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王国
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王国の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全46件 1~20 1/3ページ
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『掏摸』の兄妹篇に位置づけられる本作。そう筆者が銘する通り、主人公はユリカという女性。 面白さは、その夜の世界の描写にあろうか。 相手の弱みを握る・人工的に作ることを専門にするユリカは言わば美人局。女を武器にして、クライアントからの要望に応じる。そのやり取りの生々しさとは対照的に、筆致はあくまで静謐で淡泊。この冷静な描写は筆者の魅力の一つではないかなあと感じます。 ・・・ また木崎というミステリアスな人物構成がよい。 裏の世界で全能感を誇示するこの人物は、身を明かしたりタネを明かすのかと思いきや、寸止めで説明を仕切らない。それは作中の相手に対してのみならず読者をもヤキモキさせる。 ・・・ さて、今後楽しみなのは、この木崎が一体どういう人物なのか、ということでしょう。 今後の続編に期待するものであります。 | ||||
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現在の全世界の社会に通底している問題の指摘。プーチンは施設育ちだ。ぼくもその昔、「土葬の歴史」という詩を書いた。半島から引き揚げてきた祖父を、三人兄弟は土葬にするしかなかったので。 | ||||
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「掏摸」からの「王国」読み。 もう中村文則さんは本物ですね。 もう間違いない。今、現役の作家さんの中でも貴重で稀な方だと個人的に決定!! ページをめくる手が止まらない。 無駄な文がない。作中の会話が最低限に抑えられているけど、それがすごく効果的で作品が締まっている。洗練されていて粋です。 無駄な装飾品を省いたシンプルさがどんどん読み手を作中に誘ってくれる。幸福感です。 中村さんの作品は非日常に一気に連れて行ってくれる不思議な文章のリズム。 ポイントのおさえ方。人の描写の不気味さ&もっと知りたい!と思わせるやり方。 全体のコントロールの強弱、緩急、素晴らしいです。 木崎と主人公のあの緊迫感のある描写力も、我を忘れてしまうぐらいこちらも緊迫して読んでいました。 すご〜い。こんな作家さん。もっと早く読めばよかった!でも出会てよかった。 非日常をくれる本は幸せです。 まだまだ読んでない本があるので楽しみです。 本を読んでこんなに夢中になったのはかなり久しぶりです。小説万歳!! | ||||
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中村文則さんの『掏摸』の後編ともいえる『王国』読み終えた。 評者は、この二部作を、権力者たちのために働く庶民の知らない闇の組織があり、その組織のなかに殺人なども行う反社会性下部組織があるという物語として読んできました。 『掏摸』では、ストイックな青年の特殊技能「スリのテクニュク」がメインテーマとしてストーリーテリングされていて、その青年が闇の組織と対峙する緊迫感が面白く読ませてくれました。 が、続篇ともいえる本書『王国』では、スパイ小説でいうところの「ハニートラップ」を仕事とする養護施設出身の二十代の美人女性が主人公である。 「スリ」という特殊な才能と比べると、やはり「容姿」を駆使して行動する「ハニートラップ」のほうが見劣りする物語になってしまいます。 木崎という反社会組織のリーダーが度々宗教やギリシャ哲学などを語らせることにもなんだか違和感を覚えてしまいました。 たとえこの木崎という男が大学出のインテだったとしても、教養もないこの養護施設出身の女性に、こんな難しい話を長々と語りかけることが不自然に思えてしまったのです。 “われわれの空想の物語は現実のなかから生み出される”というハンス・アンデルセンの言葉もあるから、評者は、このような闇の世界の存在を否定はしません(事実それに似たような組織があると思います)。 が、デティールにもリアリティを感じさせない物語には「あざとさ」を感じてしまうのです。 たとえそれが文学性豊かな文章で描写(この物語では月にたいして)で彩られとしていてもです。 まぁ、作り物の小説なのだから、読んだひとそれぞれ楽しめればいいのですが・・・。 残念ながら評者にとって本作『王国』は、『掏摸』と比べて見劣りする作品でした。 <追記> 評者が先に読んだフレデリック・フォーサイスの『アウトサイダー』の「はじめに」でフォーサイスが述べていた言葉を地でいくような中村文則さんだから、『自由思考』のようなページ数の多いものでなくてもよいから辛口のエッセイ集の二冊目を出してほしいとお願いします。 フォーサイスは、下の「」内のように述べていました。 「七十六歳になったわたしは、いまでも自分は部分的にはジャーナリストだと思っている。ジャーナリストであるために必要不可欠の二つの資質を持っているからだ。それはあくなき好奇心と、徹底的な懐疑的態度だ。何かの理由など別に知りたくもないというジャーナリストや、人の話をなんでも鵜呑みにするジャーナリストがいるとしたら、それは無能なジャーナリストだ。 ジャーナリストは絶対支配階級(エスタブリッシュメント)の一員になるべきではない。誘惑がどれほど強くてもだ。われわれの仕事は権力を監視することであり、そこに加わることではない。人々がますます権力と金と名誉の神に取り憑かれたように仕えるようになっている世界において、ジャーナリストや作家はそこから距離をとらなければならない。手すりにとまっている鳥のように、世界で起きていることを見つめ、心にとめ、精査し、解説する。けっして当事者の仲間になってはいけない。アウトサイダーでいなければならないのだ。(『アウトサイダー』P11~12)」 | ||||
