高く孤独な道を行け



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初公開日(参考)1999年05月
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長編小説

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高く孤独な道を行け (創元推理文庫)

1999年05月31日 高く孤独な道を行け (創元推理文庫)

中国の僧坊で伏虎拳の修得に余念がなかったニールに、父親にさらわれた二歳の赤ん坊を無事連れ帰れ、という指令がくだった。捜索の道のりは、ニールを開拓者精神の気風をとどめるネヴァダの片隅へと連れ出す。不穏なカルト教団の影が見え隠れするなか、決死の潜入工作は成功するのか?悲嘆に暮れる母親の姿を心に刻んで、探偵ニール、みたびの奮闘の幕が上がる。好評第三弾。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.50pt

高く孤独な道を行けの総合評価:8.43/10点レビュー 7件。Bランク


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全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(9pt)

“孤独の高み”を乗り越えた先にあるものは…

ニール・ケアリーシリーズ3作目の舞台はなんと地元アメリカ。西部の山奥でカウボーイたちの暮すオースティンのさらに奥、通称“孤独の高み”と呼ばれる集落だ。

物語は中国の山奥で早朝に伏虎拳の修行に励むニールの姿で幕を開ける。う~ん、なんとも映像的ではないか。映画『ミッション:インポッシブル』を髣髴とさせるようなシーンだ。
このような演出からも私立探偵物というよりも冒険活劇を前提にした諜報物を意識した作りであるのが解る。あざといと思いながらも語り口が絶妙だからこの導入部から既に期待に胸膨らむ自分がいた。

今回の任務はハリウッド映画プロデューサーの前夫に攫われた一人息子の奪還。
そして通常私立探偵物と云えば主人公の事務所に依頼人が訪れるというのが定番だが、このシリーズはニールの父親代わりのグレアムが依頼を告げ、事件を終えたニールの回想を思わせる独白で幕が開く。それは全て後悔の念であるのが特徴的。つまりグレアムはニールにとってかけがえのない父親でありながら災厄の天使でもある。そのとおり、この実にたやすいと思われた任務が、結果的にはニールのみならずグレアム、レヴァインをも巻き込んで絶体絶命の窮地にまで陥れる。

毎回このシリーズにはニールの行き先で出会う人との交流が物語の絶妙なスパイスとなるのだが、今回のゲストは“孤独の高み(ハイ・ロンリー)”の牧場主スティーヴ・ミルズとその一家だ。彼が農業に見切りをつけ、妻と2人で辿り着いた安息の地“孤独の高み(ハイ・ロンリー)”で如何に今のような牧場を経営するまでに至ったかが語られるのだが、西部開拓者精神を象徴するそのエピソードにグッと来る。2人の夫婦が掴んだささやかな成功と、一人娘の成長を見守るささやかな幸せ。
今はその至上主義が諸国の反感を買うアメリカだが、その国でもこんな時代があったのだと気付かされる。もしかしたらウィンズロウは今こそこういう精神が必要なのだと自国の読者に訴えたかったのかもしれない。

そして忘れてはならないのはヒロインの登場だ。いつもニールはターゲットの女性に一目惚れし、任務に逆らって我が道を行くのだが、今回の相手はターゲットでないところがミソ。オースティンで小学校教師をしているカレン・ホーリーがその相手で彼女は脚が長くて背が高く、幼い頃から山野を歩くため出ているところは出て、引き締まっているところは引き締まっているという抜群のプロポーションの持ち主。しかも笑顔で何人もの山の男たちをとろけさせるほどの魅力的な美人だ。まさに掃き溜めの中の鶴といった存在である。
よく考えるとこうも毎回美女が登場するというのもボンドガールのようで、しつこいようだがやっぱりこのシリーズはスパイ物だなぁと思ってしまう。

今回のテーマは西部劇だ。西部の山奥に行ったニールが乗馬を習い、大草原を駆け抜ける。クライマックスは現金輸送車強奪から白人至上主義集団の追っ手から逃れる一連の群馬活劇シーンは実に映像的。スリリングかつ躍動的で手に汗握るとはまさにこのこと。
ホント、ウィンズロウはなんでも書けるなぁ。

