ストリート・キッズ



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初公開日(参考)1993年10月
分類

長編小説

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ストリート・キッズ (創元推理文庫)

1993年10月31日 ストリート・キッズ (創元推理文庫)

一九七六年五月。八月の民主党全国大会で副大統領候補に推されるはずの上院議員が、行方不明のわが娘を捜し出してほしいと言ってきた。期限は大会まで。ニールにとっての、長く切ない夏が始まった…。プロの探偵に稼業のイロハをたたき込まれた元ストリート・キッドが、ナイーブな心を減らず口の陰に隠して、胸のすく活躍を展開する。個性きらめく新鮮な探偵物語、ここに開幕。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

ストリート・キッズの総合評価:8.93/10点レビュー 28件。Bランク


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全4件 1~4 1/1ページ
No.4:
(9pt)

一迅の涼風とはよく云ったもの

93年に出版され、今なお評判が高く版を重ねているドン・ウィンズロウのデビュー作にして探偵ニール・ケアリーシリーズ第1作が本書である。
本書が斯くも高く評価されているのは、探偵物語としても上質でありながら主人公ニールの成長物語として実に爽やかな読後感を残すからだろう。

父なし児として売春婦の母親と一緒に劣悪な環境下で暮らし、掏摸で糊口をしのぎながらストリート・キッドとして生きていたニールが初めてしくじった相手が探偵のジョー・グレアム。二度目に遇った時はジョーが窮地に陥っているときで、ニールは咄嗟の機転を利かせてジョーを助ける。そこから探偵とストリート・キッドの師弟関係が始まる。
まずこの邂逅のエピソードが実にいい。

さらにニールが渋々引き受ける家出人探しの上院議員の娘アリーがお嬢様から転落していく一部始終、そして売女に身をやつしてしまいながら、母親から明かされるアリーの悲惨な境遇と心の叫び―父親である上院議員に幼い頃から性的嫌がらせを受けていた。しかも実の娘ではないことが解る―。
この衝撃の事実は本来ミステリ・エンタテインメント小説であれば物語の後半に持って来るべき真相だが、作者は早くもニールが捜索する前の家族への聞き込みの段階で明かす。それは物事は必ずしも一つの方向で見るべきではなく、多面的に見つめることで隠された真実が浮かび上がるのだと本書を読むにあたってあらかじめ注意を喚起しているかのように思える。

この予想は当たっていて、物語は二転三転して進行する。特にニールがアリーを見つけてからの展開はレナードの作品を思わせるような全く先の読めない展開で誰も予想できないだろう。
実際私は何度も予想を裏切られた。それもいい意味で。

また次期大統領候補の娘の捜索というメインのストーリーの合間に断片的に挟まれるグレアムがニールを教育し、一人前の探偵に育てていく探偵指南の挿話が実に面白い。
まずは部屋の掃除から始まり、料理の指導と人間として基本的なことから教え、その後尾行の仕方、顔の覚え方、探し物の探し方、姿の隠し方など、プロフェッショナルな探偵術を微に入り細を穿って教授する。これらの内容は実際作者は探偵をやっていたのではないかと思わせるほど専門的である。
訳者あとがきによれば作者の職業遍歴は実に多種多様で、履歴から人生を推測するだけでも実に様々な物語が展開しそうなほどだ。そしてその経歴の中にはその手のノウハウを身を以って経験するものがちらほらと散見される。

そして物語の各登場人物のエピソードの内容は実は社会の暗い世相を反映し、多様化する現代の病とも云える売春や近親相姦、麻薬密売に中国マフィアの台頭と気の滅入るような内容がふんだんに盛り込まれているのだが、上に述べたニールとジョーの師弟関係の挿話や“生きた”言葉を話す登場人物たちの会話のためもあって実に爽やかな読後感をもたらす。

リアルとフィクションのおいしい要素を上手くブレンドしたその筆致はレナードのそれとは明らかにテイストが違い、デビュー作にしてすでに自分の文体を確立している筆巧者なのだ。

さて本書の原題は“A Cool Breeze On The Underground”、直訳すると『地下に吹く一迅の涼風』とでもなろうか。
作中ニールがロンドンでアリーを捜索中、地下鉄を乗り渡る場面がある。そこでロンドンの地下鉄の暑苦しさについて語られており、涼風の可能性、存在自体をも否定するほどの暑さと述べられている。つまり存在しうる物でない物、一つの希望を表しているようだ。
また“Underground”は「地下」という意味に加え、「裏社会、暗黒街」という意味もある。すなわちこの一迅の涼風とは主人公ニールを指しているに違いない。裏ぶれた社会に青さと甘さを持ちながらも自らの道徳を大事に事件に当たる若き探偵ニール。このニールはチャンドラーのフィリップ・マーロウを現代に復活させた姿としてウィンズロウが描いた人物であるように思える。

