ミッション・ソング

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種別
長編
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あらすじ

2025年08月20日 ミッション・ソング (ハヤカワ文庫NV)

アイルランド人宣教師とコンゴ人女性の間に生まれたサルヴォは英国情報部の依頼で秘密会議の通訳をするが、背後には巨大な陰謀が。(「BOOK」データベースより)

評判

ミッション・ソングの評価:

8.00/10点 レビュー 1件。 B ランク

書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点8.00pt

ミッション・ソングの総合評価:

7.20/10点 レビュー 10件。

感想一覧

サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

全1件 1〜1 1/1ページ
No.1
(8pt)

強欲、狡猾、大英帝国は変わらない

2021年に亡くなったル・カレの2006年の国際陰謀ミステリー。75歳の老境にありながら少しも衰えない世界の裏を見通す眼と鍛え上げられた技巧で、資源国を食い潰すイギリスの罪深さを糾弾する熱いサスペンス・エンタメである。
コンゴでアイルランド人宣教師の父とコンゴ人の母のもとに生まれたサルヴォはイギリスの大学を卒業後、多数の言語を操る類まれな言語能力を駆使し、アフリカ関連の通訳として活躍していた。ある日、国防省役人のアンダーソンから高額の報酬で秘密会議の通訳を依頼される。会議の目的はコンゴを安定させ、豊富な鉱物資源を活用して民衆を豊かにするために民族和解を進めようというものだった。しかし、会議の通訳だけでなく、参加者の部屋に仕込んだ盗聴マイクで内密の会話を盗聴する仕掛けに加担させられたサルヴォは、会議の真の目的がコンゴの鉱物資源を略奪する国際シンジケートの陰謀であることに気付き、それを阻止するために密かに行動し始める…。
植民地から独立を果たした後に続くアフリカの混乱、それに乗じて利権を拡大する国際資本の悪辣さを、これでもかと見せつける。その怒りのエネルギーに圧倒される。東西対立が終わっても世界が平和にならないのはなぜか、国際正義の理想が脆くも崩れ行くのはなぜか。巨匠は戦うべき相手をしっかりと描写してみせた。
ル・カレの陰謀ミステリーにしては読みやすいので、ル・カレ・マニアを越えた幅広い読者にオススメしたい。

iisan
927253Y1

Amazonレビュー

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.9
(4pt)

それなりに面白いコンゴが舞台の謀略小説

コンゴ共和国をテーマにした謀略小説。主人公の多国籍で多言語を話せる通訳がコンゴを巡る秘密会談に起用され、そこで得た情報をどうするか苦悩して自分の信念に従い独自に行動をするが・・・というストーリー。題名もここら辺りからきているらしい。
ここでル・カレが扱いたかったテーマは未だに民主化が進まず、他国から搾取されているアフリカ諸国について語ることで、誰がおかしくしているのか何故まっとうにことが進まないのかを探ることによって、搾取している自国や西側の思惑を追及し、その国とその国の国民一人ひとりを弾劾というか指摘することにあると思いました。我々先進国が途上国の発展の足を引っ張っていることを自覚せよというメッセージが読みとれると感じました。
前の版元が変わった時もイラク戦争絡みの政治的理由によるという話をききましたが、やはり歳をとっても政治的に明敏である気骨のある作家なんだなぁと思います。
過去の名作、傑作と比べると見劣りするのは致し方ないと思いますが、これはこれで面白いと思います。
ミッション・ソング (ハヤカワ文庫NV) Amazon書評・レビュー: ミッション・ソング (ハヤカワ文庫NV)より
415041534X
No.8
(5pt)

