ホワイト・ジャズ
- 暗黒のL.A.四部作 (4)
- 暗黒小説 (23)
- 麻薬密売人 (15)
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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今まで6冊?エルロイの小説を読んできて、初めて彼の心が分かったような気がした。 | ||||
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評価が激高だったので読んでみましたが全く趣味にあいませんでした。 | ||||
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未読の方はご注意ください
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単行本1998年8月15日第四刷で読了、 580ページ厚さ36ミリの重たい本だが、拡げやすく持ちやすい製本で手に取る喜び有り、 巻頭に主要登場人物一覧、 最後に訳者によるコメント文付き、 幾人かの登場人物を重複させ書き連ねられたLA四部作の最終作で、これを読んでなぜ四部作なのかをようやく納得できた、 文体は独特過ぎるものであり、読者によっては拒否反応を示すレベルで極めて独特とも言え、誰にでも推薦はできない、 ビッグ・ノーウェアが長い稜線を歯を食いしばって登り切り頂上を目指す作品とすれば、本作は頂上登頂後に崖のような坂道を一気に駆け降りてゆくようなスピード感がある、 特に冒頭から三分の一ほどの疾走感は、種々諸々が頭の中でまとまらないにも関わらずページをめくるのが止められなくレベルで面白みがある、 中盤は長い物語で説明必須の部分を担当するのでいわゆるハードボイルドになるが、後半に入れば再度スピード感を増加させ、こんどは崖を転げ落ちるように終末に向かうのだった、 序盤から繰り返し話題に登場するチャベス・ラヴィーン、 同地域を再開発することで現在のドジャース・スタジアムが建設され現在に至る経緯は読者なら検索必須、 本作は同地区地上げ時期の裏面を巧妙に物語に盛り込んでいる、 ライ・クーダーのアルバム”チャベス・ラヴィーン”は本作のような邪悪な面を排除したチャベス・ラヴィーン地区の追憶を歌ったコンセプトアルバムで、本作とは真逆な明るい記憶と回顧を明朗な音楽とともに歌っており、音楽を聴く趣味のある方には推薦したい、 ホワイト・ジャズは1950年代末の同じ時代、LAPD内部がFBIまで巻き込んで繰り広げられる警察官にあるまじき邪悪な確執と争闘の物語、 夢のカリフォルニアと歌われるほんの一昔前の物語である、 世の中には勇敢な映画監督がいるようで、現在本書を脚色中らしい、 さて如何様な仕上がりになるが、実に楽しみだ、 速射砲のようにセリフが飛び交う会話劇になるか、 それともLAコンフィデンシャルのように上手くクライマックスでオチをつけるか、 フィルム・ノワール調が商売にならないことはすでに業界標準だろうから、大人向けのサスペンスとして語り継がれるレベルになるよう期待したい、 私が脚色するなら、地獄の黙示録の構造を引用して、語り手が過去を追憶する巡礼譚にすると思う、 | ||||
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ノワール、犯罪小説にはほぼ興味がなく、単純に「クランチ文体」の元ネタとして著名だから手に取りました。つまり、『ホワイト・ジャズ』以外の暗黒のL.A.4部作も未読です。そういう私のような読者は、読了するのに四苦八苦すると思います。 >あんたがトラブルに巻き込まれるのは歓迎だ。気前がよくなるからな。(p282より) ↑こういう小説です。 登場人物がみんな私欲まみれで動いて、トラブルを引き起こしまくります。 主人公クライン警部補は人を陥れ、人に陥れられまくります。馳星周氏がよせた解説どおりに勢いで読んでると、読者までしょっちゅう騙されます。どいつもこいつも信用ならんってのがノワール小説の流儀なのでしょうか? 一読したあと、収録されている裏面史年表(の661頁)を読み返してようやく整理されてきたような気がします。 またクライン警部補がやってることが、聞き込み=脅迫・詐欺/家宅捜索=窃盗などなど――悪徳警官のくせに――やっていることが地味で泥臭いです。 地の文がクライン警部補の一人称で、うっかり警部補に感情移入して読むといっしょにぐったり疲れます。 文体はおおむね読みやすいです。 | ||||
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「アメリカン・タブロイド」や「アメリカン・デストリップ」などを読んである程度エルロイの文章やスタイルに慣れていろと 思っていても、この「ホワイト・ジャズ」は特別取っつきにくい。体言止めを多用し、主語や目的語を 省く彼のスタイルが、ここではもっと徹底され、後半の終わりに近づくまで、なかなか筋が読めなかった。 ところが、2つの家庭の暗い過去が明るみに出始めることで、この物語の背景の部分と今までの事件の 流れがやっと読者にも理解できるようになる。「暗黒のLA四部作」の最終完結版とある。残念ながら、 私は巻末の馳星周の強い薦めにも関わらず、この四部作を完読することなく、この「ホワイト・ジャズ」を 手に取ってしまった。それも筋を追いにくかった原因の一つとは思うも、必ずしもそれだけではない だろう。巻末に、この四部作の事件の流れと、この四部作でのメインキャラクターと言えるダドリー・スミスの行動を 年表にしてある。思い切り暗黒小説であり、思い切り残忍で、そして思い切り希望がない作品を 書いてきているエルロイの作品の中でも、最も「優れた」暗黒小説かも知れない。最後の100ページほどは、 いかに彼が精緻なプロットを組んでこの作品を書いたか、読者は圧倒されるであろう。私がそうであったように。 | ||||
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「10歳の時に母親の非業の死に直面した」という著者の経歴、内容紹介にある「世界最高の暗黒小説にして警察小説の極北」と云う惹句に釣られて読んでみましたが、大したことないなあ、と云うのが正直な感想です。 「世界最高の暗黒小説」と云ったって、ハメットの小説(「血の収穫」)に比べても目立って描写が激しいわけではないし、フォークナーの一連の小説(「八月の光」、「サンクチュアリ」等々)で描かれている世界の方が、はるかに「暗黒」です。「警察小説の極北」についても、日本には「恥さらし」、「北海道警察の冷たい夏」(どちらも講談社刊)という極北の事態が、目の前の現実としてあるんですから。一般的に、心理描写が無いのがハードボイルド小説の特徴であるかのように言われていますが、これはそれをさらに徹底させて、単語の羅列とぶつ切りの文章で全編を貫いた破天荒のスタイルが、物珍しく、斬新風に見えるだけでしょう。 もうね、3.11以後の暗黒社会に生きている身にすれば、こんなもんどうってことないよ。つまらなくはなかったですけどね。期待せず、暇つぶしに読んでみられたらいかがですか? | ||||
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1992年に発表された所謂LA四部作の完結編にしてエルロイの最高峰。 好き嫌いは別にして本作が与えた影響を無視して以後のノワール、警察小説を語る事は出来ない。 警察内部とギャングたちの醜悪な争いを語る異様に簡潔な電文の如き文体、銃弾のように羅列される単語、吐き捨てられる会話を通して実在と架空を問わず憑かれた登場人物たちの過剰な欲望と情念を露わにする圧倒的筆力。 丹念に張られた伏線の見事さ、錯綜したプロットを操るストーリーテラーとしての手並みも鮮やか。 そして読者に有無を言わせず眼を背ける事を拒絶させる悽愴な結末から浮かび上がる主人公の絶望と哀しみの深さ、それはどんな詩よりも美しい、エルロイの面目躍如。 | ||||
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