壺中美人
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壺中美人の総合評価:
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全1件 1~1 1/1ページ
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壺の中に入る女「壺中美人」をたまたまテレビでみた金田一耕助。それは、その後に起きる画家殺人の重要な手掛かりを示していた!あんなところにも伏線が張ってあったのかと横溝の技巧に改めて驚かされる好作品!そして、「廃園の鬼」では綾辻行人の館シリーズを思わせるような奇妙な建築物が登場!こういう点でも横溝が後世の作家に与えた影響は非常に大きい。 | ||||
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本書には表題の「壺中美人」(約200ページ)と短編の「廃園の鬼」(約60ページ)が収載されている。どちらも十分に楽しめた。 「壺中美人」の人物および状況設定はややグロテスクであるが、如何にも横溝正史先生らしいと感じた。現在に生きる私でもビクッとするような設定であり、おそらく発表当時は相当のインパクトがあったであろう。 「廃園の鬼」は謎解きの楽しみにはやや欠ける印象を受けたが、エンディングは金田一耕助らしさが出ていて楽しめた。何方かと言えば、「廃園の鬼」の方が個人的には読後感が良かった。 第14弾もゆっくり楽しみたいと思う。 | ||||
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<ネタバレ注意> 耕助の家の白黒TVは、チャンネルによっては映像がすこしダブる……。 懐かしい。白黒からカラーになってもアナログTVの時代には珍しくなかった、いわゆるゴーストであるw 昭和32年に『週刊東京』誌に連載された○○の中の女シリーズの中の一作を三年後に中篇化。 本作にも後期金田一ものによく見られる警察捜査小説っぽいテイストがあるので、そのあたりが中篇化に伴って追加されたのだと思う。短篇時から題名は「壺の中の女」なので、メインのサプライズとなる謎については同じだったろう。そちらについての感想は、「睡れる花嫁」とダブるので割愛。 壺の中に人間が隠れるというと、わたしなどは乱歩の中で一番好きなあの作品を思い浮かべてしまうが、本書での使い方はそういうものではなく、肝心の壺中美人は本書の大半を通じて、姿を眩ませている。 壺中美人=楊華嬢に代わって、本書を引っ張るのは別の二人の女。 被害者宅の“ばあや”だった宮武たけと離婚調停中の妻マリ子の二人だが、彼女らが二人ながら信用できない証言者として、なかなか飽きさせない。たけの息子の敬一もしっかり話に絡んでくるし、さすがはストーリーテラーの著者だと思う。 しかしメインサプライズへの疑問はある。 てっきり「睡れる花嫁」の感想に書いたように思っていたが、そちらになかったので、おそらくどこかの繰り返しになるが書いておくと、たとえビジュアル的には何等心配なくても、対面者と会話すれば、声でバレるか少なくともその可能性を念頭に浮かばせるだろうという点である。 仕方がないのでそれはさて置いて、楊華嬢は対面して会話しても美少女として疑われないという以外に、体の柔らかさが際立っているという特性を持っている。『究極超人あ~る』の兵頭信を思い出した。 彼はキングアラジンの真似ができたが、楊華嬢の壺芸だってできたかもしれないw | ||||
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本作は長編「壺中美人」と短編「廃園の鬼」を収めた横溝正史の推理小説。どちらも名探偵・金田一耕助が登場する。 ●壺中美人 表題作の「壺中美人」は、昭和32年9月「週刊東京」に掲載された短篇「壺の中の女」を元に加筆修正した長編作品であり、同様の改稿が行われた「支那扇の女」や「扉の影の女」と似た点を数多く持っている。 昭和29年5月26日未明。東京・成城町をパトロールしていた川崎巡査は不審なレインコートの女を発見するが、逆にその女に刺されてしまう。同じ夜、近くのアトリエで画家・井川謙造が死体となって発見された。等々力警部の要請で現場を訪れた金田一耕助は、二ヶ月ほど前にテレビで見た壺中美人という曲芸に使われていたものと似た壺を見つける。はたして、あの曲芸が現実の事件と関係しているのだろうか……。 作中で使われるアリバイトリックは新鮮味に欠けるもので、もう一つのトリックというかある人物の秘密も読み進めるうちに気づく方が多いだろう。