報復



    ※タグの編集はログイン後行えます

    【この小説が収録されている参考書籍】
    報復 (角川文庫)
    (違う表紙に投票したい場合もこちらから)

    オスダメ平均点

    6.50pt (10max) / 2件

    6.50pt (10max) / 2件

    Amazon平均点

    3.27pt ( 5max) / 15件

    みんなの オススメpt
      自由に投票してください!!
    0pt
    サイト内ランク []C
    ミステリ成分 []
      この作品はミステリ?
      自由に投票してください!!

    0.00pt

    57.00pt

    41.00pt

    0.00pt

    ←非ミステリ

    ミステリ→

    ↑現実的

    ↓幻想的

    初公開日(参考)2015年12月
    分類

    長編小説

    閲覧回数2,741回
    お気に入りにされた回数0
    読書済みに登録された回数3

    ■このページのURL

    ■報告関係
    ※気になる点がありましたらお知らせください。

    報復 (角川文庫)

    2015年12月25日 報復 (角川文庫)

    元デルタフォース隊員で、現在は空港の保安監督官として働くデイヴは、飛行機事故で最愛の妻子を失った。絶望にうちのめされながらも、いくつかの奇妙な符合から、テロではないかと疑念を抱いた彼は、恐ろしい事実と政府の隠蔽工作に直面する。そして、元兵士の友人たちとともに、自らの手で狡猾なテロリストに鉄槌を下す決意をする。すべてを失った男の凄絶な怒りと闘いを描く緊迫のミリタリー・サスペンス。(「BOOK」データベースより)




    書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.50pt

    報復の総合評価:6.53/10点レビュー 17件。Cランク


    ■スポンサードリンク


    サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

    新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
    全2件 1~2 1/1ページ
    No.2:
    (7pt)
    【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]  ネタバレを表示する

    ウィンズロウ版『ナヴァロンの要塞』

    久々のウィンズロウはノンシリーズの復讐劇。妻子をテロリストに殺された元デルタフォースの男が遺族たちの賠償金を募ってそのお金でかつての上司が率いる世界各国の精鋭たちを集めた傭兵部隊を雇い、テロリストを追い詰める物語だ。

    とにかく物語の展開はスピーディで、勿体ぶったところがなく、デイヴが精鋭たちを雇うのは全ページ610ページ強のうち、178ページと3分の1に満たないところだ。そこからウィンズロウは主人公デイヴ達が標的に迫っていく様を世界中を舞台に入念に語っていく。

    航空機爆破テロ。9・11を経験したアメリカならば即大統領は声明を発表し、テロに屈しないとメッセージを出し、どんな手を使っても犯人を見つけ出し、報復行為に出るはずだ。
    しかし本書では逆に相次ぐ報復行為で疲弊したアメリカが事件を事故と発表して穏便に済ませようとする。従って本書でテロリストに行う報復は一個人によるものだ。
    つまりデイヴの行う襲撃は全て犯罪に変わってしまう。従って異国で行われる作戦は絶対にその国の政府に見つかってはならない。見つかると部隊は全て刑務所にぶち込まれるからだ。

    従ってデイヴの行為が各国政府に知られると国際問題に発展しかねない危険性を孕んでいる為、政府としても彼らを止めなければならない。アメリカ国防情報局のデーナ・ウェンデリンはデイヴ達を執拗に追う。デイヴは追う側でありながら追われる側でもあるのだ。
    しかしウェンデリン本人もデイヴ達の行為こそ自分たちがすべきことだと思っているジレンマを抱えている。にもかかわらずウェンデリンはデイヴの資金源を、情報源を絶ち、じわりじわりと追い詰めていく。

    さてそんな物語の中心となるデイヴの上司マイク・ドノヴァンが率いる“ドリーム・チーム”の面々はウィンズロウらしく実にキャラが立っている。

    まず“ドリーム・チーム”の長マイク・ドノヴァンはデルタフォース時代のデイヴの直属の上司であり、共に死線を駆け抜けた同志でもあるため、デイヴは絶大な信頼を置いており、命を補い合った者同士が持つ断ちがたい絆が2人の間にある。ピッツバーグ郊外の鉱山町生まれで安定した食事と寝場所を求めて陸軍に入隊。そんな下層階級の出でありながらノートルダム大学で憲法史の文学士号を持ち、海軍大学院で特殊作戦と低強度紛争課程を履修し、文学修士号を授与されたエリートでもある。彼の決断は信頼する元部下デイヴであっても能力が不足していると思えば切り捨てる意志の強さを持つ。しかしそれは自分の部下を一人たりとも死なせたくないという優しさの裏返しでもある。

    コーディ・ペレスはメキシコ出身の元アメリカ空軍パラレスキューで医療及び高度特殊作戦の訓練を受けた兵士。アフガニスタンのタンギ渓谷でSEALs隊員を助けるために死線に飛び込みながら、1人の隊員を救えなかった苦い過去を抱えて生きている。

