首
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首の総合評価:
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他のレビューからあまり期待せずに読みましたが、いい意味で期待を裏切られました。現代ホラーに通ずるような世界観から何から、とんでもない良書だと思います。いわゆるZ世代にも読んでもらいたい一冊です。横溝正史先生の底力を思い知らされました。隠れた名作(私が無知だっただけですが)だと思いますので絶賛おすすめします。 | ||||
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中学〜高校時代に横溝ブームが有って当時カドカワ文庫で金田一シリーズは読破したつもりでしたが、「花園の悪魔」以外の3作品に記憶が無く購入しました。 長編と違い展開が早く後半の謎解きでいつの間にか金田一さんが調べた事実、当事者の語りだけで信用してしまう警部殿などあれれと思う場面も出てきますが楽しく読めました。 | ||||
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表題作『首』と『生ける死仮面』『花園の悪魔』『蝋美人』を収録。解決・種明かし前に全ての情報が提示されているとは限らず、「横溝先生!フェアじゃないですよ!」と言いたくなるが…ヤボですね。 凄惨酷烈な事件が描かれる一方で、金田一と磯川警部のホンワカとしたやりとりで心が和む私は、やはり好きなんですわ。金田一耕助シリーズ。 | ||||
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本短篇集には四作品が収録されていて、掲載雑誌別では『講談倶楽部』が二篇、『オール読物』と『宝石』が一篇ずつだが、『宝石』に掲載された表題作の出来がやはり一番いい。 戦前乱歩は、通俗作品を書き飛ばすようになっても、『新青年』にはあまりテキトーな作品は載せられないと書いていたように、戦後は『宝石』がその位置にあった。 著者もまた、掲載雑誌で創作のギアを変えていたことがわかる。 以下、表題作の感想。 冒頭のシチュエーションは、かなりそのまま、二年後から連載が開始された『悪魔の手毬唄』に移植された感じw ただし事件そのものやトリックは全然別物である。 お籠り堂とか犬の問題とかの雰囲気もいい。 カーの有名な短篇を思わせるトリックで、あれと較べると、唖然となる具合であちらに軍配をあげざるを得ないが、短篇にしては結構しっかりしたトリックだから、一群の金田一耕助もの短篇の中では上位に位置すると思う。 | ||||
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本書は表題作「首」をはじめ、「生ける死仮面」「花園の悪魔」「蝋美人」という4つの猟奇的事件を収録している横溝正史の短篇集。すべての作品に名探偵・金田一耕助が登場する。 収録作を読んでいて気になったのは、金田一がショックを受けた時の表現だ。「脳天から鉄串でもぶちこまれるような、はげしいショック」というのが基本だが、横溝先生はこの痛そうな表現が気に入っていたようで、「脳天から楔」「脳天から真っ赤にやけただれた鉄串」など様々なバリエーションが登場する。このあたりを分析してみるのもファンなら面白いかもしれない。 ●生ける死仮面 「生ける死仮面」は昭和28年10月「講談倶楽部」に掲載された作品。東京都杉並区のT署管内をパトロールしていた山下巡査は、彫刻家・古川小六の朽ち果てたアトリエで少年と思われる腐乱死体を発見する。小六は男色家として有名で、数日前に浮浪児とおぼしき美少年を連れ込んでから、日ごとに異臭が強くなっていたためだ。 彼はデスマスクを作ってまで、死んでしまった少年を愛し続けていたという。少年の死因は薬物中毒であることが判明し、資産家の緒方夫婦が自分たちの倅だと名乗りを上げるなか、金田一が隠された真実を暴いていく。最後のどんでん返しは驚くべきもので、同じように死体愛好(ネクロフィリア)を題材にしている「睡れる花嫁」と比較して読むのも楽しいだろう。 <登場人物> 古川小六 … 彫刻家。有名な男色家で浮浪児を連れ込んでいた。 緒方光子 … 小六から逃げ出した妻。緒方家の分家の一人娘。 緒方辰夫 … ヒロポン中毒の家出少年。デスマスクを取られる。 緒方欣五郎 … 三鷹の大地主。辰夫の父親だと名乗り出る。 緒方やす子 … 欣五郎の妻。痩せて青白い顔をした狐目の女。 緒方重兵衛 … 欣五郎の養父。財産を辰夫に譲ると遺言を残す。 本橋加代 … 緒方重兵衛の愛人。緒方辰夫の生みの母。 山下巡査 … 巡回中、古川小六のアトリエで腐乱死体を発見。 K博士 … アトリエで発見された腐乱死体の解剖を行う。 等々力警部 … 警視庁捜査一課所属の警部。金田一耕助の相棒。 金田一耕助 … 雀の巣の頭にくたびれた着物袴。ご存知名探偵。 ●花園の悪魔 「花園の悪魔」は昭和29年1月「オール読物」に掲載された作品。