悪魔の寵児
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悪魔の寵児の総合評価:
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全2件 1~2 1/1ページ
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この作品は結構好きです。特にトリックにあれを使うとは!と、驚かされました。 | ||||
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エログロ表現のみを追及した作品。 | ||||
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横溝作品の中では少々異色であると思える長編。その理由は言うならば江戸川乱歩臭に溢れていることだ。乱歩の『パノラマ島綺譚』や「陰獣」をはじめとした一連の「猟奇もの」を意識したような描写と行為に溢れているのである。たとえば死体を「その中」に塗り込めるのは乱歩作品のお家芸であるように思う。それゆえにひと味違った淫靡さがつきまとう作品となっているため、いわゆる推理小説としては魅力に乏しいかもしれない。金田一耕助もそれほど右往左往するわけでもなく、だからと言って断固たる行動に移るわけでもなく、存在感がなぜか希薄である。 | ||||
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著者には「悪魔の〇〇」が四作あるが、本作はその三番目の作品。 連載は『面白倶楽部』。ということは残念ながら『幽霊男』系の通俗作品ということである。連載の前半は『宝石』に連載中だった『悪魔の手毬唄』と重なっている。 おもしろいことに、月ごとの〆切は『宝石』のほうが早かったが、本作の方が先に仕上がっていたという。当時『宝石』の編集者だった本書の解説子(大坪直行)の証言では、著者は「いや、あの作品(本作)はそう考えなくても書けるんだよ」(P.372)と語ったらしい。 大坪直行は解説を書くにあたり本書を再読して気づいたとして、谷崎潤一郎などを援用しながら大いにフォローアップに努めているが、通俗臭の強い本作が(そうでない『悪魔の手毬唄』に較べて)職人的にささっと書き飛ばしやすかったというのも一面の真実。片や「転」から「結」に向かう時期で本書は「起承」の時期だから、一概に語るのは公平ではないとは言え、通俗作品としての開き直りが、執筆速度の速さの主要因だったのは間違いない。それに比例して、当時本書が酷評されたことは当然の流れだろう。 解説の同じ頁に、「横溝正史もこれらの評に大変悩み激しい自己嫌悪をかんじていたようである」ともあったが、同時期に著者は、両長篇だけでなく、いくつかの短篇までこなしていた。 状況はどうあれ、作家としては、多作によって質が下がれば自己嫌悪するのはわかるが、多作ゆえに質が低下するのは当然のことである。むしろきっちり『悪魔の手毬唄』を峻別管理していたのだから、逆に誇ってもよいのではないだろうか。 というわけで、個人的には解説を読んで大いに得心したのだが、本作単体についての感想は書きにくいw 何人もの愛人を抱えたパトロンとして"風間"と聞けば、同好の士ならば多くが、アレっ金田一のパトロンの?って考えると思う。そして、いやいや欣吾じゃなかったよなと思い直すだろう。 後に金田一耕助が登場するにあたって、ともに戦後のし上がった同姓人物故に知遇のあった風間俊六から紹介され云々という説明描写はあったが、後に俊六が顔を出すでもなく、本当にそこだけ……。 それで矛盾が生じることもないが、同姓云々はまるで不要の雑音でしかなかった。 このあたりも、思いついた側から吟味もせずに書き綴っていった臭いがするw 通俗作品――というかエンタメには目を惹くキャッチコピーが必要だが、本書の凶悪犯人に対して与えられた名前は<雨男>。 「びしょびしょと降り続く長雨」の季節に暗躍する犯人が、レインコートで身を包んで出没を繰り返すところからつけられた名前だが、考えてみればこの物語は終始びしょびしょ雨が降っているので、捜査側の刑事や金田一だって時にレインコートを着用している。いまひとつ犯人のキャラとして目立つ特徴とも言えない。 とは言え、題名に採用された"悪魔の寵児"ってのはいまふたつピンとこないw むしろ望月種子とゴリラのような黒亀の醜悪コンビの方が目立っていた。乱歩の怪作『恐怖王』を思い出したよ。 本書ではやたらと肉欲や性癖の乱れに関する描写が目立った。 本来質の高低とは別のベクトルだが、酷評にはそれらの要因も大きかったと思う。 そんな描写にしたって、編集サイドの要求に応えた著者のサービスの故なのだろう……が、まぁ著者が自己嫌悪したくなるのも解るw | ||||