したがってミステリとしては物足りなさを感じさせる内容なのだが、壺の中に入るチャイナドレスを着た女性のイメージが本作を魅力的なものにしている。 また、本作では金田一と等々力警部の親密ぶりが丁寧に描かれている点もファンにとってはたまらないだろう。冒頭では事件があったわけでもないのに金田一の部屋を等々力警部が訪れていたり、一緒に蕎麦屋に入って食事したりと実に仲が良い。 この時期の金田一には孤独の影がつきまとっており、事件を解決し日常に戻ったときほど深刻になるのだが、それを心配する等々力警部の眼差しや心遣いはとても優しいものだ。女性には縁のなかった金田一だが、等々力警部のような相棒を得られたことはある種の救いだったのではないかと感じられた。 <登場人物> 井川謙造 … アトリエで殺された画家。陶器の蒐集家だった。 井川虎之助 … 謙造の実兄。謙造に金の融通を頼んでいた。 井川治子 … 謙造の最初の妻。胸の病気で亡くなる。 井川マリ子 … 謙造の二番目の妻。別居し離婚訴訟中。 秋山美代子 … マリ子のいたキャバレー「赤い鳥」のホステス。 梶原譲次 … 自称マリ子の旦那。元ボクサー。赤い鳥の用心棒。 鈴木隆介 … 北川法律事務所の弁護士。赤い鳥の常連。 宮武たけ … 井川家のばあや。品のいい中年の女性。 宮武敬一 … たけの息子。日本橋の呉服屋「紅屋」の店員。 近藤重吉 … 紅屋の元番頭。宮武敬一と関係ができ左遷。 楊華嬢 … 壺の中に入る曲技を行う。楊祭典が拾った戦災孤児。 楊祭典 … 寄席芸人。親子とは名ばかりで、実は楊華嬢と夫婦。 村上マキ … 楊祭典宅の住み込みのばあや。 青田京子 … 万花堂という切花屋に努めている女性。 山川警部補 … 成城警察署の捜査主任。金田一とは顔なじみ。 志村刑事 … 成城警察署の刑事。金田一とは顔なじみ。 三浦刑事 … 成城警察署の刑事。 柴田刑事 … 成城警察署の刑事。 川崎巡査 … 成城警察署所属。パトロール中、女に刺される。 新井刑事 … 警視庁捜査一課所属の刑事。等々力警部の腹心。 等々力警部 … 警視庁捜査一課所属の警部。金田一耕助の相棒。 金田一耕助 … テレビの寄席中継で壺中美人を見た孤独な探偵。 ●廃園の鬼 「廃園の鬼」は昭和30年6月「オール読物」に掲載された短篇。信州那須市へ静養に来た金田一が、かつて同地で起きた「犬神家の一族」の事件を解決した際に世話になった橘署長と再会し、案内された奇妙な家で殺人事件に遭遇するというもの。 未完成で放置され廃園となった、建築学上のあらゆる法則を無視した不可思議な建物。美しく奔放な女性をめぐる三人の夫たちの確執。金田一の名を騙る怪しい招待状など題材はどれも魅力的だが、犯人隠匿の手段はかなり単純なものであり、殺害動機も明らかにならないためやや消化不良の作品だった。 しかしながら、いつもの等々力警部や磯川警部と違い、橘署長が相棒になっている点は面白かった。切なさの残る終わり方も金田一らしくてよい。 <登場人物> 原信造 … 資産家の息子。精神を患い風変わりな家を建てる。 高柳慎吾 … 元S大学教授。いまは著述に専念している。 高柳加寿子 … 慎吾の妻。元レコード歌手。金田一と面識あり。 伊吹雄三 … 加寿子の最初の夫。映画監督。 都築弘 … 加寿子の二番目の夫。新聞記者で金田一の友人。 佐竹恵子 … 加寿子の友人。 加納史郎 … 少壮学者。高柳慎吾の弟子。 小泉玄蔵 … 元S大学教授。高柳慎吾の友人。 橘署長 … 那須署の署長。犬神家事件で金田一とは旧知の仲。 金田一耕助 … 静養に訪れたT高原で殺人事件を目撃する探偵。 | ||||
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壺中美人はドラマ化していない作品で読む事が出来てとても満足。 | ||||
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長編というよりは中編ではないかと思われるボリュームです。 「金田一耕助の冒険」に収められた…の中の女シリーズの一編、「壺の中の女」を改稿したものです。 こじんまりとしていますが、金田一の都会ものらしい良品に仕上がっています。 エログロ度は他の作品よりも控えめです。 金田一と等々力警部は事件のない時から仲が良いんですねぇ。 本編は原典である「壺の中の女」と合わせて読むと、どこを作り替えたかが実に良く分かります。 「金田一耕助の帰還」に収録されていますので、探し求めてみるとよいでしょう。 | ||||
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