頼子のために



※タグの編集はログイン後行えます

※以下のグループに登録されています。


【この小説が収録されている参考書籍】
オスダメ平均点

7.50pt (10max) / 4件

7.31pt (10max) / 85件

Amazon平均点

4.06pt ( 5max) / 51件

楽天平均点

0.00pt ( 5max) / 0件

みんなの オススメpt
  自由に投票してください!!
12pt
サイト内ランク []A総合:270位
ミステリ成分 []
  この作品はミステリ?
  自由に投票してください!!

19.67pt

46.00pt

17.67pt

6.67pt

←非ミステリ

ミステリ→

↑現実的

↓幻想的

初公開日(参考)1990年06月
分類

長編小説

閲覧回数10,027回
お気に入りにされた回数30
読書済みに登録された回数150

■このページのURL

■報告関係
※気になる点がありましたらお知らせください。

頼子のために (講談社文庫)

1993年05月06日 頼子のために (講談社文庫)

「頼子が死んだ」。十七歳の愛娘を殺された父親は、通り魔事件で片づけようとする警察に疑念を抱き、ひそかに犯人をつきとめて相手を刺殺、自らは死を選ぶ―、という手記を残していた。手記を読んだ名探偵法月綸太郎が、事件の真相解明にのりだすと、やがて驚愕の展開が。精緻構成が冴える野心作。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.50pt

頼子のためにの総合評価:8.07/10点レビュー 55件。Aランク


■スポンサードリンク


サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
全4件 1~4 1/1ページ
No.4:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

重くて暗くて読みにくそう……と思ったらいい意味で裏切られました

愛する一人娘を殺された父親が、行きずりの変質者の犯行であるという警察の見解に疑いを持ち、独自に犯人を捜しだし、そして復讐を決行するという内容の手記から始まる作品。

人が憎しみ合って殺しあう話が大好きな私ですが、こういうタイプの話は非常に苦手で、あらすじの時点で読む気があまりせず、「もし出来が良くても二度読もうとは思わないタイプの話だろうなぁ」と考えながら読んだのですが、良い意味で予想を裏切られ、楽しく読めました。
内容はたしかにあらすじの通りですが、スピーディに進み、二転三転していく物語は非常に読みやすく、最後まで先が気になり、結末にもうならされ、いずれ再読もしたいと感じた作品でした。



▼以下、ネタバレ感想

※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[]ログインはこちら

マリオネットK
UIU36MHZ
No.3:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

背筋がゾクッとした。

今までの法月作品の解説に頻繁に出てきていたのが本作のタイトル。どの書評家も法月氏といえば本作を俎上に上げていた。そこで目にしたのは「ロス・マクドナルド主題によるニコラス・ブレイク風変奏曲」、「法月綸太郎4作目にして早くも後期クイーン問題に直面」という、ミステリマニアならではの表現。ロス・マクドナルドもニコラス・ブレイクも、そしてクイーンさえも当時読んだ事の無かった私にはどんな物かも想像もつかなかったが、なにやら面白そうな匂いはプンプンしていた。
そんなことから期待して読んだ本書だが、読後、これは確かに傑作だと思った。

物語は娘頼子を亡くした父親の復讐譚という手記で始まる。これがなんとも重い話だ。警察の捜査に納得いかない父親が高校生だった娘の死の謎を探り、それが担任教師との肉体関係にあることを突き止め、彼を殺害し、絶望して自殺を図るが未遂に終る。これだけでも重いが、この真相はさらに重い。学校からスキャンダル隠しのため、父親の警視経由で事件の調査を依頼された探偵法月により、愛憎が入り混じった家庭内の悲劇が暴かれる。どの家庭でも起こりそうなよくある事件が、頼子の家庭に落とした翳が、それぞれの心に渇望感を与え、愛を歪めた結果、悪夢のような結果を招く。

昨今の読者諸氏の感想では、あまりに都合的すぎて、しかもなんだか理解できないところが多い、法月は探偵として力量不足だ、などという批判的なコメントをよく目にするが、私はそうは思わない。無論、本作を読んだ時期は私がまだミステリ読者としてそれほどこなれていなかったせいもあるのだろうし、もし今再読すれば、ところどころに粗が見えて、以前よりも素直に賞賛できないかもしれない。しかし、私は当時の読後感を尊重したい。私は本作で新本格という言葉を意識した。確かにコレは新しい本格だなと。

しかし数年後、私はロス・マクドナルドの諸作を触れるに至り、この認識が過ちだったことに気づく。私が新しい本格だと思った事は既にロスマクによってなされていた。そしてロスマクこそはハードボイルド作家ではなく、本格ミステリ作家なのだという思いを強くする。
しかし本作が法月氏のターニングポイントであると云われているように、私にとっても本作がターニングポイントであった。本作がなければ、私は彼の作品を読み続けようと思わなかっただろう。


▼以下、ネタバレ感想

※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[]ログインはこちら

Tetchy
WHOKS60S
No.2:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

頼子のためにの感想

綸太郎シリーズ3作目。

雪に閉ざされた密室、双子・首なし殺人という本格ミステリのド定番のプロットをいじり倒しただけでなく、探偵役の推理を二転三転させて、読み手を混乱させたこれまでの二作。
一方、この作品は、そのプロットに本格ミステリらしさは影を潜めており、派手さもなくかなり地味です。


