ミッション・ソング
- 国際謀略小説 (47)
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読んだつもりだったル・カレの本の中で本書『ミッション・ソング』は、読んでいなかったことに気がつき、アマゾンで入手して読むことにした。 2006年のアフリカのコンゴの政情を背景にした大掛かりな詐欺事件に、主人公のブルーノ・サルバトーレが、その実態を知ることもなく通訳として加担することになってしまった。 80歳にしてこのような込み入った物語を現実にありそうなストーリーとして組み立てる頭脳に舌をまく。 巨悪を倒すこともなく、まあまあハッピーな余韻を残してエンディングへもってゆくル・カレの「世の中なんて不条理にできていてこんなもんだよ!」というル・カレの心情を吐露しているようであり、スマイリー三部作とはまた異なる面白さを味わいながら読み終えたのです。 | ||||
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主人公は、アイルランド人の宣教師を父に、コンゴ女性を母に生まれ、私生児としてアフリカのコンゴのキリスト教伝道所で育ったブルーノ・サルヴァドール、愛称サルヴォ。父親が亡くなった後、まわりの尽力により、北アイルランド(イギリスの一地方)出身男性の捨て子としてウガンダのイギリス領事館に登録され、正式にイギリス人としてイギリスに渡ることになる。生まれ育ったその環境から数ヶ国語を繰ることができ、言語に対するその鋭利な感覚のため、成人した今は有能な通訳として働いている。妻はジャーナリストで、白人で貴族の出身。親のすすめる貴族同士の結婚に反発し、当てつけのため彼と結婚したという面があり、夫婦仲は破綻寸前だった。 そんな時、サルヴォはコンゴ女性の看護婦ハンナと運命的な出会いをし、離婚して彼女とずっと一緒にいようと決意する。同時に母国コンゴに関する大きな仕事が入ってくるが、それは一見、平和のための会議と見せかけて、関係各国や現地の有力勢力が、自分たちの利益を謀り、希少金属その他資源を奪い取る謀略だった。また罪もないアフリカの人々や子供たちが殺される・・それに気づいたサルヴォはハンナと一緒に阻止しようと奔走するのだが・・・。 思わぬ情報を得て、正しいことのために尽力しようとする主人公たち。この謀略を止められる勢力、または信頼できると思えた個人にこの話を持ち込むが、頭から信じてもらえないか、または間違った相手を選んでしまい、自分たちがつけ狙われることになってしまう・・・・そして・・・。 他のレビューアさんも書いておられましたが、「ナイロビの蜂」以降、作風もテーマも、大きく様変わりしたと感じます。それは東西冷戦が終わり、スパイ小説に使えるテーマがすっかり変わってしまったからでしょう。それと同時に、以前のような暗い重厚さ、難解さがなくなり、文章はユーモアを含んでむしろ軽快と言っていいほどになりました。それを読みやすくなったと取るか、重みがなくなったと取るかは個人の好みでしょう。ただ、冷戦テーマがなくなってしまった今となっては、どうしてもスケールが小さくなってしまうのは否めないことだと思います。 それでも、「ナイロビの蜂」といい、この「ミッション・ソング」といい、自分たちの利益しか考えず、一般人を虫けらのように踏みにじる強い権力に対するル・カレの強い怒りが感じられます。実際、世界の裏側で、このようなひどいことは常に起きているのだと思います。世の中には正義はないのか?むなしく悲しい結末です。 | ||||
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ジョンルカレにしては、理屈が多すぎて飽きてしまいました。しかし市中になかったのが購入でき感謝です。 | ||||
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ルカレの作品の方向性は「ナイロビの蜂」以来変わってきたと言われる。私もそう思う。「ナイロビの蜂」ではアフリカの原住民たちを新薬の人体実験に使う大手医薬会社を厳しく糾弾し、その後の作品である「サマランダーは炎の中で」では米国や英国のネオコンに代表される権力者にその怒りを向けた。そしてこの作品「ミッション・ソング」での場所はコンゴ。白人宣教師とコンゴ人の混血通訳サルボはその卓越した語学力を評価されて、政府からある重要な会合で通訳するように依頼される。その場所にはコンゴの平和を目指す政治家や各部族の代表たち4人が集められる。そしてこの場所を仕切る「シンジケート」の連中。やがて彼らが平和のためと称しながら米国や英国の権力者のための偽の平和と、資源を求めて陰謀をはかっていることをしったサルボは録音テープを盗んでしかるべきところに駆け込むがーーー。誰にも相手にされず最後は英国政府に拉致されるサルボ。彼の恋人のコンゴ人看護婦のハンナが一部テープを抜き取ってアフリカに届け、一部の犯罪人は処罰されるが、どうも後味が良くないというか分かりにくい。アジからの手紙が意味するところがもう一つよくわからない。サルボの今後の安全を保障しているのか。フイリップなどの悪党はこれからも蔓延るのか。前作2作は示唆的ながらもこのままでは許さんぞ、というルカレの叫びが感じられたが、この作品にはそれが感じられないのは、私の読解不足か。 | ||||
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訳者はへただが、原文が推測されルカレの最近の作品では、一番である。訳者に言いたい気になる誤訳2点; ぜグナ ---> ゼニア 釣り ---> 詐欺(フィッシングをそのまま直訳) 頻繁に登場して、東大卒通信社勤務を経て翻訳者と経歴にあったが、大変不勉強な翻訳者と言わざるを得ない。 | ||||
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