冷血



※タグの編集はログイン後行えます

※以下のグループに登録されています。


【この小説が収録されている参考書籍】
オスダメ平均点

7.80pt (10max) / 5件

6.73pt (10max) / 11件

Amazon平均点

3.79pt ( 5max) / 108件

楽天平均点

3.65pt ( 5max) / 83件

みんなの オススメpt
  自由に投票してください!!
6pt
サイト内ランク []B総合:1394位
ミステリ成分 []
  この作品はミステリ?
  自由に投票してください!!

10.00pt

40.00pt

80.00pt

20.00pt

←非ミステリ

ミステリ→

↑現実的

↓幻想的

初公開日(参考)2012年11月
分類

長編小説

閲覧回数8,970回
お気に入りにされた回数12
読書済みに登録された回数25

■このページのURL

■報告関係
※気になる点がありましたらお知らせください。

冷血(上)

2012年11月29日 冷血(上)

クリスマス前夜の「一家四人殺し」―数多の痕跡を残しながら、逃走する犯人たち。翻弄される警察組織の中で、合田がふたたび動き出す。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.80pt

冷血の総合評価:7.58/10点レビュー 113件。Bランク


■スポンサードリンク


サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
全5件 1~5 1/1ページ
No.5:
(5pt)

下巻が

合田刑事ということで手に取りました。上巻はすごく面白かったです。下巻は長い。まとまらなかったのかな。

部長
SGEH53OQ
No.4:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

冷血の感想

下巻を読み終えました。少し時間を置いて読んだせいか興奮も醒めフラットな気分で読みました。思うのは上巻が「動」なら下巻は「静」と云った印象です。逮捕された二人の取調べでの供述の裏付け捜査の様子や、地検とのあれこれ。そして調書を読む合田を通して、二人の生い立ちやこれまでの人生が浮き彫りになるが、何故一家四人を殺害したのかがハッキリしない。二人の行動の元になったものとはいったいなんだったのか。金が目的だった訳でもなく、ケータイサイトで知り合った二人が郵便局のATMを襲い失敗したあとも、別れるでもなくずるずると16号線を流れて赤羽まで行き四人を殺害した。混迷する合田雄一郎。そういった様子が長々と続きます。二人の行動を描写するところはその確かな筆力で読み応えがあります。生まれも育った環境もまるで違う二人。その二人の内面は調書を読む合田にはどれほど理解できたのかと思います。でも、こういった系統のものは久しぶりに読んだので面白かったです。佐木隆三の「復讐するは我にあり」や西村望の「丑三つの村」、宮部みゆきの「火車」などを読んで面白いと感じた人にはおススメできます。

ニコラス刑事
25MT9OHA
No.3:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

冷血の感想

始めに、まだ上巻しか読んでいません。でもこの上巻もほぼ一日で読み終えました。久しぶりに興奮しながら本を読み進むという時間を堪能しました。文章が凄いなぁというのが素直な感想です。言葉がひとつひとつうごめき波となってこちらの意識の中に入ってきます。形容する言葉、表わす言葉、表現することを生業とする人が持つ資質が炸裂している文です。云っちゃあ悪いですが凡庸なミステリしか書けない作家には逆立ちしたって書けない文章でしよう。
高梨あゆみの目を通して描かれる高梨家の日常と家族の様子とその小宇宙。そしてケータイの求人サイトで繋がったトダヨシオとイノウエカツミ。ふたりの行き当たりばったりの行動。16号線を行きつ戻りつ郵便局のATMを襲い、コンビニを襲い
6、7万の金を奪ってクルマを代え16号線を流れて北区赤羽にやってくる。マンモス団地の先に一戸建ての並ぶなかにある歯医者の家に目をつける二人。ここまでの第一章だけでも読み応えがありページを捲る手が止まらなかった。
そして、第二章は一転して警察側からの描写になる。事件の発見から警察組織の人的内容とその動きが綿密に描かれている。縦社会の人事的な動き、実際の捜査のあり方の様子が緻密に書き込まれているかのようにリアルで目を見張る描写です。どれほどの資料を用意したのかと思うほど警察内部の動きがとてもリアルに描かれていて驚嘆します。カポーティの冷血と同じタイトルをもってきた作者の意気込みとかエネルギーとかがストレートに読んでいるこちらに伝わります。
ノンフィクション的な小説と云うのでしょうか。早く下巻も読まなければ、と思うのが正直な感想です。

ニコラス刑事
25MT9OHA
No.2:
(7pt)

広漠とした高村ワールドへ

高村薫の最新作は、合田雄一郎シリーズの新作だけに、「晴子情歌」から前作まで続いてきた読みづらさが薄らぎ、エンターテイメントとして楽しめる作品だ。ただ、警察小説、ミステリーを期待していると裏切られる結果になるだろう。
物語は、実際の事件(いまだ未解決だが)を想起させる「歯科医一家4人殺し」の事件発生から裁判、死刑執行までを追うもので、犯人、被害者の背景描写から捜査の在り様、裁判過程における関係者の言動まで、いかにも高村薫らしい緻密な描写(ことに、犯人の歯痛、歯科治療の詳細さと言ったら・・・)で展開される。しかし、すべてが明らかにされたようでありながら、犯人の実像、心理、犯行動機などは、すべて霧の中での手探りの記録でしかなかったという茫漠さが最後に残り、きわめて微妙な読後感に悩まされることになる。作者は、合田雄一郎と読者を真実と虚偽が絡み合って延々と続く、広漠な精神世界に放り出すことを狙っているに違いない。
そこが高村ワールドであり、好悪が分かれるところだろう。

iisan
927253Y1
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

冷血の感想

ミステリーでも謎解きでありませんが、一級の警察小説です。
フィクションでありながら、まるで実在の事件のドキュメンタリーを読んでいるような錯覚さえ感じました。
行き当たりばったりで何の計画もなくATMを襲撃し、その足でコンビニ強盗に入り、ちょっとした思いつきで空き巣に入った歯科医の家で一家4人を惨殺すると言う残忍な犯人2人。
捕まった後なんとか動機を明らかにしようとする警察だが、お金にも人にも全く執着を見せない2人に戸惑う合田をはじめとした警察官達。

