アンダーワールドUSA



※タグの編集はログイン後行えます

※以下のグループに登録されています。


【この小説が収録されている参考書籍】
オスダメ平均点

7.00pt (10max) / 1件

7.00pt (10max) / 1件

Amazon平均点

4.27pt ( 5max) / 15件

楽天平均点

0.00pt ( 5max) / 0件

みんなの オススメpt
  自由に投票してください!!
2pt
サイト内ランク []B総合:833位
ミステリ成分 []
  この作品はミステリ?
  自由に投票してください!!

10.00pt

80.00pt

20.00pt

20.00pt

←非ミステリ

ミステリ→

↑現実的

↓幻想的

初公開日(参考)2011年07月
分類

長編小説

閲覧回数3,028回
お気に入りにされた回数1
読書済みに登録された回数1

■このページのURL

■報告関係
※気になる点がありましたらお知らせください。

アンダーワールドUSA 上

2011年07月22日 アンダーワールドUSA 上

ケネディ兄弟を殺し、キング牧師を殺した男たち。リチャード・ニクソンと手を組み、やつらはドミニカ共和国に魔の手を伸ばす。新大統領リチャード・ニクソン。中米進出を狙うマフィア。黒人過激派を追いつめるFBI。“悪い白人ども”の手足となった男たちは大虐殺の平原めざし、死と謀略の旅に出る。10年ぶりに放つ新たなる超大作。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

アンダーワールドUSAの総合評価:8.44/10点レビュー 16件。Bランク


■スポンサードリンク


サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

エルロイ・ワールド全開

上下2巻、800ページを読み終えての感想は、一言でいえば、重くて複雑な小説だった。
ケネディ暗殺からベトナム戦争終結までの時代のアメリカの暗部でうごめいた、有名、無名の人物たちが織りなす、きわめて重層的で精緻に構成された政治的ノワールの世界。つまり、エルロイ・ワールド全開の物語だ。
物語の第一印象として、いわゆる「善人」が登場しない。もちろん、そんなことはないのだが、続々登場する悪人たちの存在感が強すぎて、善人は吹っ飛んでしまっている。それだけキャラクターの立った人物が続々登場し、複雑に絡み合ってストーリーが展開するため、読者側が強いられる緊張感も半端ではない。エルロイ・ワールドを楽しむことは、知的興奮はあるものの倫理的、情緒的に非常に疲れることは間違いない。
反則技かもしれないが、巻末の「訳者あとがき」を先に読んでから本文を読めば良かった気がしている。

iisan
927253Y1
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.15:
(4pt)
※削除申請(1件)

Blood's a Roover

疲労とストレスで昏倒寸前の肉体を薬物の力で強制的に駆動する。
「ブラック・ダリア」の憑依は「ホワイト・ジャズ」の<意識の流れ>を経て、マジックリアリズムに接近した。
それは折れ曲がった鉈ではなく、翼である。

坊や。小僧。糞ガキ。覗き屋。パリグアヨ。
忠告してくれた悪人は殺された。庇ってくれた悪人も殺された。
悪人たちが遺した教え。
過ちは償えない。罪は贖えない。
闘いを引き継ぐことはできる。
しかし、救いは己の死によってしか与えられない。

苦悩。罪と罰。報い。
悪人が待ち焦がれた死は、右腕が翼になった男たちの姿で現れた。
ウェインは分かっていた。それだけに、このラストは受け入れ難い。
エルロイは自らの魂を成仏させてしまったらしい。
アンダーワールドUSA 上Amazon書評・レビュー:アンダーワールドUSA 上より
4163742808
No.14:
(5pt)

男だぜ!!クラッチ!!!

ジェイムズ·エルロイのアンダーワールドUSA三部作の第三部『アンダーワールドUSA(元題Blood's a Rover) 』四度目の再読。
基本的に三人の主人公の視点から、この小説は語られる。
ウェインの最後の行動に胸が高鳴り、ドワイトの幕引きの言葉に胸が締め付けられる。両者とも魅力的だが、やはり私はへなちょこの糞餓鬼クラッチ(覗き魔で熟女好き)がたまらなく好きだ。

ドン·クラッチフィールド。23才。
父親は頭のイカれたホームレス。
母親はクラッチがまだ10歳の頃に父親と別れ、彼の元を去る。
それ以来、彼は母親を探し続けている。
駆け出しの探偵である彼は、子供として描かれる。エルロイが子供を主人公に据えたことにまず驚く。
ある仕事をきっかけにアメリカの裏面史に関わっていく彼は、悪夢を抱え込みながら成長を遂げ、やがて終盤、死んでいったもの達の為に、愛する女の為に、そして自らの悪夢をしずめる為に、行動を開始する。
その決意の一つ一つが、激しく胸を打つ。

