(短編集)

華やかな野獣



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初公開日(参考)1962年01月
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華やかな野獣 (角川文庫)

2022年03月23日 華やかな野獣 (角川文庫)

横溝正史生誕120年記念復刊! 横溝正史の異色傑作! 臨海荘の大ホールでは、大勢の男女が集うパーティが催されていた。 一夜限りの相手を物色する享楽的な宴が終わろうとした矢先、ベッドルームで死体が発見! 被害者は美しい女主人で、左の乳房をえぐられていた。ボーイに変装し潜入していた金田一耕助は駆けつけた警官たちと取り調べを開始する。 だが、事件の裏には大規模な麻薬密売が複雑にからんでいて……。 表題作に「暗闇の中の猫」「睡れる花嫁」を加えた傑作本格推理。(「BOOK」データベースより)




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華やかな野獣の総合評価:7.92/10点レビュー 12件。Dランク


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(5pt)

華やかな野獣の感想

「華やかな野獣」・「暗闇の中の猫」「睡れる花嫁」の全3編。「女傑」をコンセプトにした話で統一されている。等々力警部初対面の事件が描かれた話もある。

水生
89I2I7TQ
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.11:
(3pt)

中堅どころの三佳作といったところか

「睡れる花嫁」の感想のみ。
 若干のネタバレあり。

 「暗闇の中の猫」の「東銀座のキャバレー・ランターン」が、「銀座のキャバレー・ランタン」として再登場w 微妙に違うが、同一の店と考えていいだろう。
 となれば、(一応)数年前に金田一耕助と等々力警部が初めて会った店なのだから、その点に触れてもよいようなものだが、さにあらず。
 本作の時点では、等々力警部の頭に浮かぶのは双子のタップダンサーのほうで、金田一耕助との出会いを思い出せる筈もなかったw

 連続して金田一耕助ものを読んでいると、他作品との似たシチュエーションについ気づいてしまうが、本作の導入は一年前の「生ける死仮面」とそっくりである。
 ただ探偵小説としての出来は、本作の方が上だと思う。
 全体としての構成もそうだし、尾行していた人物がポストに投函したものを確認する金田一耕助の手腕は、行動としての彼の明敏さが描写された意外と珍しい例だと思う。

 支那服というのは、今ではチャイナ・ドレスだろうが、いずれにしても元は満洲族からの文化盗用なので、個人的にはあまり使いたくない名称である。しかし本来の乗馬時の便としてのスリットを女性のセクシーさの強調する用途にしたのは、チャイナ人の功績かもしれないw
 いずれにせよ、この服装を耳にすれば大抵の人はその長いスリットとチラ見えする脚の曲線をイメージすると思うのだが、女性を強調させながら喉元を隠せるうまいレッドヘリングになっているというのが見事な着眼である。そして、『壺中の女』(おそらく元の「壺の中の女」にも)にも転用されていった。

 揶揄する気はなくて、ひとりの頭の中から次々生み出さなければならないのは、本当に大変な作業だと思う……。
華やかな野獣 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:華やかな野獣 (角川文庫)より
4041123569
No.10:
(5pt)

変装して事件を解決するなど、金田一耕助が華々しく活躍

本書は表題作「華やかな野獣」ほか、「暗闇の中の猫」「睡れる花嫁」の2篇を収めた横溝正史の中短篇集。テーマは女傑。3作品いずれも悪趣味なところはあるものの、本格推理小説の要件はきちんと満たしており、意外な展開や謎解きを楽しめるようになっている。また、変装して現場に潜入し事件を解決するなど、金田一耕助が華々しく活躍する姿を見ることができる点もファンとしては嬉しい。

●華やかな野獣

「華やかな野獣」は昭和31年12月「面白倶楽部」に掲載された作品。父から莫大な遺産を受け継いた高杉奈々子は、進歩的で奔放な女性。彼女が所有する豪奢な洋館「臨海荘」では、毎月財界の名士や有閑マダムを集め、マスクを付けて相手を物色する秘密のパーティーが開かれていた。

意気投合したカップルが次々と消えるなか、菜々子も気に入った男と寝室へ。翌日、彼女はベッドで左の乳房をえぐられ、上半身裸の無残な死体で発見される。調査のためボーイに変装して潜り込んでいた金田一はこの事件に巻き込まれるが、あざやかな推理で真実を暴き出す。金田一のだらしないボーイ姿が丁寧に描かれていて楽しかった。