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「悪魔の寵児」は昭和33年7月から1年間「面白倶楽部」に連載された横溝正史の長編推理小説。名探偵・金田一耕助シリーズの1つであり、名作の誉れ高い「悪魔の手毬唄」と同時期に連載された作品だが、内容や評価は大きく異なる。田舎を舞台にした陰惨ではあるがどこか美しさも感じる金田一ものとは対極の、えげつないほどの猟奇性を誇る都会派ミステリである。 昭和33年、西銀座にある高級酒場「カステロ」に三人の女が集まっていた。一人は「カステロ」のマダム城妙子。あとの二人は池袋で洋裁店「からたち」を営む宮武益枝と、渋谷で美容院「ブーケ・ダムール」を経営する保坂君代。彼女たちはみな戦後の新興実業家・風間欣吾の愛人であり、全員黒枠で囲った謎の挨拶状を受け取っていた。そこには風間欣吾の正妻・美樹子と無名の画家である石川宏の情死を思わせる文章が書かれていたのである。 愛人たちから二人が心中していると報せを受けた風間欣吾は、わずかに息のある石川宏を妹の早苗に託し、スキャンダルを恐れて妻の亡骸を引き取ったが、その遺体は屋敷から忽然と消えてしまった。そこで風間欣吾は、現場に居合わせた新聞記者の水上三太とすぐには表沙汰にしない協定を結びつつ、同姓の風間俊六が紹介してくれた金田一耕助にこの不思議な事件の真相究明を依頼する。 失踪した美樹子は、風間欣吾が書生をしていた五藤伯爵家のひとり娘だった。彼女はかつて有島忠弘と結婚していたのだが、戦後はおさだまりの斜陽族となり、食べるものにも困っていた。そこへ既に巨富をつんでいた風間欣吾が手を差し伸べた結果、忠弘は金に目が眩み、邸宅のみならず妻も売り渡したのである。これは当時かなりのスキャンダルとして騒がれた。 生活無能者だった有島忠弘は大金をすぐ使い果たし、現在の妻であるミュージカル女王の湯浅朱美に頼る生活をしていたが、彼女もまた風間欣吾の隠れた愛人であった。また、望月種子も別れた夫・風間欣吾に対して深い憎悪を抱いており、彼女が経営する蝋人形館には彼を模した人形がいくつも転がっていた。 不穏な状況のなか、ブーケ・ダムール美容院の丸の内進出記念パーティーが催されるが、とうとう悪魔の寵児は熱狂的な女狩りの幕を切って落とす。招待客がつめかけている眼前で大きな木箱から姿を現したのは、風間欣吾になぞらえた生き人形と抱き合う保坂君代の全裸死体だった……。 殺害した男女を対にして生々しい情交を演出する点、特に瓶に栓をする死体描写など、むごたらしい描写が印象深い本作だが、多くの読者に衝撃を与えたのはあまりにも意外な犯人ではないだろうか。真相を知ったあとに読み返してみると腑に落ちるところも多く、よく練られたプロットだと感心させられる。 本作には金田一の相棒・等々力警部も登場するが、二人とも精彩を欠いており、正体不明の「雨男」にことごとくしてやられるのが歯がゆかった。新聞記者である水上三太の方が、金田一をライバル視し奮闘する姿が好ましく、怪しい蝋人形館に潜入したり、死体を発見したりと活躍しているように感じられたほどだ。 終盤、大怪我を負った金田一の機転により犯人が明らかになるのだが、読者の気持ちが晴れることはない。挨拶状を注文するため「雨男」が本屋に姿を現すオープニングなど、ベショベショと降る陰鬱な雨の描写が心に残る作品だった。 <登場人物> 風間欣吾 … 戦後の新興実業家。性欲旺盛。金田一の依頼人。 風間美樹子 … 五藤伯爵の一人娘。忠弘と離れ風間欣吾と再婚。 城妙子 … 風間の第一愛人。高級酒場カステロのマダム。 保坂君代 … 風間の第二愛人。美容院ブーケ・ダムールを経営。 宮武益枝 … 風間の第三愛人。池袋の洋裁店からたちを経営。 湯浅朱美 … ミュージカルの女王。風間とは隠れた愛人関係。 有島忠弘 … 有島子爵の一人息子。現在は朱美の夫だが別居中。 望月種子 … 風間の元妻。上野で蝋人形館を経営。 黒田亀吉 … 生き人形づくりの名人。今は種子の忠実な伴侶。 及川澄子 … 風間が種子と結婚する以前に付き合っていた女。 石川宏 … 無名な画家。美樹子との偽装心中に巻き込まれる。 石川早苗 … 宏の妹。カステロのホステス。 夏子 … カステロのホステス。 由紀子 … カステロのホステス。 お京 … カステロのホステス。 水上三太 … 東都日報の文化部記者。カステロの常連。 上田敏子 … 保坂君代の弟子。 南貞子 … 保坂君代の伯母。 五島医師 … 警察医。 緒方博士 … 経堂にある緒方病院の院長。 前田博士 … 法医学の権威者。金田一とは熟知の中。 坂崎警部補 … 丸の内署の捜査主任。 橘警部補 … 上野署の捜査主任。 田所警部補 … 赤坂署の捜査主任。 山本刑事……丸の内署の刑事。 中西刑事……上野署の刑事。 上村刑事 … 上野署の老刑事。蝋人形館のことを三太に話す。 西井刑事……警視庁捜査一課所属の刑事。 新井刑事 … 警視庁捜査一課所属の刑事。等々力警部の腹心。 等々力警部 … 警視庁捜査一課所属の警部。金田一耕助の相棒。 金田一耕助 … 雀の巣の頭にくたびれた着物袴。ご存知名探偵。 風間俊六 … 土建業・風間組の親分。金田一の同窓でパトロン。 | ||||
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ストーリーはエログロテイストだけど、犯人のすさまじい動機もあいまって楽しめた。 横溝翁の作風は読みやすくていいね | ||||
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金田一シリーズは、特に面白いです。新装版で文庫を出版してほしいです。 後、テレビシリーズも観たいです。読み進めると時間を忘れて夢中になるのが横溝文学の良いところです。 | ||||
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