スクールボーイ閣下
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スクールボーイ閣下の総合評価:
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全2件 1~2 1/1ページ
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読み進めるのに時間がかかってしまった。 人々の行動、場面々々等を事細かに書いているが、そのためにスピード感が無く、クライマックスの場面になっても、いまいち盛り上げに欠けた印象であった。 | ||||
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物語になってない文章の羅列が続きます。役どころのはっきりしない登場人物がやたら多いので訳が分からなくなってしまいます。我慢して読了しましたがこの作家は傲慢な人なのだと思いました。この作品を評価できる人を尊敬します。 | ||||
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前作「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」で宿敵になったソ連のカーラに、スマイリー達が仕返しを企み・・・というお話。 今回はアジアや中国、英領だった香港が舞台で、そこのイギリス人にカーラから報酬を受けていると思われる人物を探り・・・という展開になっておりました。 「ミステリ名作絶対201」というガイドブックの座談会で、評論家だった瀬戸川さんが、ル・カレについて、売れた性で中国や中東の事象に関らないといけなくなった、という発言がありますが、「リトル・ドラマー・ガール」が多分、中東問題で、本書が中国ではないかと思いますが、長い間翻訳されず、座敷童扱いだったエリック・アンブラーの「グリーン・サークル事件」でも中東問題が取り扱われているので、この頃の時代状況で、共産圏との確執と中東問題は、政治性に敏感だった作家は関わらざるをえなかった様に思えます。 その後、現在(2024年くらい)中国とアメリカの覇権争いや、ロシアのウクライナ軍事侵攻の時代になりましたが、ル・カレがどういう風に思ったり、作品にしたりしたら・・・とか考えてしまいます。個人的にも、中国対アメリカは想定内でしたが、ウクライナ戦争は想定外だったので、始まった際は結構驚きました。また世界情勢が緊迫していて、第三次世界大戦の戦前、或いはもう始まっているという状況ですが、戦争が人間の現象ではなく、営為みたいで悲しいです。英領だった香港も中国に返還されましたが、英領の頃の方がいい、という人も多いそうで、中国政府と香港在住の方で険悪になっていたり・・・とまだ謀略小説のネタになりそうな事象が多いのも不幸に思えます。 この人の作品は、一応好きで読んでおりますが、一回読んだだけでは判読できず、二回読む事が多いのですが、本書も二回読みまして、長いのでうまく読解できたかは微妙ですが、それでも何とか読み終わり、読解したーつもりですがー感じです。 という個人的な感想はともかく、本書も他のル・カレの作品同様楽しめたので、できれば「ティンカー、~」からシリーズ順に読む事をお勧めしておきます(前作で判明する裏切り者のキャラクターの名前がはっきり出てくるので)。 ル・カレの作品らしく、緻密に構築された、アジアが舞台の謀略小説。是非ご一読を。 蛇足ですが、作中で印象に残った文章を挙げると、 債権者刑務所に生まれて、自由を買いとるのに生涯をすごす世代がある いまは政治よりも美女をのせる新聞が多くなればなるほど、世の中はるかによくなる可能性がふえるんだ となりました。 失われた30年で生きづらくなった世代と、週刊誌でヘアヌードが増えたけど平和じゃない、今の日本を考えさせる文章に思えました。 あと、作中にピムという名前が出てきた様に記憶しておりますが、「パーフェクト・スパイ」の主人公ですかね? | ||||
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一文一文、頭の中で修正せねば意味を理解しづらい名訳と格闘しながら味合う名著とはこれいかにって感じ。 大家による翻訳だが、一旦、てにをはをオフにして頭の中で再構成すると理解が早まったりする。 連作中の前作「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」は新訳版だが、感覚的には大した違いはない。 名著なら一晩で一気に読めそうなどと思って読み始めると、一気にめげそう。 ジョンルカレの世界を、訳者村上博基の複雑なプリズムを通して味合う。 秋の夜長(現代人にそんなものがあるとは思えんが)向き、暑い夏に頭をオーバーヒートさせながら読むのは、読書ではなく修行だなこれは。 三部作買ったから全部読むもん、絶対。 | ||||
