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(短編集)

化石少女



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【この小説が収録されている参考書籍】
化石少女 (文芸書)
化石少女 (徳間文庫 ま)

化石少女の評価: 3.39/5点 レビュー 18件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.39pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全18件 1~18 1/1ページ
No.18:
(4pt)

おもしろかった!

春に出た続編を読みたくてまずは前作から読んでみた。いつものごとく癖が強い本格ミステリだった。化石少女のキャラクターの好き嫌いはわかれそうだが、最後の展開もふくめて著者らしい独特の味にあふれていてとてもよかった。続編を読むのが楽しみだ。
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No.17:
(3pt)

作品の趣向が読者の期待に報いるかどうかは……。

麻耶さんの本だから、読者ごとに作品の当たり外れはあってしまうのだと思います。
期待があるから最後まで読むし、本の趣向もちゃんとあるのだけれど、期待が十分に報われるかどうかは……相性によるのだろうな、と。
化石ネタが分かる人なら、もう少し楽しく読めるのかも?
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No.16:
(1pt)

軽く読めるけど

こんなのあり得んだろという展開
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No.15:
(4pt)

従僕くんの本当のキモチ

百年以上の歴史を持つ京都の名門私立、ベルム学園。なぜか次々と学園内で起こる殺人事件。古生物部は、部長の三年生・神舞まりあと平部員の二年生、桑島彰の二人だけ。化石オタクのまりあだが、事件発生になると熱血探偵に早変わり。事情があって彼女のお守り役となっている彰。いつもいい線突いているまりあだが、彰が推理の矛盾をバッサリ指摘。結局はいつも未解決で、読んでいてフラストレーションがたまる。しかし実はまりあの推理は全て図星。
 学園に存在するクラブがユニーク。古生物部をはじめ、パワースポット部、エアホッケー部、叡電部、嵐電部、コスプレ部、とかふつうの高校ではあり得ない多彩さ。そこがまた私立のお坊ちゃんお嬢さん学校らしいユニークさ。著者はそういう場面設定でも遊び心が豊か。
 校内で次々に起こる殺人事件。その背景には、クラブ数の細分化と増え過ぎによる「過疎部問題」がある。統制管理する生徒会と過疎部たちの対立関係。何しろ部室や部費には限りがあるから。しかしそれが殺人事件にまで発展するところが小説ならでは。読んでいてゲームの世界に迷い込んで、自分が「不思議の国のアリス」になったような気分に陥る。
 ヒロインのまりあが愛らしい。美人なのに、化石にしか興味がない。いつもツナギを着て、化石の削り出しにハンマーやタガネを握っている。そのツンデレぶりに、職業婦人のような、本人が意図しない色気も感じられる。事件が起こった時だけに、探偵業に乗り出す野次馬根性。そこもまた愛らしい。登場人物たちは、いずれも個性的。特に女性たちは、よりどりみどりの才女別嬪揃い。特にまりあの敵役である、生徒会メンバーたちは個性が際立っている。主人公の彰は無個性キャラで従僕の義務と言いつつ、実はまりあにホの字な結末。苦しい恋の行く末は果たして。
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No.14:
(4pt)
【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[]  ネタバレを表示する

金田一少年の不動高校ばりに呪われた学園 ※ネタバレあり

物語の舞台は、京都にある名門高校の私立ペルム学園である。
そこで事件が起こり、その真相を推理するのが物語の主な流れである。

主要な登場人物は、以下の二人。
●神舞まりあ
私立ペルム学園の二年生で女子。生徒会によって廃部を迫られている古生物部の部長。自分の手で石から化石を削りだすくらいの化石マニアで、化石をこよなく愛している。京都でも由緒ある家柄の娘で、とりあえずは「お嬢様」と呼ばれる存在ではある。しかし、赤点の常連で成績は最悪であり(ペルム学園に入れたのは家柄のおかげ)、わがままで大雑把な性格をしている。家では猫を被っているが、学園内では本性がバレていて、奇人変人の《化石少女》として有名である。事件が起こると、“的外れな推理”を披露する。

