ボビーZの気怠く優雅な人生



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    初公開日(参考)1999年04月
    分類

    長編小説

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    ボビーZの気怠く優雅な人生 (角川文庫)

    1999年04月30日 ボビーZの気怠く優雅な人生 (角川文庫)

    海兵隊あがりの冴えない泥棒ティム・カーニーは、服役中の刑務所で正当防衛のためにヘルズエンジェルズの男を殺し、塀の中にいながら命を狙われる身となった。生きのびる道はただひとつ。ティムの容姿が、南カリフォルニアの伝説的サーファーで麻薬組織の帝王、ボビーZにそっくりであることに目をつけた麻薬取締局の要求を飲み、Zの替え玉となることだった―。愛すべき悪党どもに、ミステリアスな女。波の音と風の匂い。気怠くも心地よいグルーヴ。ウィンズロウが新境地を切り拓いた最高傑作。 (「BOOK」データベースより)




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    ボビーZの気怠く優雅な人生の総合評価:7.85/10点レビュー 20件。Bランク


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    全2件 1~2 1/1ページ
    No.2:
    (7pt)

    気怠いどころか目くるめく展開

    探偵ニール・ケアリーシリーズでデビューしたウィンズロウが、同シリーズを“一旦”終了させて書いたノンシリーズが本書。探偵学入門編という体裁を取りつつ、娼婦の母親に育児放棄された形でストリート・キッドとして生きていかなければならなかったニールの、ちょっと触れれば壊れてしまいそうなナイーヴさを特徴に、潜入捜査を通じて人生の哀しみを知り、成長していく姿を描いていたが、後半はスラップスティックコメディからロードムーヴィーのような追跡劇へと、ニールの内面の掘り下げからユーモアを前面に押し出すような展開を見せていた。
    そして本書で選んだのがロードムーヴィーアクション。伝説的サーファー兼麻薬王ボビーZの替え玉に選ばれたティムが、生き残るために、そしてボビーZが遺した子供のためにしつこく手強い追跡者達を迎撃しながら逃走していく。

    いやあ、すごいね、これは。
    題名は「気怠く優雅な人生」だが、中身は全く正反対。ニール・ケアリーシリーズと違って死体が出るわ出るわ。確かに同シリーズの3作目『高く孤独な道を行け』でもクライマックスにアクション要素をふんだんに織り込んだシーンがあったものの、こちらは全編に渡ってそれ。
    特に登場人物表に載せられた人物がバッタバッタと死んでいき、全く先が読めない。たった310ページ強の作品なのに、今までの作品よりも出てくる死人の数が多い。

    しかし血生臭さを感じるけれども、それよりもやはりアクションシーンが眼前へ蘇る。それはなんとも迫真に満ちている。
    人を殺した者にしか解らない心の機微や感触を実感を伴わせて描写する。

    しかし単なる殺し合いのエンタテインメント小説にしていないのがこの作者のいいところ。
    ボビーZに成りすましたティムが道連れにするのはボビーZの隠し子であるキットという子供。彼との逃亡劇がキットにとって父親との失われた交流を取り戻す時間となり、ティムは他人の子供ながら我が息子と同様に慕い、やがて親子の絆を築き上げる。

    そしてエリザベスというかつてボビーの恋人として振舞うキットの世話役の絶世の美女の存在もこの物語にアクセントを与えている。麻薬王ドン・ウェルテーロの下に入りながらも、ボビーZことティムに加担する彼女は高級娼婦で男性を手玉に取る器量を持ちながら、情に厚いところもあるファム・ファタール的存在だ。
    ニール・ケアリーシリーズのヒロイン、カレンといい、本当にウィンズロウの描く女性像は魅力的だ。