そして今回の展開は痛い。実に心が痛む物語だ。毎度毎度の潜入捜査ながら、マンネリに陥らず、物語に深みが増している。1作目に「潜入捜査の終わりは裏切りだと常に決まっている」と書かれていたが、今回はまさにそう。

白人至上主義で反ユダヤ人派の新興宗教グループの一員となった男に攫われた男の子を救出する為にあえてその身をそのグループに属させようとするニール。読者はニールが強盗団のリーダーとして力を発揮していく過程を頭で割り切れても心で割り切れない感情で読まされる。
しかしそれは命の恩人である気のいいカウボーイ夫婦と熱烈な愛情を注いでくれるカウガールを裏切る行為でしかない。減らず口と持ち前の世渡り巧さでどうにかそれを悟られずに済まそうとするニールだったが、狭いコミュニティの中でのこと、その二重スパイ行為が発覚するのは時間の問題だった。そしてその事実が発覚する瞬間。これが本書の白眉とも云うべきシーンだろう。
そして恩人のカウボーイ、ミルズの出自がユダヤ人であるところが実に巧い。自分の主義・真意を偽り、任務を全うしようとするニールの心引き裂かれんばかりの葛藤。
いやあ、3作目にしてこの濃密さ。ウィンズロウ、実に巧い!思わず目蓋に熱を感じてしまった。


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Tetchy
WHOKS60S
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

高く孤独な道を行けの感想

事件は解決したものの、まともな国交もない国に取り残されたニールがどうなったのか気になり、続けて3作目を読みました。さすがにどんな環境にもなじんでしまう彼ですが、3年か・・・そしてやはり解決の道はお金しかないのかと思いましが、いったいどれくらいだのか私も聞いてみたいです。

唐突に迎えにきたグレアムとともに帰国し、自由を満喫する間もなく仕事にかりだされます。
監護権がからむ子どもを取り戻すだけのはずだったのが、その裏には狂信的な人種差別主義者たちの結社があって、非常に困難な状況になっていきます。

今回の舞台はまさに西部劇。グレアム、エドに加えてミルズ一家という心強く温かい家族や一人の女性との出会いがあり、それぞれの人間が個々の思いをかかえながら、結社と対決することになります。
これまでと違いアクション満載で、まさに西部劇での決闘のように物語が進んでいくのですが、またひとつ大人の階段を上っていくニールの成長物語でもあるのではないかと思います。

それにしても、差別主義者というのはどの国にもいるとは思うのですが、銃器の氾濫するアメリカでは本当にこんなことが起こってもおかしくないだろうとさえ思えてしまいます。

たこやき
VQDQXTP1
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No.5:
(4pt)

大人になったニール

やっと中国から帰ってきたと思ったら、今度はネヴァダの自然の中で、子供を助けるために過酷な任務に挑んでいきます。
グレアムとニールのピンチの中で見える絆や、
レヴァインとの絡みなど、見所は満載です。
高く孤独な道を行け (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:高く孤独な道を行け (創元推理文庫)より
4488288030
No.4:
(4pt)

愛着の持てるキャラクターが織りなすアクションノベル

片腕の探偵に拾われた孤児のニールケアリーを描いた、シリーズ3作目です。
本シリーズの素晴らしいと思うところは、毎回質が落ちないところでしょうか。主人公であるニールケアリーの成長を綴った青春小説ともいえるので、初めて読まれるかたは、一作目から読まれることをおすすめしますが、どれを選んでもオイラは一定以上のおもしろさがあると断言します。
本作品の舞台設定は「西部劇」。全2作に比べてアクション風の味付けが濃いように思えます。スリルたっぷりで肩凝らずに読めます。
こう書くと内容が軽い作品のように思うかもしれませんが、決してそんなことはありません。
生き生きとした人物描写は、私の場合は存分に感情移入できましたし、著者の独特の人生観が随所に盛り込まれていて、新しい価値観を読者に提示してくれます。
高く孤独な道を行け (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:高く孤独な道を行け (創元推理文庫)より
4488288030
No.3:
(5pt)