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スマイリー三部作というものの、ジョージ・スマイリーは脇役で、主役は優秀な工作員のジェリー・ウェスタビー。舞台は、英国、イタリア、香港、ラオス、ベトナム・・・と様々な国に移動しつつ、情報部と工作員との温度差や、予算不足により危険な異国の地で少人数での対応を強いられる工作員たち、情報部内の水面下の権力抗争、情報漏洩により惨殺されたり、命の危険にさらされる工作員や情報提供者たち、まるで将棋やチェスのように相手の出方を伺いつつ欲しい情報を得たり、目的の行動を促し、誤れば自身の身の危険に直結する会話の数々。作者は、情報部の機密漏洩に抵触しないように小説を書いているというものの、読者に違和感なく臨場感あるストーリー。読者は物語を通して、著者の組織の在り方に対する静かな抗議を読み取るのではないでしょうか。 | ||||
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イギリス諜報部員ジョージ・スマイリーとソ連諜報部員カーラとの対決3部作の2作目ということで読み始めたが、大河小説を読む感動を覚えた。多くの人物を登場させて一人一人を丹念に書き込んでいる。これまでのル・カレの作品は、ヨーロッパを主な舞台とした現在進行形の物語だったが、本作では時空間を広げてみせた。主な舞台は香港を皮切りにアジア各地に及ぶ(本作から著者は現地取材を始めた)。時はイギリスが香港を英領植民地と宣言した1841年にまで遡る。リアルタイムで記述される物語の時期区分は、1974年のアジアの台風を起点とし、1975年のベトナム戦争終結まで。背景となる現実の世界は激動の時代だ。第一次石油危機直後の大不況。冷戦最中のアジアにおける熱い戦争。中国の文化大革命と中ソ対立の激化。 スマイリーとカーラが直接対峙することはない。カーラは写真で登場するだけだ。スマイリーの執務室に、粒子があらわで亡霊のような彼の写真が架かっている。諜報部トップの執務室に敵の写真を掲げるとは異様な光景だ。それほどまでにスマイリーはカーラを絶えず意識し憎んでいる。その憎しみは時に公務を離れ私怨になる。どうしてそうなるかは、前作『ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ』(以下『ティンカー』)を読めばよくわかる。 直接対峙するのは、イギリス諜報部の準工作員ジェリー・ウェスタビーと、香港の大富豪で、ソ連の闇資金の受取人で、ソ連のスパイ容疑がかかっているドレイク・コウだ。 『ティンカー』での功績が評価され諜報部チーフに就任したスマイリーは、“人事の妙”を発揮し、トスカーナでぶらぶらしていたウェスタビーを現場に呼び戻した。ウェスタビーは任務に、そして任務に伴う冒険へと突き進んでいく。 コウは上海生まれ。中華人民共和国誕生直後の1951年に香港に移民し成り上がった。富と名誉を手にした超大物で政治嫌いの彼が、なぜ共産主義国から資金を受け取っているのだろうか? ウェスタビーがコウの愛人に惚れてしまい暴走が始まった。香港蒲台島での2人の直接対決は、さながら巌流島決戦だ。ただし巌流島と違って、ヒーロー役のウェスタビーのほうが待ちぼうけをくわされるのだが。 最後に一言。著者は本作の次に公刊された『スマイリーと仲間たち』のペンギン版原著の序文(日付は2000年10月とある)の中で、「私はスマイリーとカーラを不必要なものとみなすようになった。2人が登場していなかったら、『スクールボーイ閣下』はもっと出来のいい小説になっていたのではないかと今でも私は信じている」と回想している。スマイリーとカーラ抜きでこれ以上によくなる!?・・これはすごい告白だ。でも本人がいうのだからきっとそうなのだろう。ル・カレの息子で作家のニック・コーンウェルに是非、スマイリーとカーラ抜きの別バージョンを書いてもらいたいものだ。 | ||||
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上巻を読み終えた時点の感想としては、前作の方が面白かったかな、という程度でした。 しかし、下巻まで読み終えた段階でこの上巻部分を振り返ると、上下に分けて評価するのはあまりにも意味のないことだったと考えさせられます。極めて細かい部分から、一つの物語の完結まで妥協なく積み上げ続けていく緻密さと、俯瞰的は構成力は圧巻です。 | ||||
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