▼以下、ネタバレ感想

※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[]ログインはこちら

梁山泊
MTNH2G0O
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

頼子のためにの感想

事件の事象が明らかになって行くにつれて、
人々の表向きの行動や表情が本当なのか嘘なのかと疑心暗鬼にかられました。

娘が死んだ真相を追う父親手記を発端として、
事件や復讐心など、登場人物たちから滲みでた負の感情を味わった感じです。

そして、シリーズ毎回思う事ですが、
法月探偵の性格の描き方が、暗いというか、後ろ向きというか、
作品に暗く重い雰囲気を加えていると感じます。

気持ちがどんよりしますが、
ページが進むごとに変化する事件模様やラストの真相など、
複雑な物語を苦なく楽しめた作品だったと感じました。

▼以下、ネタバレ感想

※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[]ログインはこちら

egut
T4OQ1KM0
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.51:
(2pt)

評価が難しい作品

いわゆる後期クイーン的問題をはらむ作品で、第1章の手記が「信頼できない語り手もの」であることはあらすじからも明白ですが、二転三転する展開と恐るべき真相はなかなかの衝撃度。しかし探偵が手記の違和感・矛盾点に気づく根拠があまりに弱すぎて、読者としては気づけなくても仕方がない程度のものなのが残念。手記も全体の分量に比較して短すぎる気もします。読み終わってみれば、これは完全に今でいうところの「イヤミス」であり、特に主人公である探偵のラストの振る舞いについても大いに疑問や嫌悪を感じる読者も少なからずいると思います。そしてそれこそがまさに後期クイーン的問題なのですが、この問題を知っているか否かで、この作品の評価というか好みが別れるのではないでしょうか。この問題を知らなければ、読者は探偵のことを作中の人物同様になじりたくなるでしょうし、結末も中途半端に感じると思います。また、この問題を知っているとすれば相当ミステリ慣れをした読者でしょうから、黒幕も含め真相が見破りやすいのではないかと思います。ということは、いずれにしても心底楽しめないのでは?と言えば言い過ぎでしょうか。私自身は、やはり何作読んでもこの探偵・法月綸太郎は好きになれません。著者からのミステリに対する問題提起としてあのような展開が書かれたのであったとしても(実際はそうではないと思います)、あの行為は決して道義的に許されることではないでしょうし、その後のシリーズで名探偵として主人公に据えられるような人物としては大いに問題です。
頼子のために (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:頼子のために (講談社ノベルス)より
4061814869
No.50:
(4pt)

★★★★☆

★★★★☆
頼子のために (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:頼子のために (講談社ノベルス)より
4061814869
No.49:
(2pt)

少し悲しい

初めから、何となく父親が怪しいと、ピンと来る人が多いと思います。
その理由がそういうこと(娘の父親への恋慕)であったのは、TV・ワイドショー的で月並み。
全体的に無理に技巧を凝らした感じが鼻につく。

母親の心情を思うと、少し悲しい。
頼子のために (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:頼子のために (講談社ノベルス)より
4061814869
No.48:
(4pt)

「驚愕の展開」だが、後味は悪い。

いかにも一筋縄ではいきませんよ、と言う凝った構成の作品。読み終わってみれば、このタイトル自体がミスリードの意図を持って付けられていた事がわかり、なるほどと感心した。法月探偵は微妙な立場ながら、名推理で真相に迫る。「驚愕の展開」も言い過ぎでない、意外な犯人と犯行動機が明らかになって来るが、本格推理で探偵が謎を解き明かす爽快さは一切なく、後味が悪かったのは否めない。結局誰も報われずに終わったようで、依頼されてもないのに真相を暴いた法月探偵も苦しかったろうと思ってしまった。
頼子のために (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:頼子のために (講談社ノベルス)より
4061814869
No.47:
(4pt)

面白く読めましたが、動機には若干の不満あり

法月さんの作品初挑戦でしたが、文章が読みやすく
表現の仕方が独特で、自分の好みに合ったため飽きること
無く読み進めることが出来ました。特に冒頭は緊張感が強く
内容も詰まっていて文句なしでした。人物の性格や内面を
示唆する描写などもうまく、リアリティが感じられるのも
自分好みでした。

道中は足で情報を稼ぐ典型的な探偵モノで若干単調に
なっているのと、終盤の動機関連が何より気になりました。
道中までは心の動きを大切に書いているように感じましたが
終盤だけは、ホントか?と首を傾げてしまいました。

ただ、巻末の文庫本用あとがきを見るとなんと25歳のときの
作品のようで、これなら仕方がないと納得しました。むしろ
25歳でここまで書けてしまっていることが驚きで、本編の
トリックよりもビビってしまいました。
頼子のために (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:頼子のために (講談社ノベルス)より
4061814869



その他、Amazon書評・レビューが 51件あります。
Amazon書評・レビューを見る     


スポンサードリンク