サトリ



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    初公開日(参考)2011年04月
    分類

    長編小説

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    サトリ(上) (ハヤカワ・ノヴェルズ)

    2011年04月21日 サトリ(上) (ハヤカワ・ノヴェルズ)

    1951年東京。日本的精神の至高の境地〈シブミ〉を学んだニコライ・ヘルは、巣鴨拘置所で服役中、CIA局員ハヴァフォードの訪問を受けた。ハヴァフォードは釈放と引き換えに、ある人物の暗殺を依頼する。ニコライは謝礼金とコスタリカの旅券を準備すること、そして自分を拷問したダイアモンド少佐たちの住所を知らせることを条件に引き受ける。 拷問を受けて変形した顔を整形したニコライは、フランスの武器商人を装うことになり、ソランジュという美しい女性から完全なフランス人になる訓練を受ける。やがてハヴァフォードから標的について明かされた。朝鮮戦争が始まり、中国はソ連との連携を深めているが、アメリカはこの二国間に楔を打ち込む必要があり、ある人物を暗殺して互いに反目させようと企んでいた。暗殺の標的は、中国の顧問役をつとめているKGBの幹部ヴォロシェーニン。ニコライは驚いた。母と浅からぬ因縁があったからだ。ニコライは、いまや愛し合うようになっていたソランジュに別れを告げ、ついに北京に乗り込む! 人気・実力No.1作家が、孤高の暗殺者ニコライ・ヘルの若き日の壮絶な闘いを描く話題の巨篇! (「BOOK」データベースより)




    書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.50pt

    サトリの総合評価:7.76/10点レビュー 37件。Bランク


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    サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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    全2件 1~2 1/1ページ
    No.2:
    (8pt)

    令和の時代に読み継がれるための続編

    トレヴェニアンの傑作『シブミ』を現代きってのストーリーテラー、ドン・ウィンズロウが受け継ぎ、続編を書く。このニュースを聞いた時に私の嬉しさと云ったらなかった。
    『シブミ』は私が現代ミステリを読み始めた頃に読んで驚きとスリルを味わった作品。そしてウィンズロウは2年前から読み出した作家でとにかく発表される作品すべてが痛快で外れなしの作家だ。

    これはまさに私に読むべしと告げているようなものではないか!

    そして早くも文庫化された。最近の早川書房の文庫化の早さは文庫派の私にとって何とも嬉しくて堪らないものがある。

    そんな期待の中、繙いた本書は一読して一気に『シブミ』の世界に舞い戻らされた。
    ここにはいつもの軽妙でポップなウィンズロウ節はなく、あるのはトレヴェニアンが築いたニコライ・ヘルの物語だ。日本の侘び寂びを筆頭に中国などの東洋文化に深く分け入った描写。『シブミ』を読んだ時に感じた「これは本当にアメリカ人が書いたのか?」という驚嘆の世界が次々に繰り広げられる。

    冒頭の茶会のシーンで描かれる茶道の細かな作法とさりげない所作の数々。中国人との文化の違いによる交渉の仕方、またニコライが囲碁に擬えて戦局を探り、最善の道を模索する思考などなど、単に日本の物を並べたような浅い描写ではなく、文化と国民性まで踏み込んだ深みのある洞察に至っている。
    確かに本書には『シブミ』の世界があるのだ。

    また原典に登場した人物が本書でも出てきてニコライと深く関わり合うのがいい。憎き大敵ダイアモンド大佐を筆頭に情報ブローカー、モーリス・ド・ランドなど、ニコライにどのように関わりあったかが本書できちんと描かれているのが実に楽しい。本書の後にもう一度『シブミ』を読み返したくなる粋な演出だ。

    さらに物語の翳で暗躍する<コブラ>なる暗殺者の正体には実にフランス的趣味が施されている。
    忠実に原典の世界を再現させつつも作家ウィンズロウとしての矜持も忘れない。まさに今最も脂の乗り切った作家の1人だ。

    さてそんな東洋文化を織り交ぜ、日本、中国、ヴェトナムへと舞台を展開し、スパイ小説のみならず冒険小説のスリル―ニコライがギベールとしてヴェトナムまでロケットランチャーを届けにジャングルや急流を渡るシーンのスリリングなこと!―も味わうことの出来る、まさにエンタテインメントのごった煮のような贅沢な作品だが、一つ納得のいかないのは本書の題名にもなっているサトリの内容だ。

    ニコライがヴォロシェーニンへのミッションで傷つき、療養生活を送っている間に出逢う雪心なる僧侶との会話でサトリというものの境地を教わるのだが、それがいわゆる高僧が開く悟りの境地とはいささか異なるように思える。
    これからの道行きの全てが見えることを“サトリを得る”と書いてようだが、悟りとは日蓮や親鸞などの話からすれば、いわゆる“真理”を悟るということだと私は認識している。そしてその悟りの教えを広く伝えるために伝道師として行脚しているのが彼らである。

    従ってニコライが本書で得ているサトリとはいわゆる“見切り”であり、囲碁や将棋で何手先まで見通す“見極め”のことではないだろうか?
    その点を日本人が認識する“悟り”と誤認しているように思えたのが大きなマイナスとして私には働いた。

