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王国
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王国の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全30件 1~20 1/2ページ
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『掏摸』の兄妹篇に位置づけられる本作。そう筆者が銘する通り、主人公はユリカという女性。 面白さは、その夜の世界の描写にあろうか。 相手の弱みを握る・人工的に作ることを専門にするユリカは言わば美人局。女を武器にして、クライアントからの要望に応じる。そのやり取りの生々しさとは対照的に、筆致はあくまで静謐で淡泊。この冷静な描写は筆者の魅力の一つではないかなあと感じます。 ・・・ また木崎というミステリアスな人物構成がよい。 裏の世界で全能感を誇示するこの人物は、身を明かしたりタネを明かすのかと思いきや、寸止めで説明を仕切らない。それは作中の相手に対してのみならず読者をもヤキモキさせる。 ・・・ さて、今後楽しみなのは、この木崎が一体どういう人物なのか、ということでしょう。 今後の続編に期待するものであります。 | ||||
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現在の全世界の社会に通底している問題の指摘。プーチンは施設育ちだ。ぼくもその昔、「土葬の歴史」という詩を書いた。半島から引き揚げてきた祖父を、三人兄弟は土葬にするしかなかったので。 | ||||
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「掏摸」からの「王国」読み。 もう中村文則さんは本物ですね。 もう間違いない。今、現役の作家さんの中でも貴重で稀な方だと個人的に決定!! ページをめくる手が止まらない。 無駄な文がない。作中の会話が最低限に抑えられているけど、それがすごく効果的で作品が締まっている。洗練されていて粋です。 無駄な装飾品を省いたシンプルさがどんどん読み手を作中に誘ってくれる。幸福感です。 中村さんの作品は非日常に一気に連れて行ってくれる不思議な文章のリズム。 ポイントのおさえ方。人の描写の不気味さ&もっと知りたい!と思わせるやり方。 全体のコントロールの強弱、緩急、素晴らしいです。 木崎と主人公のあの緊迫感のある描写力も、我を忘れてしまうぐらいこちらも緊迫して読んでいました。 すご〜い。こんな作家さん。もっと早く読めばよかった!でも出会てよかった。 非日常をくれる本は幸せです。 まだまだ読んでない本があるので楽しみです。 本を読んでこんなに夢中になったのはかなり久しぶりです。小説万歳!! | ||||
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単独でも楽しめると思いますが掏摸を読んでからこの作品を読むと 共通点やどちらにもでてくる重要人物を深く楽しむ事が出来ると思います。 主人公は裏社会で生活する女性で 自分の持てるものをなんでも利用して生きていく最初から最後まで頭の回転の良い賢い女性です。 その主人公が大きな渦に巻き込まれる中どう立ち回るか、足掻くかをテンポの良い文章で書かれています。 主人公は根っからの善人では無いので善人じゃないと楽しめないという方にはオススメしません。 騙す騙される駆け引きが好きな方にオススメします。 | ||||
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掏摸が面白かったので、是非と思い読んでみたがやはり面白い。 どこかで掏摸とつながるのかな?と期待していたが、登場人物が一人かぶるだけだった。 まぁそれもよし。 掏摸同様、なんとも言えない不安感というか恐怖感というか、あの雰囲気は引き寄せられる。 どくとくな世界観は面白く、やたら長ったらしくなくコンパクトなのもスバラシイ。 | ||||
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著者の「掏摸(スリ)」がとても面白く、兄妹版の本作品を直ぐに購入して読んだ。 裏社会の権化のような存在である木崎との対峙するという点では共通であるが「掏摸」の面白さには至らない気がした。 ただ、裏社会の恐ろしさ、運命を他人に蹂躙される恐怖などが確り伝わってくるため、一気読みした。 | ||||
