■スポンサードリンク


王国



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
王国
王国 (河出文庫 な)

王国の評価: 3.67/5点 レビュー 46件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.67pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全46件 41~46 3/3ページ
<<123
No.6:
(4pt)

「運命」とは?

「天才スリ師」と「絶対悪」の戦い(?)を描いた『掏摸』から2年、「絶対悪」の象徴・木崎が帰って来た! これだけでも読む価値ありです。今回、木崎に眼をつけられたのはユリカという、<組織によって選ばれた、利用価値のある社会的要人の弱みを人工的に作る>という女性。果たして彼女の運命はーー。『掏摸』→『悪と仮面のルール』に続く、中村文則「悪」シリーズの本書。このシリーズは、私たちが持っている「運命」という言葉の意味を変えてくれます。「運命」とタフに立ち向かいたい人、『王国』は特にオススメですよ!
王国Amazon書評・レビュー:王国より
4309020690
No.5:
(5pt)

3・11以降の戦後文学として

中村文則はますます人間という闇の奥底に降りていくようだ。「掏摸」から「王国」へいたる過程がしめしているのは、その闇の深化のかたちだと思う。
それを端的にしめすのは前作にはなかったドストエフスキー的という他ない神とキリストをめぐる対話であり、バタイユ的といえる燃えるようなモノローグである。「わたしはその瞬間を手にいれる。この世界の全てを見下す圧倒的な黒い輝きを」というフレーズはこの本を読み終えた読者の気持ちそのものだろう。そしてそんなことを可能にする文学がほとんどの戦後派作家たちが消えたあとで他にあるだろうか。しかし3・11を戦後にたとえるなら、「王国」はこの時代の戦後文学なのかもしれない。おおげさかどうか、ぜひ作品を読んで確かめてほしい。
王国Amazon書評・レビュー:王国より
4309020690
No.4:
(4pt)

面白かったが・・・

文学小説としてはどうか分からないがサスペンス小説等といった観点で見れば、正直ちょっと残念だった。

ストーリーは他の方々のレビューを参考にして頂くとして、前作「掏摸(スリ)」の兄弟作として書かれた作品であり、それが非常に良かったのでかなり期待した。

しかし、まず絶対悪「木崎」の凄さが突き抜けていて、始める前から「勝てる気がしない勝負」を見ているのが、逆に緊張感を削いでしまった。

また、前作は1つの大きな流れの中で、他の犯罪者との人間関係なども味わえたのだが、今回は主人公vs木崎の軸が太いので、あまり周辺の話がなく、

話がやや一本調子な気がした。

しかし、やはり絶対悪の口ぶりは非常に興味深く、ある意味痛快で、読み手の心を掴む要素があると思う。

確かに好き嫌いは分かれると思うので、 掏摸(スリ)が駄目な人は見送るべきだし、読んだことがなければこの世界に一度は触れて欲しいと思います。

続編が非常に読みたいです。
王国Amazon書評・レビュー:王国より
4309020690
No.3:
(4pt)

生きる感覚を研ぎ澄ます

娼婦になりすまし、社会的要人の弱みを作り出すユリカ。
仕事を指示する矢田と、敵対する木崎の間で、自分を守り続けます。
その微妙な立ち位置のずれや絶体絶命の窮地から逃れようと必死です。
そして彼女の見上げる月はたった一つの彼女の拠り所。
そんな美しい情景のなかで、絶対悪とは何かを突きつけてきます。
生きる感覚を研ぎ澄ます小説。
王国Amazon書評・レビュー:王国より
4309020690
No.2:
(1pt)

V シネマ?

この作者の作品は初めて読んだのですが、全く響きませんでした。
裏社会の描き方が「いかにも」で、V-シネマのノベライズ本かと思ってしまいました。
ストーリーの最後も何で??
私には解りません。
王国Amazon書評・レビュー:王国より
4309020690
No.1:
(4pt)

王国の王者とそれに縛られることのない「王女」の物語

大ヒット作「掏摸」とリンクした世界の中で起こる物語。
中村氏の長編小説では初の女性一人称が新鮮。
内容も、純文学ながらサスペンス味たっぷりで読むひとを選びません。
(いや、内容的には頭にこびりついてくるようなシーンや台詞が多いので、
ひとによっては精神をがつんとやられてしまうかも知れませんが)
文章に独特のリズムがあるのですいすい読める。
すいすい読めるのに内容は濃くて、読後も余韻がなかなか頭から離れない。
裏の世界でクールに暗躍する主人公の、時折見せる人間としての素顔の描写もいい。
それがラスト一行に収束を見せ、読み手を魅了する。ぎゅっと心を鷲掴みにする。
主人公のその時々の精神状態が、空に浮かぶ月の変化で語られるのも
独特で雰囲気があってよかった。

ところで本作が掲載されている文藝の五月号なのですが、
発売当初どの書店に行っても見つからず、仕方なくネットで注文しようとしたら
中古しか出回っておらずしかもその値段が3000〜6000円。
私は運よく1890円で売られていたものを(それでも定価より500円ほど高いのですが)
手に入れられたものの、値段は未だ高騰気味で、
「もしや本作を読みたいひとが多くて、だから足元を見た出品者が
値段をふっかけてくるのか?」と思ってしまった。
ファンだからそう思うんだろうと言われてしまえばそれまでだけど、
そう思わせるぐらいの作品だったから我ながら信憑性は高いと思う。

おすすめです。
是非読んでみてください。
王国Amazon書評・レビュー:王国より
4309020690

スポンサードリンク

  



<<123
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!