    上に書いたように物語の構造自体は伝説の麻薬王ボビーZの替え玉となったティムが自らに降りかかる色んな災厄から逃亡するという実にシンプルなのだが、ティムを追う敵たちが多種多様でそれらが見事に絡み合い、アンサンブルを奏でる。
    ティムを替え玉にした麻薬取締捜査官グルーザから始まり、過去のある恨みからボビーを亡き者にせんとするメキシコの麻薬王ドン・ウェルテーロ。それにティムの刑務所時代の敵役だったヘルズエンジェルの面々。そしてボビーの腹心であったがボビーの財産に目が眩み、我が物にするため、ボビーを亡き者と画策する“僧侶(ザ・モンク)”。
    それらを軸に登場人物表に記載されていないのが不思議なくらい個性的なキャラクターがボビーZことティムに関わってくる。たった320ページ弱の中にこれだけ面白い交錯劇をよくも編込んだものだと、改めてこの作家の技量には感服する。

    本書は1997年発表の10年後、ハリウッドでポール・ウォーカー主演で映画化された。確かにこれだけアクションシーンが多く、しかも先を読ませないストーリーと絶妙なプロットを備え持つ作品であれば映画化されてもおかしくはない。
    興行成績的にどうだったのかは寡聞にして知らないが、それにして映画化までけっこう長くかかったものだ。

    しかしやはりニール・ケアリーシリーズを比べるとくいくい読めるものの、心に何かを残すのには軽すぎたように思う。確かにティムとキットの交流は特に物語の終盤に胸を熱くさせるシーンはあるが、ニール・ケアリーシリーズで見られたほどにはトーンは低く設定してあるようだ。
    『砂漠で溺れるわけにはいかない』から続いて出版された本書に共通するのはそれまで上梓された作品に比べて非常にページ数が少ないことだ。この頃の作者は過剰に書き込まずにスピード感持った作品を書くことを目指していた、もしくはそういう物を書けるように訓練していた風にも取れる。前作にも書いたがなんだかエルモア・レナード作品を読んでいるような感じも受けた。

    色々書いたがこの作者の作品が面白くないわけでは決してない。寧ろ何も考えずに面白い話を読みたいという人や時には最適の一作だろう。

    Tetchy
    WHOKS60S
    No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
    (8pt)

    ボビーZの気怠く優雅な人生の感想

    主人公のティムは強盗の罪で服役中。その刑務所の中で暴走族?のボスのような存在に脅され、正当防衛?で殺してしまうのですが、このままでは刑務所内でのリンチは避けられない上に泥棒で何度か服役している彼に終身刑もしくは死刑の判決・・・と脅されて今度は麻薬取締官に協力せざるをえない状況になってしまい、伝説の男『ボビーZ』になりすますはめになります。

    これが不運の始まりなのですが、出てくる人出てくる人みんなろくでなしの悪人で、麻薬王、ティムに仲間を殺された暴走族、途中で亡くなってしまった麻薬取締官の身内のギャング、残っている取締官と全ての人間に命を狙われる羽目になってしまいます。

    内容的にはB級バイオレンス映画さながらなのですが、この作者のセンスの良さなのか、同じくろくでなしでありながら憎めないお人よしであるティムの人柄なのか、色々とユーモアがちりばめられているようで何故かあまり暗い雰囲気がなく読みすすめられます。
    暴力的な話はどちらかと言うとあまり好きな方ではないのですが、楽しく読ませる作者の筆力を感じました。

    ▼以下、ネタバレ感想

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    たこやき
    VQDQXTP1
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    No.18:
    (3pt)

    九死に一生どころか、百死に一生もムリでは

    ボビーZに扮したティムは、①北メキシコの麻薬王に追われ、②カリフォルニアのメキシカン・マフィアに追われ、ティムとして③ヘルズ・エンジェルに追われ、④麻薬取締局のグルーザにまで追われる羽目になる。まさに絶体絶命。
     300頁余りの長さしかないのに、豪快な詰め込み具合である。
     これに対するティムは、掛け値なしに学のないコソ泥にすぎない。
     一時期海兵隊員としてクウェートに派遣され、一度は英雄的行為で勲章を貰ったことがあるというのが、この絶対的窮地から抜け出すのに役立つかもしれないスキルである。
     兵隊経験とは言っても一般兵で、特殊部隊でもないのにそんな戦術を考えたりトラップをしかけたりする技能なんて、身につかないでしょと思わないでもないが、デッドウェイトを抱えながらなかなか頑張って逃走する。
     しかしそれだけでは生き残るにまったくの不十分。