何が2人をここまで過激な行動に走らせてしまったのか?をなんとか理解しようとする合田の揺らぐ気持ちには非常に共感しました。
他人への無関心や、想像力の欠如。まるで思い通りにならない子どもが暴れているのと変らないような無軌道な犯人の行動。
少しずつだが明らかにされる2人の子ども時代だが、読んでいて酷いと思うものの、果たしてそれほど特殊なものだろうか?と思ってしまう。

事件の前に少しだけ被害者家族の日常が娘の目を通して描かれているのだが、犯人のような極端なものではないものの、両親2人の目はともに自分のほうを向いているようで、規則正しい毎日の生活はあるものの、娘は醒めた目で2人を見ていて、正直家族としての濃い繋がりをあまり感じることができなかった。戸田の人生も挫折はしたものの、それほど違いはなかったのではないかとさえ思える。

携帯やネットなど対人関係を希薄にするようなツールばかりが出回り、人と向き合うことができない人達はちまたに山とあふれている現在。
東北の地震の後や沖縄の辛酸をニュースなどでみるにつけ、大方の人間はやはり他人ごとのように過ごしている毎日の中で、私達は知らないうちに2人のような人間を量産しているのではないかと感じてしまう。
家庭教育や、格差をより広げてしまうようなことをあからさまに押し進めようとする今の政治家達は本当の子ども達の現実を見る気があるのだろうかと思えてならない。

合田の目を通して、このままで良いのかと言う重い問いかけを向けられているのだと思います。

たこやき
VQDQXTP1
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.108:
(5pt)

くねくねと考える

(上・下巻通してのレビューです)人間が人間のことを100%理解できるわけもなく、事件、取り調べ、起訴、裁判、判決という手続きの枠に収まらずこぼれ落ちるものがある。枠に収めたい(そうでないと安心できないし、そもそも世の中が回らない)人間と、枠からこぼれ落ちるものが気になってしまう人間と。くねくねと髙村式に考え続ける。正解は無い。
冷血(上)Amazon書評・レビュー:冷血(上)より
4101347255
No.107:
(1pt)

力作だが駄作

どうでも良い医療過誤訴訟の話を入れたり、くだくだ似たようなエピソードを続けて、一冊で済む物語を二倍にも三倍にも水増ししている。
「他愛ない」などという初歩的な日本語の間違いもあった。「他愛」は「自分のことよりもまず他人の幸福を願う」意味で誤用。正しくは「たわいない」でないと。
冷血(下)Amazon書評・レビュー:冷血(下)より
4101347263
No.106:
(1pt)

駄作

一冊で書ける内容を無理矢理、引き延ばして二冊にした印象。
 おまけに「青いワイシャツ」などという馬鹿な日本語が出てきた。ワイシャツは「ホワイト・シャツ」の短縮形。「青いホワイト・シャツ」って、何だよ?
「音を上げる」とすべきが「根を上げる」と出てきたし、いやはや。
冷血(上)Amazon書評・レビュー:冷血(上)より
4101347255
No.105:
(4pt)

冷血なのは誰なのか

心ならずも犯人に寄り添うことになる刑事を狂言回しとして、複雑なストーリーが展開します。犯人たちの生育環境に同情的な描写が多く、一方で被害者家族の描写がきわめて少ないことに違和感を覚えたり、別の事件の詳細がまざりこんで来たりして、なかなか歯ごたえのある読了感でした。果たして、「冷血」というのは、犯人たちのことだったのか、それとも機械的に作業をすすめる刑事、検事、弁護士、犯人の親族、無関心なマスコミ、被害者の親族、著者の意図がなんであったのか、考えさせられますね。
冷血(下)Amazon書評・レビュー:冷血(下)より
4101347263
No.104:
(4pt)

高村薫の文章力がすごい

いつもながら、高村薫の文章のうまさには脱帽。
まるでノンフィクションのような内容は、読み応えたっぷりで面白い。しかし卑劣な殺人鬼であるはずの犯人2人が、なんだか妙に子どもっぽくて憎めないという、不思議なお話。2人とも文章が非常に上手だったりするのは、さすがに少々ご都合主義っぽいが、それにしても何故か犯人に親しみを覚えてしまう謎。
ひとつ気になったのは、筑波大附属が誰もが知る有名校みたいに書かれていたこと。最近、天皇の甥が入学したことで少し有名になったけど、この本が書かれた頃はほぼ無名だったはず。私自身、筑波大附属の出身だけど、いつも「茨城から来たの?」とか「(私は女なのに)駒場?」とか、学校名を言ってもろくな反応が返ってきたことなかった。
なにはともあれ、カポーティのほうも読んでみようと思う。
冷血(上)Amazon書評・レビュー:冷血(上)より
4101347255



その他、Amazon書評・レビューが 108件あります。
Amazon書評・レビューを見る     


スポンサードリンク