(短編集)
運命の八分休符
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推理連作短篇集『運命の八分休符』(連城三紀彦著、文春文庫)に収められている『運命の八分休符』は、全篇を通じて、ルドヴィッヒ・ファン・ベートーヴェンの「運命」の第1楽章のミミミド――、レレレシ――が鳴り響きます。 トップ・モデルの白都サリが絞殺され、トップを争うライヴァルの波木装子と、サリの恋人の人気デザイナー井縫レイジに犯人の疑いがかかります。 アリバイのない装子は、冴えない風姿の田沢軍平の助けを借りて、鉄壁のアリバイを誇るレイジの アリバイ崩しに取りかかります。 果たして、その結果は、いかに。 恥ずかしながら、本作品のおかげで、「運命」の第1楽章の楽譜には、八分音符が連続する前に八分休符が書き込まれていることを、初めて知りました。 | ||||
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明らかに女性にもてない容姿の男の主人公が、5人の美女との邂逅しつつ、 不思議な事件を解決するという短編集ですね。 1986年に出版された作品らしく、流石に時代的には古いなぁ、と感じる事も多かったですが、 朴訥な性格からか妙にもてる主人公が、魅力的な謎を解決していく様は見事ですね。 個人的には舞台の話が本作の白眉だと感じました。 あと、全然主人公のタイプは違いますが、映画の寅さんを連想してしまいました。 切れ味の良いミステリを読みたい、という人は読んでみると面白いと思います。 | ||||
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表題作の他、「邪悪な羊」、「観客はただ一人」、「紙の鳥は青ざめて」及び「濡れた衣装」の5つの短編から構成される"お人好し"な青年の軍平を素人探偵とした連作ユーモア短編集。私は作者のデビュー当時(「変調二人羽織」)からのファンで、「陰と陽」、「黒と白」とを一瞬の内に反転させる技巧に魅せられて来た。本作もユーモア短編集ながら、作者の多彩な技巧を味わえる傑作である。 まず、5つの短編各々で5人の美女が依頼人となるお遊びがある。勿論、ミステリ的アイデアも秀逸。表題作の依頼人はモデルでバリバリのアリバイ・トリックもの。軍平の謎解きとモデル業界の虚妄と文字通り「『運命』の八分休符」との交錯が「陰と陽」を反転させて鮮やか(軍平クン意外とモテる)。「邪悪な羊」の依頼人は高校の(実は相思相愛だった)同級生の歯科医で女児誘拐もの。一瞬、エド・マクベイン「キングの身代金」かと思ったら、複雑な家族関係の中での誘拐事件の同時進行という「変調二人羽織」を想わせる佳品。「観客はただ一人」の依頼人は劇団研究生で舞台という衆人環視の中での大女優の銃殺。舞台装置という細かいトリックはあるものの、「観客はただ一人」が意味する壮大な「陰と陽」の反転には感心した。「紙の鳥は青ざめて」の依頼人は妹に夫を寝取られた女でその妹の心中事件。<花葬シリーズ>を想わせる抒情的で淡い描写の中で、童話「青い鳥」に沿って「陰と陽」を反転させる技巧が鮮やか。「濡れた衣装」の依頼人は銀座のホステスでその同僚の傷害事件を扱ったパズラー。やや無味乾燥かと思ったら、題名自身がフェイクになっている上に、ここでも「陰と陽」を入れている執念が凄い。 ユーモアとミステリ味の両立は難しいと思うが、キャラクター設定の巧みさもあって堪能出来る。幻の傑作短編集と言われている由縁が十二分に納得出来る作品だと唸った。 | ||||
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タイトルの意味に驚いた。 一つ一つのトリックは面白いが、 古くさい文体と主人公がなぜかモテモテなところが気持ち悪い。 | ||||
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主人公は、薄くなりかけた髪に分厚い眼鏡と、みすぼらしくも野暮ったい田沢軍平くん。ただこの田沢くん、見かけによらず女性にとってももてるんです。この田沢くんが女性に持ちこまれた事件を解決するというかたちの連作短編集。 主人公の設定を見てもわかるようにユーモア・ミステリなんだけど、そこは連城三紀彦、ユーモアのなかにもしっとりとした落ち着きがあって、全編とてもいい感じです。ユーモアと落ち着き、まるで違うもののようですが、うまく同居するもんなんですねえ。 | ||||
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