     あとは結局、敵同士の潰しあい。
     つまり著者のプロットの妙である。
     ここは『用心棒』を思い起こすところだが、ティムは三船敏郎と違って、計画して敵同士を克ち合わせるわけではない。
     ずるがしこい奴等ゆえに疑心暗鬼に襲われ、必要以上の手を打った挙句、タイミングが悪くて自ら破滅するといった感じか。
     まぁ特に隠す必要はないだろうから書いてしまうが、最終的にティムが生き残るのは、彼の能力というわけではなく、著者たる神の贔屓の賜物ということ。
     しかしそこが徹底されているわけではなくて、ティムはそこそこの、いやかなりの戦闘能力があるし、人を殺すのは好かないとしながらもそこそこ殺しもしている。そこが若干の中途半端に感じた。
     そんな感覚があるので、②が雇ったスナイパーとティムに過去にの縁があるというせっかくの設定が何の触媒にもならないという事まで、すれ違いの妙とは思わずに中途半端に感じた。もう要らんやん。そんな設定。

     グルーザの隠し玉については、プロットの根幹からして、そらそー来るでしょと驚きはしなかったし。
     まぁ頁を繰らせる力は十分で、あっという間に読み終わったのだが、今ひとつ夢中になれなかった所以である。

     夢中になれなかったのは、別の要因かもしれない。
     本作も軽快な語り口である。ニール・ケアリーシリーズの終盤のようなおふざけではないので、それはもちろん売りにもなるのだが、登場人物のほとんどが人殺しOKな奴等の抗争なので、ユーモラスな活劇と楽しむには、血なまぐさく死体が多い。
     個人的に、ユーモアミステリでの殺人さえ、若干感覚のズレを感じてしまうのでなおさら。

     時代劇やファンタジーなら、ばっさばっさ敵が屠られてもおそらく流せるので、自分との距離感が近くなる現代劇において大量殺人+軽快な語り口の組み合わせが肌が合わないのだろう。
     決して本作はふざけているわけではないのだが。
    ボビーZの気怠く優雅な人生 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:ボビーZの気怠く優雅な人生 (角川文庫)より
    4042823017
    No.17:
    (5pt)

    後日譚「パラダイス」を読んでから再読しました

    もうほとんど忘れていたので、新鮮な喜びを得ることができました。主人公のティム・ケアリーは、どじなチンピラのはずが、実は海兵隊で勲章をもらった英雄で、銃撃戦となれば結構無双状態です。子供を連れての逃亡劇という設定はありがちですが、さすがにこの作者は飽きさせません。
     この作品の後日譚が、中編「パラダイス」で、さらにその後日譚が(出版は早いけど)「紳士の黙約」になります。
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    4042823017
    No.16:
    (3pt)

    ベタでオサレな小説

    冴えない人生をおくってきたがやるときはやる主人公。男ならふるいつきたくなる高級娼婦。子犬のようにいじらしい少年。その三者をめぐるベタでオサレな話。ドン・ウィンズロウがセンスだけで書いたよう。気持ちが動かない。そんな小説が好きな方は、どうぞ。自分はもっと気骨のあるミステリを読みたい。
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    4042823017
    No.15:
    (3pt)

    基本的な筋立てからして、

    あり得ない偶然のつるべ打ちなのは作品自体がギャグだからなのか?思いのほか暴力的で映像化はしやすそう。
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    4042823017
    No.14:
    (4pt)

    期待通りでした。

    新品に近い綺麗な中古本で、ウィンズロウならではの内容で期待通り、大変気に入りました。
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    4042823017



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