ストリート・キッドから育てられた若き探偵ニール。若さゆえに自分の感情をコントロールするのに未熟なため、私立探偵小説でありながら青春小説特有のほろ苦さを醸し出す。
そして舞台はニューヨークからロンドンへ渡り、ヤクの売人にまぎれながらアリーを救出する活躍の様は探偵小説というよりもスパイ小説のような読み応えも感じさせる。
いやあ、これは版を重ねるわけだと頷かざるを得ない、本当の良作だ。

Tetchy
WHOKS60S
No.3:
(7pt)

ラスト50ページの勝負でした

ずっと淡々とした物語が続いていましたが、とても読後感の良い結末が待っていました。主人公とアリーはその後どうなっていくのか気になりますが、おそらく何もなく忘れていくのでしょうね。

わたろう
0BCEGGR4
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

ストリート・キッズの感想

アメリカの探偵小説でありながらハードボイルドではなく、またドンパチもあまり出てこない物語で落ち着いて読めました。
主人公のニールは、保守的な銀行家が私的に持っている調査機関の調査員であり、顧客の依頼に応じて上からの指示で動くのですが、本人は元ストリートキッズでありかなり過酷な生い立ちのもとで成長するのですが、その過程で義手の探偵に拾われることで今の立場となります。

薬漬けになり荒れた生活の果てに家出してしまった、上院議員の娘を探し出して連れ戻すと言う依頼がきて、目撃情報をもとにイギリスへ飛ぶのですが、娘の家出の真相には複雑な問題がからむ上、薬から離れることができないということもあって難航します。

それにしても、政治家の汚さと言う点においてはなかなかリアリティがあると思いました。
探偵小説というよりも若いニールの成長物語と言ってもいいのではないかと思います。
謎解きのようなミステリーではありませんが、読み応えがあり青春小説として読んでも面白いのではないかと思います。

たこやき
VQDQXTP1
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

かなりおもしろかった

古いものなのでどうかなっと思ったが、なんのなんのかなりおもしろかった。
表紙の絵で随分損をしていると思う。登場人物がイキイキしていて最後は止められなくなった。続きが気になったが売っていないのでまた、古本を探しに行きます。

Yutaka
Z78W2TO8
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.24:
(5pt)

70歳で引退なんて早すぎないか!

ドン・ウィンズロウの引退を知り、最後の作となった『終の市』を先日読み終えた。
彼の処女作である『ストリート・キッズ』を読んでみようと思ったが探しても見つからない。
早速Amazonで入手して読むことにした。
二度ばかり読んだが、随分昔のことで面白かった話であることだけの記憶しかない。
ローレンス・ブロックのマッド・スカダーが路上少年のTJと重なるような内容であったが、ストリート・キッズことニール・ケアリーと師匠のジョー・グレアムが探偵術を教えるなど中身が濃い子弟の関係だったことは記憶していた。
本作を三度目に読んだが、ドン・ウィンズロウのストーリー構成の卓抜した才能に、あらためて舌を巻いてしまったのです。
ニール・ケアリーものを全作読んでいないので『砂漠で溺れるわけにはいかない』を、Amazonで注文してしまいました。
このジャンルのファンは、ドン・ウィンズロウの本作『ストリート・キッズ』と『犬の力』そして『フランキー・マシーンの冬』くらいは是非読んでほしいと思いながら『ストリート・キッズ』を楽しく読み終えました。
ストリート・キッズ (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ストリート・キッズ (創元推理文庫)より
4488288014
No.23:
(4pt)

後段がおもしろい

テンポが遅いですが、後段になっておもしろくなりますので、読み切ってください。
ストリート・キッズ (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ストリート・キッズ (創元推理文庫)より
4488288014
No.22:
(5pt)

ありがとうございました!

丁寧な包装、迅速な発送、とても状態の良い本でしかも激安‼︎
本当にありがとうございました
ストリート・キッズ (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ストリート・キッズ (創元推理文庫)より
4488288014
No.21:
(5pt)

絶対読むべし

話の展開が素晴らしいです
ストリート・キッズ (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ストリート・キッズ (創元推理文庫)より
4488288014
No.20:
(3pt)

これがドン・ウィンズロウのデビュー作

おそらく刊行された直後位に一度読みかけて、あまりにも軽いキャラにウンザリして読み辞めた記憶がある。

確かにキャラは軽いし、今のウィンズロウを読んだものからするとストーリーも単調で冗長な部分もあるし、ドラマの骨子も子供っぽいところがある。

ただ比喩やヒネリの効いたユーモアなどのウィンズロウ節の萌芽はあちこちに見受けられる。
軽く読める意味ではエログロも少なくYA小説に近いかもしれないが、これはシリーズになっているので作者の変化を見るうえで読んでみるのも面白いかもしれない。
ストリート・キッズ (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ストリート・キッズ (創元推理文庫)より
4488288014



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