悪魔の百唇譜
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点5.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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マイナーながら単独で一冊になっている長編では金田一耕助シリーズの中では最短作品ということで、割りと早い段階で読んでいた話ですが、はっきり言って駄作です。 | ||||
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角川文庫の横溝長編の中では最も短い作品。ギリギリまで犯人が分からない構成で、中盤は退屈に感じましたが、クライマックスは良かったです。余談ですが、序盤の等々力警部が金田一をほぼ強引に捜査に協力させるシーンと、彼の朝食シーンはちょっと笑えました。 | ||||
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角川文庫で一番短い長編。最初に読もうとしたんですが、最初に読まなくて良かったです。ある程度、横溝中毒にかかったら読みましょう! | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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<少しだけネタバレ注意> 後期の定番になってきた「警察もの」の一冊。 東京を舞台にした事件では、捜査を指揮する等々力警部が耕助を引っ張り込む展開がままある。それだけ聞くと、映画やドラマで描かれる等々力(若しくは彼に類する日和警部)のイメージから、さぞ傲慢でがさつなのだろうと想像しがちだが、原作シリーズを読んでいくと、そういったイメージとは随分違うことに気がつく。 休みを合わせて海水浴場で待ち合せたり(しかも何度もw)、緑ヶ丘荘の耕助のフラットで一緒に風呂に入ったりと、現代の間抜けなご時世ではあらぬ妄想を喚起することも可能だがw、時に耕助の懐具合にまで気を回して幾許かを融通したり、かなり仲の良い友人――というか、面倒見の良い兄のような雰囲気である。 金田一耕助は、捜査も終盤になって犯人の目途がついてくると、メランコリックになって時に自己嫌悪まで抱えるようになるという設定は、映画やドラマでは(わたしの知る限りでは)ついぞ描かれない点で、一方原作小説では何度も言及されてきたが、本書ではその耕助の癖を慮って、そういう孤独感を追い払って彼を活き活きさせるために、半ば無理やりにでも事件に巻き込むのだとまで描写されている。兄心であるw ついでながら、服装以外はむしろ西洋化されている耕助の朝食はこれまでも何度か描写されていたが、本書ではなぜか箇条書きで強調されている。曰く、 ・真っ黒焦げのトースト二枚。 ・みごとに煮えかたまった卵二個。 ・アスパラガスのかんづめ半分。 ・牛乳一本。 『獄門島』や『犬神家の一族』とはジャンルが違うということだけは銘記しておかねばならないが、かなり複雑な構造の事件を少しずつ解明してゆく秀逸な展開が楽しめる。 ただし金田一耕助ものの代表作のひとつに選ぶかと云われればまた別の話。 事件がほぼ解明された時点で、彼は結局メランコリックに襲われて逸早く退場wし、犯人確保には立ち会わなかったというのもあるが、徐々に追い詰められていく犯人側の焦燥がまるで描かれないことや、このなかなかのパワーワードだった「百唇譜」が、結局は強請りのネタに過ぎず、しかもそれとセットとは言え、強請りネタ本体は恥ずかしい写真なのだから、強いて言えば「百唇譜」がなくても話は成立してしまう。 このあたりは、そのパワーワードを作った変質者が、本作の開始時点ですでに故人というのもあるだろうが、個人的にはマイナスポイントだった。 | ||||
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「悪魔の百唇譜」は横溝正史の長編推理小説。昭和37年1月「推理ストーリー」誌で発表された「百唇譜」という短篇を、改稿・改題し長編化した作品で、名探偵・金田一耕助が登場する。 東京都世田谷成城町で、放置された2台の車のトランクから相次いで男女の刺殺体が発見された。女の方は中国人貿易商・李泰順の内妻である本郷朱美。男の方は園部隆治という高校生である。両者の死体には同じトランプの「ハートのクイーン」と「ハートのジャック」が置かれていたことから、2つの事件は同一犯による連続殺人の可能性が高いと考えられた。 やがて捜査が進むにつれ、この事件の裏には都築克彦という男の死が関係していることが明らかになっていく。都築は昨年何者かによって殺されており、その死体の第一発見者が内弟子の園部であった。また、卑劣な強請り屋でもあった都築は関係を持った多くの女性の唇紋を集め、「百唇譜」と命名したノートに記録していたという。 かつて都築は朱美を強請っていたことも分かり、園部が「百唇譜」を持ち去り二代目の脅迫者となった可能性も出てきたが、だとするとなぜ二人が同時に殺されなければならなかったのだろうか……。 