砂漠で溺れるわけにはいかない



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初公開日(参考)2006年07月
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長編小説

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砂漠で溺れるわけにはいかない (創元推理文庫)

2006年07月31日 砂漠で溺れるわけにはいかない (創元推理文庫)

無性に子どもを欲しがるカレンに戸惑う、結婚間近のニールに、またも仕事が!ラスヴェガスから帰ろうとしない八十六歳の爺さんを連れ戻せという。しかし、このご老体、なかなか手強く、まんまとニールの手をすり抜けてしまう。そして事態は奇妙な展開を見せた。爺さんが乗って逃げた車が空になって発見されたのだ。砂漠でニールを待ち受けていたものは何か?シリーズ最終巻。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

砂漠で溺れるわけにはいかないの総合評価:8.88/10点レビュー 8件。Cランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

ウィンズロウのギャグが横溢!

とうとうこの時が来た。ニール・ケアリーシリーズ最終巻。
元々最終巻は前作『ウォータースライドをのぼれ』だったようだが、本作はファンの要望に応えて書かれた後日譚と云われている。そのせいか、他の作品と比べて総ページも約250ページと約半分の分量である。しかしそれでもやはりウィンズロウ、しっかり仕事をしてくれている。

毎回このシリーズには印象的なキャラクターが登場するが今回は何といってもニールが家へ連れ戻す老人、元コメディアン、ナッティ・シルヴァーことネイサン・シルヴァースタインのキャラが秀逸。
今までの作品でのウィンズロウのウィットに富んだ文体で彼のユーモアのセンスは解っていたつもりだが、コメディアンをメインに据えた本書ではそれが全開。今まで我慢していたギャグを大放出しているかのようだ。そしてそれがほとんど面白い。
それがまたナッティのキャラクターの造形を色濃くしている。そしてその飄々とした好々爺の風格が古き良き時代のアメリカン・コメディアンそのものであり、眼前にナッティがしたり顔でジョークを連発するのが目に浮かぶくらいの存在感を放っている。

この分量であるから、前4作に比べるとすごくシンプルな作りになっていると感じるのは否めないが、内容的には思う存分愉しめた。7ツ星評価は今までのシリーズに比べての相対評価であり、もしこの内容でノンシリーズだったり、第1作目であれば8ツ星を献上しただろう。

3作目から登場したカレンだが、実にいい女性だと思う。大人に成りきれないニールの純粋さを受け入れて愛する姿勢、しかし決して盲目的に献身に徹するのではなく、気風のいい姐御であり、常にニールと対等に振舞う。いやあ、カレンは個人的には今まで読んだ小説でも一、二を争う最高のヒロインだ。

特に今回は作者自身も愉しんで書いていることが窺える。ナッティとニールのやり取りはもちろんのこと、ニールとカレンの会話、時折挿入されるホープの日記、保険会社と弁護士との往復書簡、サミとハインツの通話の記録など、いくつもの文体を駆使して、それらが全て笑いに直結している。
もうウィンズロウは全開でギャグを放り込んでいたんだろうなと容易に想像できる内容だ。

解説によれば作者はシリーズ再開を考えているらしい。
いや1999年時点の話だから、既に出ているかもしれない。実に嬉しいことではないか。一ファンとしてはそれが早く形になり、そしてさほどのタイムラグが生じないように訳出されることを願って、感想の締めとしよう。


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No.7:
(5pt)

アボットコステロの映画を懐かしく思い出してしまった。

ドン・ウィンズロウのニール・ケアリー・シリーズの5作目『砂漠で溺れるわけにはいかない』(1995年)を読むことにした。
父親をどこの馬の骨か知らないニールは、子供ではなく「父親」になることに戸惑いを覚えていて、婚約者のカレンの子供作りに協力できないことがこの物語のテーマらしい。
そんなときグレアムからラスベガスから86歳の御老人を連れ帰る仕事が来た。
楽な仕事と思って出かけたが、予想もしないトラブルに巻き込まれてしまう。
このネイサン・シルヴァ―スタインという御老人は往年のコメディアンであり、あのアボットコステロの有名なギャグの「一塁手は誰?」を教えたのは私だと宣う。
ニールが連れて帰ろうとしたら飛行機が恐ろしいと言って乗らないと駄々をこねる。
映画『レインマン』のレイモンド(ダスティン・ホフマン)とそっくりなシチュエーションなのです。
この映画のなかでもレイモンドは、ときどき「一塁手は誰?」と言っていて弟のチャーリー(トム・クルーズ)を困らせていたシーンを思い出してしまったのです。
評者も子供の頃アボットコステロの映画を何本か名古屋駅前の「メトロ」という映画館で観た記憶が蘇り懐かしくなりながらネイサンの語るギャグを読んでしまいました。
この物語の主人公は、ニールではなくネイサンであると言っても過言ではないだろう。
保険会社の査定員や弁護士などとの手紙のやり取りもストーリーのスパイスになっていて笑いを誘う。
ニールシリーズ第一作の『ストリート・キッズ』には及ばないが、ドン・ウイロウらしい物語に仕上がっていると思いながらニールシリーズ最終作を楽しく読み終えました。
砂漠で溺れるわけにはいかない (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:砂漠で溺れるわけにはいかない (創元推理文庫)より
4488288057
No.6:
(5pt)