    ドイツ人のウルリッヒ・マンは元ドイツ連邦陸軍特殊戦団出身で破壊工作のプロフェッショナル。アフガニスタンの任務でタリバンを目の前にしながら上からの命令で敵を抹殺せずに捕獲を要請されたため、自身を危険に曝しながらも観察を強いられた事から隊を辞任した。

    金のために戦うと公言して憚らないのが元イタリア陸軍空挺部隊のアレッサンドロ・ボルギ。兵士でありながらモデル並みの容姿を持ち、ダウンヒルのスキーヤーでもある。報酬は全てフェラーリと女性へと消える。

    チームの中で興味深いのは歴史的犬猿の仲であるイスラエル人とパレスチナ人が同居していることだ。
    前者のレヴ・ベン・マロムはイスラエルの選りすぐりの精鋭で構成された極秘組織“ザ・ユニット”出身で多くのテロリストを殺した。
    後者のアミール・ハダドは難民キャンプの出でイスラエル軍に母親を殺害された拭いきれない過去を持つ。従って彼はイスラエル軍と戦ってきたが、ある任務で爆破テロを命ぜられながらも出来なかったことから組織だけでなく父親からも勘当され、追い出されたところをドノヴァンに拾われた。しかしイスラエルに対する憎しみは続いており、レヴとの仲は今でも険悪だ。
    この2人が死闘の中でお互いの立場を理解し、認め合うところが意外なアクセントとなっている。

    ドノヴァンの片腕で前線での作戦の指揮を任されるミッシェル・ディアロはフランスの海軍コマンド出身。しかし軍への緊縮政策による予算削減の際にアフリカ系フランス人であるという理由で除隊を命ぜられたところをドノヴァンに拾われた。

    今ではジンバブエと云う名の別の国になったローデシア出身で隊最年長のロルフ・フォルスターはセルース・スカウツ出身の格闘術のプロ。祖国を失い、各国で雇われ用心棒をしながら流浪していたところをドノヴァンにスカウトされた。

    マイク・ドノヴァンと云うカリスマの許に集められた精鋭たち。激しい訓練と死地を幾度となく潜り抜けてきた彼らの絆は海よりも深いと考えられていたが、意外な形で彼らの作戦は綻び始める。それはメンバーの裏切りだ。

    上にも書いたように訳者が変わったせいではないだろうが、短い文章でテンポよく物語を運ぶのはウィンズロウらしさがあるものの、彼の持ち味であるユーモア交えた小気味いい文体が本書では一切ない。
    実にストイックに家族を喪い復讐に燃える男の物語が、専門知識をふんだんに盛り込まれながらも悪戯に感傷を煽るようにならず、ほどよい匙加減で切り詰められた文章で進んでいく。
    特に描写がリアリティに満ちていて実に痛々しい。
    例えばよく映画で目の前で敵の頭が吹き飛び、血漿を浴びるセンセーショナルなシーンがあるが、本書ではさらに砕けた頭蓋骨の破片が顔に突き刺さり、それらを除去しないと感染症に罹ってしまうという実に生々しい説明が付け加えられる。

    また飛行機から飛び降りる高高度降下落下傘にしても単に潜入するだけに留まらない。高高度から飛来することの危険性―気温が摂氏マイナス48度であるから凍傷や低体温症の危険性がある、飛来する人が“X”の形で降りるのは風の抵抗を受けて少しでも落下スピードを落とす為で、落下スピードが速すぎるとパラシュートを開いた瞬間の衝撃で関節が外れてしまう、等―を詳らかに数行に亘って説明する。それも決して熱を帯びていなく、あくまで淡々と。
    『野蛮なやつら』や『キング・オブ・クール』で見られた実験的な文体を書いた作者と同一人物とはとても思えないほどの変わりようだ。

    特に最後のテロリストの巣窟への襲撃戦はさながらマクリーンの『ナヴァロンの要塞』のようだ。

    そしてウィンズロウ版『ナヴァロンの嵐』がいつか読めることを期待しよう。


    ▼以下、ネタバレ感想

    ※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[]ログインはこちら

    Tetchy
    WHOKS60S
    No.1:
    (6pt)

    暴力しか信じない人々

    2014年に発表されたドン・ウィンズロウの長編小説。日本で同時発売された「失踪」とは全く違った、シンプルな戦闘アクションである。
    アメリカの対テロ特殊作戦部隊を退役したデイヴ・コリンズは、イスラム系テロの旅客機攻撃で妻と息子を失った。ところが、米政府はテロではなく事故であると発表し、隠蔽してしまった。国に裏切られたコリンズは自分の手で報復することを決意し、かつての上司が運営する「世界最強の傭兵軍団」の力を借りてテロリストの殲滅作戦を開始する。
    全編、「復讐は感情の行為であり、報復は正義の行為である」というエピグラフの精神で貫かれており、ストーリーもキャラクターも、まったく深みが無い。ただひたすら暴走するのみ。
    大学では軍事史を学んだというウィンズロウらしく、兵器や軍事作戦の解説は極めて詳細で、兵器オタクにはオススメだ。というより、兵器オタク以外にはオススメできない作品だ。

    iisan
    927253Y1
    新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
    未読の方はご注意ください