●桑島彰
私立ペルム学園の一年生で男子。古生物部の唯一の部員。父親が勤める会社の社長がまりあの父親で、その縁で、まりあとは幼稚園の頃から付き合いのある幼馴染である。お守り役(というか従者)として、まりあと同じ高校に通うことになった。まりあのことは、本人の命により、「まりあ先輩」と呼んでいる。まりあと違って成績は良い(全教科がトップテンに入っている)。まりあの推理の唯一の聞き手(理由は後述)。物語は彰の視点で語られている。

『化石少女』は六つの章で構成されている。
つまり、私立ペルム学園では6件の事件が起こるのだ(その内の1件は、学園が保有する県外の合宿所で起こる)。
どれも“殺人”事件である。
『金田一少年の事件簿』の不動高校ばりに呪われた高校である。
事件が起こり、その真相を推理するのは、まりあである。
それぞれの事件には必ず生徒会のメンバーの誰かが絡んでいる。
廃部を迫る生徒会を憎く思っているまりあは、生徒会が怪しいと常に睨んでいるので、生徒会のメンバーが犯人だと証明するために事件を調べて推理をする。
その推理を最初に聞くのが彰なのだが、彼はまりあの推理の粗を指摘して否定する。
まりあはそれに反論できずに彰にやり込められてしまい、推理を他の人には話さないように厳命されて、その章(エピソード)は終わる、というのが各章に共通する話の流れである。
ちなみに、まりあにとって生徒会は憎い相手ではあるが、推理そのものにはそれほど固執していないようで、彰に否定されてもさほどダメージを受けていないようである――というか、化石の話題を振られると忘れる。

彰がまりあの推理を否定するのは、厄介ごとに巻き込まれるはご免だと思っているからなのと、まりあには生徒会を悪者にしたいという思惑があると考えているからでもあるが、最大の理由は「まりあを守るため」である。
家の事情もあるが、やはり、小さな頃から付き合いのあるまりあに対して情を持っており(家族愛に近い)、まりあが下手な推理を吹聴することで、ただでさえ悪い学園内での彼女の評判が更に落ちるのを防ぐためである。
つまり、彼なりにまりあを守っているのだ。

第一章から第五章までは、まりあが彰に推理を話し、彰が合理的にその推理を否定することで終わっており、その章で起こった殺人事件の真相自体は明らかになっていない――警察の捜査の結果などは記されていないのだ。
しかし、最後の第六章は、それでは終わらない。
まりあが推理をして(指摘した犯人は、やはり生徒会のメンバー)、彰がその推理を否定して一応は区切りが付く。
だが、後日になって彰は以前の事件の検証をし始める(県外の合宿所での事件)。
その検証で、彰がまりあの推理で否定していた要素が、実は正解であったことが判明する。
つまり、まりあの推理は成立していたのだ。
まりあが自分の推理を毎回引っ込めてしまうのは、自分より成績が遥かに良い彰が頑なに否定するからでしかない(加えて、まりあは化石以外への執着心が薄い傾向にある)。
そもそも、彰の否定にも確固たる根拠がない。
他の事件におけるまりあの推理も、彰が否定した要素が真であれば成立するので、まりあの推理が全て当たっていたことになる。
つまり、それぞれの事件の犯人は生徒会のメンバーだったということになる――ちなみに、生徒会のメンバーには、彰が気になっている女子がいて、その子も真犯人。
検証を終えた彰が合宿所から帰る際の電車の中でも、別の事件でのまりあの推理が実は成立していたことが判明する。

なぜ、彰が過去の事件について検証する気になったのか?
それは、第六章で起こった殺人事件の犯人が、彰、であったからだ。
第六章でも、まりあは犯人を生徒会のメンバーと推理していた。
だが、これは、まりあの推理を最初に聞く彰が、そうなるように事件現場で工作して誘導したからである。
彰による工作と誘導がなければ、まりあは真犯人を当てていたので、彰は偽とした過去のまりあの推理に疑問を感じたのだ。

