高貴なる殺人



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    初公開日(参考)1966年01月
    分類

    長編小説

    閲覧回数2,002回
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    高貴なる殺人 (ハヤカワ文庫 NV 210)

    1979年11月30日 高貴なる殺人 (ハヤカワ文庫 NV 210)

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    高貴なる殺人の総合評価:8.67/10点レビュー 3件。-ランク


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    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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    No.3:
    (4pt)

    スパイなど一人も登場しないフーダニット・ミステリー。

    評者は、『寒い国から帰って来たスパイ』以外のジョン・ル・カレの初期の作品を読んでいなかったので先日第一作『死者にかかってきた電話』を読み終え、つい『寒い国から帰って来たスパイ』をまたまた再読してしまった。
    二作目の『高貴なる殺人』(1962年)も読むことにして今夕読み終えた。
    本作にはスパイなど一人も登場しないフーダニット・ミステリー小説だった。
    スマイルが片田舎のパブリックスクールの教師の妻の殺人を探偵するというル・カレにとって異色な小説である。
    決して名作と評価することはできないミステリー小説ではあるが、このあとの三作目が『寒い国から帰って来たスパイ』だからジョージ・スマイルの人物像を読者に紹介する意図があったかも知れない。
    が、『寒い国から帰ってきたスパイ』でもスマイルが表立って登場するのは最後だけだから、本書で探偵としてスマイルが主人公で書かれているのは、『ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ』になってからだから異色中の異色の小説だろう。
    犯人は、読み始めてすぐ「こいつだ!」と推理したが、やはり当たりだった。
    まあ退屈するようなことはなかったが、スマイルの風貌や性格が容赦なく描写されているのが興味深かった。
    高貴なる殺人 (ハヤカワ文庫 NV 210)Amazon書評・レビュー:高貴なる殺人 (ハヤカワ文庫 NV 210)より
    4150402108
    No.2:
    (4pt)

    エリート社会の成り立ち

    辺鄙な町で起こった残虐な殺人。殺されたステラ・ロードは生前、夫に殺されると訴えていた。ジョージ・スマイリーが現地に赴いて謎を解き、真犯人を突き止める。本格学園ミステリだが、生徒たちは脇役だ。互いに相手を「嫌な奴」だと思っている一癖も二癖もある大人たちが物語を進めていく。
    スパイの職を辞し、時間をもてあましていたスマイリーが私立探偵役をかってでるのが本書の“みそ”だが、前作『死者にかかってきた電話』では、ベッドに横たわったスマイリーが安楽椅子探偵をつとめた部分もあったり、『スクールボーイ閣下』では、サーカス(イギリス諜報組織の一部門)のチーフという激務にありながら素性を隠して関係者を訪問し情報を集めたりと、彼が登場する他の作品でも、探偵の役はなかなか板についている。
    本格ミステリを楽しみながら、イギリスのエリート文化について学ぶことができるのも本書の特色だ。例えば、舞台となるカーン校はパブリック・スクールだ。パブリック(=公)だが私立。日本人にはとっつきにくいが、オックスフォードやケンブリッジといった名門大学へ進学するための、特権階級向け私立の寄宿学校だ。冒頭、カーン校の生徒が「ロード先生は紳士じゃない」と先生の陰口をいう。パブリック・スクール在学中の自分は正統派紳士の卵であると自覚しており、紳士であるか否かは、やがてエリート文化を担う生徒たちにとって大問題なのだ。
    もうひとつ学びのポイントを挙げれば、本書第四章の表題の「タウンとガウン」。タウン(=町の人々、市民のこと)とガウン(=カーン校のガウンと制服、学校関係者のこと)の対立の図式は、エリート文化が基層にない日本人にはなかなかピンとこない。エリート文化の象徴カーン校の閉鎖性は、首席寮監テレンス・フィールディングが、殺されたステラ・ロードについてスマイリーに語った、「彼女こそ、われわれが眼をつぶって、避けようとつとめておるものの代表―赤煉瓦であり(註1)、公営住宅住まいであり(註2)、ニュー・タウンであり、要するにカーン学園のアンチ・テーゼだった!」(本書85ページ)という言葉によく示されている。以上のことから、『高貴なる殺人』という本書のタイトルにこめられた著者の意図もみえてくるだろう。
    最後に一言。著者ル・カレの作品はほぼスパイ・スリラー小説だが、本作を読むと彼はミステリ愛好家だったとよくわかる。母国イギリスの先輩作家、例えばコナン・ドイルやアガサ・クリスティーの作品に慣れ親しんでいたのではないか。ちなみに、本作の原著には、あのP.D.ジェイムズが一文を寄せている。

    註1:「赤煉瓦」は伝統のない大学を意味する。ステラが名門大学出身でないことを揶揄している。
    註2:訳書85ページでは「協議会階級であり、」となっているが、意味が理解できなかったので原著にあたって意訳した。原文は Council estatesで、辞書に「公営住宅団地」とある。ステラは先祖代々の私有地とお屋敷住まいではない、ということだと評者は理解した。次の「ニュー・タウン」とあわせて、ステラはよそ者で新参者だと揶揄している。
    高貴なる殺人 (ハヤカワ文庫 NV 210)Amazon書評・レビュー:高貴なる殺人 (ハヤカワ文庫 NV 210)より
    4150402108
    No.1:
    (5pt)

    本格推理小説史上屈指の作品…もっと注目されて然るべき名品

    『寒い国から帰ってきたスパイ』が大評判になった時からこの作品の名は知っていました、が今まで読む機会がありませんでした。今回たまたま読んだことにより、本格推理モノは30年代に種が尽きたとの思い込みがうれしくも破られ、出来の良さに感心すると同時に安心しました。英国の田舎町で雪の季節に起きた殺人事件というのがまことにクラシカルでいいですし、廃墟に住む白痴女性の口走る謎のような言葉がいかにもミステリアス。そういう劣性遺伝を生む地方の因習や、これが書かれた60年頃にはまだ英国に広く根強く残っていたらしい階級意識・俗物性等々、ミステリー愛好家かつ英国ファンを自任する私としては、よくぞ読む気になったものと気まぐれの神に感謝しているところです(ちょっと大げさ)。
     伝統的な規格に則った本格推理小説としてもっと注目されて良い作品だと思います。
    高貴なる殺人 (ハヤカワ文庫 NV 210)Amazon書評・レビュー:高貴なる殺人 (ハヤカワ文庫 NV 210)より
    4150402108



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