    No.15:
    (1pt)

    面白くないので卒倒するほど驚きました。

    ドン・ウィンズロウの作品は、大昔に『ストリート・キッズ』を、ほのぼのと感じながら読み終え、そのあと『フランキー・マシーンの冬』を、面白く楽しく読んだのを記憶している。
    その後『犬の力』を、アメリカの闇を知りながら憂鬱に読んだのも覚えている。
    が、今回本書『報復』を読み始め途中で止めようと何回も思いながらなんとか読み終えた。(600頁以上もですよ!)
    タイトル通り元デルタフォース(対テロ特殊作戦部隊)だった主人公デイヴ・コリンズが妻と息子をテロによって殺され、傭兵隊を組織してテロの首謀者であるアブドゥラー・アジーズを追い詰めて報復する物語である。
    絵に描いたような軍事作戦を繰り返し型通りに物語は進んでいく。
    ウィンズロウは、これでもかこれでもかと言うほど銃器や兵器など事細かに説明をし、武器オタクではない評者をうんざりさせてくれた。
    巻末の解説で杉江松恋氏は、ドン・ウィンズロウは作品ごとに「扉を開けて開けて開けて作家はどんどん先へと進んでいく。そのたびにまったく違った世界を見せられ、読者は毎回卒倒するほど驚きを与えられてきた。」と述べていたが、面白くないから卒倒するほど驚きたくないと思いながら本書『報復』を、なんとか最終ページまで読み終えた。
    作品ごとにレベルが低下しながら進んでいく作家もいるようだ、と、解説の杉江氏に提言したいと思いました。
    報復 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:報復 (角川文庫)より
    4041019613
    No.14:
    (4pt)

    ウィンズロウの作品は一定レベル以上

    確かにストーリーは一直線だけど、このタイトルだけで「悪人成敗」の爽快感を味わいたくて本書を手に取る読者は多いと思いのではないか?少なくとも私はそうだ。
    基本は予想通りだが、その中に紆余曲折があり、さらには武器から人間の大脳皮質に至るまで、うんちくがたっぷり。今回はそれがけっこう多く くどく感じたところもあったけど、ストーリー運びには退屈させられない。期待を裏切られることはなく、読み応えがあった。やっぱりウィンズロウはハイレベルだ。
    報復 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:報復 (角川文庫)より
    4041019613
    No.13:
    (4pt)

    筆力で強行突破

    プロットは至極ありきたりだし、戦闘場面はいわゆるランボーミッション。
    このつまらなそうな条件で書いてどこまで読ませられるか?というチャレンジが本書。
    ドン・ウィンズロウは圧倒的な筆力で見事それに成功している。
    あえてB級娯楽のラインを狙ったものゆえ、この人の普段の作品を期待してはいけない。

    ところで本作はアメリカでは出版されていないのだが
    『犬の力』で大家になった作者のイメージを壊さないという配慮なのか
    或いは話の一部がアメリカのある重大事故と、それにまつわる陰謀論からそのまま拝借しているからなのか
    気になるところである。
    報復 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:報復 (角川文庫)より
    4041019613
    No.12:
    (1pt)

    つまらん

    血がたぎらないというか気が入ってこないというか、対テロ戦のハウツー本を読んだ印象。かといってこの戦い方はすげーなーってのもない。いまさん。
    報復 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:報復 (角川文庫)より
    4041019613
    No.11:
    (4pt)

    面白いが深みがない

    元デルタフォースの強者ディブ・コリンズは、飛行機事故で愛する妻と息子を亡くす。テロであるとの証拠が出てくるが、政府はこれをひた隠しに
    して事故としてを片付けようとする。彼のたった一人の報復が始まる。彼は、昔の上司に依頼して、最強の傭兵部隊を集め、自分もその
    一人としてテロリスト狩りを始める。作者は、豊かな軍事知識を至るところで披露しながら、彼らの戦争を詳細に描く。傭兵たちの出身国は
    様々、その個性や家族関係なども掘り下げながら、物語は進められる。ページをめくる手は早くなるが、一方、ほとんどが戦闘シーンで
    あり、作者の代表作である「犬の力」のような深みがないのが残念。筋にもうひとひねりがあれば、良かったと思うが。
    報復 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:報復 (角川文庫)より
    4041019613



    その他、Amazon書評・レビューが 15件あります。
    Amazon書評・レビューを見る     


    スポンサードリンク