この時期の作品は社会派ミステリを意識してか、都会を舞台とした地味な物語が多い。本書もご多分に漏れず外連味に欠けるきらいがあるが、プロットはよく練られており、犯行の動機やアリバイの検証など正統派の謎解きを楽しむことができた。 ただ、警察関係者だけでも登場人物はかなり多く、人間関係も複雑なため、全体を把握するのに少々骨が折れるのは難点か。全編にわたって登場するわりに金田一の推理にキレがないのも残念だった。容疑者宅のお手伝いさんの方がよほど有能に見えるほどで、知り合いの中国人に秘密の隠し場所を教えてもらうなど、たびたび幸運に助けられている。 しかしながら、金田一の日常についての描写が多い点は好ましく感じた。まず、物語の冒頭からして、事件を解決した結果ひどいメランコリーにとりつかれた金田一を励まそうと、等々力警部が新たな事件を紹介するところから始まるのだが、旅行に出ようとする金田一を強引に引き止めるくだりが実に微笑ましい。金田一の美味しくなさそうな朝食風景が描かれている点もめずらしく、これだけでもファンにとっては貴重な作品といえるだろう。 <登場人物> 本郷朱美 … 車のトランクから死体で見つかる。李泰順の内妻。 李泰順 … 中国人貿易商。江南産業を経営。 古川ナツ子 … 李家の女中。探偵小説のファン。 坂巻啓蔵 … 江南産業の営業部長。 渡部貞雄 … 江南産業の外交員。 水原ユカリ … 東京キネマで売り出し中の純情派スター。 都築克彦 … 白金会館で刺殺された流行歌手。百唇譜の収集家。 園部隆治 … 車のトランクから死体で見つかる。都築の弟子。 藤野磯吉 … 白金会館の掃除夫。昔、満州で特務機関にいた。 王文詳 … 金田一が助けた中国人実業家。李泰順とも親しい。 有吉医師 … 成城町にあるM病院のベテラン医師。 青木医師 … 世田谷病院の医師。 山川警部補 … 成城署の捜査主任。金田一とは顔見知り。 志村刑事 … 成城署の老練な刑事。金田一とは顔見知り。 三浦刑事 … 成城署の刑事。金田一とは顔見知り。 江馬刑事 … 成城署の刑事。金田一とは顔見知り。 田村巡査 … 成城署の巡査。車のトランクから死体を発見。 宮崎警部補 … 世田谷署の捜査主任。 須藤刑事 … 世田谷署の老練な刑事。 松宮刑事 … 世田谷署の刑事。 佐川巡査 … 世田谷署の巡査。盗難車を発見。 加納警部補 … 高輪署の捜査主任。病院坂で金田一と旧知の仲。 辰野刑事 … 高輪署の刑事。 田所刑事 … 高輪署の刑事。 新井刑事 … 警視庁捜査一課所属の刑事。等々力警部の腹心。 等々力警部 … 警視庁捜査一課所属の警部。金田一耕助の相棒。 金田一耕助 … 雀の巣の頭にくたびれた着物袴。ご存知名探偵。 | ||||
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角川文庫の金田一耕助シリーズ第16弾。シリーズ1冊目から何年もかけてゆっくりと読んできた本シリーズも、いよいよ終盤に差し掛かってきた。何年も経つが、読み始めは毎回楽しい。 本作品で犯人がとった犯罪の技巧は複雑である。一方で犯人像はあまり意外性もなく、ここまで技巧を凝らす必要はあったのだろうか、と思ってしまう。個人的には、本作品は金田一耕助シリーズの中では凡作にあたると思う。本シリーズを読み進めてきた中には、本作品と同じく、技巧に凝りすぎてしまったのではないかと思わせる作品もあった。如何に横溝正史先生と雖も、毎回毎回秀作を生み出すのは難しいということであろう。 シリーズ第17弾を楽しみに、本書を閉じた。 | ||||
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東京の離れた二地点で見つかった自動車のトランク内の死体。女の死体の方には、ハートのクイーンのカード、男の死体の方にはハートのジャックのカードが残されていた。被害者の男の方の身許から、「悪魔の百唇譜」事件で殺された男との関連が明らかとなる。「百唇譜」とは、女性の陰部の形を写しとったもので、それをネタにしてゆすりを働いていた男が殺されたというもの。 いかにも、横溝正史らしいテイストの通俗作品だが、地点・時刻・登場人物が複雑に絡みあっており、わかりにくく、ややこしい話だ。 容疑者のアリバイ、容疑者の事件当夜の行動の謎、巡査が目撃した男の謎、車内に残されていた鍵の謎、車の目撃情報の謎、男性被害者と女性被害者とのつながり、「悪魔の百唇譜」事件との関連性、2つの事件の時間的つながりなど、様々な謎が盛り込まれているが、真相説明が雑に感じる。 最後にあっさりとした真相説明があるのだが、これを読んで事件の全体像がすぐに理解できる人がどれだけいるのだろうか。 | ||||
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説明に[暗闇の中の猫]を収録とあったので購入したのに、入ってません。 表題の悪魔の百唇譜のみでした。 好きな話ではありますけど、説明に不備ありということで評価は☆1つです。 これなら持ってたのに… | ||||
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