繊細な真実
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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スパイ小説界のレジェンド、ジョン・ル・カレの23作目の長編小説。2013年発表なので御年83歳での作品だが、まだまだ現役バリバリの密度の高いエンターテイメントである。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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評者は、『地下道の鳩―ジョン・ル・カレ回想録』(2016年)を、昨年5月に読んだが、本書『繊細な真実』は未読だったので入手して読むことにした。 1931年10月生まれのル・カレは、81歳で本書『繊細な真実』(2013年)を書いている。 冷戦後、スパイ小説は絶滅したかに思えたが、ル・カレは、見事にその壁を乗り越えて視野を広く持ちグローバル世界を捉えながら思考を巡らし創作意欲を失なわず見事に傑作をものにしている。 世界の紛争も企業が請け負ういびつな現実世界をテーマにして、みずみずしい文章で登場人物を描写するこの才能は、いったいどこから生まれてくるのだろうかと不思議である。 この歳にしてこのような傑作を書ききることができる稀有な作家であろうと瞠目しながら本書『繊細な真実』を読み終えた。 | ||||
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カバーの写真は、地中海に突き出た半島の先端にあるジブラルタルの岩山、ヘラクレスの柱である。ここはスペインとイギリスの領土問題の地である。 誰かの書評で読むことになった本書は、独特の言い回しで、斜め上からの視線が必要な文体だった。冗長ともとれる前半部分が、後半になって集約して展開される。特に最後は急展開で引き込まれた。 健全な市民世界の上に初めて健全な資本主義が存在すると思う。国家は両者の健全性を保つべき存在であるはずだ。 「ナイロビの蜂」もジョンルカレの作品とはしらなかった。ある方の勧めで観たその作品にも国家を超えて圃場を探す利益組織の暗躍があった。しかし、その組織が昔はアジアを植民地化(圃場化)していった英国そのものであったというのも皮肉だろう。 | ||||
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最近のル・カレの作品は、面白くない。スマイリーを主人公にした物語では、文章は読みづらくても、結末まで読んでみて、よかったと思われる作品があったが、この作品も誰よりも狙われた男と同様に結末がつまらない。 この繊細な真実も、主人公が気になっていることをだらだらと伸ばしただけで、結末まで来ています。結末の詳細は伏せますが、マスコミにリークすれば済むことを、もっと読者がル・カレに期待するような結末にしてほしかった。 | ||||
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なんというか、ビジネスメールの文章を延々と読んでいる感じがして、物語の持つ面白みがゼロでした。 あまりにも読み進まない、読むのが苦痛のため、原書の方で再トライします。 この翻訳レベルで、この値段は高すぎる。 | ||||
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海峡を制するイギリス領ジブラルタルで決行されたある秘密作戦。突如参加を命じられた外務・英連邦省職員「ポール」は作戦の成功を聞かされ、栄誉を得て帰還する。作戦の存在そのものが国の秘密事項とされた。 一方、若いキャリア外交官トビーは、大臣を操り作戦を企画・主導したアメリカ民間軍事会社の影に気づき、職務規定に反しある行動に出る。 3年の後に作戦の真の結果と、それがもたらした悲劇を知らされた「彼」とトビーは、果敢に真実に近づこうとするが……。 ・立ちはだかるは機密の壁。なによりグローバリゼーションのもたらした国民国家の変質、すなわち、国民よりも多国籍企業に奉仕する民主主義政府の姿は不気味ですらある。 ・他人事ではない。2014年より施行された秘密保護法により、この日本においても外務・防衛に関する「繊細な真実」は分厚いカーテンの向こうに隔離され、「主権」を有するはずの国民から、知る権利は剥奪されたのだ。。。 ・民主主義の敵。真山仁さんによる文庫版の解説は、グローバリゼーションと並ぶ、もう一つの内なる敵の存在に気付かせてくれた。 ラスト付近の、黙って涙を呑む「彼」の描写には、思わず涙した。 一個人が国家の巨大な壁に対峙するには勇気だけでは不足。高尚な正義を貫くためには、人生のすべてを闇の中へ投げ出す覚悟が必要ってことか。 | ||||
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