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単独でも楽しめると思いますが掏摸を読んでからこの作品を読むと 共通点やどちらにもでてくる重要人物を深く楽しむ事が出来ると思います。 主人公は裏社会で生活する女性で 自分の持てるものをなんでも利用して生きていく最初から最後まで頭の回転の良い賢い女性です。 その主人公が大きな渦に巻き込まれる中どう立ち回るか、足掻くかをテンポの良い文章で書かれています。 主人公は根っからの善人では無いので善人じゃないと楽しめないという方にはオススメしません。 騙す騙される駆け引きが好きな方にオススメします。 | ||||
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掏摸はは名作でしたが、王国はちょっと・・・・・・といった感じ。 | ||||
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掏摸が面白かったので、是非と思い読んでみたがやはり面白い。 どこかで掏摸とつながるのかな?と期待していたが、登場人物が一人かぶるだけだった。 まぁそれもよし。 掏摸同様、なんとも言えない不安感というか恐怖感というか、あの雰囲気は引き寄せられる。 どくとくな世界観は面白く、やたら長ったらしくなくコンパクトなのもスバラシイ。 | ||||
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”掏摸”と合わせて読みました。掏摸が面白かったので期待して読みましたが、正直、読まなきゃ良かったような。 作者は、兄弟版ではあるけど別々の物語なので、両方読んでもいいし、片方だけ読んでも良いと書いていました。 確かに、それぞれ独立した物語ですが、王国だけを読んでも良いように、少し掏摸の説明が出て来ます。 その説明的な部分が、掏摸の中では漠然として良かった部分を、なんというか、安易な表現で世界観を壊してしまった気がします。 ラストの曖昧さも良かったのに、それを文章で説明されて、ガッカリでした。 掏摸では木崎の怖さを感じたのに、王国では主人公の作戦?がことごとくうまく行きすぎて、木崎が大したことがない人物に感じました。 他の方も書いていますが、村上春樹に少し似ていますね。 【よく分からないけど、とてつもなく悪くて大きな犯罪組織】、でも犯罪の実態などの説明が一切ないところとか・・・漫画っぽいというか。 掏摸だけ読んで止めておけば良かった。でも、読まなかったら気になっただろうし・・・ | ||||
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著者の「掏摸(スリ)」がとても面白く、兄妹版の本作品を直ぐに購入して読んだ。 裏社会の権化のような存在である木崎との対峙するという点では共通であるが「掏摸」の面白さには至らない気がした。 ただ、裏社会の恐ろしさ、運命を他人に蹂躙される恐怖などが確り伝わってくるため、一気読みした。 | ||||
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この本は現代の日本を表してると思う。淫売婦、いつの時代も無くならない。水商売をしている方に是非読んで頂きたい一冊です。 | ||||
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必ず「掏摸」を読んだ後に読んでほしいです。自分の人生についても誰かの手の上で誰かに導かれているのかも…と考えてしまいます。 | ||||
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巨大システムはいろいろなものにより構成され動く。 致命的と思われる事柄が起きてもそれを構成要素として飲み込み、何事もなかったかのように動き続ける。 そんなシステムの中で個としての存在はいかなるものか。 主人公の女は自分に欠けている何かを手に入れたいと考えている。 冷めているかのように見えながら、必死に手を伸ばしてあがく。 悪と悪とのはざまで自分の人生を転がされる状況に陥っても、突破口を見出そうと抗う。 そんな彼女を月がある時は照らし出し、ある時は闇で覆う。 個の懸命な動きも巨大システムにとってはごく小さなシナリオ変更であり、決定的な打開策とはならない。 その絶望的な姿にも、月は一定のサイクルで満ち欠けを繰り返し、善も悪もなく空に浮かぶ。 果たして彼女はそこから逃れられるのか。 そして、“何か”を手に入れられるのか。 それはわからないのだが、生き延びようとしている限りチャンスはある。 そう思いたい。 | ||||