<登場人物>
高杉奈々子 … 吉田御殿こと臨海荘の女主。千姫と呼ばれる。
高杉啓策 … 奈々子の父。高杉商会を創立した資産家。故人。
高杉勝子 … 啓策の二番目の妻。奈々子の母。子宮ガンで死亡。
高杉啓一 … 奈々子の異母兄。
葛城京子 … 勝子の在世中から啓策が二号にしていた若い女。
楠はま子 … 啓策の生前から使えていた女中頭。
太田寅蔵 … 高杉商会の専務。啓策の仲間。もと水先案内人。
越智悦郎 … 横浜の貿易商、越智商会の主人。
吉岡医師 … 所轄の警察医。
神尾警部補 … 所轄の捜査主任。金田一のことは知っていた。
木村刑事 … 所轄の刑事。
坂口刑事 … 所轄の刑事。
青木刑事 … 所轄の刑事。
宮田刑事 … 所轄の刑事。
鷲尾刑事 … 所轄の麻薬取締係。
金田一耕助 … ボーイに変装して潜り込み調査をしていた探偵。

●暗闇の中の猫

「暗闇の中の猫」は昭和22年に発表された短篇「双生児は踊る」がベースになっており、探偵役を双子のタップダンサー星野夏彦・冬彦から金田一耕助に改稿した作品。昭和31年「オール小説」に掲載された時は「暗闇の中にひそむ猫」という題名だった。

勤務先だった銀行から大金を盗み出した高柳信吉と佐伯誠也。キャバレーに逃げ込むも何者かに撃たれ、高柳は即死、佐伯は一命を取り留めたものの記憶を失う。その後キャバレーは大金が隠されているという評判がたち繁盛していたが、佐伯が店を訪れたところ、突然照明が消え何者かに撃ち殺されてしまった。佐伯が残した謎の言葉「暗闇に猫がいる」とはどんな意味なのか。現場で等々力警部が出会ったのは、大道易者の天運堂に化けていた私立探偵・金田一耕助。これが運命の出会いであった。

<登場人物>
寺田甚蔵 … 東銀座にあるキャバレー「ランターン」の経営者。
伊藤雪枝 … 「ランターン」のマダム。寺田甚蔵の愛人。
鎌田梧郎 … 「ランターン」の用心棒。
江口緋紗子 … 「ランターン」のジャズシンガー。
日置重介 … 銀行の支店長。紙幣の番号をひえかていた。
高柳信吉 … 元行員の銀行強盗。キャバレーで撃たれ死亡。
佐伯誠也 … 元行員の銀行強盗。キャバレーで撃たれ記憶喪失。
木下刑事 … 警視庁捜査一課の刑事。
新井刑事 … 警視庁捜査一課の刑事。等々力警部の腹心。
等々力警部 … 警視庁捜査一課所属の警部。金田一とは初対面。
金田一耕助 … 大道易者の天運堂に化けていた私立探偵。

●睡れる花嫁

「睡れる花嫁」は昭和29年11月「読切小説集」に「妖獣」という題名で掲載された作品。かつて病死した妻の腐乱死体を弄んでいた画家のアトリエで、パトロール中の山内巡査が樋口邦彦を名乗る不審人物に刺される事件が起きた。駆けつけた警察が空き家となっているアトリエを捜索したところ、花嫁姿にさせられた若い女の死体を発見する。

花嫁衣裳を着た死体は渋谷にあるバー「ブルー・テープ」のホステスで、三日前に結核で亡くなった河野朝子だった。天涯孤独だった彼女の遺体は、バーのマダム水木加奈子が引き取ることになっていたが、何者かによって天命堂病院から盗み出されていたのである。犯人は一ヶ月前に刑務所から出所した樋口かと思われたが、その行方は杳として知れない。金田一や等々力警部が捜査に奔走するなか、第二、第三の事件が起きてしまう……。

最後に判明する事件の真相と意外な犯人には本当に驚かされた。死体愛好(ネクロフィリア)を題材にした陰惨かつ背徳感に満ちた短編であり、収録作の中でもっとも強く印象に残った作品である。