「断じて、読むべきだ」最終話は飛ばしてます。楽しめます。

「犬の力」「フランキー」でこの作者にはまりました。
このシリーズももっと早く読めばよかったと後悔。2週間ほどで5冊読了しました。
(実は、ファッション誌みたいな軟弱カバーイラストにすっかりだまされて敬遠してました。第1作の帯には「だれもが涙した」とか書いてあるし、創元社さんセンスおかしいのと違う?)

時には国際的に絡まりあう諸事情(笑)を、練り上げられたストーリー、個性的すぎる登場人物が彩る、21世紀日本にいながら70年代アメリカの空気を感じられるシリーズ。
シニカルでロジカルなミステリと笑いのツボにどっぷり!

作者ドン・ウィンズロウの表現力はもちろんだけど、東江さんの訳も素晴らしい。
変ななまり?が少々あぶないというか不謹慎で大うけです。苦労されたと思います。
この最終巻では、小悪人2人のやり取りに腹筋が痛くなりました。
ハードボイルドな西部男になりきれないニールの今後を想像してます。
(続編の予定もあるそうですね!)
砂漠で溺れるわけにはいかない (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:砂漠で溺れるわけにはいかない (創元推理文庫)より
4488288057
No.5:
(3pt)

アメリカの物語

 Don Winslowの『While Drowning in the Desert』(1996年)の翻訳。
 「ニール・ケアリー」シリーズの第5弾にして最終巻。
 『ウォータースライドをのぼれ』までは出たときに読んでいて、この一冊だけ読みのがしていたのだが、なんだか拍子抜けというのが率直な感想だろうか。こなんだっけ、ニール・ケアリーって?
 本作のメイン・キャラクターである「ナッティ・シルバー」のジョークに上手くはまれなかったのが良くなかったのかも知れないが、全体として低調な物語でギャグもすべりがち。
 久々に読むと、ものすごくアメリカ的な物語なのだなということが良く分かる。ヒーロー像、訴訟、犯罪、結婚などもろもろ。
 第二部を執筆するという話も聞くが、どうなっているのだろう。
砂漠で溺れるわけにはいかない (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:砂漠で溺れるわけにはいかない (創元推理文庫)より
4488288057
No.4:
(5pt)

さよなら、また会う日まで

ニール・ケアリーシリーズ最終巻である。彼の成長をグレアムと共に見守ってきた読者にはなんとも寂しい限りだが、とりあえず続編を期待するとしよう。この作品自体はさらっとしたストーリーである。むしろニールとカレンが抱える悩みをいかに乗り越えるのかが興味深い。幸せになってくれるのを祈るのみである。全体的には軽快でユーモア溢れる楽しい作品となっていると思う。シリーズ通して優れた翻訳でした。登場人物、作者、その他関わった全ての人にご苦労様でした。と言いたい。全然リアルタイムではないのだけれど。
砂漠で溺れるわけにはいかない (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:砂漠で溺れるわけにはいかない (創元推理文庫)より
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No.3:
(4pt)

さらりと軽快な、2時間スペシャル的<後日談>

シリーズ5作目は、さらりと軽快な短いお話。
いよいよ結婚式を開こうとしているニールが、半ば強引に引き受けさせられた依頼は、老人の保護という簡単な仕事。
だったはずが、やはり一筋縄ではいかなくて・・・。
人気のあった連続ドラマが放送終了になり、しばらくしてから「2時間スペシャル」で1夜だけの復活を遂げた時のような、同窓会的というか、後日談的な色が濃い。
それでも、ニールは「父親」という大きなテーマに対して真摯に向き合っているし、一つの物語の区切りとして、シリーズのファンならば間違いなく読む意味はある。
解説にちらっと触れられている、<筆者はいつかこのシリーズを再開したいと思っている>という言葉を信じて、気長に待ちたいところだ。
砂漠で溺れるわけにはいかない (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:砂漠で溺れるわけにはいかない (創元推理文庫)より
4488288057



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