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この本は現代の日本を表してると思う。淫売婦、いつの時代も無くならない。水商売をしている方に是非読んで頂きたい一冊です。 | ||||
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必ず「掏摸」を読んだ後に読んでほしいです。自分の人生についても誰かの手の上で誰かに導かれているのかも…と考えてしまいます。 | ||||
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巨大システムはいろいろなものにより構成され動く。 致命的と思われる事柄が起きてもそれを構成要素として飲み込み、何事もなかったかのように動き続ける。 そんなシステムの中で個としての存在はいかなるものか。 主人公の女は自分に欠けている何かを手に入れたいと考えている。 冷めているかのように見えながら、必死に手を伸ばしてあがく。 悪と悪とのはざまで自分の人生を転がされる状況に陥っても、突破口を見出そうと抗う。 そんな彼女を月がある時は照らし出し、ある時は闇で覆う。 個の懸命な動きも巨大システムにとってはごく小さなシナリオ変更であり、決定的な打開策とはならない。 その絶望的な姿にも、月は一定のサイクルで満ち欠けを繰り返し、善も悪もなく空に浮かぶ。 果たして彼女はそこから逃れられるのか。 そして、“何か”を手に入れられるのか。 それはわからないのだが、生き延びようとしている限りチャンスはある。 そう思いたい。 | ||||
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セックススキャンダルを作り出す仕事をしている主人公. ある依頼から,依頼者と標的の双方から狙われることになって・・・. 強大な権力を背景に,他者を躊躇なく痛めつけることをほのめかすターゲットの不気味さと, 2つの組織から狙われることになった主人公の逃亡劇がメインストーリーである. この種のソシオパスはもはや定番の悪役になってしまった感があり, 新鮮味はそれほどでもないが,対象から受ける恐怖はうまく描かれている. この恐怖感と相まって,緊迫感のある逃亡劇が演出されている. また,この小説で一番感心したのは,女性視点の一人称で語られる心理描写である. 中村氏の作品はこれまで何冊か読んできたが, 一定以上の知的水準のある男性による,客観的な心理描写と, 理屈っぽい自己分析での独白が長々と続く作品が多い. しかし,本作は,あまり教育水準の高くない女性の近視眼的・短絡的な心理描写が描かれている. 文体は似ているものの,そこから受ける印象がまるで異なっている. このような描き分けはなかなかに難しいと思われ,表現力に脱帽である. | ||||
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掏摸を読んだ後にすぐ購入! もっともっと続きが読みたいです。続編! お願いします! | ||||
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中村文則さんの作品は、4冊しか読んだことがありませんが、どれも同じ作品を読んでいるような気がしてなりません。登場人物の特徴や構図がどれも似ているな、と。 とにかく権力者がいつも面倒くさそう。そして権力者はどこまでも権力者で、弱者はどこまでも弱者のまま。特に、女性の登場人物をモノのように扱う様子には怒りすら感じます。 でも何故かまたこの人の本を買ってしまう独特な引力も感じます。読書に覆い被されているような、圧倒的な何かを感じます。凄く引き込まれますし、その分精神も消耗しますが。 腹立たしくも、文章に魅了されているという矛盾を抱えながら読ませて頂きました。 本作では、娼婦の女性が主人公でした。『掏摸』の木崎も出てきます。木崎が出てくるという部分のみが『掏摸』との共通点ですが、本作の方がストーリーがあり面白く感じました。 | ||||
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架空の話とは思いながらもスリルがあって充分に楽しむことができた。 | ||||
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姉妹編だけど一冊でも独立している…と、掏摸のファンになる人間には思えないので、ぜひ掏摸を読んでから読むべきと思われる。 | ||||
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今じわじわと中学生~高校生の間で人気だそうです。 話を合わせたくて数冊購入。 確かに。 ラノベよりもこういう本を読んで貰いたいと思います。 | ||||