第六章では、まりあが殺されるはずだった。
それを防ぐために、いわば正当防衛として、彰は殺人を犯したのだ。
このまま放置すれば、遅かれ早かれ、まりあが事件の真相に辿り着く可能性が高い。
彰自身の保身もそうだが、「彰がまりあの命を守るために殺人を犯した」ことまで知られてしまう。
化石が何より大事なまりあにとって、推理は酔狂でしかなく、否定され続けても精神的なダメージは少ない。
そう判断した彰が、これからもまりあの推理を最初に聞いて否定し続ける――つまり、絶対に事件を解決しないことを心に固く誓って、物語は幕を下ろす。

『化石少女』は、最後まで読むことによって真実が明らかになるわけだが、彰による推理の否定というのが、「100%の確率でそうなるわけじゃないから成立しない」といったことでしかない。
つまり、「○○という要素で失敗する(警察に逮捕される)可能性があるのに、殺人というリスクを冒すはずがない」と言っているだけなのだ。
先程も書いたが、彰による否定は一見すると合理的ではあるのだが、それ自体にも根拠が欠けている。
リスクとメリットを量る天秤は、万人において一致するわけではないことが事実である。
推理の主のまりあと、語り部の彰が一応は納得した形になって話が進んでいる(その章が終わっている)から、読者もそうだと納得させられているだけに過ぎない。
それによって読者に溜まった違和が、最後に解消される形にはなっているが、まりあの推理が報われていないという点や、最後の章で語り部が殺人犯になっているという点では、やはり後味の悪さが残る。

『化石少女』も、『神様ゲーム』のように後味の良い話ではない。
しかし、まりあのキャラクター性や二人の掛け合いは面白いので、読んでも損はないだろう。
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No.13:
(3pt)

道中に見合うサプライズとはいえず

麻耶雄嵩はいわゆるライトノベル的な少年少女が好きらしくてけっこうよく登場させるのだが、残念なことにそちらの適性はまったくないため、キャラも掛け合いも特に魅力がない。本作は完全に学園ミステリなので特に魅力的でもない主役カップルの特に面白みもない貶し合いが延々と続き、道中かなりの我慢を強いられることになる。

個々の事件で披露される化石少女の推理はまずまず及第点、最後もちゃんとオチが用意してあるが、退屈な道中に見合う衝撃度かというと全然そんなことはない小粒さなので、麻耶雄嵩作品の中では凡作の部類に入ってしまうだろう。
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No.12:
(5pt)

表紙の雰囲気からかけ離れたドタバタ連続殺人

主役の化石少女まりあ、おてんばで頭も悪いのに探偵役。
なので何度も殺人事件が起こるのですが、解決しません……探偵役がバカなので……。
威勢の良いまりあが矛盾を指摘されておとなしくなったり、また事件が起きて調子に乗り始めるのは見ていてかわいらしいです。

主要人物は生徒会も含めて複数人が登場します。
徐々に各人の人間関係が進展していく様子も見受けられて、ただのミステリとしてだけでなく物語を追うのも楽しみにして読めました。
最後は想像通りでした。作者が麻耶雄嵩だということを忘れていなければ予測できるのでは?
麻耶雄嵩作品らしい性格の悪いオチに至るまでテンポ良く読みやすく、初心者向けだと思います。
(この本を読んで喜んで星5レビューするような人間は、何か少し道を踏み外している感があることは認めます)
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No.11:
(4pt)

2ページに1回は笑えます

主人公のキャラクターが際立っている作品です。ストーリーは特にハラハラするとか、颯爽としたアクションシーンがあるわけではないですが、思わずプッと笑える言い回しがテンポ良く登場します。
ブロントザウルスは架空の恐竜だったことをこの本から知りました!
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No.10:
(3pt)

まりあ喋りすぎ

・・・なもんで話が入ってこない(笑)。
一番気になるのは、殺人者集団、”謎の生徒会”っすね。
続編は、あっても読まないかな。生徒会が暴かれるなら考えるけど。
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No.9:
(4pt)

どんでん返し万歳

推理小説の醍醐味のどんでん返しに驚いた。検討違いで穴だらけの推理を披露する探偵まりあと、それを指摘してバッサリ切り捨てるワトソンの彰のやり取りが軽快でかなり面白かった。
まぁ、確かに一つの高校で一年以内にそんなに事件が?って言う疑問もあるけど、それを言ってたら探偵小説なんて読めないからね。
飛ばしているまりあと従僕は彰の関係も良かった。化石オタクな所も可愛かった!
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No.8:
(4pt)