誰もが鼻であしらうクラッチは、実は誰よりも強い。何故彼はそこまで強くいられるのか。その秘密は恐らく彼の幼さにある。彼はその幼さゆえに自らの孤独の深さに気づいていないのだ。よって彼は自己憐憫に落ちない。どんな困難に見舞われようと、彼は怯えながらではあるが最善策を講じ切り抜けようとする。たった一人、誰の助けも無く。
幼さが強さ。こんな悲しく強い話しがあるだろうか。

フィリップ·マーロウもサム·スペードも、クラッチには敵わない。本物のタフガイとはドン·クラッチフィールドのことだ。
そしてこのクラッチ、実は若かりし頃のエルロイの生き写しなのだ。
もしかするとエルロイは、一番惨めで愛に飢えていた頃の自分に光を当てたかったのかもしれない。
邪推かもしれないが、そう考えるとエルロイファンとしては感動もひとしおなのだ。

この小説は私の宝物だ。クラッチに会う為に、彼の勇気に触れ、それを少しでも自分のものにする為に、これからも何度となく読み返すだろう。
アンダーワールドUSA 下Amazon書評・レビュー:アンダーワールドUSA 下より
4163742905
No.13:
(5pt)

出来ればシリーズ順に読んだ方がいい畢生の大作

アメリカで60年代に現金輸送車が襲われ・・・というお話。

上記は導入部に過ぎないので、この後とんでもない展開が待ち受けています。FBI関係者、大金持ち、マフィア、南米諸国の要人、ニクソン時代の閣僚等、膨大な登場人物がそれぞれの思惑で行動し、それがくんずほぐれつしながら、最後に収斂していくという怒涛の小説でした。

ここで、エルロイ氏がやりたかった事が今まで書いた、暗黒のアメリカ史の集大成、総決算だったのではないかと思われます。上下二段組みで800ページ以上あるので、途中で挫折される方もいるかもしれませんが、なるべく最後まで読んだ方がいいです。これだけの情念や怨念を感じる小説は稀なので。この人とコーマック・マッカーシー氏はアメリカが暴力の歴史でしか捉えられないという前提があるみたいですね。

最近になって、沈黙を破り、新作を発表したそうですが、そちらはあまりいい評判を聞かないので、ここで創作につぎ込んだ人格を投入し過ぎてあまりいい出来にならなかったのでしょうか。いつか読んでから自分なりの意見を持ちたいです。

出来れば順番に読んだ方がいい作品。必読。
アンダーワールドUSA 上Amazon書評・レビュー:アンダーワールドUSA 上より
4163742808
No.12:
(1pt)

上下とも至極読みづらくとても疲れますねえ( -_-)

巻頭にきちんと登場人物が紹介されているのですが、
紹介されている登場人物以外に固有名詞の名前がわんさか出てきます。

あれ?この人誰だっけ?と数ページ戻って読み返しても唐突に登場した人物のエピソードは
有りません。ん?なんだこれ?だれ?と首をかしげる場面がどんどん出てきます。

さらに多くの登場人物がそれぞれ会話をするのですがとても短いやりとりで終わってしまう。
行の多くは、皮肉や比喩に占められ状況を説明する内容が殆どありません。

ですから誰の主観なのか判らなくなってくる。
多くの登場人物が何を目的に生きていて何をしようとしているのかも判らなくなってくる。
作中に出てくる読みずらい自体の挿話?注釈?も唐突で脈絡もない。
思いついた言葉や文章をそのまま書き連ねていく。

こ、これがエルロイ節なのでしょうか?正直、読みにくくてページが進みません。

多くの読者は書かれていることを具体的に画像で想像したりすると思うのですが、
これではなかなかそれができない。ということで注意力が散漫になってしまうのですね。
で、お話に入り込むことが難しくなって、目がしょぼしょぼして眠くなったりしてしまう。

エルロイをわかってないよなあ、あんたは!といわれればそうなのかもしれませんが
私はこういう構成のお話にとてもついていけないし高く評価することもできない。

乱読し続けていた吉村昭の文章に慣れてしまっているのかなおさらそう感じてしまう。

1960年代後半の米国の暗黒時代を歩んだ人たちの目を通して病み続けている米国の
裏社会を描いた作品なのでしょうが日本人の読み手をかなり選ぶでしょうねえ。
アンダーワールドUSA 上Amazon書評・レビュー:アンダーワールドUSA 上より
4163742808
No.11:
(5pt)

この邦題どうにかなんない?

原題は物語の特徴が良く出てますイデオロギー的に中途半端な奴らの中途半端な大河小説
スパイ要素高めですがアイデンティティ喪失からもう一歩踏み込む姿勢はル・カレにはなかった
ファムファタルによって右から左へ堕ちる男たちのノワールとしてジャンル小説的にも楽しめる
堕ちるといっても心地よく後悔もないところにブードゥーのモチーフをかぶせてくるあたり文芸してるし
自虐史観とか騒ぎそうな連中を煽る嫌がらせ本としても素晴らしい
アンダーワールドUSA 下Amazon書評・レビュー:アンダーワールドUSA 下より
4163742905



その他、Amazon書評・レビューが 15件あります。
Amazon書評・レビューを見る     


スポンサードリンク