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セックススキャンダルを作り出す仕事をしている主人公. ある依頼から,依頼者と標的の双方から狙われることになって・・・. 強大な権力を背景に,他者を躊躇なく痛めつけることをほのめかすターゲットの不気味さと, 2つの組織から狙われることになった主人公の逃亡劇がメインストーリーである. この種のソシオパスはもはや定番の悪役になってしまった感があり, 新鮮味はそれほどでもないが,対象から受ける恐怖はうまく描かれている. この恐怖感と相まって,緊迫感のある逃亡劇が演出されている. また,この小説で一番感心したのは,女性視点の一人称で語られる心理描写である. 中村氏の作品はこれまで何冊か読んできたが, 一定以上の知的水準のある男性による,客観的な心理描写と, 理屈っぽい自己分析での独白が長々と続く作品が多い. しかし,本作は,あまり教育水準の高くない女性の近視眼的・短絡的な心理描写が描かれている. 文体は似ているものの,そこから受ける印象がまるで異なっている. このような描き分けはなかなかに難しいと思われ,表現力に脱帽である. | ||||
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Vシネのネタと言えばネタ。 ですが、さらっと読めるし退屈しないですよ。 そこはプロのしょうせつになってると思います。 月がどうしたこうしたもあまり関係ない。 それを意識して書いている。のであろうが、そこに読者を誘導するほどの構造も文章的構造も 残念ながらまだ無いが、そこにたどり着きたいと願い、書く著者に敬意を表する。 | ||||
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掏摸を読んだ後にすぐ購入! もっともっと続きが読みたいです。続編! お願いします! | ||||
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中村文則さんの作品は、4冊しか読んだことがありませんが、どれも同じ作品を読んでいるような気がしてなりません。登場人物の特徴や構図がどれも似ているな、と。 とにかく権力者がいつも面倒くさそう。そして権力者はどこまでも権力者で、弱者はどこまでも弱者のまま。特に、女性の登場人物をモノのように扱う様子には怒りすら感じます。 でも何故かまたこの人の本を買ってしまう独特な引力も感じます。読書に覆い被されているような、圧倒的な何かを感じます。凄く引き込まれますし、その分精神も消耗しますが。 腹立たしくも、文章に魅了されているという矛盾を抱えながら読ませて頂きました。 本作では、娼婦の女性が主人公でした。『掏摸』の木崎も出てきます。木崎が出てくるという部分のみが『掏摸』との共通点ですが、本作の方がストーリーがあり面白く感じました。 | ||||
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架空の話とは思いながらもスリルがあって充分に楽しむことができた。 | ||||
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姉妹編だけど一冊でも独立している…と、掏摸のファンになる人間には思えないので、ぜひ掏摸を読んでから読むべきと思われる。 | ||||
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今じわじわと中学生~高校生の間で人気だそうです。 話を合わせたくて数冊購入。 確かに。 ラノベよりもこういう本を読んで貰いたいと思います。 | ||||
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う~ん、すっきりしないな~ 一番、すっきりしないのが、最後に見逃す所。前作で木崎は一度、決めた事は覆さないと言っていた。だとするなら、最初から助けると決めていた?なぜ?生に対する執着に目を見張るものがあったから?残念だけど、作中でそれを感じる事はなかった。ただ、機転が利く女。そんな印象。 前作が良すぎたせいかもしれないけど、突出したものがなかった。それはキャラクターを含めて。勿論、木崎は規格外ではあるけど、それにしても、矢田。今回、木崎に対抗しうる人物の登場に秘かに期待した。でも、期待は裏切られた。平凡と見せかけて、最後まで平凡だったし。実は生きている可能性を匂わせているが、今さらだ。 今回の主人公は、なぜだか好きになれない。それによく分からない。作中から冷淡な印象を受ける。幼少時代のエピソードからは、性質は悪を感じる。そんな人間が他人の子供を、あそこまで大事にするだろうか?まったく理解できない。 自分はもう少し、エンタメ性が入ってる方が好きなんだと再認識しました。木崎と矢田、どっちが凄いの的なテーマが全く変わってしまうから、それはないだろうけど。 | ||||
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