三つ首塔
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点6.67pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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『金田一耕助シリーズ』ですが、耕助の出番は少なく、今回主役となるのは音禰という、絶世の美貌を持つ女性です。 | ||||
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横溝作品というだけで特別な眼で見てしまう自分がいますが、純粋にミステリーとして考えると正直面白くない。かなり無茶な展開をご都合で辻褄合わせをしただけの話で、小中学生向けのミステリーに官能描写が乗っかり、誰にもお勧め出来ないような位置に陥っています。しかしながらやはり、発表されたのが昭和30年だということを鑑みると、この時代に求められた娯楽であったり、またこういった作品の上に現代のミステリーが成り立っているという事実もあるわけで、やはり『価値ある作品』というあたり障りのない感想に落ち着いてしまいます。 | ||||
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八つ墓村を超える大量殺人!推理より恋とスリルに満ちた作品。八つ墓村を愉しめた読者なら、気に入るはず。もちろん、かくいう自分も気に入りました! | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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レトロな大人の夏休みの物語、スリルとドキドキを味わいたい方はどうぞ。^_^ | ||||
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年末年始の暇つぶしに読もうと買った。全364ページをパラパラとめくり、冒頭のみ少し読み始めたのがいけなかった。ついつい引き込まれて数時間で読了してしまった。金田一耕助シリーズは随分持っているのだが、この【三つ首塔】が一番楽しめた。登場人物が多かったが、この作者にしては珍しく把握しやすかった。年末年始は別の本を用意して読む事になりそうだ。 | ||||
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「三つ首塔」は昭和30年「小説倶楽部」に連載された横溝正史の長編推理小説。名探偵・金田一耕助シリーズの一作だが、ヒロイン音禰による回想手記の形をとっており、金田一の出番は極めて少ない。全体を通して女性視点で描かれている異色作であり、推理要素が少ないかわりに、事件の荒波に翻弄される主人公の女性をサスペンス要素たっぷりに描いている。 昭和30年9月17日。幼いころ両親を亡くし、伯父の上杉誠也にひきとられ幸せな日々を送っていた宮本音禰の身に、予想もしない出来事が起きた。曽祖父の弟で、アメリカで成功し大富豪となった佐竹玄蔵という老人の、百億円近い財産が譲られることになっていると告げられたのだ。ただし、遺産を相続するためには、高頭俊作という行方不明の青年と結婚することが条件として定められていた。 かつて佐竹玄蔵は武内大弐という山師に騙されたことがあった。怒った玄蔵は大弐の首を刎ね、そのまま行方をくらましたが、共同出資者の高遠省三は大弐殺しの罪を着せられ打ち首になってしまう。玄蔵はこの罪滅ぼしとして、高頭の曾孫である俊作と音禰を結婚させ、莫大な財産を譲ろうと考えたのであった。 それから半月の後、上杉誠也の還暦祝いが日比谷の国際ホテルで開かれたが、そのパーティーで最初の事件が起きる。舞台でアクロバットダンスを踊っていた笠原姉妹の妹・操、上杉誠也の依頼で高頭俊作を探していた秘密探偵・岩下三五郎、そして腕に相合傘の刺青が彫られていることから高頭俊作と思われる青年が続けざまに毒殺されてしまったのだ。 三重殺人事件のショックで意識を失った音禰は、ホテルの空室に担ぎ込まれ寝かされていたのだが、高頭五郎と名乗る男が侵入してきて貞操を汚されてしまう。男の卑劣さに怒りと憎しみを抱きながら、同時にその男に惹かれてしまう己の浅ましさに煩悶していた音禰の前に、高頭五郎は弁護士事務所の調査員・堀井敬三として現れたのであった。 高頭俊作が死んだことで、遺産は佐竹玄蔵の血縁で山分けされることになる。玄蔵老人には善吉・彦太という2人の兄がいた。善吉の系統では宮本姓となった音禰と、音禰の叔父にあたる佐竹建彦の2人。一方、彦太の系統では殺された笠原操を除き、笠原薫、島原明美、佐竹由香利、根岸蝶子・花子姉妹の5人が現存していた。 