    とはいえ、34年も前の作品を前日譚を描いて見事甦らせたウィンズロウの功績は大きい。名作と云われた原典が本国アメリカでは今どのようなステータスにあるのか寡聞にして知らないが少なくとも日本では新版として再販され現在も絶版せずに書店の棚に並んでいる。

    恐らく今後長らく『シブミ』は古典の名作として数ある巨匠の作品と共に並び続けるだろう。それは本書が一役買っているのは間違いない。
    そして本書もまたその横に共に並び、いつまでも誰もが手に取れ、ニコライ・ヘルの世界に浸れるようになるよう、望んで止まない。


    ▼以下、ネタバレ感想

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    Tetchy
    WHOKS60S
    No.1:
    (5pt)

    格好良い男性は要らない

    「カリフォルニアの炎」を読んだあと、続けて読んでみました。
    この小説も、やっぱり男性向きといっていいのかな~

    主人公にスポットをあてて進む小説。
    ネタで勝負する小説。
    アッと驚く大逆転で読者を魅了する小説。
    多々ありますが・・・・
    この作家は主人公で勝負する人なのかな~

    私は格好良い男性主人公は要らない。
    今まで読んだことのないネタで勝負する内容が好きだな~

    というわけで、「フランキーマシーンの冬」は読まないことにしました。

    ももか
    3UKDKR1P
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    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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    No.35:
    (4pt)

    上巻の方が面白かったかな

    ロシアの要人を暗殺する上巻から下巻に入り、物語が錯綜し始めます。
    上巻だけでも物語は完結してるので下巻は要るか?とも思います。
    終わり方が続編があるような終わり方でありウィンズローも意欲があるようなので、サトリのヘルの続編も読んでみたいです。
    サトリ (下) (ハヤカワ文庫NV)Amazon書評・レビュー:サトリ (下) (ハヤカワ文庫NV)より
    415041274X
    No.34:
    (4pt)

    早く下巻を

    トレヴェニアンのシブミの前日譚。
    章立てが細かくなっているので読みやすく、内容もテンポ良い。ウィンズローは初めて読んだが面白い小説を書くものだ。
    えてして亡くなった作家の作品を受け継いで書くと、首を傾げたくなる例が多いが本作は十二分の出来。トレヴェニアンも草葉の陰で喜んでいるだろう。
    サトリ (上) (ハヤカワ文庫NV)Amazon書評・レビュー:サトリ (上) (ハヤカワ文庫NV)より
    4150412731
    No.33:
    (5pt)

    傑作

    おもしろくておもしろくてページをめくる手が止まらなかった。さすがウィンズロウ。
    『シブミ』とか『サトリ』の日本語に意見を述べているレビュアーがいるが、そんなことはどうでもいい。要するに中身。主人公ニコライ・ヘルが神業のように必殺技を決めるところは、爽快なエンタメ要素として十分余りある。日本人側から見ても、誇りを感じた。

    残念だったところは、ラストがちょっと物足りなかったこと。ヘルの復讐劇をたっぷりと堪能したかったのだが。しかし全体的には十分おもしろかったので満点評価とする。

    私は訳者あとがきで、本書出版より以前(32年前)に出版されているトレヴェニアン著『シブミ』を知った。その前日譚、主人公の若き日を描いたものがウィンズロウ著による本書とのこと。
    とても興味がわいたので、この後『シブミ』に取り掛かることにした。
    サトリ (上) (ハヤカワ文庫NV)Amazon書評・レビュー:サトリ (上) (ハヤカワ文庫NV)より
    4150412731
    No.32:
    (4pt)

    捉え方で変わる作品

    これが、とある暗殺者(と言えるか微妙だけど)の誕生の物語だと読めば、よくできた設定とプロットと人物描写の妙を感じるのだけど、ドン・ウィンズロウの作品ととらえると普段の書き込み方には遠く、悲惨な状況すら淡々と描く描写を感じられず何となく物足りない。シブミの前日談と捉えれば、トレヴェニヤンの語りを引き継ぐ者の作品と捉えれば、いやむしろ、そう捉えた方が楽しめる。人物もランドなど素敵な小悪党じゃないか?
    サトリ (上) (ハヤカワ文庫NV)Amazon書評・レビュー:サトリ (上) (ハヤカワ文庫NV)より
    4150412731
    No.31:
    (5pt)

    作者が違う事に気がついていなかった

    解説まで読んで初めてシブミの時の作者と違う人間が書いているということを知りました。
    一人の主人公の物語を多くの人間が描くというのはあまり馴染みがなかったので全く分かっていませんでした。

    ちょっと最後のソランジュの最期があっけなっくて残念でしたがそれでもあらゆるスパイものやアクションもので必要なお約束事を抑えつつ「近接感覚」という独特の能力をもとにしたストーリーは引き込まれます。
    サトリ (下) (ハヤカワ文庫NV)Amazon書評・レビュー:サトリ (下) (ハヤカワ文庫NV)より
    415041274X



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