アメリカン・デス・トリップ
- アンダーワールドUSA (3)
- 暗黒小説 (23)
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腐敗した汚濁の瘴気が青白い炎を揺らめかせる。 去年/潜入/衝突/反射/プール/娼婦/嘘/遡及/交渉/FBI/軽蔑/落下/罠/ヒモ/裏金/散弾/新聞/頭痛/憎しみ/写真/ダラス/片目/切断/二級傷害罪/ベガス/酩酊/親指/KKK/裏切り/ベンゼドリン/盗聴/買収/記録/タクシー/紙吹雪/視線/赤信号/偽名/アカ/電話/雑音/心臓/CIA/嘲笑/警官/傍受/キューバ/輸血/追跡/燃焼/報酬/タレコミ/怒り/侵入/噂/大義/嘔吐/海岸線/ヘロイン/混乱/囮/挑発/脅迫/崖/尾行/小冊子/崇拝/爆発/ベトナム/猫/限界/骨/永久/永遠/ "尼僧が通りがかった。ピートを見る。ぎょっとする。十字を切る" "セ・タン・フー――あれは狂人にちがいない" "セ・タン・ディアーブル――あれは悪魔にちがいない" "セ・タン・プロテスタン――あれはプロテスタントの怪物にちがいない" シビレル。 | ||||
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ケネディ大統領が暗殺されてから、暫くして他の謀略が進行し・・・というお話。 前作でケネディの暗殺を独自の視点から書き直した著者ですが、本作ではやはり歴史的事実であるキング牧師暗殺とロバート・ケネディ暗殺を素材に独自の視点でアメリカ史を書き直している様です。そこに公民権運動の弾圧や泥沼化していたヴェトナム戦争を背景に置くことで、60年代のアメリカの希望の喪失を描いた大作に思えました。 解説でも指摘されている様に、文章がかなり特異で、「ドアを開けた。ドアを閉めた」という感じの切り詰めた文章が延々と続いて、人によっては呪詛や怨念に満ちた文章に思える書き方がなされ、それが小説全体のパラノイアックな謀略を際立たせる事に成功している様の思えました。読む人のよってはこの文体が読みづらいと思う方もいると思いますが、私は楽しめ(と書くと語弊がありますが)ました。 多分著者のエルロイという人が個人的史観で、アメリカが暴力と死で成り立っている国と定義している様で、全編で血と暴力が渦巻く凄まじい作品になっております。似た様な作風のコーマック・マッカーシー氏や映画監督だったロバート・アルドリッチみたいに、もしかしたらアメリカを愛しながらもアメリカが嫌いなのではないかと思わずにはいられない様なネガティヴなパワーを感じさせる圧倒的な小説でした。 というお話なので人によっては読んで凄く疲れたり、嫌悪感を抱いたりする方もいるとは思いますが、読んでみる価値はあると思います。 エルロイ氏の創作活動がピークに達した感のある大作。是非ご一読を。 蛇足ですが、これの前のLA4部作は「ホワイト・ジャズ」だけ復刊されましたが、全部復刊して頂きたいです。それとドス・パソスの「USA]も。 | ||||
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文庫にして上下合わせて1200ページに亘る長編。エルロイは、「アンダーワールド三部作」の1作目では、JFKの暗殺に至るまでのアメリカの裏社会の 異常性を描き、この「アメリカン・デス・トリップ」では、マーティン・ルーサー・キングとロバート・ケネディの暗殺までが作品の大きな流れとなる。反吐が出そうに なるくらいの暴力描写、生々しい性的表現、そして、凄まじいまでの人種差別。エルロイは「ワルの白人ども」の犯罪を第三者的な視点で、 包み隠すところなくさらけ出す。この作品をエルロイの最高傑作と評す識者も多い。私もそう思う。彼は、特に主人公の3人、前作でも出ていた ピート、ウォード、そして新たに加わったウエイン・ジュニアの心の機微や、疲労、虚無感などが実に巧みに表現されているのだ。無駄を一切省いた 文章、韻を踏み、音楽的でもある表現は、数多くの画像をフラッシュするドキュメンタリー映像を観ているような感覚をもたらす。影の実力者である 父親との確執を常に抱えるウエインの心の揺れ、父親の後妻ジャニスとの恋愛、ショーダンサーでピートの愛人でもあるバーブへの片思いなど、武骨な 表現だが、実にうまく描かれていく。前作で、エルロイは「米国に清らかな歴史などあったことはない」と言い切った。そして、この2作目では それはもっとエスカレートしていく。彼をミステリー作家と位置付け、このミスなどでも上位に選考されることが多いが、彼は純文学的な作家だと 思う。詳細で分かりにくい場面も出てくるが、ちゃんとどこかで分かるような仕組みを入れている。彼の鬼才としての才能に脱帽する。 | ||||
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アメリカの正義とはどこにあるのかがこの作品を読むと良く判りますね。 | ||||
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ジェイムス・エルロイの解釈が正しいかどうかは別としてあの時代の不可解な世界でよく描かれています。オリヴァー・ストーンと共通しますね。アメリカの政治や制度の古めかしさが良く判ります。 | ||||
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