきりしない話になるかと思われたが、後半の謎解きが痛快だった。 描写がいちいち美しいし、人間像も現実的で書き口に好感を覚えるが、セックスシーンにむせ返るほどの熱さを感じる部分に胃もたれした。 | ||||
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ミステリーかと思い手に取ったが、ひたすら緊縛の話で一体何を読んでいるのかと何度も思った。人物描写もハッキリせずにただふわふわーと話しが進みつつ緊縛の話がひたすら続くので終わっても読むだけ無駄だったとしか思えない。 | ||||
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すごくおもしろいです。 中村さんの作品はほとんど読んでいますが、もし中村さんの小説を現時点で〈初期・中期・後期〉で分けていいなら、初期は『銃』中期は『掏摸』で、後期はこの『その先の道に消える』が傑作だと思います。 文学としてもですが、京極夏彦ばりの人類学/宗教学ミステリとして読んでもおもしろい。大麻と古代大和朝廷の関係などの推理は「なるほど!」と思わされました。 あと、供物を虚無そのものである神に捧げる、という登場人物の狂気的な行為は、まるでフランスの哲学者のバタイユの聖なるものの思想のようで、なんというか、凍りついた暗黒のような美しさがありました。 興味のある人は、過去作の『教団X』などが肌に合わなかった方もぜひ読んでみてください。とてもおもしろいですよ。 | ||||
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何とも不思議な小説である。 緊縛師の死体が見つかったところから物語は始まる。 ミステリーでもあり、官能小説でもあり、はたまた観念小説でもある。 麻縄を日本の古代史にからめ、結界とアナライズするところなどは観念小説そのもの。 他方で、緊縛の描写などはSM官能小説そのものでもある。 が、局面的には小説世界に浸ることはできても、ミステリーとしての全体に浸ることができないというもどかしさがあった。 この著者は、世界での評価も高く、『去年の冬、きみと別れ』『あなたが消えた夜に』『教団X』などは読んできたのだが、世代間ギャップか、単なる好みの問題かは不明だが、力量は感じつつも浸りきれない違和感がずっと残り続けている。 と言いつつ、次もまた読むのだろう、という予感もしているのだが・・・。 | ||||
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