東京郊外S温泉にある花乃屋旅館に隣接する花壇で、ヌードモデル南条アケミの全裸死体が発見された。遺留品のマフラーから、容疑者はアケミが所属していた東亜美術倶楽部のマスコット的存在である山崎欣之助に絞られる。しかし、全国に指名手配されているにも関わらず、その行方は杳として知れなかった。 南条アケミの衣服が現場から消えていたことは大きなヒントとなるのだが、帽子に血がついていたと新聞で読んだだけで犯人の見当がつく金田一の推理力には驚かされる。また、多忙な時間をさいて散歩に付き合いイライラしている等々力警部と、飄々とした金田一のやりとりは微笑ましかった。 なお、作中でも触れられているとおり、本作はメッカ殺人事件という実際にあった事件をモチーフにしている。東京・新橋のメッカというバーで、天井から血がしたたり落ちてきたため天井裏を調べると、株ブローカーの惨殺死体が横たわっていたというもの。アプレ・ゲール犯罪の典型とされたこの事件、気になった方は調べてみるのも一興と思われる。 <登場人物> 山内三造 … S温泉にある花乃屋旅館に隣接する花壇の園丁。 鈴木良雄 … ヌードモデルを紹介する東亜美術倶楽部の責任者。 南条アケミ … 東亜美術倶楽部のモデル。死体で発見される。 安川ナオミ … 東亜美術倶楽部のモデル。山崎欣之助の恋人。 杉本チカ子 … 東亜美術倶楽部のモデル。毒舌。 賀川晴江 … 東亜美術倶楽部のモデル。太っちょ。 金田康造 … 花乃屋で南条アケミのヌード写真を撮影した男。 斎藤泰治 … 東亜美術倶楽部の得意客。金田康造は偽名。 山崎欣之助 … 南条アケミと関係のあった大学生。行方不明。 等々力警部 … 警視庁捜査一課所属の警部。金田一耕助の相棒。 金田一耕助 … 山崎欣之助の両親から再調査を依頼された探偵。 ●蝋美人 「蝋美人」は昭和31年2月「講談倶楽部」に掲載された作品。軽井沢の山中で身元不詳の白骨死体が発見される。異端の法医学者である畔柳博士が、新進彫刻家・瓜生朝二と共に複顔術を施し、銀座の百貨店で披露したところ世間は驚きに包まれた。その姿はかつて銀幕の妖花と呼ばれ、昨年夫を殺害して逃亡中の女優マリにそっくりだったのだ。 事態が紛糾するなか、畔柳博士の死とオルゴールが金田一耕助を真実に導いていく。最後にふかい、暗いためいきをつく金田一が切ない。 <登場人物> 畔柳貞三郎 … 身元不詳の白骨死体に複顔術を施した法医学博士。 畔柳恵美子 … 貞三郎の娘。父の忠実な助手だったが昨年事故死。 佐藤亀吉 … 軽井沢の山中で女の白骨化した死体を発見した老人。 瓜生朝二 … 富裕な若手彫刻家。畔柳博士の協力者。 立花マリ … 夫殺害の嫌疑をかけられ失踪した元映画女優。 伊沢信造 … 昨年殺された人気作家。立花マリの夫。 伊沢加寿子 … 信造の母。伊沢女子学園の経営者であり校長。 伊沢徹郎 … 加寿子の次男。伊沢女子学園で講義をうけもつ。 伊沢早苗 … 加寿子の娘。母親に似て気位が高い。 雄島隆介 … 早苗の婚約者。政治家として脚光を浴びている。 杉本もと … 畔柳家に十数年来奉公している老婢。 等々力警部 … 警視庁捜査一課所属の警部。金田一耕助の相棒。 金田一耕助 … 雄島隆介の依頼で事件解決に乗り出した探偵。 ●首 「首」は昭和30年5月「宝石」に掲載された作品。ミステリ専門誌で発表された作品だけあって、プロットやトリックがしっかりしており、本書に収録された作品の中でも出色の出来だ。 静養のため、磯川警部と岡山県境の山里にある「熊の湯」という湯治場を訪れた金田一耕助。その地では約300年前、名主・鎌田十右衛門が何者かに殺害されるという事件が起き、晒し首が置かれていた岩は獄門岩と呼ばれるようになっていた。昨年この事件をなぞられたかのような殺人事件が発生しており、磯川警部の真の目的は、金田一の力を借りてその事件を解決することであった。 短篇ながら、江戸時代から村に伝わるおぞましい伝説と、伝説をなぞる形で現代に起きる殺人事件を絡めた構成が見事で読み応えがある。トリックも合理的でよく出来ているが、岡山を舞台に磯川警部の人柄や金田一らしい優しさが描かれている点も大きな魅力だと思う。名作「悪魔の手毬唄」に通じるものがあるので、ぜひ併せてお読みいただきたい。 <登場人物> 里村恭三 … 色好みで有名な映画監督。伝説を擬えて殺される。 香川千代 … 里村監督に見いだされた可憐な新人女優。 内山進治郎 … 男優。彫りのふかい荒けずりな容貌が売り物。 服部千吉 … カメラマン。 土井新 … 助監督の青年。 幾代 … 県境の山里にある「熊の湯」という湯治場のおかみ。 達夫 … 熊の湯の先代。道子の婿養子。去年の事件で死亡。 道子 … 幾代の姪で達夫の妻。去年の事件で死亡。 啓一 … 道子と達夫の一人息子。 お菊 … 熊の湯の女中。 片山 … 達夫の猟仲間。医者。 伊豆 … 達夫の猟仲間。村役場の書記。 田口玄蔵 … 頻繁に山へ松茸を盗みに入る男。 磯川警部 … 岡山県警の古狸。金田一とは旧知の仲。 金田一耕助 … 静養のために磯川警部と熊の湯を訪れた探偵。 | ||||
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