この作家ならではのひねくれたミステリ

奇矯な主人公が、わけのわからない言動で生徒会を巻き込みつつ学園内をかき回すコメディ漫画、たとえば『究極超人あ〜る』(ゆうきまさみ)のミステリ版のような作品である。
探偵役は非常識でバカなお嬢様。学園内で起こった事件に、見当はずれの推理を展開しては、主人公に罵倒される。
だが・・・そこは麻耶雄嵩の作品。
ストーリーの進行に合わせて、ひねくれ度合も高まっていく。
「神様」シリーズや「貴族探偵」シリーズに比べれば、まだしもマトモだが、読む人を選ぶだろう。
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No.7:
(3pt)

あれ?という感じの本

おすすめ本として勧めてきた中で購入した1冊。内容については説明通り殺人事件が起こります。ただし、こんなにあり得ないだろうという状況。しかも結末はあら~!という感じでした。内容的には深くありません。アッという間に読み終えます。気軽にどうぞ。
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No.6:
(3pt)

普通にトリックが読めてしまった

麻耶さんの作品はとっても好きで、全て読んでいます。 なので、ただでは終わらないということはわかってはいました。 最後はこうかな~という予想を裏切ってくれるのを信じ読み続けましたが、やっぱり予想が当たってしまい、ちょっと残念。 もうひとひねり欲しかったです。
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No.5:
(1pt)

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化石に尋常ではない情熱を燃やす風変わりな女子校生と、その従者兼制御役的な男子高校生が
次々に殺人事件に遭遇する。
そして、その度に女子校生が特に証拠を詳細に検討するでもなく
犯人を 決めつけて 犯人から逆算して推理を展開するという話。
ただし、最後の事件以外は推理は投げっぱなしで真相は謎。

 コンセプト自体は面白い気もしますし、未解決の事件ばかりというのもいいのですが
単純に、読んでいて人物に魅力を感じるわけでもなく、冗長であまりオススメではないと感じました。
著者の『神様ゲーム』は面白いと感じたのですが。
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No.4:
(4pt)

少女だけは良く描かれています。

魅力溢れる女子高生ですが、「さよなら神様」に見られる爽快感に欠けると思うので、4点にしました。謎は謎のまま読者に委ねるというのは、好きじゃないです。
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No.3:
(3pt)

やはり最後は麻耶展開が炸裂

タイトルから碧眼の少女系の異形大作ミステリーかと思ってしまうが、これまた連作短編集である。
麻耶氏の作品では初登場となる化石好きの女子高生と男子高校生のコンビが学園内での生徒連続殺人に巻き込まれる・・・と書くとユーモア青洲学園ミステリーとは麻耶氏にしては王道だなと思われるかもしれない。
が、やはり麻耶氏の作品である。通常の学園ミステリーとは異質の雰囲気であり、主人公の少女がいきなり生徒会のメンバーが犯人だと決めつけて、そこから逆算して犯行の推理を展開する。前作のさよなら神様と言わば同質の構造となっている。で、推理はするが犯人も逮捕されず、それが真相だったのか何も判明しないまま投げっぱなしで次の章へ移る。何じゃこれは・・・と思って最後まで読むと最後でこの作品のたくらみが分かり、まあ何とも麻耶氏の作品らしいなと納得させられるが、メインの謎解きが淡泊なのと、主人公が化石好きというのが全くトリックとは関係なく、生徒会選挙のネタもトリック以上に描きこまれているのに特に最後は何も絡んでこないなど、やや仕掛けた最後のギミックありきで、全体の小説としての面白さは麻耶作品としてはさほど面白くない。
麻耶入門に最適という意見もあるが、最初に本書を読んだら、次麻耶作品を更に読もうとは思わない危険性がある。
同じような趣向の短編集ならメルカトル鮎シリーズを読んだ方がいいだろう。
どうも、最近の麻耶作品は軽いやっつけ仕事みたいな作品が多い気がする。
まあ、徳間書店という推理作家があまり力の入った作品を発表しないレーベルであるので、こんなもんかという感じもするが、麻耶作品としては正直本書が一番全ての麻耶作品を読んだ感想ではイマイチな作品であった。
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No.2:
(3pt)