1人でも減れば取り分が億単位で増えることから、相続権を持つ者たちが次々と殺されていく。その嫌疑をかけられ、警察に追われた音禰は否応なしに堀井の元に身を寄せることになる。正体不明の男を恐れ憎しみながらも、しだいに惹かれていく音禰。いつしか二人は力を合わせ、玄蔵老人が建てたという蓮華供養塔「三つ首塔」へと向かうのだった……。 本作ではたくさん人が死ぬのだが、特別なトリックが使われるわけでもないのであまり印象に残らない。その反面、浅草のストリップ劇場「紅薔薇座」で披露された双生児の蝶子・花子姉妹による金粉・銀粉ショーや、池袋の「オリオン座」で巨人・鬼頭庄七と可憐な少女・佐竹由香利が演じるSMショーなど、戦後の性風俗の描写はかなり濃密で異彩を放っている。 清純な箱入り娘だった宮本音禰が、謎の青年に無理やり純潔を奪われ、命じられれば何でもする汚れた女になるわけだが、そこから爽やかな結末に至る展開は実に見事だった。合理的解決を厳守する横溝正史としては珍しい終わり方をする「三つ首塔」だが、冒険小説・恋愛小説的な観点で見るとなかなか面白い作品といえる。「女王蜂」が好きな方などは特に楽しめるだろう。 <登場人物> 宮本音禰 … 突然、百億近い遺産の相続人に選ばれたお嬢様。 宮本省三 … 音禰の父。国文学者。故人。 宮本節子 … 音禰の母。善吉の孫。故人。 上杉和子 … 節子の姉。善吉の孫で音禰の養母。故人。 上杉誠也 … 和子の夫。音禰の養父。某私立大学の文学部長。 上杉品子 … 自ら芸者になって誠也を育て上げた親代わりの姉。 お茂 … 上杉家の女中。 佐竹善吉 … 音禰の曽祖父。故人。 佐竹彦太 … 善吉の兄。故人。 佐竹玄蔵 … 善吉の弟。大弐を殺しアメリカへ逃げた大富豪。 佐竹建彦 … 善吉の孫。節子、和子の弟で音禰の叔父。 佐竹由香利 … 彦太の曾孫。オリオン座の芸者。 笠原薫 … 彦太の曾孫。操の姉で二人はアクロバットダンサー。 笠原操 … 彦太の曾孫。パーティーの最中に毒殺される。 島原明美 … 彦太の曾孫。バー「BON・BON」のマダム。 根岸蝶子 … 彦太の曾孫。紅薔薇座の芸者。 根岸花子 … 彦太の曾孫。蝶子の双子の妹で同じく芸者。 武内大弐 … 山師。騙されたことを知った玄蔵に殺される。 武内潤伍 … 大弐の孫。玄蔵が最初に遺産を譲ろうとした人物。 高頭省三 … 玄蔵の親友。大弐殺しの罪を着せられ斬首された。 高頭俊作 … 省三の曾孫。玄蔵が希望した音禰の結婚相手。 高頭五郎 … 省三の曾孫。俊作のいとこ。音禰に接近する。 鬼頭庄七 … 佐竹由香利の養父。二人で怪しいショーを行う。 古坂史郎 … 島原明美の愛人である美少年。 志賀雷蔵 … 紅薔薇座の支配人。蝶子と花子のパトロン。 岩下三五郎 … 上杉誠也が高頭俊作の捜索を依頼した秘密探偵。 黒川弁護士 … 丸の内にある黒川法律事務所の所長。 堀井敬三 … 高頭五郎の仮の姿。黒川法律事務所で働く。 法然和尚 … 三つ首塔こと蓮華供養塔にひとりで住んでいる。 等々力警部 … 警視庁捜査一課所属の警部。金田一耕助の相棒。 金田一耕助 … 雀の巣の頭にくたびれた着物袴。ご存知名探偵。 | ||||
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犬神家の一族のような金田一耕助が事件をばっさばっさ解決していく冒険活劇とは異なり、活躍の場はほとんどありません。 金田一耕助と敵対している(?)主人公の回想文として描かれているので、金田一耕助の活躍を期待している方には不向きな作品だと思います。 変わって駆け落ち同然のラブロマンスや18禁の場面があったりと金田一耕助でない主人公の立場から作品が描かれています。 もう少し金田一耕助の活躍が見たい自分としては不満が残る作品でしたが、読み終わった時の爽快感はさすがでした。 これもありかと割り切って読むと楽しめる作品です。 | ||||
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ヒロインの視点で描かれるのが新鮮なミステリー。彼女が、男に連れられて、三つ首塔にやって来る場面から始まる構成が巧みで、謎の男の正体や、ヒロインとの関係が不明のまま、血みどろの惨劇が展開する。この男が悪者なのかどうか不明で、それでも彼に惹かれて離れられなくなるヒロインの心理が、よく描かれていた。 そして、男と2人で絶体絶命の危機に陥る、劇的な展開に、ハラハラしながら読まされた。金田一耕助は、少ししか出て来ないが、最後に美味しい役割を持っていった感じ。ほとんど推理小説と言うより、ロマンティックな冒険活劇だったが、面白かった。当時の風俗も興味深く、エログロさは、江戸川乱歩ばりであった。個人的には好みだが、本格推理ではないですね。 | ||||
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