金色の魔術師
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点0.00pt |
金色の魔術師の総合評価:
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
現在レビューがありません
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「金色の魔術師」は名探偵・金田一耕助が活躍する横溝正史の長編ジュブナイル。「大迷宮」のあとに書かれた作品で、雑誌「少年クラブ」に昭和27年1月から1年間にわたり連載された。金色の魔術師がなぜ少年少女を誘拐して不思議な事件を次々と起こすのか、子供向けの作品だからといって適当に誤魔化さず、きちんとした動機やトリックが設定されている点が素晴らしい。 悪魔を崇拝する博士が住んでいた幽霊屋敷、赤い星にナンバーのついたカード、秘密の落とし戸、宙に浮いた黒人の首、えたいの知れぬ液体で溶かされた少年、七つある悪魔の礼拝堂、からくり大時計、空気のように消えた少女、言葉を話す黒猫など、今回もサービス満点で楽しませてくれる。 金田一は健康をそこねて遠く関西の海べで静養中だったが、滋たちが手紙を送って相談すると、興味をもって今後も報告するよう指示する。このことを喜び、たびたび手紙を書いて金田一に相談する少年探偵団がじつに微笑ましい。 東京へ帰れない金田一が、滋たちの相談相手として推薦した黒猫先生もかなり風変わりだ。表向きは新宿の裏通りに店を出して人相や手相を見る大道易者だが、「黒ねこ千びき白ねこ百ぴき」という合言葉を知らないと会えない謎の人物。金田一のことを弟子と呼び、金色の魔術師の秘密を鮮やかに解明する。正体は簡単に想像できてしまうわけだが、なかなか心憎い演出で楽しめた。 <登場人物> 立花滋 … 「大迷宮」事件で活躍し一躍有名になった少年。 立花謙三 … 滋のいとこ。大学生。 村上達哉 … 滋の親友で少年探偵団の一員。あだ名はターザン。 小杉公平 … 滋の親友で少年探偵団の一員。あだ名はキンピラ。 山本史郎 … 滋に相談を持ちかけた少年。幽霊屋敷に忍び込む。 赤星博士 … 幽霊屋敷の元の持ち主。悪魔を崇拝する宝石狂。 一柳先生 … 滋たちの担任。山本史郎が行方不明だと告げる。 杉浦画伯 … 画家。東都劇場でやっている児童劇の美術担当。 雪子 … オリオン三姉妹の長女。孤児の三人は光風荘で暮らす。 月江 … オリオン三姉妹の次女。 花代 … オリオン三姉妹の三女。 椿三郎 … 金色の魔術師を演じる役者。住所は芝白金台町。 古川 … 東都劇場の係員。片足が悪く、片目もつぶれている。 金色の魔術師 … 七人の少年少女を生贄にすると警告した老人。 等々力警部 … 警視庁捜査一課所属の警部。金田一耕助の相棒。 金田一耕助 … ご存知名探偵。健康を害し関西の海べで静養中。 黒猫先生 … 金田一が滋たちの相談相手として推薦した老人。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
なし | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
薄くヤケはありますが綺麗です。何よりもシミ、破れ、折れあともまったくありません。良品とありましたがその通りでした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
少年向けの探偵冒険小説である。 昭和27年に『少年クラブ』に連載されたもの。『大迷宮』に続く作品で、同じく立花滋少年が活躍する。金田一耕助や等々力警部も登場。 ストーリーは他愛もないが、横溝作品らしく、きちんとつくってあるので好感が持てる。最初から犯人がバレバレというのではない。 黒猫博士という謎の人物が出てきたり、猫がしゃべったりするのもおもしろい。 まあ、横溝ファンなら読んでも損はないかなという一冊。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
江戸川乱歩著「宇宙怪人」のレビューにも記したが、昭和20年代中葉は「少年クラブ」や「少年」といった少年向雑誌が全盛であり、そこを舞台に江戸川乱歩と横溝正史の両作家が少年向推理小説の腕を競っていた。「金色の魔術師」は昭和27年に「少年クラブ」に連載された小説で、毎月の発売日を楽しみにしていたものだ。 児童向文庫本となった本書を半世紀ぶりに読み直してみると、少年の日の記憶がまざまざと蘇ってくる。内容については推理小説であり、初めての読者のために読んでのお楽しみ。 この小説の時代は、まだ戦争の傷跡が色濃く残っていて、空襲を受けた建物や土地が主な舞台になっている。また東京郊外の開発はまだ進んでいない。当時の時代背景が今読むと懐かしく興味深い。 本文庫は、発行に当たって現在からみて、いわゆる「不適切な表現」を省いたり、変更したとのことである。また、挿絵にはD.K氏の現代的な漫画風のものとなっている。現在の児童読者のためには、止むを得ないのかも知れないが、原作のもつ「おどろおどろしさ」が消えて少々残念である。 また、本小説の前年の「少年クラブ」に連載されて、同じ文庫に収録された「大迷宮」も面白い。これもお薦めする。 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 6件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|