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この小説は、「掏摸」の兄妹篇ということで、主人公が変わることにはなるが、「木崎」が存在する同じ世界の続編ということになる。 確かに、「掏摸」の主人公ではないかと思われる人物が少しだけ、しかし重要な存在として登場する。 もしかすると、この後の世界で、二人は再会するかもしれない。そんなことがそれとなく匂わせてある。 私は、自分が女だからなのかもしれないが、主人公が女性であるこの「王国」の方が「掏摸」よりも興味深く読むことができた。 主人公のユリカの生き様がなかなか良く、彼女が生き抜こうともがく姿は好感をもって読めた。 ここでも主人公は、「子供」を行動の原理としていた。それは「掏摸」でも同じだった。 「掏摸」では、塔 木崎-主人公-子供 だった構図が「王国」では、月 木崎-主人公-子供 となっている。 「掏摸」では子供を守るために木崎と対峙する主人公だったが、「王国」では子供を守るために稼いだ金のために主人公は木崎に目をつけられる。 どちらも主人公は反社会的な行為を生業とし、世の中に対して反撥をおぼえてはいるが、子供に対しては愛情を注ぐことができる。 そして、「木崎」の下で運命を握られながらも、なんとか生き抜こうと模索する。 塔は定理のように聳え立っていたが、月は狂気の印のごとく夜を照らす。 果たして、ユリカは新たな生をどう生き抜いていくのか・・・。 物語の構成が「掏摸」と同様よく練られており、次の展開を固唾を飲みながらページをめくる面白さがここにはあった。 木崎の話すこの世の不条理とか神の話とかは、「カラマーゾフの兄弟」の中でイワンが語るこの世の不条理と重なった。 私たちのような小さな存在がこの世の不条理を生き抜いていくための模索はちっぽけなことで、仏の掌の上でぐるぐる回る孫悟空のごときものかもしれないが、この物語の主人公たちのように、それでも懸命に生きていくしかない。 中村作品の主人公たちの多くは孤独だが、人間は誰もがどこかで孤独を抱えていると思う。 しかしその孤独が、同じ孤独を抱えている痛みを知る手立てとなる。 痛みを知っているのならば、同じ痛みに苦しまないように、なにかしらの手を差し伸べられるかもしれない。 その手が、温もりを知るような、そんな世界であればと願う。 | ||||
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中村文則さんの小説は、やはりグイグイ物語の中に引き込まれる。 | ||||
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うーん裏の世界って怖い…。とんでもない性癖のモンスターがいるんだと感じさせる小説だった。 自分が生きている国はもちろん日本だけど、その中でもある一面しか知らない。 日本の中でもダークな世界があってて、そこに触れると命が塵のように消えてしまう。 そんなこともあるのだろう。 どちらかといえばダークサイドに属する主人公の女が、そのような得体の知れないものとかかわりながら、 生き延びていく様はなかなか緊張感があり、面白かった。 著者の本はいくつか読んだが、この本が一番読み易かった。 | ||||
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あの傑作『掏摸』の兄妹篇ということで、大いに期待して読んだのだが、『掏摸』のレベルには到達していなかった。それでも十分面白い小説ではあるのだが… ある組織の矢田という男に操られ、社会的要人の弱みを作る仕事を生業とするユリカ。ある時、ユリカの前に現れた木崎という化け物が、ユリカの運命を変える… 登場人物は、悪人ばかりなのだが、その中でも『掏摸』にも登場した木崎という男が物語の中核となっている。弱き者と強き者、支配される者と支配する者の構図は『掏摸』と同様、寓話的である。読みながら、他人に人生を支配される恐ろしさと惨めさを感じた。 ふと思ったのだが、『エンゼル・ハート』というタイトルで映画化されたウイリアム・ヒョーツバーグの『堕ちる天使』に設定が似ている。 | ||||
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組織の全体像がつかめぬまま、自分の意志にかかわらず翻弄される主人公。そんな主人公をみて楽しむ男。息を注がせぬ展開であっという間に読み終わりました。 | ||||
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