二ール・ケアリー三度現る

 中国の霊峰の僧房に三年間捕らえられていた二ール・ケアリーが、最も優美にして最も過酷な武術伏虎拳をひっさげて帰ってきた! 今度はネバダの片隅でオカルト教団に捉えられた赤ん坊を救い出すために潜入工作だ!と粋がっても、やはり人生裏目引きにして減らず口のみが唯一の友の二ール・ケアリー。相次ぐ難問にに四苦八苦しながらも事件解決に奮闘する。   これぞエンターテイメントという快作です!
高く孤独な道を行け (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:高く孤独な道を行け (創元推理文庫)より
4488288030
No.2:
(4pt)

一人前の男に成長したニール君

 はてさて、ニール君はいったいいくつになったのでã-ょう? 『ストリートキッズ』では確かï¼'ï¼"歳。で、そのï¼-ヶ月後のï¼'ï¼"歳で遭遇ã-た『仏陀の鏡へのé"』以後、ï¼"å¹'é-"中国にいたわã'だから、ï¼'ï¼-歳というã"とか。ハードボイルドé'春小説などというæ-°é®®ãªéŸ¿ãã§ç™»å 'ã-たæˆ'らがニール君。勝手に付ã'られた看板ã"そå-りかえるå¿...要はあるが、ナイーãƒ'さã‚'残ã-たまま、一人前の大人のç"·ã«æˆé•·ã-たニール・ケアリーに出会うã"とができる作å"ã§ã‚る。 今回は潜å...¥æœæŸ»ã‚'試みる。ただã-、ã"の潜å...¥æœæŸ»ãŒå...¨ãã®ç„¡è¨ˆç"»ã§è¡Œãå½"たりばったり。ã-かも鍵となるスティーãƒ'・ミルズとの出会いからã-て偶然で出来すぎ。ã‚"でもって、ï¼'歳のç"·ã®å­ã‚'æ•'い出すために潜å...¥ã-たå...ˆã¯ãƒã‚ªãƒŠãƒã®ã‚«ãƒ«ãƒˆæ•™å›£â€¦ã€‚さã-ておもã-ろå!'³!!のない教ç¥-や敵役…。とまあ、安æ˜"な設定が目立つのだã'れど、一皮むã'たニールの個性と会話の妙でグイグイ読ませる。潜å...¥æœæŸ»ã®è¾›ã„心æƒ...や、グレアムの教えが心憎いほどうまくちりばめられ、西部の”孤独の高み”で孤軍奮é-˜ã™ã‚‹ãƒ‹ãƒ¼ãƒ«ã®å­¤ç‹¬ãªå§¿ã‚'際立たせる。ニールã‚'はじめ、æš-かな登å '人物たちのä½"温まで感じさせるã"とができるのだ。ã"れは単なる”おもã-ろさ”ã‚'è¶...えている。絶å"ã¨è¨€ã‚ã­ã°ãªã‚‹ã¾ã„。 さて、ニール君は”孤独の高み”に登ってã-まったのだろうか? 次作ではっきりすっきりするのかな? 「高く孤独なé"ã‚'行」ってもニール君に幸福は訪れないだろうã-、ニール君がそれã‚'望ã‚"でいないのもなã‚"となく解った。だから、次作が本å½"に楽ã-みになったのだ。ï¼'歳のコーディに己の姿ã‚'重ね合ã‚!ã!!›ãŸãƒ‹ãƒ¼ãƒ«ã€‚æ›'なる高みに行ってã-まうã"とは…う~ã‚"それもいいのかなあ(^^;;;)。 
高く孤独な道を行け (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:高く孤独な道を行け (創元推理文庫)より
4488288030
No.1:
(4pt)

たくましくなったニール・ケアリー

ナイーブな心をへらず口の奥に隠した、ニール・ケアリーものの三作目。ストリート・キッズで、薬づけのお嬢様に心を奪われ、仏陀の鏡への道で、中国の美女工作員にくびったけになってしまった彼は、本作では、1作目での抱きしめたいくらいの純情さからくらべるとちょっと大人になってしまったかなぁ・・・・という感じ。あの「力自慢でない」ニューヨークっ子の二ール・ケアリーが、荒馬に乗って男ととっくみあいのケンカをするのだから!このシリーズにはまだ続きがあるそうなのですが、この調子でゆくと、あのケアリーが無口なハードボイルド・ヒーローになってしまいそうで心配・・・・でも読みたい!
高く孤独な道を行け (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:高く孤独な道を行け (創元推理文庫)より
4488288030



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