ボビーZの気怠く優雅な人生
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.50pt |
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探偵ニール・ケアリーシリーズでデビューしたウィンズロウが、同シリーズを“一旦”終了させて書いたノンシリーズが本書。探偵学入門編という体裁を取りつつ、娼婦の母親に育児放棄された形でストリート・キッドとして生きていかなければならなかったニールの、ちょっと触れれば壊れてしまいそうなナイーヴさを特徴に、潜入捜査を通じて人生の哀しみを知り、成長していく姿を描いていたが、後半はスラップスティックコメディからロードムーヴィーのような追跡劇へと、ニールの内面の掘り下げからユーモアを前面に押し出すような展開を見せていた。 | ||||
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主人公のティムは強盗の罪で服役中。その刑務所の中で暴走族?のボスのような存在に脅され、正当防衛?で殺してしまうのですが、このままでは刑務所内でのリンチは避けられない上に泥棒で何度か服役している彼に終身刑もしくは死刑の判決・・・と脅されて今度は麻薬取締官に協力せざるをえない状況になってしまい、伝説の男『ボビーZ』になりすますはめになります。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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ボビーZに扮したティムは、①北メキシコの麻薬王に追われ、②カリフォルニアのメキシカン・マフィアに追われ、ティムとして③ヘルズ・エンジェルに追われ、④麻薬取締局のグルーザにまで追われる羽目になる。まさに絶体絶命。 300頁余りの長さしかないのに、豪快な詰め込み具合である。 これに対するティムは、掛け値なしに学のないコソ泥にすぎない。 一時期海兵隊員としてクウェートに派遣され、一度は英雄的行為で勲章を貰ったことがあるというのが、この絶対的窮地から抜け出すのに役立つかもしれないスキルである。 兵隊経験とは言っても一般兵で、特殊部隊でもないのにそんな戦術を考えたりトラップをしかけたりする技能なんて、身につかないでしょと思わないでもないが、デッドウェイトを抱えながらなかなか頑張って逃走する。 しかしそれだけでは生き残るにまったくの不十分。 あとは結局、敵同士の潰しあい。 つまり著者のプロットの妙である。 ここは『用心棒』を思い起こすところだが、ティムは三船敏郎と違って、計画して敵同士を克ち合わせるわけではない。 ずるがしこい奴等ゆえに疑心暗鬼に襲われ、必要以上の手を打った挙句、タイミングが悪くて自ら破滅するといった感じか。 まぁ特に隠す必要はないだろうから書いてしまうが、最終的にティムが生き残るのは、彼の能力というわけではなく、著者たる神の贔屓の賜物ということ。 しかしそこが徹底されているわけではなくて、ティムはそこそこの、いやかなりの戦闘能力があるし、人を殺すのは好かないとしながらもそこそこ殺しもしている。そこが若干の中途半端に感じた。 そんな感覚があるので、②が雇ったスナイパーとティムに過去にの縁があるというせっかくの設定が何の触媒にもならないという事まで、すれ違いの妙とは思わずに中途半端に感じた。もう要らんやん。そんな設定。 グルーザの隠し玉については、プロットの根幹からして、そらそー来るでしょと驚きはしなかったし。 まぁ頁を繰らせる力は十分で、あっという間に読み終わったのだが、今ひとつ夢中になれなかった所以である。 夢中になれなかったのは、別の要因かもしれない。 本作も軽快な語り口である。ニール・ケアリーシリーズの終盤のようなおふざけではないので、それはもちろん売りにもなるのだが、登場人物のほとんどが人殺しOKな奴等の抗争なので、ユーモラスな活劇と楽しむには、血なまぐさく死体が多い。 個人的に、ユーモアミステリでの殺人さえ、若干感覚のズレを感じてしまうのでなおさら。 時代劇やファンタジーなら、ばっさばっさ敵が屠られてもおそらく流せるので、自分との距離感が近くなる現代劇において大量殺人+軽快な語り口の組み合わせが肌が合わないのだろう。 決して本作はふざけているわけではないのだが。 | ||||
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もうほとんど忘れていたので、新鮮な喜びを得ることができました。主人公のティム・ケアリーは、どじなチンピラのはずが、実は海兵隊で勲章をもらった英雄で、銃撃戦となれば結構無双状態です。子供を連れての逃亡劇という設定はありがちですが、さすがにこの作者は飽きさせません。 この作品の後日譚が、中編「パラダイス」で、さらにその後日譚が(出版は早いけど)「紳士の黙約」になります。 | ||||
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冴えない人生をおくってきたがやるときはやる主人公。男ならふるいつきたくなる高級娼婦。子犬のようにいじらしい少年。その三者をめぐるベタでオサレな話。ドン・ウィンズロウがセンスだけで書いたよう。気持ちが動かない。そんな小説が好きな方は、どうぞ。自分はもっと気骨のあるミステリを読みたい。 | ||||
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あり得ない偶然のつるべ打ちなのは作品自体がギャグだからなのか?思いのほか暴力的で映像化はしやすそう。 | ||||
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新品に近い綺麗な中古本で、ウィンズロウならではの内容で期待通り、大変気に入りました。 | ||||
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