相変わらずなんとも言えない後味。

敷居が高く読む人を選ぶ作品。果たして売りあげは?宣伝して買わせても理解できるかは別の作品。
僕もこの人の作品は読んでる作品の方が少ないためこの本で作者の言いたいことまでは分かりませんが表面的な物語は分かりました。その下にあるテーゼというかまでは分かりませんでしたが(一時期よりは読み手に譲歩して分かりやすくなってきてると個人的には思います)。
一番最初にレビューした方がそのあたりのことを書いてるので理解できるかたや反論できるかたなど(僕は半分も分からなかったです)が読むべきものでしょうね。そうでない方は読み終わったあとこの本を壁に叩きつけたい衝動にかられるかも。息抜きにミステリーを楽しむ…という作りではないです。
分からないとなんでこの学校は殺人事件ばかり起きるんだとか、警察は何してるんだとかになるんでしょうね。
探偵小説が否応なしに持つ馬鹿馬鹿しさに対しての…なんらかの意図を含んだ作品。
強者のみに通じるフェイントというか。
とにかくこの人の作品のファンでないと楽しめないという本です。なにかでこの本がランキングしたからといって易々買っても楽しめるものではないです。
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No.1:
(5pt)

イクチオステガ似のイケメン

この作品一言で表すと、超面白い。ギャグが。

軽〜い脳天気なノリでぽんぽん推理とボケをとばす、残念美少女探偵のまりあと、メルカトルばりの毒舌でツッコミを入れ続ける彰の学園推理物。私も幼稚園時代に一番好きな動物はアノマロカリスとか言っていたクチなので、すごく入り込めた。
「隻眼の少女」で他の全てのミステリを1ランク下げたと言っても過言ではない麻耶雄嵩だが、この化石少女は本当に楽しみながら書いている感じが伝わってくる上に、麻耶らしい問題提起もあり、一話一話のトリックもおおっ!と思わず唸る切れ味の良さで、初めて麻耶作品に触れる人にオススメの一作と言えるだろう。

探偵の推理を周囲が信じるのはロジックの正しさではなく、探偵の人望によるのではないか、というミステリの脆弱性を指摘している麻耶らしい作品で、さよなら神様の対極にあたるが、この視点には激しく同意したい。たいていの作家はトリックばかり考えて、ロジックなんて考えていないのだ…まずAが犯人と推理するけど実はBでした…って言ってもそのBが犯人説にも穴があったりする。「その推理、間違ってます」と彰のように突っ込みたくなることがいかに多いか。
たとえば「自動車墓場」の推理を木更津がしたのなら、辻村が生徒会長と同じく「◯◯だったというのか!」と感嘆の声を上げ、木更津が「そういうことです」とドヤ顔するところなのだが、本作では推理の正当性を議論する以前に憐れまれる始末。逆に木更津の「禁区」の推理をまりあがしたなら、彰に「飛躍しすぎです。穴掘って何もでてこなかったらどうするつもりなんですか。やっぱり先輩は赤点ですね」とか言われて終わる。

最もロジックに忠実な麻耶雄嵩だからこそ、その脆弱性を否定する作品を書けるのである。

しかしガチガチのロジックや消去法で詰める正攻法の木更津や高徳愛香、それを突き詰めたミステリ史上究極の探偵としか言いようがないみかげ、必要充分かつ円熟した推理でぽんと真相を言い当てるメルや貴族、小学生だからこそ現実味のある推理を展開する少年探偵団、推理皆無の鈴木太郎(作品自体は非常にロジカルである)、そして本作のようにひらめきで勝負する感覚型であるが故に説明しきれないまりあ…探偵のキャラクターに合わせてトリックもロジックもここまで変幻自在に書ける麻耶雄嵩の懐の深さに脱帽。本当に底なしの実力を持つ作家である。
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