<登場人物>
樋口邦彦 … 妻の死体を放置した罪に問われ投獄された画家。
樋口瞳 … 邦彦の妻。元キャバレーのダンサー。肺病で死亡。
水木加奈子 … 渋谷にあるバー「ブルー・テープ」のマダム。
水木しげる … 「ブルー・テープ」の女給。水木加奈子の養女。
原田由美子 … 「ブルー・テープ」の女給。
河野朝子 … 「ブルー・テープ」の女給。結核で死亡した。
川口定吉 … 川口土建の親方。水木加奈子のパトロン。
清水浩吉 … 酒屋のいらずら小僧。アトリエに侵入する。
山内巡査 … T派出所づめの巡査。パトロール中に刺殺される。
井川警部補 … S署の捜査主任。
等々力警部 … 警視庁捜査一課所属の警部。金田一耕助の相棒。
金田一耕助 … 雀の巣の頭にくたびれた着物袴。ご存知名探偵。
華やかな野獣 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:華やかな野獣 (角川文庫)より
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No.9:
(3pt)

1950年代の日本の世情がよく分かる作品です。まさに肉食の時代!

まさに肉食の時代!
華やかな野獣 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:華やかな野獣 (角川文庫)より
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No.8:
(4pt)

金田一と等々力警部の出会いなど

『華やかな野獣』は、一夜の性愛のパートナーを求めて、複数の男女が集う乱交パーティーでの二重殺人。矛盾や不合理を呈して散乱しているようにみえる、傷痕、足跡、施錠、血文字、着衣といった様々な手がかりが、金田一耕助の推理によって、合理的な関連性をもって明快に解決されていく、しっかりとした本格推理に仕上がっている。
『暗闇の中の猫』は、銀行強盗によって奪われた大金が隠されているのではないかと疑われるキャバレーでの殺人事件。照明の光が落とされた真っ暗闇の店内で、犯人はどうやって正確に被害者を射殺したかという謎を中心にしたトリッキーな作品。金田一耕助と等々力警部が初めて顔を合わせる出会いの事件であることから、ファンには見逃せない作品かも知れない。
『眠れる花嫁』は、屍姦という異常な性癖に取り憑かれた男にまつわる連続殺人が、エキセントリックな雰囲気たっぷりに描かれる。常識的な理性や知性をなくしたサイコパスによる無軌道な犯行にみえながら、金田一耕助による推理のメスが入ると、そこから冷徹・巧妙に計算された犯罪計画が浮かびあがり、事件の様相が一変する反転劇が見事である。
三作とも、本格ミステリとして充分に楽しめる完成度をもつ、水準作に仕上がっている。
華やかな野獣 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:華やかな野獣 (角川文庫)より
4041123569
No.7:
(5pt)

短編好き

今の処有名どころをあえて避け、横溝作品(多様なパターンあり奥深い)なら‹‹貸しボート13号,蝶々殺人事件,仮面劇場,殺人鬼,首,不死蝶»いずれ私のpaid◎ あとはunlimited そしてこの華やかな野獣は、CDではアルバム捨て曲なしといいますが、3短編捨て読みなしっていったところですかね。※金田一耕介 ※等々力警部 タブーキーワード かたわ びっこ やたらでてくる乱歩も正史にもあてはまるキーワード *外套 *鳥打帽師 *ストリニキーネ *ロイド眼鏡 *欺瞞など…他 女給(ホステス) 時代背景で昔キャバレーのマダム → 現在では、クラブやスナックのママ 金田一耕介は、流石プロの探偵らしく変装したり煙に巻かれてる振りをし密偵力や詰め時の行動力で、切り札を最後ぎりぎりまで放って、*仮説の真相を語る(真犯人の狙うというよりいったいどういったけいいで殺意の真犯人の目的や真理の真相を1か10まで調べたか)…。や警察への気配りや人望もあり、何故か人徳が高いんだろうか、今回も上流階級の大金持ちにあまり嫌われません。乱歩の明智も、髪の毛モジャモジャで、頭むしかく癖は、本来同じなのになー。喋り方は、この三短編の小説も偶然にも、金田一耕介が古谷一行調ですね。※私の日本語が少々おかしいかもしれませんが申し訳ない部分はすいません
華やかな野獣 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:華やかな野獣 (角川文庫)より
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