故郷と人間性を取り戻す物語

アフリカ諸国の平和や民主化にいたる道筋を、より困難で複雑化しているのは宝石やレアメタルなどの豊かな資源である。
 それらに群がって、従来の先進国だけでなく中国をはじめとする経済新興国までも、金や武力にものを言わせて自分たちに都合のいい介入を仕組んでくる。
 小説は、その生まれと育ちによって言語に関する特殊能力を持つ混血の通訳が、会議の席上で知った、自らの出自のコンゴで画策されるクーデター計画を阻止しようと、同郷の恋人とともに奮闘する姿を描くものである。
 その徒手空拳の抵抗によって主人公が何を得、何を失うのかは本作を読んでもらうしかないが、事実を踏まえた舞台設定と主人公を取り巻く登場人物には有無を言わせぬリアリティがあり、特に密謀が組まれる会議の場面には圧倒される。まさにル・カレらしいスリリングな描写は随所に健在である。
 世界の動きをダイレクトに小説に反映させる作家は少なくなってきた。「ナイロビの蜂」以降、権力者の傲慢や不正、生命や人間性が蹂躙されることに対しての憤りが心に響く。
ミッション・ソング (ハヤカワ文庫NV) Amazon書評・レビュー: ミッション・ソング (ハヤカワ文庫NV)より
415041534X
No.7
(4pt)

時代を先取りしたテ−マは新鮮

やはり、ル・カレは現代社会の政治経済情勢を的確に読み取っている。鋭い洞察力に感心する。
同時に物語は緻密な構成力をもって読者に訴えかける。読みやすいといっても一般的基準からするとそうでもない。
著者が老齢なのは残念な気がし、同情を禁じえない。このような知的作家はもうなかなか現れないかもしれない。
ミッション・ソング (ハヤカワ文庫NV) Amazon書評・レビュー: ミッション・ソング (ハヤカワ文庫NV)より
415041534X
No.6
(5pt)

ミッションソング

訳者は、調べたら東大卒、通信社勤務だったとあったが、超へたくそ訳で常識がないようだったが、原文が推測されルカレの最近の作品では、一番である。訳者に言いたい気になる誤訳2点;

ぜグナ −−−> ゼニア   釣り −−−> 詐欺(フィッシングをそのまま直訳)

以上が頻繁に登場して、、大変不勉強な、お粗末な翻訳者と言わざるを得ない。
従い岩波書店で出した、ルカレの最新本の訳者には使われていなかった。訳者よ!よく勉強してください。
ミッション・ソング (ハヤカワ文庫NV) Amazon書評・レビュー: ミッション・ソング (ハヤカワ文庫NV)より
415041534X
No.5
(4pt)

作者の気骨は大いに感じるが

ルカレの作品の方向性は「ナイロビの蜂」以来変わってきたと言われる。私もそう思う。「ナイロビの蜂」ではアフリカの原住民たちを新薬の人体実験に使う大手医薬会社を厳しく糾弾し、その後の作品である「サマランダーは炎の中で」では米国や英国のネオコンに代表される権力者にその怒りを向けた。そしてこの作品「ミッション・ソング」での場所はコンゴ。白人宣教師とコンゴ人の混血通訳サルボはその卓越した語学力を評価されて、政府からある重要な会合で通訳するように依頼される。その場所にはコンゴの平和を目指す政治家や各部族の代表たち4人が集められる。そしてこの場所を仕切る「シンジケート」の連中。やがて彼らが平和のためと称しながら米国や英国の権力者のための偽の平和と、資源を求めて陰謀をはかっていることをしったサルボは録音テープを盗んでしかるべきところに駆け込むがーーー。誰にも相手にされず最後は英国政府に拉致されるサルボ。彼の恋人のコンゴ人看護婦のハンナが一部テープを抜き取ってアフリカに届け、一部の犯罪人は処罰されるが、どうも後味が良くないというか分かりにくい。アジからの手紙が意味するところがもう一つよくわからない。サルボの今後の安全を保障しているのか。フイリップなどの悪党はこれからも蔓延るのか。前作2作は示唆的ながらもこのままでは許さんぞ、というルカレの叫びが感じられたが、この作品にはそれが感じられないのは、私の読解不足か。
ミッション・ソング (ハヤカワ文庫NV) Amazon書評・レビュー: ミッション・ソング (ハヤカワ文庫NV)より
415041534X

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